東証スタンダード市場に上場する創薬バイオベンチャー、メディシノバ・インク(4875)の株価が、時に大きな変動を見せ、投資家の熱い視線を集めています。進行性多発性硬化症やALS(筋萎縮性側索硬化症)といった難病に対する治療薬候補「MN-166(イブジラスト)」の開発期待を一身に背負い、一つのニュースリリースで株価が急騰する様は、まさにバイオベンチャー投資の醍醐味であり、同時にそのリスクの高さを象徴しています。「ホームランか、三振か」――そのスリリングな展開は、多くの投資家を魅了してやみません。

しかし、すべての投資家がそのハイリスク・ハイリターンな世界を求めているわけではありません。むしろ、現在の世界的な経済環境の変化、すなわちインフレの定着と金利の「ある」世界への回帰は、投資の羅針盤を大きく異なる方向へと向かわせています。将来の大きな夢(期待収益)を追い求めるグロース株投資から、今ここにある確かな価値(資産や利益)に着目する「バリュー株」投資への回帰です。
バリュー株とは、企業の持つ本来の価値(純資産や収益力)に比べて、株価が割安に放置されている銘柄のこと。PBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回っていたり、PER(株価収益率)が市場平均より低かったり、あるいは安定して高い配当を出し続けていたりする企業がこれに該当します。メディシノバのようなバイオベンチャーが「未来への期待」を株価の源泉とするならば、バリュー株は「過去から積み上げた実績と資産」という堅固な土台の上に立っています。

特に、東京証券取引所が主導する「PBR1倍割れ是正」に向けた要請は、日本のバリュー株にとって歴史的な追い風となっています。これまで資本効率や株価を十分に意識してこなかった多くの優良企業が、増配や大規模な自社株買いといった株主還元策を次々と発表。これは、割安に放置されてきた株価が、その本来あるべき価値へと見直される「リターン・リバーサル」の大きなうねりを生み出しています。
そこで本記事では、メディシノバの熱狂を横目に、今こそ冷静に目を向けるべき「バリュー株」を30銘柄、厳選してご紹介します。選定にあたっては、以下の3つの連想を軸としました。
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ヘルスケア関連の安定バリュー株: メディシノバと同じヘルスケア分野でも、景気に左右されにくい安定した需要と収益基盤を持つ大手製薬会社や医療機器メーカー。
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世界に誇る日本の「モノづくり」バリュー株: 高い技術力を持ちながら、地味な印象から割安に放置されている製造業のニッチトップ企業。
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PBR1倍割れ是正が追い風となる高還元バリュー株: 業種を問わず、財務健全でPBRが低く、今後の株主還元強化が強く期待される企業。
ハイリターンを狙う投機的な熱狂も株式市場の魅力の一つですが、その裏側で、着実な資産形成を目指すための賢明な選択肢が存在します。この記事が、あなたのポートフォリオをより強く、より豊かにするための一助となることを願っています。
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本記事は、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載する銘柄は、本記事のテーマに基づき独自に選定したものであり、その将来の価格上昇を保証するものではありません。
株式投資は、株価の変動により元本を割り込むおそれのあるリスクを伴います。実際の投資に関する決定は、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。また、本記事に掲載された情報の正確性には万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではありません。万が一、本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
景気に左右されない強み ヘルスケア関連バリュー株
メディシノバと同じヘルスケア分野に属しながら、ビジネスモデルは対極的。景気動向に業績が左右されにくいディフェンシブ性、安定したキャッシュフロー、そして魅力的な株主還元が特徴の銘柄群です。

【国内製薬最大手にして高配当】武田薬品工業株式会社 (4502)
◎ 事業内容: 消化器系、希少疾患、血漿分画製剤、がん、神経精神疾患を重点領域とする研究開発型のグローバル製薬企業。日本最大の製薬会社。
◎ 注目理由: 世界的な事業基盤と多様な製品ポートフォリオが強み。PBRは1倍を下回り、魅力的な配当利回りを維持しています。大型買収後の財務改善が進み、安定したキャッシュフロー創出力が再評価される局面にあります。
◎ 企業沿革・最近の動向: アイルランドのシャイアー社を巨額買収し、希少疾患領域で世界トップクラスの地位を確立。現在は、パイプライン(新薬候補)の拡充と有利子負債の削減を両輪で進めています。
◎ リスク要因: 新薬開発の成否。主力製品の特許切れ(パテントクリフ)による収益低下リスク。為替変動の影響。
【がん・免疫領域に強み】小野薬品工業株式会社 (4528)
◎ 事業内容: 革新的な医薬品の創製を目指す研究開発型製薬企業。特にがん免疫治療薬「オプジーボ」で世界的に知られる。
◎ 注目理由: 「オプジーボ」がもたらす潤沢なキャッシュを元に、財務基盤は極めて盤石。PBRは1倍を下回る水準で、増配や自社株買いなど株主還元にも積極的です。次世代のブロックバスター(大型医薬品)創出に向けた研究開発力にも期待がかかります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 創業以来、独創的・画期的な新薬の創出に注力。近年は「オプジーボ」の適応拡大や、次世代のがん治療薬、中枢神経系疾患薬の開発に力を入れています。
◎ リスク要因: 「オプジーボ」への収益依存度が高い。薬価改定による収益への影響。後続パイプラインの開発動向。
【医療機器のグローバルリーダー】テルモ株式会社 (4543)
◎ 事業内容: カテーテルなどの心臓血管領域、血糖測定器などの糖尿病領域、輸血関連製品などを手掛ける総合医療機器メーカー。
◎ 注目理由: 世界160カ国以上で事業展開し、多くの製品で高い世界シェアを誇ります。高齢化の進展や医療の高度化を背景に、安定した成長が期待できます。バリュー株としてはPBRが高めですが、事業の質の高さと安定性から長期保有に適したディフェンシブ銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 体温計の国産化からスタート。技術力を武器に、使い捨て医療機器やカテーテル治療の分野で世界的な企業へと成長。M&Aにも積極的です。
◎ リスク要因: 各国の医療制度や規制の変更。為替変動リスク。新興国メーカーとの競争激化。
【臨床検査のスペシャリスト】シスメックス株式会社 (6869)
◎ 事業内容: 血液や尿などを分析する検体検査機器・試薬の分野で世界トップクラスのシェアを持つ。特に血球計数分野では圧倒的な強みを誇る。
◎ 注目理由: 世界的な高齢化と予防医療への意識の高まりが追い風。機器を納入し、その後も試薬を継続的に供給するビジネスモデルのため、収益が非常に安定的です。同社もPBRは高めですが、世界的な競争力と安定成長は魅力的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 神戸で創業し、独自の技術で検体検査の自動化・高度化をリード。近年は、がんの個別化医療に貢献するリキッドバイオプシー技術など、最先端分野の研究開発を加速しています。
◎ リスク要因: 新興国での事業拡大に伴うカントリーリスク。グローバルなサプライチェーンの混乱。
【後発医薬品の国内大手】沢井製薬株式会社 (4555)
◎ 事業内容: 特許が切れた先発医薬品と同等の有効成分・品質を持つ後発医薬品(ジェネリック医薬品)の製造・販売大手。
◎ 注目理由: 国の医療費抑制策を背景に、ジェネリック医薬品の使用は今後も促進される見通し。安定した需要が期待できます。PBRは1倍を大きく下回り、配当利回りも高い水準にあり、典型的なバリュー株です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 「なによりも患者さんのために」を理念に、高品質なジェネリック医薬品を供給。近年は、米国のジェネリック市場にも進出し、グローバル展開を図っています。
◎ リスク要因: 年々の薬価引き下げ圧力。業界内の品質問題による信頼性の低下。他社との競争激化。

世界に誇る技術力!製造業の隠れた優良バリュー株
世界市場で高いシェアを誇りながら、あるいは生活に不可欠な製品を作りながら、株価が割安に放置されている銘柄群です。堅実な財務内容と、日本の「モノづくり」の底力を感じさせる企業を選びました。
【化学業界の巨人】三菱ケミカルグループ株式会社 (4188)
◎ 事業内容: 石化、炭素、産業ガスから、機能性フィルム、ヘルスケアまで幅広く手掛ける日本最大の総合化学メーカー。
◎ 注目理由: PBRが0.6倍程度と極めて低く、事業規模に対して株価は割安です。事業ポートフォリオの見直しを進めており、採算性の低い事業からの撤退と、成長分野への経営資源集中による収益性改善が期待されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社が統合して誕生。現在は、半導体材料やEV向け部材といったスペシャリティ素材事業への転換を加速させています。
◎ リスク要因: 原油価格など原材料価格の変動。世界的な景気後退による石化製品の需要減。事業再編に伴う損失発生リスク。
【給湯器の世界トップ】株式会社リンナイ (5947)
◎ 事業内容: ガス給湯器、テーブルコンロ、ガスストーブなど熱エネルギー機器の最大手。海外売上高比率も高く、世界各国で事業を展開。
◎ 注目理由: 高い技術力とブランド力で、国内外でトップシェアを誇ります。財務内容も健全。カーボンニュートラルに向けたハイブリッド給湯器など、環境対応製品へのシフトも進めており、長期的な成長が期待できます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 創業以来、熱エネルギー機器の開発に一貫して取り組み、人々の快適な生活を支えてきました。近年は、水素燃焼技術や高効率給湯器の開発に注力しています。
◎ リスク要因: 世界的な脱炭素の流れの中、ガス機器からの転換スピード。住宅着工件数の変動。原材料価格の高騰。
【FA用空圧機器で世界首位】SMC株式会社 (6273)
◎ 事業内容: 工場の自動化(FA)に不可欠な空圧制御機器で世界トップシェアを誇る。半導体や自動車、食品など幅広い業界に顧客を持つ。
◎ 注目理由: 圧倒的な製品ラインナップ(約70万品目)と、世界を網羅する販売・サービス網が強み。高い営業利益率と健全な財務体質は特筆に値します。株価は値がさですが、その競争力は世界トップクラスです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 焼結金属の製造からスタートし、空圧機器の総合メーカーへと発展。顧客の細かなニーズに応える製品開発力で、FA市場の成長と共に拡大を続けています。
◎ リスク要因: 世界的な設備投資動向に業績が左右される。中国経済の減速。
【トイレタリーの王様】TOTO株式会社 (5332)
◎ 事業内容: 衛生陶器(トイレ、洗面器)で国内圧倒的首位。ウォシュレットは代名詞的存在。システムバスやキッチンなども手掛ける。
◎ 注目理由: 高いブランド力と技術力で、リフォーム需要など安定した収益基盤を持ちます。PBRは1倍近辺で、今後の株主還元強化が期待される水準です。海外、特に中国やアジアでの高級ブランドとしての地位も確立しています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 日本に衛生的な生活文化を根付かせるという理念のもと創業。節水技術や清潔技術を磨き続け、世界に「TOTO」ブランドを広めてきました。
◎ リスク要因: 国内外の住宅着工件数の減少。原材料価格や燃料費の高騰。
【ベアリング国内最大手】日本精工株式会社 (NSK) (6471)
◎ 事業内容: 機械の回転を滑らかにする部品「ベアリング(軸受)」で世界トップクラス。自動車向けや産業機械向けが事業の柱。
◎ 注目理由: PBRが0.6倍台と、資産価値に対して株価は非常に割安です。自動車のEV化はベアリングの需要を減らすとの懸念もありますが、一方で高性能・高機能なベアリングが求められるため、同社の技術力が活きる場面でもあります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 日本で初めてベアリングの量産を開始したパイオニア。自動車産業の発展と共に成長し、近年は風力発電やロボットなど、成長分野向けの製品開発を強化しています。
◎ リスク要因: 世界的な自動車生産台数の変動。鉄鋼など原材料価格の上昇。中国経済の動向。
PBR1倍割れ是正が追い風!高還元期待のバリュー株
業種を問わず、PBRが1倍を下回り、かつ財務内容が良好な銘柄群です。東証の要請を追い風に、増配や自社株買いといった株主への利益還元を強化するポテンシャルが高い企業に注目します。
【メガバンク筆頭】株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)
◎ 事業内容: 銀行、信託、証券、カード、リースなどを傘下に持つ、日本最大の総合金融グループ。
◎ 注目理由: 日本の金利正常化による利ザヤ改善という大きな追い風が吹いています。PBRは依然として1倍を下回っており、株価には上昇余地があります。累進的な配当方針を掲げ、自社株買いにも積極的で、株主還元姿勢は明確です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 複数の都市銀行、信託銀行などが合併を重ねて誕生。近年は、海外事業の拡大や、デジタル化を通じた業務効率化を推進しています。
◎ リスク要因: 国内外の景気後退による与信コストの増加。世界的な金融不安の再燃。FinTech企業との競争。

【鉄鋼最大手】日本製鉄株式会社 (5401)
◎ 事業内容: 粗鋼生産量で国内トップ、世界でも有数の規模を誇る鉄鋼メーカー。自動車、建材、エネルギーなど幅広い産業に鉄鋼製品を供給。
◎ 注目理由: PBRが0.6倍前後と極端に低い水準にあり、典型的な資産バリュー株です。業界再編や高付加価値製品へのシフトにより収益性が改善しており、高い配当利回りも魅力です。米鉄鋼大手USスチールの買収計画は、グローバルでの競争力強化を目指す一手です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 官営八幡製鐵所をルーツに持ち、日本の近代化を支えてきた。新日鐵と住友金属の合併などを経て現在の体制に。現在は、カーボンニュートラルに向けた技術開発にも注力。
◎ リスク要因: 世界的な鉄鋼市況の変動。中国の過剰生産問題。大規模な設備投資に伴う財務負担。
【総合商社の雄】三井物産株式会社 (8031)
◎ 事業内容: 金属資源・エネルギーを強みとする大手総合商社。機械・インフラ、化学品、生活産業、次世代・機能推進など、グローバルに事業を展開。
◎ 注目理由: 著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資で注目度が高まりました。資源価格高騰を追い風に高収益を上げており、PBRは1倍を回復。累進配当を掲げ、株主還元への意欲が非常に高いです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 旧三井財閥の中核企業。時代の変化に対応し、ポートフォリオを柔軟に変革。近年は、DXやヘルスケア、再生可能エネルギーといった非資源分野の強化を急いでいます。
◎ リスク要因: 資源価格や為替の変動。世界経済の動向や地政学リスク。
【スーパーゼネコンの一角】鹿島建設株式会社 (1812)
◎ 事業内容: 超高層ビル建設や大規模な土木工事に強みを持つ、日本を代表するスーパーゼネコンの一つ。
◎ 注目理由: PBRは1倍を下回っており、割安感があります。都市部の再開発案件やリニア中央新幹線、インフラの老朽化対策など、国内の建設需要は底堅いです。豊富な手持ちの不動産など、資産価値の高さも魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 江戸時代末期に創業した老舗。日本の近代建築史を彩る数多くの有名建築物を手掛けてきました。近年は、建設DXや環境配慮型建築にも力を入れています。
◎ リスク要因: 資材価格や人件費の高騰による利益率の圧迫。国内公共事業の縮小。
【海運大手で高配当】日本郵船株式会社 (9101)
◎ 事業内容: コンテナ船、不定期船(鉄鉱石・石炭・自動車など)、LNG(液化天然ガス)船などを運航する、日本最大の海運会社。
◎ 注目理由: コロナ禍の物流混乱で歴史的な好業績を記録し、その利益を原資に非常に高い配当を実施。足元の海運市況は変動が激しいですが、PBRは0.8倍台と割安で、株主還元への期待は根強いです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 岩崎弥太郎が創業した郵便汽船三菱会社がルーツ。日本の貿易を支え続け、現在はコンテナ船事業を他社と統合し「Ocean Network Express (ONE)」として運営。
◎ リスク要因: コンテナ船運賃市況の変動に業績が大きく左右される。世界経済の減速。地政学リスクによる航路の混乱。
その他、多角的な視点からの注目バリュー銘柄
上記カテゴリーには収まらないものの、独自の強みや割安感から注目すべき銘柄を幅広く選定しました。
【オフィス・文具の大手】コクヨ株式会社 (7984)
◎ 事業内容: 「Campusノート」で知られる文具や、オフィス家具の製造・販売大手。空間デザインや通販事業も手掛ける。
◎ 注目理由: PBR1倍割れで、安定したブランド力と収益基盤を持ちます。近年は、働き方の多様化に対応したオフィス空間の提案や、海外事業の拡大に注力。株主還元にも積極的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 和式帳簿の表紙作りから創業。常にユーザー視点の製品開発で、文具・オフィス家具業界をリードしてきました。M&Aにも積極的で、事業領域を広げています。
◎ リスク要因: ペーパーレス化による文具需要の構造的変化。国内オフィス市場の縮小。
【印刷業界のトップ】TOPPANホールディングス株式会社 (7911)
◎ 事業内容: 印刷技術を核に、半導体用フォトマスクや液晶カラーフィルタなどのエレクトロニクス製品、食品パッケージ、建装材などを手掛ける。
◎ 注目理由: PBRは0.8倍台。単なる印刷会社ではなく、半導体関連など成長分野の事業を持つ技術開発型企業です。長年培った製版技術が、半導体の微細加工に応用されています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 証券印刷などから始まり、最先端技術を取り込みながら事業を多角化。近年は、DX支援やヘルスケア・ライフサイエンス分野など、新規事業の創出に力を入れています。
◎ リスク要因: 広告媒体の変化による伝統的な印刷事業の縮小。半導体市況の変動。
【メガバンクの一角】株式会社三井住友フィナンシャルグループ (8316)
◎ 事業内容: 三菱UFJと並ぶ日本のメガバンクグループ。銀行、カード、リース、証券などを傘下に持つ。
◎ 注目理由: 金利上昇局面での収益拡大期待。PBRは0.8倍台で、上昇余地あり。法人ビジネスに強みを持ち、DX投資にも積極的。株主還元も強化しており、配当利回りも魅力的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 住友銀行とさくら銀行の合併により誕生。個人向けでは「Olive」など先進的なデジタル金融サービスを打ち出しています。
◎ リスク要因: 国内外の景気後退。長短金利差の動向。異業種からの金融参入。
【独立系SIerの大手】SCSK株式会社 (9719)
◎ 事業内容: 金融、製造、通信など幅広い業種の企業向けにシステム開発、ITインフラ構築、ITサービスを提供する大手システムインテグレーター。
◎ 注目理由: 連続増配を続ける代表的な株主還元優良企業。企業のDX投資需要を背景に、安定した成長を続けています。ストック型ビジネスの比率が高く、業績の安定性も抜群です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 住商情報システムとCSKが合併して誕生。クラウド、AI、IoTといった先端技術分野のサービス提供を強化しています。
◎ リスク要因: IT業界の人材不足と人件費の高騰。景気後退による企業のIT投資抑制。
【FAセンサーで世界大手】株式会社キーエンス (6861)
◎ 事業内容: 工場の自動化に使うセンサーや画像処理システム、測定器などを手掛ける。代理店を介さない直販体制と、付加価値の高い製品開発が強み。
◎ 注目理由: 驚異的な高収益(営業利益率50%超)を誇る日本を代表する超優良企業。株価は値がさでバリュー株の定義からは外れるかもしれませんが、「質の高い成長を続ける価値ある企業」という意味で選出。
◎ 企業沿革・最近の動向: 顧客の潜在的なニーズを先読みした「世界初」「業界初」の製品を次々と開発し、高収益を実現。海外売上高比率も高く、グローバルに成長を続けています。
◎ リスク要因: 世界の設備投資動向に業績が左右される。超高収益モデルの持続性。
【電子部品の巨人】京セラ株式会社 (6971)
◎ 事業内容: ファインセラミック技術を核に、半導体部品、電子デバイス、スマートフォン、複合機などを手掛ける複合企業。
◎ 注目理由: PBRは0.9倍前後と割安感があります。多角化された事業ポートフォリオにより、リスク分散が効いています。稲盛和夫氏が築いた「アメーバ経営」による堅実な経営体質も魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 稲盛和夫氏が創業。セラミック技術を武器に多角化を進め、KDDIの設立にも関わるなど、常に新しい分野に挑戦してきました。
◎ リスク要因: 特定の事業分野(例:スマホ市場)の市況変動。半導体サイクルの影響。
【農業機械で世界大手】株式会社クボタ (6326)
◎ 事業内容: トラクターやコンバインなどの農業機械で世界有数のメーカー。小型建機、水環境インフラ(鉄管、バルブ)も手掛ける。
◎ 注目理由: 世界の食糧問題やインフラ整備を背景に、長期的な需要が見込めます。PBRは1倍前後。海外売上高比率が高く、グローバルに成長機会を捉えることができます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 鋳物製造からスタートし、農業の機械化、水インフラ整備に貢献。近年は、GPSを活用したスマート農業や、新興国市場の開拓に力を入れています。
◎ リスク要因: 世界の天候不順や農産物価格の変動。為替リスク。海外での競争激化。
【建機世界2位】コマツ(株式会社小松製作所) (6301)
◎ 事業内容: 油圧ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械で米キャタピラー社に次ぐ世界2位。
◎ 注目理由: PBRは1倍強ですが、世界的なインフラ投資や資源開発需要が追い風。自律走行ダンプトラックシステム「AHS」など、ICTを活用したソリューションビジネスでも先行しています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 石川県小松市で創業。品質と技術力で世界的なブランドを確立。近年は、建設現場のDX化を推進し、生産性向上に貢献しています。
◎ リスク要因: 世界の景気、特に中国や資源国の経済動向に大きく影響される。為替変動。
【総合化学大手】三井化学株式会社 (4183)
◎ 事業内容: 自動車材料(バンパー材など)、ヘルスケア(メガネレンズ材料、不織布)、食品包装フィルムなど、幅広い機能化学品を手掛ける。
◎ 注目理由: PBRは1倍を下回り、割安です。自動車の軽量化や高機能化に貢献する材料など、成長分野での製品を多く持っています。事業ポートフォリオの転換を進めており、収益性改善に期待がかかります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 旧三井財閥系の化学メーカーとして発足。総合化学から、成長領域に特化したスペシャリティ化学への転換を図っています。
◎ リスク要因: ナフサなど原材料価格の変動。自動車生産台数の動向。
【FA・産ロボの巨人】ファナック株式会社 (6954)
◎ 事業内容: 工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位。産業用ロボットでも世界トップクラスのシェアを誇る。
◎ 注目理由: 高い技術力と圧倒的なシェアに裏打ちされた高収益企業。キーエンス同様、典型的なバリュー株ではありませんが、世界のものづくりを支える価値は絶大です。株主還元にも積極的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 富士通からNC部門が独立して誕生。一貫して工場の自動化を追求し、近年は、AIを活用したロボットや、協働ロボットの開発に注力しています。
◎ リスク要因: 世界的な設備投資動向、特に中国の景気減速の影響を受けやすい。
【自動車部品の世界大手】株式会社デンソー (6902)
◎ 事業内容: トヨタグループの中核をなす自動車部品メーカー。熱機器(エアコン)、エンジン関連、安全・運転支援システムなど、幅広い製品で世界トップクラス。
◎ 注目理由: PBRは1倍前後。EV化という大変革期にありますが、熱マネジメント技術や半導体など、EVでも重要となる技術を多く保有しています。世界トップレベルの開発力と生産技術力が競争力の源泉です。
◎ 企業沿革・最近の動向: トヨタ自動車から分離独立。品質の高い自動車部品を供給し、世界の自動車産業の発展に貢献。近年は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応を加速。
◎ リスク要因: 世界の自動車販売台数の変動。EV化の進展スピードとそれに伴う事業構造の転換。
【ガス・石油給湯器大手】株式会社ノーリツ (5943)
◎ 事業内容: リンナイと並ぶガス・石油給湯器の大手。温水暖房機器や厨房機器なども手掛ける。
◎ 注目理由: PBRが0.4倍台と極めて割安な水準にあります。国内市場は成熟していますが、安定した取替需要が事業を下支えします。財務改善や事業再編による収益性向上が今後の課題であり、それが進めば株価の水準訂正が期待されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 「お風呂は人を幸せにする」という創業の原点に基づき、温水技術を追求。近年は、高効率給湯器「エコジョーズ」や、IoT対応製品の開発に注力。
◎ リスク要因: 国内の人口減少と住宅着工の減少。脱炭素化の流れ。原材料価格の高騰。
【金融・投資・リースの複合体】オリックス株式会社 (8591)
◎ 事業内容: リースを祖業とし、法人金融、不動産、事業投資、環境エネルギー、保険、銀行など多岐にわたる事業を展開する複合企業。
◎ 注目理由: PBRは0.8倍台。事業の多角化により、特定の経済環境に左右されにくい安定した収益構造を構築しています。株主優待(ふるさと優待)も人気でしたが廃止となり、その分を配当に振り向けるなど株主還元を強化しています。
◎ 企業沿革・最近の動向: リース会社としてスタート後、M&Aや新規事業開発を積極的に行い、現在のコングロマリット(複合企業)形態へ。近年は、空港運営や再生可能エネルギー事業が成長を牽引。
◎ リスク要因: 金利上昇による調達コストの増加。国内外の景気後退による多岐にわたる事業への影響。
【独立系不動産の大手】ヒューリック株式会社 (3003)
◎ 事業内容: 東京23区の駅近好立地にあるオフィスビルや商業施設への投資を主力とする不動産会社。「銀座」に多くの物件を保有。
◎ 注目理由: 安定した賃料収入を背景に、連続増配を続ける代表的な高配当銘柄。PBRは1倍を超えていますが、安定性と成長性を両立したビジネスモデルは魅力的です。高齢者施設やホテルなど、新たな領域にも展開。
◎ 企業沿革・最近の動向: 旧富士銀行(現みずほ銀行)の店舗ビル管理からスタート。好立地物件への集中投資という独自の戦略で高収益を実現。
◎ リスク要因: 不動産市況の悪化。金利上昇による不動産投資妙味の低下と有利子負債の増加。
【家庭用品の国内最大手】花王株式会社 (4452)
◎ 事業内容: 「アタック」「ビオレ」など数多くのトップブランドを持つトイレタリー・化粧品メーカー。化学品事業も手掛ける。
◎ 注目理由: 30年以上にわたり連続増配を続ける、日本を代表する株主還元優良企業。景気変動に強いディフェンシブ銘柄の代表格です。近年の業績は苦戦気味ですが、ブランド力と研究開発力は健在で、復活が期待されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 国産の化粧石鹸製造からスタート。消費者研究に基づいたマーケティングと、素材から開発する化学技術力で成長。現在は、構造改革による収益性改善に取り組んでいます。
◎ リスク要因: 国内市場の成熟と人口減少。原材料価格の高騰。ドラッグストアなど流通業者との価格交渉力。


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