2025年7月17日(木曜日)の東京証券市場で注目される可能性のある銘柄をご紹介します。 「バリュー投資の父」として知られるベンジャミン・グレアムは、企業の収益力(PER)と資産価値(PBR)の両面から割安な銘柄を探し出す、シンプルかつ強力な指標**「ミックス係数(PER × PBR)」を提唱しました。一般的に、この係数が22.5以下であれば、その企業は「お買い得」であると判断されます。 本日は、この古典的なバリュー投資の法則に基づき、現在の日本市場で「隠れたお買い得銘柄」の可能性を秘める企業を12社**に絞り、その背景と今後の注目点を詳細に解説いたします。

免責事項: 本情報は、現時点(2025年7月17日 午前5時05分現在)における市場の想定や企業情報に基づいた推奨であり、将来の株価上昇を保証するものではありません。株式投資はリスクを伴い、投資の最終決定はご自身の判断と責任において行ってください。ミックス係数は、あくまでスクリーニングの第一歩です。割安に放置されている銘柄が、長期間評価されないままとなる「バリュートラップ」のリスクもあります。

【1】鉄鋼・非鉄 – 「ミックス係数」の常連、市況回復で再評価 (4選)
景気敏感株として、PER・PBRともに低水準に放置されやすい鉄鋼セクター。市況回復局面では、その収益力と資産価値が見直される可能性があります。
【鉄鋼の巨人、高配当】日本製鉄株式会社 (5401)
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◎ 事業内容: 粗鋼生産量で国内最大手、世界でもトップクラスの鉄鋼メーカー。自動車、建設、エネルギー、船舶など、あらゆる産業に高品質な鉄鋼製品を供給。
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◎「ミックス係数」で見る注目理由: PERは1桁台、PBRは0.6倍前後で推移することが多く、ミックス係数は常にグレアムの基準を大幅に下回る、代表的なバリュー株です。これは、市場が同社の巨大な資産価値と、市況回復時の爆発的な収益力を十分に評価していないことを示唆します。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 旧八幡製鐵と旧富士製鐵の合併から始まり、数々の再編を経て現在の形に。近年は、海外でのM&Aや、電磁鋼板など高付加価値製品へのシフトを加速させています。
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◎ リスク要因: 世界経済の減速による、鉄鋼需要の低下。中国の過剰生産による、鉄鋼市況の悪化。
【鉄鋼大手、財務改善】JFEホールディングス株式会社 (5411)
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◎ 事業内容: 日本製鉄と並ぶ、日本の鉄鋼業界のリーダー。鉄鋼事業を中核に、エンジニアリング、商社機能も持つ。
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◎「ミックス係数」で見る注目理由: PERは1桁、PBRは0.5倍台と、日本製鉄以上に割安な指標が魅力。ミックス係数は極めて低い水準にあります。財務体質の改善も進んでおり、株主還元への意識も高まっています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 日本鋼管(NKK)と川崎製鉄の経営統合により誕生。近年は、高炉の再編など国内の生産体制効率化と、海外での大型M&Aを同時に進めています。
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◎ カタリスト: 自動車生産台数のさらなる回復。大規模なインフラ投資計画の発表。鉄鋼市況の上昇。
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◎ リスク要因: 世界経済の再失速による、鉄鋼需要の減少。原材料価格の再高騰。
【複合経営の鉄鋼メーカー】株式会社神戸製鋼所 (5406)
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事業内容: 鉄鋼、機械、電力などを手掛ける複合企業。
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「ミックス係数」で見る注目理由: 鉄鋼事業に加え、機械事業や電力事業といった多様な収益源を持つことが強み。それでいて、PBRは0.5倍台と極めて割安。各事業の価値を合計すれば、現在の株価を大きく上回る可能性があります。
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カタリスト: 電力事業の収益安定化。水素関連など、GX分野での技術開発の成功。
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リスク要因: 鉄鋼事業の市況変動。過去の品質問題による、ブランドイメージへの影響。
【銅・リサイクルの巨人】三菱マテリアル株式会社 (5711)
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事業内容: 非鉄金属大手。銅、セメント、超硬製品、電子材料などを手掛ける。
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「ミックス係数」で見る注目理由: PBR0.5倍台。銅事業は景気敏感ですが、家電リサイクルなど環境事業の価値が見直されれば、株価水準の是正が期待できます。ミックス係数も低い水準です。
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カタリスト: 銅価格の本格的な上昇トレンドへの転換。リサイクル関連事業の収益性向上。
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リスク要因: 世界経済の減速による非鉄金属市況の悪化。

【2】機械・自動車部品 – 世界で戦う、日本のものづくり (4選)
高い技術力を持ちながらも、景気敏感株として評価が抑えられがちな、割安な製造業の企業群。
【すべり軸受の巨人】大同メタル工業株式会社 (7245)
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◎ 事業内容: 自動車エンジン用などの「すべり軸受」で世界トップクラスのシェア。
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◎「ミックス係数」で見る注目理由: 高い技術力を持ちながら、PBR0.4倍台、PER1桁台という極めて割安な水準にあります。ミックス係数は5前後と、グレアムの基準から見ても突出した「お買い得」候補です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1939年創業。自動車の発展と共に成長。近年は、EV化に対応するため、モーター用軸受の開発や、風力発電など非自動車分野への展開を強化しています。
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◎ リスク要因: 急速な完全EV化の進展による、エンジン部品需要の減少。
【ピストンリングの技術力】株式会社リケン (6462)
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◎ 事業内容: ピストンリングで世界トップクラスのシェア。
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◎「ミックス係数」で見る注目理由: PBR0.4倍台、PER1桁台と、大同メタルと同様にミックス係数が極めて低い銘柄。エンジンに不可欠な部品で高い技術力を持ち、ハイブリッド車や補修部品での安定需要が見込めます。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1927年、理化学研究所の研究成果を事業化するために設立。近年は、EV化に対応するため、モーター部品や電磁波シールド部品など、非エンジン部品の開発を加速させています。
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◎ カタリスト: 自動車アフターマーケットの活況、ハイブリッド車の販売好調。
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◎ リスク要因: 完全EV化の進展。原材料価格の高騰。
【補修部品の独立系】GMB株式会社 (7214)
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事業内容: 自動車用補修部品(駆動・伝達系、エンジン部品など)の独立系メーカー。
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「ミックス係数」で見る注目理由: PBR0.2倍台と極端に割安。世界中に販売網を持つ補修部品事業は安定しており、高い収益利回りが期待できます。
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カタリスト: 新興国での自動車保有台数増加に伴う、補修部品需要の拡大。
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リスク要因: 補修部品市場での、海外メーカーとの価格競争。
【建設機械レンタル大手】株式会社カナモト (9678)
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事業内容: 建設機械レンタル大手。北海道地盤から全国展開。
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「ミックス係数」で見る注目理由: PBR0.6倍台、PER1桁台と、ミックス係数は低い水準。国内のインフラメンテナンスという安定需要に支えられており、堅実なバリュー株として注目されます。
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カタリスト: 大規模な災害からの復旧・復興需要の発生。国土強靭化計画の加速。
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リスク要因: レンタル価格の競争激化。建設業界の人手不足。
【3】金融・商社 – 株主還元と資産価値 (4選)
PBR1倍割れが常態化しているものの、安定した収益力と、株主還元強化への期待が高いセクター。
【国内最大の金融グループ】株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)
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◎ 事業内容: 銀行、信託、証券、カード、リースなど多岐にわたる金融サービスをグローバルに提供する、日本最大の総合金融グループ。
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◎「ミックス係数」で見る注目理由: PER10倍前後、PBR0.8倍前後で、ミックス係数はグレアムの基準内。金利上昇による収益改善期待に加え、大規模な自社株買いなどの株主還元策が、割安な株価の是正を促します。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 三菱銀行、東京銀行、三和銀行、東海銀行といった名門銀行が統合して誕生。近年は、海外事業の拡大と、デジタル・トランスフォーメーションを推進。
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◎ リスク要因: 世界経済の減速による、海外事業での貸倒リスク。大規模なシステム障害。
【高収益メガバンク】株式会社三井住友フィナンシャルグループ (8316)
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事業内容: SMBC(三井住友銀行)を中核とする大手総合金融グループ。
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「ミックス係数」で見る注目理由: メガバンクの中で、高い収益性と資本効率を誇ります。PER10倍前後、PBR0.7倍前後と、ミックス係数は十分に低い水準。積極的な株主還元と、金利上昇による利ざや改善効果への期待から、買い増しの対象となりやすいです。
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カタリスト: 金利上昇。法人向け融資や、M&A関連ビジネスの拡大。
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リスク要因: 金利競争の激化。
【総合商社のトップ】三菱商事株式会社 (8058)
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事業内容: エネルギー、金属、機械、化学品、生活産業など多岐にわたる事業を展開。
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「ミックス係数」で見る注目理由: 著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資で注目を集め、株主還元への意識が飛躍的に向上。PERは1桁、PBRは1倍台前半で、ミックス係数は基準内。安定したキャッシュフローと、資源価格上昇時の爆発力が魅力です。
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カタリスト: 資源価格の上昇。大規模な自社株買いの追加発表。
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リスク要因: 資源価格の急落。地政学リスク。
【鉄鋼専門商社】阪和興業株式会社 (8078)
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事業内容: 鉄鋼専門商社大手。非鉄金属、食品なども扱う。
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「ミックス係数」で見る注目理由: PER1桁台、PBR0.8倍台と典型的なバリュー株。鉄鋼市況の回復局面では、その収益力が再評価されます。高い配当利回りも魅力です。
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カタリスト: 鉄鋼市況の底打ちや、大規模な建設プロジェクトの始動。
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リスク要因: 鉄鋼市況の悪化。
投資判断にあたっての注意点
上記にご紹介した銘柄は、現時点での情報に基づき、「グレアムのミックス係数」の観点から割安と判断される可能性のある企業です。しかし、これらが必ずしも本日ザラ場で上昇したり、将来にわたって高いパフォーマンスを維持することを保証するものではありません。割安な銘柄は、市場から評価されないまま長期間株価が低迷し続ける「バリュートラップ」に陥るリスクもあります。なぜ割安なのか、その理由を理解することが重要です。
市場全体の地合い、ニュースフロー、個別銘柄の需給バランスなど、多くの要因が株価に影響を与えます。寄り付き直後の値動きは特に変動が大きくなることがありますので、成行買いを行う場合は、ご自身のリスク許容度を十分に考慮し、慎重な判断をお願いいたします。
免責事項
本情報は、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資はリスクを伴い、元本割れする可能性もあります。投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。


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