アドバンスクリエイト(8798)の高騰から学ぶ、次なるバリュー株の見つけ方

独立系保険代理店大手のアドバンスクリエイト(8798)が市場の注目を集めています。この高騰の背景には、単なる好業績だけでなく、**「①旧来型産業のDXによる変革力」「②PBR1倍割れという割安感」「③株主還元強化への期待」**という3つの要素が複合的に絡み合っていると考えられます。

つまり、次の上昇銘柄を探す上でのキーワードは、「DXを武器に成長する、割安な株主還元意欲の高い企業」です。

今回は、この連想ゲームに基づき、同様のストーリーで株価の再評価が期待できるバリュー銘柄を、以下の3つのテーマで20銘柄厳選しました。

  1. 【金融・不動産DX】セクターで変革を起こす企業

  2. 【株主還元強化】で見直される割安企業

  3. 【ニッチなBtoB】で稼ぐ隠れた優良企業

目次

【テーマ1】金融・不動産DXで変革を起こすバリュー株

アドバンスクリエイトと同様に、保険、銀行、不動産といった巨大なレガシー産業において、テクノロジーを武器に新たな価値を創造している企業群です。

【地銀DXのトップランナー】株式会社ふくおかフィナンシャルグループ (8354)

事業内容: 福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行などを傘下に持つ、九州最大の金融グループ。

注目理由: アドバンスクリエイトが保険業界のDXなら、同社は銀行業界のDXを牽引。日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」を設立し、BaaS(サービスとしての銀行)事業を展開。従来の地銀の枠を超えたビジネスモデルと、PBR1倍割れの割安感が魅力です。

企業沿革・最近の動向: 早くからデジタル戦略に着手し、「みんなの銀行」は若年層を中心に口座数を伸ばしている。経済産業省の「DX銘柄」にも選定され、非金融分野への展開も加速させています。

リスク要因: 「みんなの銀行」事業の先行投資による負担。日銀の金融政策の変更。地方経済の景気動向。

【家賃債務保証のパイオニア】株式会社Casa (7196)

事業内容: 入居者の家賃支払いを保証する家賃債務保証サービスを主力に、不動産会社向けDX支援なども展開。

注目理由: 不動産賃貸という巨大市場で、保証という金融サービスとDX支援を両輪で展開。安定したストック収入を基盤に、プラットフォーム事業者への変貌を目指しています。株価指標に割安感があり、見直し買いのポテンシャルを秘めます。

企業沿革・最近の動向: 家賃債務保証の独立系大手として成長。近年は、入居者向けアプリや不動産会社向け業務支援システムなど、SaaS型サービスの開発・提供に注力しています。

リスク要因: 景気後退による家賃滞納率の上昇。法規制の変更。同業他社との競争激化。

【中古不動産流通に革命】株式会社GA technologies (3491)

事業内容: AIを活用した不動産テックプラットフォーム「RENOSY」を運営。中古不動産の売買、賃貸、リノベーションまで一気通貫で提供。

注目理由: アドバンスクリエイトが保険の流通を変えたように、同社は透明性の低かった中古不動産市場のDX化を推進。膨大な物件データを活用したビジネスモデルは、業界のゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。

企業沿革・最近の動向: 創業から一貫して不動産テック事業を展開し急成長。近年はM&Aを積極化し、賃貸管理や海外事業へと領域を拡大。金融機関との提携も強化しています。

リスク要因: 不動産市況の変動。金利上昇による住宅ローン需要の減退。M&Aに伴うのれん代のリスク。

【信用リスク保証のニッチトップ】イー・ギャランティ株式会社 (8771)

事業内容: 企業間取引で発生する売掛債権の焦げ付きリスクを保証する、信用リスク保証サービスの専業大手。

注目理由: 金融の中でも「保証」というニッチな分野で圧倒的なシェアを誇ります。膨大な倒産データと審査ノウハウが参入障壁。景気の不透明感が高まる中で、リスクヘッジのニーズは高まる傾向にあります。安定した高収益体質が魅力です。

企業沿革・最近の動向: 伊藤忠商事の金融部門から独立して誕生。一貫して信用リスク保証事業に特化し、高い利益率を維持。近年は中小企業向けや海外取引向け保証を強化。

リスク要因: 想定を超える大口倒産の発生。大手金融機関の参入による競争激化。

【独立系FPのプラットフォーマー】ブロードマインド株式会社 (7343)

事業内容: 特定の金融機関に属さない独立系のファイナンシャルプランナー(FP)が、保険・証券・住宅ローンなどをワンストップで提案するサービスを展開。

注目理由: アドバンスクリエイトがWeb集客に強いのに対し、同社はFPによるコンサルティング営業が強み。個人顧客の金融ニーズの多様化を捉え、総合的なソリューションを提供できる点が評価されています。

企業沿革・最近の動向: FPによる保険代理店として創業。近年は取り扱い金融商品を拡充し、IFA(独立系金融アドバイザー)事業や住宅ローン代理業を強化。法人向けコンサルティングも伸びています。

リスク要因: 金融商品取引法などの法規制の変更。株式市況の変動による証券販売への影響。

【テーマ2】株主還元強化で見直される割安企業

業績は堅調ながらPBR1倍割れなどで放置されてきたものの、増配や自社株買いの強化により、アドバンスクリエイトのように市場の評価が一変する可能性のある企業群です。

【PBR改革の旗手】MS&ADインシュアランスグループホールディングス (8725)

事業内容: 三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保などを傘下に置く損害保険グループ大手。

注目理由: 東証によるPBR改善要請の動きを象徴する銘柄。政策保有株の売却や、大規模な自己株式取得といった株主還元策を積極的に打ち出しており、資本効率の改善期待が高いです。損保業界の構造的な値上げも追い風。

企業沿革・最近の動向: 複数の損保会社が経営統合して誕生。近年、カルテル問題で揺れたものの、ガバナンス改革と収益性改善、株主還元強化を三位一体で進めています。

リスク要因: 大規模な自然災害の発生。資産運用環境の悪化。自動車保険市場の競争。

【累進配当を掲げる都心不動産】ヒューリック株式会社 (3003)

事業内容: 東京23区内の駅近好立地にあるオフィスビルや商業施設への投資・開発に特化。

注目理由: 「減配せず、配当維持もしくは増配のみ」を掲げる累進配当方針が最大の魅力。安定した賃料収入を背景に、10年以上にわたり増配を継続。PBRは1倍を超えていますが、安定性と還元姿勢からバリュー投資家に根強い人気があります。

企業沿革・最近の動向: 旧富士銀行(現みずほ銀行)の不動産管理会社が源流。リーマンショック後に現体制となり、不動産開発事業で急成長。近年は、高齢者施設やデータセンターなど新たなアセットタイプにも進出。

リスク要因: 金利上昇による不動産市況の悪化と、有利子負債の金利負担増。都心オフィス市場の空室率上昇。

【高成長・高還元のパワービルダー】株式会社オープンハウスグループ (3288)

事業内容: 東京23区や主要都市中心部の狭小地を活用した戸建住宅分譲が主力。不動産仲介、マンション開発も手掛ける。

注目理由: 高い成長性を維持しながら、PERは10倍前後と割安な水準。積極的にM&Aを展開し、事業領域を拡大。配当性向33%を目安とする明確な還元方針も魅力で、「成長するバリュー株」の代表格です。

企業沿革・最近の動向: 不動産仲介からスタートし、戸建分譲事業で急成長。近年は、プレサンスコーポレーションの買収でマンション事業を強化したほか、米国での不動産事業も拡大しています。

リスク要因: 金利上昇による住宅需要の減退。建築費の高騰。急成長に伴う人材確保やガバナンス体制の課題。

【製造業派遣の雄】UTグループ株式会社 (2146)

事業内容: 半導体や自動車、電子部品メーカーなど、製造業の製造工程に特化した人材派遣・業務請負の最大手。

注目理由: 日本の製造業を支える「無期雇用派遣」という独自のビジネスモデルが強み。国内の工場新設ラッシュや人手不足を背景に需要は旺盛。継続的な増配と自己株式取得で株主還元にも積極的でありながら、株価指標には割安感があります。

企業沿革・最近の動向: 製造業向け派遣で成長し、リーマンショックを乗り越え業界トップに。近年は、半導体関連やエンジニア領域を強化。キャリア支援制度を充実させ、定着率向上にも注力。

リスク要因: 景気後退による製造業の生産調整。派遣法などの法規制の変更。

【商社No.1の株主還元】伊藤忠商事株式会社 (8001)

事業内容: 非資源分野に強みを持つ大手総合商社。繊維、食料、住生活、情報・金融など多角的に事業を展開。

注目理由: ウォーレン・バフェット氏が投資したことで注目された商社セクターの代表格。累進配当を基本方針とし、高水準の自己株式取得を継続するなど、株主還元への意識が極めて高いです。PBRは1倍を超えていますが、総合的な価値創造力は健在です。

企業沿革・最近の動向: 非資源分野での安定した収益基盤を構築。ファミリーマートへの出資など、生活消費関連分野を強化。近年は、DXや脱炭素関連の新規事業投資にも積極的です。

リスク要因: 世界経済の減速。為替の変動。海外での地政学リスク。

【テーマ3】ニッチなBtoBで稼ぐ隠れた優良企業

一般消費者には馴染みが薄いものの、特定の産業分野で高いシェアと収益性を誇る企業群です。専門性の高さから市場での評価が追いついておらず、割安に放置されているケースが見られます。

【ライフイベントのプラットフォーマー】株式会社じげん (3679)

事業内容: 求人、不動産、自動車、旅行など、多様な領域で比較・検索サイトを運営。「EXサイト」と呼ばれる送客プラットフォームが主力。

注目理由: アドバンスクリエイトが「保険」に特化しているのに対し、同社は複数のライフイベント領域をカバー。積極的なM&Aで領域を拡大し、収益を伸ばす「M&A巧者」です。Webマーケティング力とプラットフォーム運営ノウハウが競争力の源泉です。

企業沿革・最近の動向: リクルート出身者が創業。M&Aを繰り返して急成長。近年は、祖業の求人領域に加え、自動車やエネルギーなど、対象領域を広げ続けています。

リスク要因: M&Aに伴うのれん代のリスク。景気後退による広告出稿の減少。検索エンジン(Googleなど)のアルゴリズム変更。

【クラウドで印刷・物流をDX】ラクスル株式会社 (4384)

事業内容: ネット印刷・集客支援の「ラクスル」、物流シェアリング「ハコベル」、広告プラットフォーム「ノバセル」などを運営。

注目理由: 印刷や物流といった伝統的な産業の非効率を、ITプラットフォームで解決するビジネスモデル。各事業がそれぞれの業界でDXを推進しており、相乗効果も期待できます。株価は成長期待が先行した時期から調整し、妙味のある水準になっています。

企業沿革・最近の動向: ネット印刷の仲介サービスで創業。その後、物流、広告と事業領域を拡大。近年は各事業の収益性改善と、エンタープライズ向けサービスの強化に注力。

リスク要因: 景気後退による中小企業の広告・印刷需要の減少。プラットフォーム事業における競争激化。

【医療・介護情報で日本を支える】株式会社エス・エム・エス (2175)

事業内容: 介護・医療分野における人材紹介、求人情報、経営支援、コミュニティサイト「ナース専科」など、40以上の情報サービスを展開。

注目理由: 高齢化社会という不可逆なメガトレンドを背景に、医療・介護従事者という巨大なプラットフォームを握っている点が最大の強み。安定した成長を続けながらも、株価は市場全体の地合いに押されて調整局面を迎えています。

企業沿革・最近の動向: 介護・医療分野に特化した情報サービスで成長。アジアを中心に海外展開も積極的。近年は、介護事業者向けの経営支援SaaSや、オンラインキャリアサービスを強化。

リスク要因: 診療報酬・介護報酬の改定。医療・介護分野における人材獲得競争の激化。

【中古車輸出のプラットフォーム】株式会社じげん (3679)

事業内容: 中古車輸出プラットフォーム「TCV」を運営。日本の高品質な中古車を世界中のバイヤーに届ける。

注目理由: 海外、特にアフリカなどの新興国での日本車人気が事業基盤。Webサイトを通じて世界中の需要と供給をマッチングさせるビジネスモデルは、アドバンスクリエイトと通じるものがあります。円安が追い風となる代表的な銘柄の一つです。

企業沿革・最近の動向: 「株式会社ビィ・フォアード」として創業し、中古車輸出ECのパイオニアとして成長。2024年にじげんの子会社となり、グループのWebマーケティング力を活用した成長加速が期待されます。

リスク要因: 為替の急激な変動(円高)。新興国の政情不安や輸入規制。輸送コストの上昇。

【企業向け研修のガリバー】株式会社インソース (6200)

事業内容: 講師派遣型の企業向け研修サービスで国内トップクラス。公開講座やITサービスも手掛ける。

注目理由: 企業のリスキリング(学び直し)や人材育成への投資意欲の高まりが追い風。高いリピート率と、顧客企業のDX支援などへのサービス拡充で安定成長を継続。典型的な高収益BtoBビジネスです。

企業沿革・最近の動向: 講師派遣型研修で急成長。全国に拠点を広げ、オンライン研修にもいち早く対応。近年は、企業のDX人材育成や、コンプライアンス研修などの需要を取り込んでいます。

リスク要因: 景気後退による企業の研修費用抑制。オンライン研修市場での競争激化。


その他、注目の連想バリュー銘柄

  1. ベネフィット・ワン (2412): 企業の福利厚生代行サービス大手。安定したストック型ビジネス。

  2. ショーボンドホールディングス (1414): 橋やトンネルなどインフラ補修のトップ企業。老朽化対策需要で安定成長。

  3. SCSK (9719): 住友商事系のシステムインテグレーター。高収益・高還元で知られる。

  4. ウイングアーク1st (4432): 帳票・文書管理ソフトの国内シェアトップ。企業のDX化に不可欠。

  5. Sansan (4443): 名刺管理サービスから請求書管理などBtoBインフラへと進化。株価調整で妙味。

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