空き家849万戸は”宝の山”?中古住宅市場を再定義する「リノベーション」と「不動産テック」の隠れた成長企業20選

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日本の住宅市場、静かなる地殻変動。眠れる「空き家」が投資のフロンティアになる日

日本の総住宅数は、今や総世帯数を大きく上回り、その結果として全国に約849万戸もの空き家が存在する(2018年住宅・土地統計調査)。この数字は、5年前の調査から29万戸増加しており、今後も日本の人口減少と高齢化を背景に、さらに深刻化することが予測されています。地方の過疎地域だけでなく、都市部においても管理不全の空き家は、景観の悪化、防災・防犯上のリスクとなり、長らく深刻な社会問題として捉えられてきました。しかし、この一見ネガティブな現象の裏側で、新たな価値を創造し、巨大なビジネスチャンスを掴もうとする静かな地殻変動が起きていることをご存知でしょうか。その主役こそが、「リノベーション」と「不動産テック」です。

かつての日本では、新築住宅こそが価値を持つという「新築信仰」が根強く、中古住宅市場は欧米諸国に比べて未成熟な状態が続いていました。しかし、経済の成熟、環境意識の高まり、そして何よりも個々のライフスタイルを重視する価値観の多様化が、この状況を大きく変えつつあります。画一的な新築住宅ではなく、自分たちの暮らしに合わせて空間を自由に編集できるリノベーションに魅力を感じる層が、特に若い世代を中心に確実に増加しているのです。政府もこの流れを後押ししており、「安心R住宅」制度の創設や、中古住宅購入時の税制優遇など、中古住宅流通市場の活性化に向けた政策を次々と打ち出しています。

この大きなうねりを加速させているのが、「不動産テック(Real Estate Tech)」の進化です。AIによる精緻な物件価格査定、VR(仮想現実)を活用した没入感のあるオンライン内見、煩雑な契約手続きを円滑化する電子契約システムなど、テクノロジーの力は、これまで不透明で非効率的とされてきた不動産取引の常識を覆し、消費者にとってより身近で信頼性の高いものへと変貌させています。特に、膨大なデータに基づき、リノベーションによる物件の潜在的な価値向上を可視化するサービスは、投資家にとっても極めて魅力的なツールとなり得ます。

つまり、849万戸という空き家の数は、もはや単なる「負の遺産」ではありません。それは、リノベーションによって新たな命を吹き込まれるのを待つ「宝の山」であり、不動産テックの力でその価値が解き放たれるのを待つ、巨大な投資フロンティアなのです。本記事では、この黎明期にある巨大市場において、独自の技術やビジネスモデルを武器に、中古住宅市場を再定義しようと奮闘する、まだ広くは知られていない「隠れた成長企業」を厳選して20社ご紹介します。新時代の”住”を創造し、社会課題を成長の糧に変える可能性を秘めた企業群の中から、未来のポートフォリオを輝かせる一社を見つけ出してみてはいかがでしょうか。


【投資に関する免責事項】 本記事は、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。紹介する企業は、あくまで情報提供を目的としており、その内容の正確性、完全性を保証するものではありません。株式投資は、企業の業績、市場の動向、経済情勢など、様々な要因によって株価が変動するリスクを伴います。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方では一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。


リノベーション関連銘柄

【中古住宅再生のリーディングカンパニー】株式会社カチタス (8919)

◎ 事業内容: 全国の空き家や中古住宅を買い取り、リフォーム・リノベーションを施して再生住宅として販売する、中古住宅再生事業の最大手。仕入れから企画、施工管理、販売までを一貫して手掛けることで、品質と価格競争力を両立させている。

 ・ 会社HP:https://www.katitas.jp/

◎ 注目理由: 国内の空き家問題という大きな社会課題を直接的な事業機会と捉え、持続的な成長が見込まれる点が最大の魅力。全国に広がる店舗網による圧倒的な物件仕入れ力と、年間1万戸以上を再生するスケールメリットを活かしたコスト管理能力が強み。近年はニトリホールディングスとの資本業務提携により、家具・インテリアを含めたトータルな住空間提案を強化しており、顧客満足度の向上とさらなる事業拡大が期待される。

◎ 企業沿革・最近の動向: 1978年設立。2012年に現社名に変更し、中古住宅再生事業に本格注力。2017年に東証一部(現:プライム市場)に上場。近年は、地方都市や郊外の物件にも注力し、幅広い顧客層のニーズに対応。DX(デジタルトランスフォーメーション)も積極的に推進しており、社内業務の効率化や、ウェブマーケティングの強化による集客力向上を図っている。環境配慮型のリフォームにも取り組み、企業としての社会性も高めている。

◎ リスク要因: 金利の上昇は、住宅ローンを利用する顧客の購買意欲を減退させる可能性がある。また、景気後退による個人消費の冷え込みや、リフォーム資材価格の高騰が利益を圧迫するリスクも考えられる。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/8919

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/8919.T


【 “一点もの”の暮らしを提案】リノべる株式会社 (5031)

◎ 事業内容: 中古マンションの探しから、顧客一人ひとりのライフスタイルに合わせたオーダーメイドのリノベーション、資金計画、引き渡しまでをワンストップで提供するプラットフォームを運営。テクノロジーを活用した効率的なサービス提供が特徴。

 ・ 会社HP:https://renoveru.jp/

◎ 注目理由: 「リノベる。」という強力なサービスブランドを確立し、都市部を中心にデザインやライフスタイルにこだわる層から高い支持を得ている。全国のデザインパートナー、不動産パートナー、施工パートナーと連携するプラットフォームモデルにより、自社で多くの資産を抱えることなく事業を拡大できる点が強み。蓄積された施工事例データや顧客データを活用し、サービスの質向上や新たな事業開発につなげる好循環を生み出している。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2010年設立。テクノロジーとデザインを融合させた新しい中古住宅の買い方を提案し、市場を牽引。2022年に東証グロース市場へ上場。近年は、法人向けのオフィスや商業施設のリノベーション事業にも進出。また、IoT技術を組み込んだスマートホーム化など、リノベーションの付加価値を高める取り組みにも注力しており、事業領域を拡大している。

◎ リスク要因: 競合の増加による価格競争の激化が懸念される。また、中古マンションの仕入れ価格やリフォーム工事費の上昇が、収益性に影響を与える可能性がある。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/5031

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/5031.T


【不動産サービスとリフォームの融合】株式会社And Doホールディングス (3457)

◎ 事業内容: 不動産売買仲介のフランチャイズチェーン「ハウスドゥ」を全国展開。不動産売買、リフォーム、金融サービスを連携させた「ワンストップサービス」を強みとし、顧客の多様なニーズに応える。

 ・ 会社HP:https://www.housedo.co.jp/

◎ 注目理由: 全国に広がる約700店舗のフランチャイズネットワークが最大の強み。これにより、地域に密着した不動産情報を収集し、中古物件の仲介からリフォーム提案までをシームレスに行うことが可能。金融子会社によるリバースモーゲージ保証事業など、不動産を核とした独自の金融サービスも展開しており、安定した収益基盤を構築している。加盟店の増加とともに成長が続くビジネスモデルは魅力的。

◎ 企業沿革・最近の動向: 1991年設立。2015年に東証マザーズ(現:グロース市場)、2016年に東証一部(現:プライム市場)へ上場。近年は、テクノロジーの活用にも積極的で、オンラインでの顧客対応や業務効率化を進めている。空き家や相続不動産の問題解決にも注力し、リースバック事業などを通じて新たな市場を開拓している。

◎ リスク要因: フランチャイズビジネスであるため、加盟店の業績やブランドイメージ管理が重要となる。また、不動産市況の変動や金利動向が、主力の仲介事業に影響を及ぼす可能性がある。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3457

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3457.T


【不動産再生で価値を創造】株式会社イントランス (3237)

◎ 事業内容: 収益性の低下した中古不動産(ホテル、商業施設、オフィスビル等)を取得し、リノベーションやコンバージョン(用途変更)によって物件の価値を最大限に高めた上で売却、または自社で保有・運営する不動産再生事業を展開。

 ・ 会社HP:https://www.intrance.jp/

◎ 注目理由: 築年数が経過した物件でも、立地や潜在的な価値を見抜き、時代や地域のニーズに合った形に再生させる企画力・プロデュース力に定評がある。特に、インバウンド需要の回復が見込まれる中、ホテルの再生事業は大きな成長ドライバーとなる可能性がある。一つ一つのプロジェクトの利益率が高く、市況を捉えた柔軟な事業展開が魅力。小規模ながらもユニークな案件を手掛けることで、大手とは異なるニッチな市場で存在感を発揮している。

◎ 企業沿革・最近の動向: 1998年設立。2006年に東証マザーズ(現:グロース市場)に上場。リーマンショックなどの影響を受けつつも、事業ポートフォリオを再構築し、近年は収益性も改善傾向にある。最近では、地方の歴史的建造物を活用した宿泊施設への再生など、地域創生に貢献するようなプロジェクトも手掛けており、事業の社会性も高まっている。

◎ リスク要因: 不動産市況の悪化は、保有不動産の価値下落や売却価格の低下に直結する。また、大規模な再生プロジェクトは、資金調達や許認可、工期の遅延などのリスクを伴う。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3237

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3237.T


【若者向けデザイナーズマンションの先駆者】株式会社AMBITION DXホールディングス (3300)

◎ 事業内容: デザイナーズマンションの開発・販売・賃貸管理を主力とする。特に、都心部の若者や単身者層をターゲットにした物件に強みを持つ。サブリース(転貸)によるプロパティマネジメント事業が安定収益源。

 ・ 会社HP:https://www.am-bition.jp/

◎ 注目理由: 入居者ニーズを的確に捉えたデザイン性の高い物件企画力が競争力の源泉。中古物件をリノベーションして付加価値を高める「リノベーション事業」も手掛けており、新築開発だけでなくストック市場にもアプローチしている。近年は、外国人留学生や技能実習生向けの賃貸サービスなど、ニッチな市場の開拓にも積極的。DXを社名に掲げる通り、不動産テックの活用にも力を入れており、業務効率化と顧客サービス向上を進めている。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2007年設立。2014年に東証マザーズ(現:グロース市場)に上場。M&Aにも積極的で、賃貸仲介会社や少額短期保険会社などを傘下に収め、事業領域を拡大。RPA導入による業務自動化や、電子契約サービスの推進など、DXによる収益性改善に取り組んでいる。

◎ リスク要因: 主力事業が都心部の賃貸市場に依存しているため、都心部の人口動態の変化や賃料相場の下落が業績に影響を与える可能性がある。また、サブリース事業は空室率の上昇がリスクとなる。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3300

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3300.T


【資産運用型アパートメントと不動産再生】株式会社グッドライフカンパニー (2970)

◎ 事業内容: 主に地方都市において、土地の仕入れから企画、設計、施工、賃貸管理までを一貫して手掛ける資産運用型アパートメント「GLEIM」シリーズの販売が主力。中古物件のリノベーション再販事業や、不動産テックを活用した事業も展開。

 ・ 会社HP:https://good-life-c.com/

◎ 注目理由: 地方都市の比較的取得しやすい土地を活用し、デザイン性と収益性を両立させたアパートメントを提供することで、安定した成長を遂げている。管理戸数の増加に伴い、ストック型の収益(管理手数料や家賃収入)が積み上がっていくビジネスモデルが強み。中古物件のリノベーション再販にも注力しており、新築と中古の両面から不動産市場のニーズに対応できる体制を構築している。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2012年設立、熊本県で事業を開始し、九州から全国へとエリアを拡大。2018年に東証JASDAQ(現:スタンダード市場)に上場。近年は、自社開発の賃貸管理システムを導入するなど、テクノロジー投資を積極化。また、プロパンガス事業など、不動産に付随するインフラサービスも手掛けることで、収益源の多角化を図っている。

◎ リスク要因: 地方の経済情勢や人口動態の変化が、アパートの入居率や販売価格に影響を与える可能性がある。また、建設費や人件費の高騰が利益を圧迫するリスクも存在する。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/2970

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/2970.T


【家具ECから住領域への展開】株式会社ベガコーポレーション (3542)

◎ 事業内容: 家具・インテリアのECサイト「LOWYA(ロウヤ)」の運営が主力事業。自社で企画・開発したデザイン性の高い商品を、手頃な価格で提供することで若者層を中心に支持を集めている。近年、このノウハウを活かしてリノベーション事業にも参入。

 ・ 会社HP:https://www.vega-c.com/

◎ 注目理由: EC事業で培ったマーケティング力と、トレンドを捉えた商品企画力が最大の強み。膨大な顧客データや販売データに基づき、消費者が求める住空間を熟知している。この知見をリノベーション事業に応用することで、家具やインテリアと一体となった空間プロデュースが可能となり、他社との差別化を図っている。「LOWYA」のブランド力を活かした集客も期待でき、EC事業とのシナジー効果は大きい。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2004年設立。2016年に東証マザーズ(現:グロース市場)に上場。EC事業を中核としながら、越境ECプラットフォームの運営など、グローバルな事業展開も行ってきた。近年、リノベーションやリフォームといったリアルな住領域への事業拡大を本格化させており、新たな成長フェーズへの移行を目指している。

◎ リスク要因: 主力のEC事業は、国内外の競合他社との競争が激しい。また、為替レートの変動や、海外での生産・物流コストの上昇が収益に影響を与える可能性がある。リノベーション事業はまだ発展途上であり、今後の成長は未知数。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3542

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3542.T


不動産テック関連銘柄

【AI×不動産で業界をリード】株式会社GA technologies (3491)

◎ 事業内容: AIを活用した不動産総合プラットフォーム「RENOSY」を運営。中古マンションの売買仲介、リノベーション、賃貸管理、不動産投資などをワンストップで提供。不動産業務支援SaaS(BtoB事業)も展開する不動産テックの代表格。

 ・ 会社HP:https://www.ga-tech.co.jp/

◎ 注目理由: データとテクノロジーを徹底活用し、従来アナログであった不動産業界のDXを強力に推進している点が最大の強み。AIによる物件価格査定や顧客ニーズの分析により、営業プロセスの効率化と成約率の向上を実現。オンラインで完結する取引フローは、現代の消費者ニーズに合致している。M&Aにも積極的で、有力な不動産テック企業を次々と買収し、事業領域と技術力を急速に拡大させている。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2013年設立。創業からわずか5年で2018年に東証マザーズ(現:グロース市場)へ上場。その後も急成長を続け、業界内での存在感を高めている。近年は、海外事業にも注力しており、東南アジアを中心にRENOSY事業を展開。また、M&Aにより得たSaaS事業群の連携を強化し、不動産業界全体の生産性向上に貢献するプラットフォーマーを目指している。

◎ リスク要因: 成長のための先行投資(広告宣伝費、人件費)が大きく、利益率が変動しやすい。不動産市況の変動や、個人情報管理、サイバーセキュリティに関するリスクも存在する。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3491

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3491.T


【中古住宅流通のプラットフォーマー】株式会社ツクルバ (2978)

◎ 事業内容: 中古・リノベーション住宅に特化したオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」を運営。物件の紹介だけでなく、購入前の相談からリノベーション、購入後のコミュニティ形成まで、一貫した顧客体験を提供。

 ・ 会社HP:https://tsukuruba.com/

◎ 注目理由: 物件のスペックだけでなく、その物件が持つストーリーや暮らしの価値を伝える独自の編集力で、熱心なファンコミュニティを形成している点がユニーク。データを活用して顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、最適な物件を提案するマッチング技術に強みを持つ。購入者が主役となるリノベーションサービスも提供しており、中古住宅流通における新たなエコシステムの構築を目指している。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2011年設立。シェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」の運営からスタートし、場のデザインとコミュニティ醸成のノウハウを蓄積。2015年に「cowcamo」を開始し、2019年に東証マザーズ(現:グロース市場)へ上場。近年は、法人向けに不動産企画デザイン事業も展開。また、蓄積されたデータを活用した新たなSaaS事業の展開も模索している。

◎ リスク要因: 事業が首都圏の中古マンション市場に大きく依存しているため、同市場の動向に業績が左右されやすい。また、知名度向上やサービス拡充のための広告宣伝費や人件費が先行する傾向がある。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/2978

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/2978.T


【ソニーグループ発のAI不動産企業】SREホールディングス株式会社 (2980)

◎ 事業内容: AIクラウド&コンサルティング事業と、不動産事業の2つを柱とする。AIアルゴリズムを活用した不動産価格査定ツールやマーケティング自動化ツールを金融機関や不動産会社に提供。自社でもAIを活用した不動産売買仲介「おうちダイレクト」を展開。

 ・ 会社HP:https://sre-group.co.jp/

◎ 注目理由: ソニーグループで培われた最先端のAI・IT技術が競争力の源泉。不動産価格の推定や顧客の行動予測など、高度なデータ分析技術を自社事業と他社へのソリューション提供の両方で活用している。リカーリング(継続課金)型のSaaS事業は、安定した収益基盤となる。不動産業界だけでなく、金融業界やIT業界など、他分野への技術応用も進めており、将来的な成長ポテンシャルは大きい。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2014年にソニー不動産として設立。2019年に現社名に変更し、2020年に東証一部(現:プライム市場)へ上場。AI技術を核とした事業領域の拡大を続けており、近年では金融機関向けのローン審査AIや、ヘルスケア分野へのAI技術応用など、不動産の枠を超えた展開が加速している。

◎ リスク要因: AI技術の開発競争は激しく、継続的な研究開発投資が必要。また、高度な技術を持つ人材の確保・育成が成長の鍵となる。不動産仲介事業は市況の影響を受ける。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/2980

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/2980.T


【不動産テックで”暮らし”の選択肢を増やす】株式会社property technologies (5527)

◎ 事業内容: AIを活用した中古住宅の再生・販売事業を中核に、不動産テックプラットフォーム「KAURI(カウリ)」を開発・提供。住宅ローンテックや不動産取引のDX支援など、多角的なサービスを展開。

 ・ 会社HP:https://pp-tech.co.jp/

◎ 注目理由: 「リアル(不動産再生事業)×テクノロジー(不動産テック)」の融合によるシナジーが最大の強み。自社の中古住宅再生事業で培ったノウハウやデータを、外部の不動産会社向けSaaSとして提供することで、収益機会を最大化している。特に、AI査定やリフォーム費用の自動見積もり機能は、業務効率化に大きく貢献する。住宅ローン手続きをオンラインで完結させるサービスも展開しており、不動産取引全体のプロセスを革新するポテンシャルを秘めている。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2020年に複数の不動産関連会社が経営統合し設立。2022年に東証グロース市場へ上場。中古住宅再生の「KAITRY」ブランドと、テクノロジーの「KAURI」ブランドを両輪に事業を拡大。近年は、リフォーム会社や仲介会社など、業界内のパートナー企業との連携を強化し、プラットフォームの利用者拡大を図っている。

◎ リスク要因: 中古住宅の仕入れ競争の激化や、建設資材価格の高騰が不動産再生事業の収益性を圧迫する可能性がある。また、SaaS事業は競合サービスとの競争に直面する。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/5527

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/5527.T


【不動産業界の業務を支えるクラウドSaaS】株式会社いい生活 (3796)

◎ 事業内容: 賃貸・売買仲介、賃貸管理会社など、不動産会社向けに特化したクラウド型(SaaS)の業務支援システムを提供。物件情報や顧客情報の一元管理、広告出稿の自動化、電子契約など、不動産業務のあらゆる側面をカバーする。

 ・ 会社HP:https://www.e-seikatsu.info/

◎ 注目理由: 20年以上にわたり不動産業界に特化したシステムを提供し続けてきた実績と信頼が強み。業界の商習慣や法改正に迅速に対応したサービスは、全国の不動産会社から高い評価を得ている。顧客の多くが月額課金でサービスを利用するため、解約率が低く、安定したストック型の収益構造を確立している。不動産業界全体のDXが進む中で、その基盤となるシステムを提供する同社の役割はますます重要になる。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2000年設立。2006年に東証マザーズ(現:グロース市場)へ上場。一貫して不動産業界向けのクラウドサービスを提供し、顧客基盤を拡大。近年は、電子契約サービスの普及や、他の不動産テックサービスとのAPI連携を積極的に進め、プラットフォームとしての価値を高めている。

◎ リスク要因: 競合となるSaaS企業の参入による競争激化。また、不動産会社の統廃合や倒産が増加した場合、顧客数の減少につながる可能性がある。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/3796

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3796.T


【IoTで賃貸住宅に革命を】Robot Home株式会社 (1435)

◎ 事業内容: IoT機器を導入したアパートの開発・販売・管理を行う「robot home事業」が中核。スマートフォンで家電や設備を操作できるスマートホーム機能を提供し、入居者の利便性と物件の付加価値を高める。賃貸経営のDXプラットフォームも提供。

 ・ 会社HP:https://www.robot-home.jp/

◎ 注目理由: ハードウェア(IoT機器)とソフトウェア(プラットフォーム)を一体で提供できる点が強み。自社開発のアパートだけでなく、既存の賃貸物件にも後付けでIoT機能を提供できるため、市場の裾野は広い。入居者、オーナー、管理会社を繋ぐプラットフォームを通じて、賃貸経営の効率化・自動化を実現する。今後、スマートホームの普及が加速する中で、賃貸市場における先行者としての優位性は大きい。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2006年設立(旧社名:株式会社TATERU)。当初はアパート開発が中心だったが、テクノロジー分野へ大きくシフト。2015年に東証マザーズ(現:グロース市場)へ上場。過去に不祥事もあったが、経営体制を刷新し、現在はIoTとプラットフォーム事業に注力。不動産業界以外へのDX支援サービスも開始しており、事業の多角化を進めている。

◎ リスク要因: IoT機器の開発競争や価格競争が激化する可能性がある。また、アパート開発事業は、建設費の高騰や不動産市況の変動リスクを負う。過去の不祥事によるブランドイメージの回復も課題。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/1435

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/1435.T


【不動産情報サイトから社会課題解決へ】株式会社LIFULL (2120)

◎ 事業内容: 国内最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の運営が主力。賃貸、売買、リフォーム、注文住宅など、住まいに関するあらゆる情報を提供。近年は空き家問題の解決に向けた「LIFULL地方創生」などの事業も展開。

 ・ 会社HP:https://lifull.com/

◎ 注目理由: 「LIFULL HOME’S」が持つ圧倒的な知名度と情報量、そして膨大なユーザーデータが最大の経営資源。このプラットフォームを基盤に、周辺領域へと事業を拡大している。特に、全国の自治体と連携して空き家情報を提供する「空き家バンク」や、移住・定住支援など、社会課題の解決を事業に結びつける取り組みは、企業の持続的成長に繋がる。海外事業や介護、引越しなど、住まいに関連する多様な事業ポートフォリオも魅力。

◎ 企業沿革・最近の動向: 1997年設立。2006年に東証マザーズ(現:グロース市場)、2010年に東証一部(現:プライム市場)へ上場。世界最大級のアグリゲーションサイト「Trovit」を買収するなど、グローバル展開も積極的。近年は、「あらゆるLIFEを、FULLに。」というグループメッセージのもと、不動産領域にとどまらない多角的な事業展開を加速させている。

◎ リスク要因: 不動産情報サイト市場における競合との競争は常に激しい。また、広告出稿主である不動産会社の業績や、景気動向が広告収入に影響を与える可能性がある。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/2120

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/2120.T


【家賃債務保証から住生活総合サービスへ】株式会社Casa (7196)

◎ 事業内容: 家賃債務保証事業を主力とし、入居者が家賃を滞納した場合にオーナーに対して立て替え払いを行うサービスを提供。近年は、入居者向けアプリの開発や、住まいに関する各種サービスのマッチングプラットフォームの構築を進めている。

 ・ 会社HP:https://www.casa-inc.co.jp/

◎ 注目理由: 全国の不動産管理会社との強固なネットワークと、長年の保証事業で蓄積された与信ノウハウが強み。安定したストック型の収益モデルを確立している。今後は、保証サービスを通じて得られる膨大な入居者データを活用し、引越し、インターネット回線、保険といった「住生活」関連サービスへと事業領域を拡大するポテンシャルが大きい。テクノロジーを活用した審査の高度化や業務効率化も進めており、収益性の向上が期待される。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2008年設立。2017年に東証二部(現:スタンダード市場)に上場。主力の家賃債務保証事業を伸ばしつつ、新たな収益の柱を育てるべく、テクノロジー分野への投資を強化。入居者とオーナー双方の利便性を高めるサービスの開発に注力している。

◎ リスク要因: 家賃滞納率の上昇は、保証履行の増加につながり、業績を圧迫する可能性がある。また、家賃債務保証業界は法改正や規制強化の影響を受けやすい。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/7196

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/7196.T


【不動産取引のDXを加速する専門家集団】株式会社Housmart (4194)

◎ 事業内容: 不動産仲介会社向けの営業支援システム「プロポクラウド」や、中古マンションのオンラインマーケット「カウル」を開発・提供。AIによる不動産査定技術と、データに基づいたコンサルティングに強みを持つ。

 ・ 会社HP:https://housmart.co.jp/

◎ 注目理由: 業界の課題を熟知した専門家集団が、現場で本当に使えるテクノロジーを開発している点が強み。「プロポクラウド」は、AIが顧客のニーズに合った物件を自動で提案するSaaSであり、不動産営業の生産性を飛躍的に向上させるツールとして導入企業が増加している。ストック収益であるSaaS事業の成長が、今後の業績を牽引すると期待される。中古マンション市場の拡大と不動産業界のDX化という二つの追い風に乗る企業。

◎ 企業沿革・最近の動向: 2014年設立。元不動産コンサルタントである代表が創業。2021年に東証マザーズ(現:グロース市場)へ上場。主力サービスである「プロポクラウド」の機能拡充と、導入企業数の拡大に注力。また、蓄積された不動産ビッグデータを活用した新たなサービス開発も進めている。

◎ リスク要因: 営業支援SaaS市場は競合が多く、機能や価格面での競争が激化する可能性がある。また、事業規模がまだ小さいため、大手企業の参入や市況の変動が業績に与える影響が大きい。

◎ 参考URL(みんかぶ):https://minkabu.jp/stock/4194

◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):https://finance.yahoo.co.jp/quote/4194.T

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