2025年11月、東京証券取引所グロース市場に上場するDelta-Fly Pharma(デルタフライファーマ、4598)の株価が市場の注目を集めています。同社は「副作用の低減」を重視した抗がん剤開発を手掛ける創薬ベンチャーであり、その株価の動意は、一つの新薬候補(パイプライン)の進捗が莫大な企業価値を生み出す可能性を秘めた「創薬(バイオ)」セクターへの投資家の関心の高まりを象徴していると言えるでしょう。
創薬ベンチャーへの投資は、株式投資の中でも特に「ハイリスク・ハイリターン」な領域です。一つのパイプラインが臨床試験(治験)のフェーズを進み、承認申請、そして上市(販売)に至る確率は、一般的に極めて低いとされています。しかし、もしその難関を突破し、画期的な新薬(ブロックバスター)を生み出すことに成功すれば、株価は数十倍、数百倍になることも夢ではありません。まさに「テンバガー(10倍株)」の宝庫とも言えるセクターです。
一方で、その道のりは険しく、多くの企業が研究開発費の増大に苦しみ、臨床試験の失敗や遅延といったニュース一つで株価が大きく下落するリスクと常に隣り合わせです。Delta-Fly Pharma(4598)の株価が動意づいた背景にも、同社が進める複数の抗がん剤パイプライン(例えばDFP-10917やDFP-14323など)に対する進捗期待があります。
この記事では、DFP(4598)の動意をきっかけに、改めて注目したい「がん領域」に特化、あるいは強みを持つ創薬ベンチャーに焦点を当てます。DFPと同様に、まだ時価総額が小さく、将来の「カタリスト(株価を動かす材料)」次第で大きな飛躍が期待されるものの、同時に高いリスクも内包する銘柄を10社厳選しました。
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創薬バイオベンチャー企業への投資は、新薬開発の不確実性、臨床試験の失敗リスク、薬事承認の遅延リスク、継続的な研究開発費による赤字の長期化、資金調達(増資による希薄化)リスクなど、他の業種と比較して極めて高いリスクを伴います。
株式投資の最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行われますよう、強くお願い申し上げます。投資に関する決定を下す前に、ご自身の財務状況、投資目的、リスク許容度を慎重に検討し、必要に応じて専門のアドバイザーにご相談ください。
DFP(4598)連想 注目のがん領域 創薬ベンチャー10選
【膵臓がん「免疫着火剤」に期待】株式会社キャンバス (4575)
◎ 事業内容: 独自の創薬基盤技術に基づき、がん、自己免疫疾患などの領域で新薬候補化合物を創出・開発する創薬ベンチャー。特に抗がん剤候補「CBP501」の開発に注力。
・ 会社HP: https://www.canbas.co.jp/
◎ 注目理由: DFPが抗がん剤開発で注目される中、キャンバスも「CBP501」という強力なパイプラインを有しています。CBP501は、がん細胞が免疫から逃れるメカニズムを阻害し、免疫細胞ががんを攻撃しやすくする「免疫着火剤」としての役割が期待されています。特に治療が困難とされる膵臓がんの3次治療を対象とした臨床第2相試験において主要評価項目を達成しており、大きなポテンシャルを秘めています。直近(2025年10月)には、免疫チェックポイント阻害薬との併用投与に関する特許が欧州で査定されたことも好材料視されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2000年設立。抗がん剤候補CBP501の研究開発に経営資源を集中。2023年に膵臓がんを対象としたCBP501の第2相臨床試験(米国)で主要評価項目を達成し、良好な結果が示されました。現在は、この結果に基づき、欧州での第3相臨床試験の開始申請準備を進めています。ただし、2025年10月には、この欧州での第3相試験開始承認が依然として得られていないことを理由に、従来目標としていた2027年の上市時期を変更(達成困難)すると発表しており、スケジュールには遅延が生じています。
◎ リスク要因: 主力パイプラインであるCBP501への依存度が高い(一本足打法)点が最大のリスクです。欧州での第3相試験開始承認の遅れや、今後の試験結果が想定通りに進まない場合、業績および株価に重大な影響を与える可能性があります。また、開発先行のため赤字が継続しており、今後の開発費用を賄うための資金調達(希薄化)リスクも伴います。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4575
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4575.T
【ウイルスでがんを破壊】オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
◎ 事業内容: 岡山大学発の創薬ベンチャー。腫瘍溶解ウイルス(がん細胞特異的に増殖し、がん細胞を破壊するウイルス)「テロメライシン(OBP-301)」を中核とした、がんや重症感染症領域の治療薬開発を行う。
・ 会社HP: https://www.oncolys.com/
◎ 注目理由: DFPと同様に「がん」を標的とする創薬ベンチャーですが、そのアプローチ(モダリティ)が「腫瘍溶解ウイルス」というユニークな点にあります。主力パイプラインのテロメライシン(OBP-301)は、食道がんなどを対象に国内外で臨床試験が進行中です。特に放射線療法との併用に関する第2相試験で良好な有効性データが学会で報告されるなど、期待が高まっています。また、ライセンス先(中外製薬など)での開発進捗によるマイルストーン収入や、OBP-601(慢性B型肝炎)など後続パイプラインの進展も株価のカタリストとなります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2004年に設立。テロメライシン(OBP-301)の権利を岡山大学から取得し、開発を推進。2017年には食道がんを対象に国内で先駆け審査指定制度の対象品目に指定されました。近年は、テロメライシン(OBP-301)の食道がんや頭頸部がんに対する臨床試験を進めるとともに、米国のTransposon Therapeutics社(旧:LOKI)とのライセンス契約(OBP-601)や、国内外の製薬企業・アカデミアとの共同研究も活発化させています。2025年に入ってからも、OBP-301の学会報告などが続いており、承認申請に向けた準備が進められています。
◎ リスク要因: 医薬品開発の不確実性はもちろん、テロメライシンの承認申請および承認時期が遅延するリスクがあります。研究開発費の増加に伴い営業損失が継続しており、財務基盤の強化(追加の資金調達)が今後の課題となる可能性があります。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4588
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4588.T
【ADCとRITでがんに挑む】株式会社ペルセウスプロテオミクス (4882)
◎ 事業内容: 東京大学発のバイオベンチャー。独自の抗体作製技術を基盤に、がん領域を中心とした抗体医薬品の研究開発を行う。「創薬事業」と「創薬支援事業」の2つを展開。
・ 会社HP: https://www.ppmx.com/
◎ 注目理由: がん治療のトレンドである「ADC(抗体薬物複合体)」や「RIT(放射線免疫療法)」のパイプラインを有している点が注目されます。特にADCパイプライン「PPMX-T004」(カドヘリン3標的)は、抗体に抗がん剤を結合させ、がん細胞を内側から攻撃する仕組みであり、高い治療効果が期待されています。DFP(4598)が既存薬の改良(副作用低減)に注力するのに対し、ペルセウスは新たなモダリティでがん治療に挑む点で連想されます。2026年3月期第1四半期決算では、売上が増加し損失幅が縮小しており、開発の進展がうかがえます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2001年設立。東大先端科学技術研究センターの抗体関連技術を基盤に事業を開始。2021年に東証マザーズ(現グロース)に上場。設立以来、抗体医薬品の創出に注力し、PPMX-T003(RIT)やPPMX-T004(ADC)などのパイプラインを構築。近年はUBE株式会社とのADCに関する共同研究契約を締結するなど、外部パートナーとの連携も強化しています。研究開発費は増加傾向ですが、AMED(日本医療研究開発機構)からの助成金受領など、資金確保も進めています。
◎ リスク要因: 主要パイプラインはまだ臨床試験の初期段階や前臨床段階のものが多く、承認・上市までのハードルは高い状況です。主要製品の導出(ライセンスアウト)時期や契約金額が未定であるため、通期の業績予想を開示できない状況が続いており、収益化の目途は立っていません。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4882
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4882.T
【「第5の治療法」BNCTに特化】ステラファーマ株式会社 (4888)
◎ 事業内容: がんの「第5の治療法」とも呼ばれるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に用いるホウ素薬剤「ステボロニン®」の開発・製造・販売を行う。ステラケミファの子会社。
・ 会社HP: https://www.stella-pharma.co.jp/
◎ 注目理由: DFP(4598)が化学療法(抗がん剤)というアプローチであるのに対し、ステラファーマはBNCTという新しい放射線治療法を支える薬剤でがんに挑みます。BNCTは、がん細胞を選択的に破壊し、正常細胞へのダメージを抑えつつ、原則1回の照射で治療が完了する可能性がある画期的な治療法として注目されています。同社の「ステボロニン®」は、世界で初めてBNCT用医薬品として承認(切除不能な局所進行・再発頭頸部がん)されており、このBNCTの普及と適応拡大が同社の成長ドライバーとなります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2007年設立。親会社ステラケミファのホウ素化合物技術を背景に、BNCT用ホウ素薬剤の研究開発を開始。2020年に「ステボロニン®」が頭頸部がんで承認を取得し、製造販売を開始しました。2021年に東証マザーズ(現グロース)上場。現在は、脳腫瘍や悪性黒色腫など、他のがん種への適応拡大に向けた臨床試験(治験)を国内外で推進しています。2026年3月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比で増加し、損失幅も縮小しており、BNCTの認知度向上と共に業績改善の兆しが見られます。
◎ リスク要因: BNCTは、専用の中性子照射装置(加速器)が必要であり、その設置病院が限られているため、薬剤の普及速度が装置の普及に依存するリスクがあります。適応拡大に向けた臨床試験が不調に終わる可能性や、競合する治療法の登場もリスクとなります。社歴が浅く、研究開発費が先行する赤字構造です。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4888
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4888.T
【がん・血液領域のスペシャリスト】シンバイオ製薬株式会社 (4582)
◎ 事業内容: 「がん、血液、ウイルス感染症」の3領域に特化した医薬品の開発・製造・販売を行うバイオファーマ。自社で販売体制も構築している点が特徴。主力製品は抗がん剤「トレアキシン®」。
・ 会社HP: https://www.symbiopharma.com/
◎ 注目理由: DFP(4598)が開発型の創薬ベンチャーであるのに対し、シンバイオは既に主力製品(トレアキシン®)を持ち、自社販売で収益を上げている点が異なります。しかし、同社も「トレアキシン®」の適応拡大や、新規パイプライン(BCVなど)の開発に注力しており、創薬ベンチャーとしての側面も併せ持ちます。DFPの連想としては、「がん領域」での開発力と、今後の新薬開発の進捗がカタリストとなる点です。2030年までに2~3本の新規パイプラインで承認取得を目指す中期経営計画を掲げており、その進捗が注目されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2005年設立。海外で開発・承認された医薬品を日本に導入するビジネスモデルで成長。2010年に抗がん剤「トレアキシン®」(ベンダムスチン)の承認を取得し、自社販売を開始しました。2011年ジャスダック(現スタンダード)上場。近年は「トレアキシン®」の液剤(RTD製剤)への切り替えや適応拡大を進める一方、後発医薬品の参入により収益環境が厳しくなっています。直近では、新規パイプラインである「BCV」(造血幹細胞移植後のウイルス感染症など)の開発に注力しています。
◎ リスク要因: 主力であった「トレアキシン®」が後発医薬品の参入により売上減少圧力にさらされており、業績が悪化傾向にあります。株価も直近で年初来安値を更新(2025年11月)するなど低迷しています。新規パイプラインの開発が計画通りに進まない場合、さらなる業績悪化を招く可能性があります。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4582
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4582.T
【アジア市場でがんに挑む低位株】ソレイジア・ファーマ株式会社 (4597)
◎ 事業内容: 日本および中国・アジア市場をターゲットに、がん領域および希少疾患領域の医薬品(医療機器含む)の開発・販売を行う創薬ベンチャー。
・ 会社HP: https://www.solasia.co.jp/
◎ 注目理由: DFP(4598)と同様に「がん領域」に特化していますが、ソレイジアは特にアジア市場(特に中国)に強みを持つ点が特徴です。自社開発に加え、他社から有望なパイプラインを導入(ライセンス・イン)して開発・販売する戦略をとっています。既に複数の製品(がん化学療法による口内炎治療薬「エピシル®」など)を上市し、収益を上げています。株価が数十円台(2025年11月時点)と極めて低位にあり、ハイリスクながらも、中国市場での販売拡大や新規パイプライン(SP-02:末梢性T細胞リンパ腫治療薬など)の進捗次第では、大きな株価変動が期待される点でDFP連想の「仕手性」を含む銘柄と言えます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2006年設立。2017年東証マザーズ(現グロース)上場。がん患者のQOL(生活の質)向上に貢献する医薬品や、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)の高いがん治療薬の開発・販売を推進。日本、中国、韓国などで製品の承認を取得し、販売網を構築してきました。しかし、直近の中間期決算(2025年12月期)では減収となり、研究開発投資の継続により営業損失が続いています。新株予約権の行使により資金調達を行い、財務基盤の維持を図っています。
◎ リスク要因: 業績は赤字が継続しており、財務状況は厳しい状態です。株価が低位であることは、倒産や上場廃止のリスクも(一般的に)高いことを示唆しています。中国市場での医薬品販売は、薬価改定や規制の変更といったカントリーリスクの影響を強く受けます。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4597
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4597.T
【固形がんCAR-Tの期待】ノイルイミューン・バイオテック株式会社 (4893)
◎ 事業内容: 山口大学および国立がん研究センター発の創薬ベンチャー。従来のCAR-T細胞療法では治療が困難であった「固形がん」に対し、独自の「PRIME技術」を用いて高い治療効果を目指す、次世代のがん免疫療法の研究開発を行う。
・ 会社HP: https://www.noile-immune.com/
◎ 注目理由: がん免疫療法の切り札として期待されるCAR-T細胞療法ですが、血液がん以外(固形がん)には効果が出にくいという課題がありました。ノイルイミューンは、この課題を克服しうる「PRIME技術」を有しており、これが最大の注目点です。この技術は、CAR-T細胞が自らサイトカイン(免疫を活性化する物質)を産生することで、がん局所に他の免疫細胞も呼び込み、治療効果を高めるものです。DFP(4598)が抗がん剤という既存モダリティの改良を目指すのに対し、ノイルイミューンはCAR-Tという最先端技術の限界突破を目指しており、成功した場合のインパクトは計り知れません。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2015年設立。2022年東証グロース上場。設立以来、PRIME技術を用いた固形がん向けCAR-T細胞療法の研究開発を推進。自社開発パイプライン(NIB-102、NIB-103など)に加え、大手製薬企業(武田薬品工業など)との共同研究開発も進めています。直近の決算では、共同研究による事業収益が増加し、損失額は大幅に縮小するなど、開発は順調に進捗しています。現在は、主力パイプラインNIB-103の臨床試験(治験)開始に向けた準備が進められています。
◎ リスク要因: CAR-T細胞療法は開発・製造コストが非常に高く、事業化のハードルが高い領域です。臨床試験の不確実性に加え、開発が長期化した場合、巨額の追加資金調達が必要となるリスクがあります。まさにハイリスク・ハイリターンの典型的なバイオベンチャーです。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4893
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4893.T
【RNA制御ストレス標的の武田発】Chordia Therapeutics株式会社 (190A)
◎ 事業内容: 武田薬品工業発の創薬ベンチャー。がん細胞特有の「RNA制御ストレス」という新しいメカニズムに着目し、これを標的とした低分子抗がん薬の創薬および臨床開発を行う。
・ 会社HP: https://chordia.co.jp/
◎ 注目理由: 「RNA制御ストレス」という、がんの新たな脆弱性を標的とする、非常に新規性の高い(ファーストインクラス)医薬品開発に挑んでいる点が最大の特徴です。このアプローチは、従来のがん治療薬が効きにくい難治性がんに対しても効果が期待されています。DFP(4598)の動意が「がん創薬」への期待であるならば、Chordiaの持つ革新的なアプローチはまさに連想の対象となります。リードパイプライン「CTX-712」は、米国での第1/2相臨床試験が開始されており、今後の進展が待たれます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2017年に武田薬品工業のベンチャー支援制度を活用して設立。2024年に東証グロース市場に上場した、比較的若い企業です。設立以来、RNA制御ストレスを標的とするパイプラインの構築に注力。「CTX-712」(CLK阻害薬)のほか、「CTX-177」(MALT1阻害薬)は小野薬品工業に導出済みであり、ライセンス先で第1相試験が実施中です。直近の決算では、研究開発投資の増加により純損失を計上しており、次期も損失拡大を見込んでいますが、これは開発進展に伴う先行投資と位置付けられています。
◎ リスク要因: 「ファーストインクラス」の医薬品開発は、成功すれば莫大ですが、前例がないため開発の不確実性が極めて高いです。リードパイプラインの臨床試験が失敗した場合、事業継続性に大きな影響が出ます。収益はライセンス契約に依存しており、研究開発費先行による赤字が継続しています。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/190A
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/190A.T
【自己再生能力を引き出す】株式会社ステムリム (4599)
◎ 事業内容: 大阪大学発のバイオベンチャー。生きた細胞の移植を必要とせず、医薬品の投与によって患者自身の体内にある幹細胞を活性化・誘導し、損傷した組織の再生を促す「再生誘導医薬」の研究開発を行う。
・ 会社HP: https://stemrim.com/
◎ 注目理由: DFP(4598)ががん細胞を「攻撃」するアプローチであるのに対し、ステムリムは生体が本来持つ「再生能力」を引き出すという全く異なるアプローチをとります。この「再生誘導医薬」は、従来の再生医療(細胞移植)が抱えるコストや安全性の課題をクリアする可能性があり、非常に革新的です。パイプラインは、脳梗塞、表皮水疱症、心筋症、変形性膝関節症など多岐にわたり、これらが成功した場合の市場規模は計り知れません。特に塩野義製薬に導出済みの「PJ1(レダセムチド)」は、表皮水疱症や脳梗塞で臨床試験が進んでおり、その進捗が最大のカタリストとなります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2006年設立。大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らの研究成果を基盤としています。2019年東証マザーズ(現グロース)上場。主力パイプラインである「PJ1(レダセムチド)」は、開発初期段階で塩野義製薬に導出しており、開発の進展に応じたマイルストーン収入やロイヤリティ収入が事業モデルの柱です。直近では、表皮水疱症を対象とした第2相臨床試験が終了(2019年)し、脳梗塞急性期を対象とした第2相臨床試験が進行中です。
◎ リスク要因: 「再生誘導医薬」は非常に新しい概念の医薬品であり、臨床試験で期待通りの有効性を証明できるかどうかが最大の不確実性です。収益の多くを塩野義製薬からのマイルストーンに依存しており、導出先企業の開発方針の変更や開発中止が重大なリスクとなります。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4599
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4599.T
【独自の抗体作製技術ADLib】株式会社カイオム・バイオサイエンス (4583)
◎ 事業内容: 理化学研究所発の創薬ベンチャー。独自の完全ヒト抗体作製技術「ADLib®(アドリブ)システム」を中核に、抗体医薬品の研究開発および創薬支援事業(ライセンス供与など)を展開。
・ 会社HP: https://www.chiome.co.jp/
◎ 注目理由: DFP(4583)が抗がん剤という「製品」で注目されるのに対し、カイオムは抗体医薬品を生み出す「技術(プラットフォーム)」で注目される企業です。「ADLib®システム」は、従来法では作製が困難だった抗体(特にがん治療用)を迅速に生み出せる可能性があり、国内外の製薬企業との提携の核となっています。また、一つの分子で3つの標的(がん細胞と免疫細胞2種など)に結合できる「Tribody®(トリボディ)」という次世代抗体技術も保有しており、これが実用化されれば大きなインパクトを持ちます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2005年設立。2011年東証マザーズ(現グロース)上場。独自のADLib®システムを活用し、自社パイプライン(CBA-1205:がん治療用抗体など)の開発を進めると同時に、国内外の企業(持田製薬、富士フイルムなど)へ技術ライセンスを提供し、収益源としてきました。しかし、自社開発パイプラインの進捗は遅れがちで、赤字が続いていました。直近の中間期決算(2025年12月期)では、研究開発費の減少により損失額は縮小傾向にあります。
◎ リスク要因: ADLib®システムから生まれた自社開発パイプラインで、臨床試験の後期段階に進み、承認・上市に至った成功例がまだない点が最大の懸念材料です。赤字が長期化しており、継続的な資金調達が必要な状況です。プラットフォーム技術の優位性が、競合他社の技術(ADCやCAR-Tなど)の急速な進展の中で維持できるかどうかも課題です。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4583
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4583.T


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