2022年秋から本格化した日本の食品値上げラッシュは、2025年も勢いを失っていない。帝国データバンクの調査によれば、2025年の飲食料品値上げ品目数は累計2万品目超に達し、前年比で64.6%増という記録的な水準となった。原材料費の高騰、物流費の上昇、人件費の増加——三重苦に見舞われる食品業界だが、一方でこの流れをうまく捉え、収益力を着実に高めている企業も存在する。
インフレ局面において食品株が注目される理由は明確だ。食は生活必需品であり、経済環境が悪化しても消費量が急減しにくい「ディフェンシブ」な性格を持つ。加えて、消費者の節約志向が高まる中でPB(プライベートブランド)や業務用食材、中食(なかしょく)・内食向けの商品が伸びやすく、適切なポジショニングを持つ企業にとっては追い風となる。
本稿では、単に「食品メーカーだから安心」という視点ではなく、値上げラッシュの時代に「価格転嫁力」「独自ブランドの強さ」「内食・中食需要の取り込み」「グローバル展開による収益多様化」といった切り口で、東京証券市場に上場する食品関連銘柄の中から特に注目度の高い20社を厳選した。普段はあまり投資家の視線が集まりにくい中堅・独自ニッチ企業も含め、幅広いカテゴリから選出している。それぞれの事業特性、最近の動向、そして投資する上で注意すべきリスクを丁寧に解説する。
食品株はリターンが地味に見えがちだが、インフレ局面では企業の底力が如実に表れるセクターでもある。この記事が、読者の皆さんのポートフォリオ構築の一助となれば幸いだ。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。株式投資にはリスクが伴い、投資元本が保証されるものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。また、本記事に掲載された内容を参考にして被った損害・損失について、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いません。投資判断の前に、最新の企業情報・決算情報・有価証券報告書等をご確認ください。
【業務スーパーの圧倒的コスパ戦略】株式会社神戸物産 (3038)
◎ 事業内容: 「業務スーパー」のフランチャイズチェーン本部として全国1,100店舗超を展開。食品の製造・輸入・卸売・小売を一貫して手がける「製販一体体制」が特徴。独自の輸入ルートと国内製造拠点を活用し、大容量・低価格のオリジナル商品を提供する。外食・中食事業や再生可能エネルギー事業も展開。
・ 会社HP:
◎ 注目理由: インフレ局面で家庭の節約志向が高まる中、「安く大量に買える」業務スーパーへの需要が急拡大している。同社は自社工場での製造と海外直輸入を組み合わせた独自のサプライチェーンを持ち、一般スーパーでは真似できない低価格を実現。値上げ時代においてもコスト競争力が際立つ。2025年10月期の連結業績は売上高5,517億円(前年比8.6%増)・営業利益398億円(同16.1%増)と大幅増益を達成。消費者が外食を控え内食に回帰する動きが同社にとって強烈な追い風となっており、店舗数は2026年10月期末に1,154店舗を目標とする積極出店が続く。SNSでの話題性も高く、若年層のファン獲得にも成功している点が中長期成長の礎となっている。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1981年創業。当初は食品の製造・販売を手がけ、1997年に「業務スーパー」1号店を兵庫県加古川市に開業。フランチャイズ展開を加速し、現在は全国1,100店舗超のチェーンに成長した。2021年には東証プライムへの上場区分変更。2025年7月には全輸入コンテナを対象とした残留農薬の自主検査を開始し、食の安全・安心への取り組みを強化した。2026年10月期の営業利益目標は430億円と過去最高更新を見込む。国内外の原材料調達網の拡充とともに、外食・中食事業(ステーキ業態など)の多店舗化も進行中だ。
◎ リスク要因: 円安が進行すると輸入品の仕入れコストが上昇し、低価格戦略を維持しにくくなるリスクがある。また、食品安全に関する問題が発生した場合の風評リスクも無視できない。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
【セブン-イレブンの「裏側」を支える中食の雄】わらべや日洋ホールディングス (2918)
◎ 事業内容: セブン-イレブン向けを中心に、おにぎり・弁当・惣菜・和菓子などの中食商品を製造・販売する食品メーカー。国内のみならず米国(オハイオ州)や中国にも製造拠点を持つ。売上規模は連結で約2,200億円超。コンビニエンスストアの食品供給を根幹で支える「縁の下の力持ち」的存在だ。
・ 会社HP:
◎ 注目理由: 外食費の高騰を背景に、コンビニ弁当・惣菜の需要は底堅く推移している。同社はセブン-イレブンとの強固な取引関係を持ち、コンビニ商品の価格改定(実質値上げ)に連動する形でメーカーとしての収益改善が見込まれる。2025年に入ってからは「純利益2倍」見通しが報道され、日経ヴェリタスでも「セブンの黒子の値上げ力」として注目を集めた。米国オハイオ州の新工場が本格稼働することで海外利益の寄与も本格化する見通し。内食回帰と中食の拡大という二重の恩恵を受けやすい業態であり、コンビニ経済圏の成長を間接的に取り込める銘柄として評価が高まっている。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1963年創業。もともとは「わらべや」として知られる米飯製造企業で、その後日洋食品との統合を経て現在の体制となった。セブン-イレブンへの供給比率が高く、長年にわたってコンビニ食品の品質向上を担ってきた。2025年には組織再編(連結子会社間の会社分割)を行い、体制の効率化を推進。米国工場は2025年に新工場が本格稼働し、北米での中食需要取り込みを狙う。コンビニ業態の高付加価値化という世界的潮流も追い風だ。
◎ リスク要因: セブン-イレブン一社への依存度が高く、セブン側の政策変更や競争激化の影響を直接受けやすい。原材料(米・鶏肉等)の価格高騰が利益を圧迫するリスクも継続的に存在する。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
【マルちゃん即席麺で世界を席巻】東洋水産株式会社 (2875)
◎ 事業内容: 「マルちゃん」ブランドの即席麺・冷凍食品を中核事業とする食品メーカー。国内向け即席麺のほか、北米・メキシコ向けの海外即席麺が急成長しており、水産食品・低温食品・冷凍食品も手がける。売上高は連結で約2,560億円(2025年9月期)に達し、安定した増収増益基調を維持。
・ 会社HP: https://www.maruchan.co.jp/
◎ 注目理由: 即席麺はインフレ時代の「節約食」として需要が底堅い一方、同社は独自ブランドの強化によって価格帯を引き上げることにも成功している。特に北米・メキシコでの「マルちゃん」ブランドは圧倒的な知名度を誇り、現地での拡大余地も大きい。2025年9月期は売上高4.2%増・純利益4.6%増と着実な成長を示した。国内では冷凍麺や冷凍惣菜カテゴリでも値上げを実施しつつ販売数量を維持しており、価格転嫁力の高さが際立つ。財務面でも堅実で、自己資本比率は高水準。高配当銘柄としても知られており、長期保有の観点からも魅力的だ。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1953年に水産加工品の製造販売を開始。1961年に即席麺「マルちゃん」を発売し、その後急成長。現在は国内即席麺市場でトップクラスのシェアを持つ。北米法人「Maruchan Inc.」はメキシコでも生産拠点を持ち、現地では国民食的な存在感を持つ。近年は高付加価値の「本日の大盛り」や健康志向麺にも注力。水産事業も継続しており、魚介類の加工・販売も収益源の一つとなっている。
◎ リスク要因: 小麦・パーム油・水産物など主要原材料の価格変動リスクが大きい。北米売上の為替変動(円高)による影響も無視できない。また、健康志向の高まりによる炭水化物制限ブームが即席麺需要を中長期で押し下げる可能性もある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2875
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2875.T
【スパイス王者の底力——カレーを超えた成長戦略】エスビー食品株式会社 (2805)
◎ 事業内容: 「S&B」ブランドで知られる日本最大手のスパイス・香辛料メーカー。カレー粉・チューブ香辛料(わさび・しょうが・にんにく等)・カレールウ・ドレッシング・スパイス製品を幅広く展開。日本国内はもちろん、海外輸出にも注力しており、特にアジア・欧米での需要が拡大中。
・ 会社HP: https://www.sbfoods.co.jp/
◎ 注目理由: スパイス・香辛料は家庭料理の「欠かせない脇役」であり、値上げしても代替品が少なく需要が粘着しやすいカテゴリだ。エスビー食品は2025年にカレールウやチューブ香辛料を中心に価格改定を実施したが、販売数量への影響は限定的にとどまった。内食回帰の流れで家庭での料理頻度が高まることは、調味料・スパイス需要の直接的な押し上げ要因となる。国内市場での圧倒的シェアと海外展開の加速により、成長余地が大きい。また「ゴールデンカレー」「本挽きカレー」などのロングセラーブランドが安定した収益基盤を形成している。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1923年に「日本香辛料商会」として創業。1930年代にカレー粉の国産化に取り組み、戦後は「S&Bカレー」として全国に普及した。その後チューブ型香辛料「おろしわさび」「生しょうが」などヒット商品を多数投入。近年はアジア圏への輸出強化と国内での健康志向商品(減塩・有機スパイス)の開発に力を入れている。2025年には海外売上比率のさらなる引き上げを目標に掲げ、グローバル展開を加速中だ。
◎ リスク要因: 香辛料の多くは輸入依存度が高く、為替レートや産地の天候不順によって仕入れコストが大きく変動するリスクがある。競合他社(ハウス食品など)との価格競争が激化する局面では値上げ効果が薄れる可能性もある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2805
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2805.T
【カレー・シチューの頂点——世界展開で次のステージへ】ハウス食品グループ本社株式会社 (2810)
◎ 事業内容: 「バーモントカレー」「こくまろカレー」「シチューミックス」などで圧倒的なシェアを誇る国内最大手のカレー・シチューメーカー。食品事業に加え、健康食品(ウコンの力)や中華料理店「中華レストランbamiyan(バーミヤン)」の運営も手がける。海外はアジア・北米・中国を中心に展開。
・ 会社HP: https://housefoods-group.com/
◎ 注目理由: カレールウはインフレ時代に消費者が「外食を控えて家で食べる」ときの定番メニューとして需要が堅調に推移する。同社はブランド力を活かした価格改定を複数回実施し、収益性の改善を図ってきた。また「野菜を食べるカレー」などの健康志向・付加価値商品への展開が消費単価を引き上げており、値上げと価値訴求を両立させている好例だ。海外展開についても、アジア圏でのカレー市場拡大という構造的な追い風を受けており、国内成熟市場を補完する成長ドライバーとなっている。株主優待制度(自社商品詰め合わせ)も個人投資家に人気が高い。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1947年に大阪で創業し、1960年代に「バーモントカレー」を発売してカレールウ市場に革命をもたらした。その後も「こくまろカレー」「ジャワカレー」など多数のブランドを展開。2014年に持株会社体制へ移行しハウス食品グループ本社となる。近年は健康食品・美容食品分野への多角化と海外事業の強化を推進。中国・台湾・米国での拡販体制を整備中で、グループ全体の海外売上比率向上を目指している。
◎ リスク要因: 外食事業(バーミヤン等)は人件費や食材費高騰の影響を受けやすい。国内のカレールウ市場は成熟しており、長期的な数量成長には限界がある。円安時の原材料調達コスト増加も利益圧迫要因となる。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2810
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2810.T
【焼肉のたれの「隠れ王者」——調味料専業の強みが光る】株式会社ダイショー (2816)
◎ 事業内容: 焼肉のたれ・鍋の素・浅漬けの素・ドレッシングなど、家庭用・業務用の調味料を専業とする食品メーカー。「焼肉のたれ」カテゴリでは国内トップクラスのシェアを誇る。東証スタンダード上場。原材料の調達から製品開発・販売まで一貫した体制を持つ独立系メーカーだ。
・ 会社HP: https://www.daisho.co.jp/
◎ 注目理由: 焼肉のたれや鍋の素は「外食の代替」として内食・家庭での焼き肉鍋パーティーの際に使われる商品であり、外食費節約ムードが追い風になる典型的な内食株だ。物価高で外食を控える家庭ほど、自宅で本格的な味を手軽に楽しめる調味料の需要が高まる。ダイショーは調味料専業企業として効率的な生産体制を構築しており、値上げによるコスト転嫁を着実に実施してきた。競合が少ない「焼肉のたれ専業大手」というニッチトップのポジションは、安定的なブランドロイヤルティを生む。時価総額は比較的小さく、中小型株として機動的な値動きも期待できる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1966年に愛知県名古屋市で創業。焼肉文化が日本に普及する過程とともに成長してきた企業で、「ジューシー焼肉のたれ」シリーズが国内で広く流通する。近年は健康志向に対応した「減塩」「無添加」ラインナップの充実や、業務用市場への深掘りを推進。また、鍋の素・ドレッシング等の品目拡充によりカテゴリの多様化も進めている。国内消費者の内食志向継続を背景に、増収増益基調が続いている。
◎ リスク要因: 焼肉のたれという特定カテゴリへの依存が高い。大手調味料メーカー(キッコーマン・エバラ食品等)が本格参入した場合の競合激化リスクがある。また規模が小さいため流動性が低い点にも注意が必要だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2816
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2816.T
【健康志向と伝統食の二刀流】フジッコ株式会社 (2908)
◎ 事業内容: 煮豆・おせち惣菜・佃煮・乾物(昆布等)・ヨーグルト・カスピ海ヨーグルトを手がける食品メーカー。「フジッコ」「おまめさん」「カスピ海ヨーグルト」ブランドが有名。健康食品・食物繊維・発酵食品の需要拡大を背景に、機能性食品分野にも注力している。
・ 会社HP: https://www.fujicco.co.jp/
◎ 注目理由: 物価高と健康意識の高まりが同時進行する現在、豆類・乾物・発酵食品というカテゴリは理想的な環境にある。煮豆は高たんぱく・低カロリーの優れた食材として再評価されており、フジッコのブランド力はこの流れを取り込みやすい。同社は値上げを実施しつつも、既存商品の「機能性表示食品」化や付加価値訴求により消費者の購買意欲を維持している。また、カスピ海ヨーグルトはプロバイオティクス需要という別の成長市場とも連動。株主優待(自社商品詰め合わせ)も充実しており、長期個人株主の支持が厚い。伝統食材と最新の健康トレンドを組み合わせた独自ポジションが強みだ。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1955年に「藤井食品工業」として神戸市で創業、豆類の加工から出発した。その後昆布・佃煮・ヨーグルトに事業領域を拡大。1990年代に「カスピ海ヨーグルト」を発売し、健康食品分野に進出。近年は機能性表示食品の取得を積極的に推進し、健康訴求を強化している。Z世代・ミレニアル世代向けのSNS活用マーケティングも展開中で、若年層への認知向上を図っている。
◎ リスク要因: 大豆・小豆などの農産物は天候不順や国際市況の影響を受けやすい。ヨーグルト市場は競合が多く、大手乳業メーカーとの競争が続く。少子高齢化による国内食品市場の縮小も中長期的なリスクとなる。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2908
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2908.T
【おでん・練り物の「縁の下の力持ち」——季節需要を安定収益に変える】株式会社紀文食品 (2933)
◎ 事業内容: かまぼこ・ちくわ・おでん種・つみれなど水産練り物製品の製造・販売を主力とする食品メーカー。「紀文」ブランドは練り物市場で圧倒的な知名度を誇る。スーパーマーケット・コンビニ・業務用チャネルを通じた流通網を持ち、冷凍食品事業や食品関連事業も展開する。
・ 会社HP: https://www.kibun.co.jp/
◎ 注目理由: 練り物製品は価格に対して消費者の感度がやや低く、食卓での代替品が少ないため値上げが比較的浸透しやすいカテゴリだ。2026年2月期第3四半期では、国内食品事業と食品関連事業がともに増収を達成しており、値上げ効果が着実に業績に貢献している。おでんシーズン(秋冬)の季節需要に加え、近年は通年消費を促す商品開発にも注力。たんぱく質食材としての再評価も追い風で、健康志向の消費者層への浸透が進んでいる。東証プライム上場で流動性も確保されており、安定した中期成長を期待できる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1938年に東京で創業し、戦後の高度成長期に水産練り物の大衆化をリードした。「紀文のかまぼこ」は昭和から令和まで続く国民的ブランド。近年はベトナムや東南アジアへの輸出も手がけ、海外展開を拡大中。冷凍食品カテゴリも強化しており、おでんセット・ちゃんこ鍋セットなど時短調理ニーズに対応した商品ラインを充実させている。2024年には複数回の価格改定を実施し、増収基調を継続している。
◎ リスク要因: 魚介類(スケトウダラ等)の漁獲量減少や価格高騰が主要原材料の調達コストを押し上げるリスクがある。気候変動による水産資源の不安定化も中長期的な懸念材料だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2933
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2933.T
【業務用マヨネーズの「見えないシェア」——外食産業に根ざした強固な収益基盤】ケンコーマヨネーズ株式会社 (2915)
◎ 事業内容: 業務用マヨネーズ・ドレッシング・デリカサラダ・タルタルソース等の製造・販売を主力とする食品メーカー。ファストフード・外食チェーン・コンビニエンスストア向けの業務用食品に特化したニッチトップ企業。ケンコーマヨネーズのマヨネーズは外食産業での使用シェアが高い。
・ 会社HP: https://www.kenko-mayo.co.jp/
◎ 注目理由: 業務用食品はコンビニ・外食産業のメニュー改定タイミングに合わせて価格転嫁がしやすく、消費者への直接的な値上げ圧力がかかりにくい特性を持つ。同社は業務用に特化した「見えないシェア」を持つことで、競合との消耗戦を避けながら安定した収益を確保している。コンビニやファストフードの商品単価上昇という産業トレンドが、川上サプライヤーである同社にとっても追い風となる。デリカサラダ事業は成長著しく、スーパーのデリカコーナー向けサラダ需要の拡大とともに高い成長率を示している。独自の風味設計力と顧客との長期取引関係が参入障壁となっている。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1958年に東京都でマヨネーズの製造を開始。業務用に特化した戦略でファストフード産業の成長期に急拡大し、大手チェーンとの取引を積み上げた。近年はサラダ・デリ商品の製品ラインを充実させ、コンビニの総菜強化という流れを取り込んでいる。2025年には複数の工場での生産能力増強を実施。原材料の鶏卵価格高騰に対し価格転嫁を進めており、収益の安定化が図られている。東証プライム上場。
◎ リスク要因: 鶏卵価格の高騰(鳥インフルエンザ等)は製造コストに直結する。外食産業の縮小(人口減少・内食シフト)が業務用需要を長期的に押し下げるリスクもある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2915
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2915.T
【ハム・ソーセージ国内第2位——食卓の定番を値上げで収益化】プリマハム株式会社 (2281)
◎ 事業内容: ハム・ソーセージ・ベーコン等の食肉加工品および冷凍食品の製造・販売を行う食肉加工メーカー大手。国内食肉加工市場でトップクラスのシェアを誇る。住友商事の持分法適用関連会社として安定した経営基盤を持つ。チルド食品・加工食品・冷凍食品を通じて家庭・業務用の双方に供給。
・ 会社HP: https://www.primaham.co.jp/
◎ 注目理由: ハム・ソーセージは朝食の定番として家庭の食卓に根付いた商品であり、内食回帰の恩恵を受けやすい。プリマハムは2025年に複数回の価格改定を実施し、原材料費(豚肉・鶏肉等)の高騰を販売価格に着実に転嫁している。国内食肉加工業界は大手数社による寡占市場となっており、業界全体で価格転嫁を足並みをそろえやすい構造が利益を守る。住友商事グループとの連携による原材料調達の安定化も強みだ。配当利回りも比較的高く、インカムゲインを重視する投資家にも魅力的な銘柄といえる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1931年に「東京畜産工業」として設立。戦後の高度成長期にハム・ソーセージ市場を開拓し、「プリマハム」ブランドを確立した。1990年代以降は冷凍食品分野への進出を本格化。近年は健康志向商品(低塩・高たんぱく)の開発や、パッケージ変更によるサステナビリティ対応も積極的に推進。住友商事グループとの連携強化による調達効率化も継続している。
◎ リスク要因: 豚・牛・鶏などの畜産原材料は国内外の供給動向や疾病リスク(ASF・鳥インフルエンザ等)の影響を強く受ける。輸入肉の価格高騰や円安進行時にコストが上昇しやすい点にも注意が必要だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2281
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2281.T
【統合シナジーで日本最大の食肉加工グループへ】伊藤ハム米久ホールディングス株式会社 (2296)
◎ 事業内容: 伊藤ハム株式会社と米久株式会社の経営統合により2016年に設立された食肉加工持株会社。ハム・ソーセージ・ベーコン・食肉加工品の製造・販売が主力で、国内食肉加工市場で最大手の地位を占める。食肉(生鮮肉)事業も手がけ、国内外の食肉チェーンにおける川上から川下までの垂直統合体制を強化中。
・ 会社HP: https://www.itoham-yonekyu-hd.com/
◎ 注目理由: 日本最大の食肉加工グループとして圧倒的なスケールメリットを誇る。2025年には配当利回りが5%超となる場面もあり、高配当銘柄として機関投資家・個人投資家双方から注目を集めた。食肉加工品は家庭での消費頻度が高く、価格転嫁も段階的に進めやすい。伊藤忠商事グループとの連携による原材料調達力も大きな強みだ。内食回帰によりスーパーの精肉コーナー・加工品売上が堅調に推移する中、市場をリードする同社はその恩恵を最大限享受できる立場にある。業界再編の観点でも引き続き注目度が高い。
◎ 企業沿革・最近の動向: 伊藤ハムは1928年創業の老舗食肉加工メーカー、米久は1932年創業の静岡発食肉メーカーで、2016年に両社の持株会社として統合。規模拡大によるコスト削減・ブランド強化を進めてきた。近年は工場の省人化・自動化投資を積極化しており、人件費上昇への対応を図っている。海外展開(アジア・オセアニア)の拡充も中長期の成長戦略として掲げている。
◎ リスク要因: 畜産原材料の価格変動リスクはグループ規模が大きいほど影響が拡大する。また統合から約10年が経過し、シナジー効果の刈り取りが一巡しつつある点で次の成長戦略の具体化が求められる。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2296
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2296.T
【水産から冷凍食品へ——日本の食卓を支える総合水産メーカー】株式会社ニッスイ (1332)
◎ 事業内容: 旧社名「日本水産」の後継企業。水産・養殖・冷凍食品・調理品を幅広く手がける総合水産メーカー大手。「ニッスイ」ブランドの魚肉ソーセージ・冷凍エビフライ・冷凍餃子等はスーパーの定番商品として広く流通。国内外に生産・販売拠点を持ち、特に欧米・南米での水産事業も展開する。
・ 会社HP: https://nissui.co.jp/
◎ 注目理由: 冷凍食品はインフレ時代の「時短・節約」ニーズを同時に満たす食品カテゴリとして市場が拡大中だ。工場出荷額が年率4〜5%超のペースで増加しており、ニッスイはこの追い風を受ける立場にある。冷凍食品の値上げも2025年に集中的に実施されており、売上・利益の両面で恩恵が期待できる。また、魚肉ソーセージは手軽な高タンパク食品として健康志向の消費者から再評価されており、需要が底堅い。国際的な水産資源の希少化に伴う魚介類単価の上昇も、養殖事業を持つニッスイにとっては強みとなりうる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1911年に「田村汽船漁業部」として創業し、漁業から加工・流通へと事業を拡大してきた日本水産業の老舗。2022年に社名を「ニッスイ」に変更し、グローバルブランドとして再出発。近年は持続可能な漁業・養殖への投資を強化し、サーモン・ブリの養殖事業を拡大中。冷凍食品の商品開発にも力を入れ、ワンプレート系・時短系メニューを多数投入している。
◎ リスク要因: 漁獲量の不安定さや水産資源の国際的な規制強化は原材料の調達コストに直結する。南米・欧米の水産事業では為替や現地の規制変更リスクを抱える。冷凍食品市場の競合激化も収益圧迫要因だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1332
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1332.T
【缶詰から冷凍食品まで——海の恵みをビジネスに変える】マルハニチロ株式会社 (1333)
◎ 事業内容: 水産・養殖・加工食品・冷凍食品・物流を一体的に手がける日本最大の水産食品グループ。「シーフードミックス」「さばの水煮缶」「アイスの実」など幅広い商品を展開。国内外に多数の生産拠点を持ち、世界中から水産物を調達する独自のサプライチェーンを構築している。
・ 会社HP: https://www.maruha-nichiro.co.jp/
◎ 注目理由: 値上げの波は水産食品にも及んでおり、さば缶・ツナ缶・シーフード冷凍品など同社の主力商品でも2024〜2025年にかけて複数回の価格改定が実施された。魚介類の国際価格上昇という逆風を受けつつも、スケールメリットを生かしたコスト管理と値上げ転嫁により利益を維持している。缶詰は保存食・防災備蓄食品としての需要も安定しており、今後の気候変動・地政学リスクによる食料安全保障意識の高まりとともに需要が底堅い。アイスクリーム事業(アイスの実)は季節需要はあるものの、インバウンド旺盛な国内消費環境で健闘している。
◎ 企業沿革・最近の動向: マルハグループとニチロの合併(2007年)を経て2014年に「マルハニチロ」に商号統一。両社の歴史は明治時代まで遡る。近年は「さば缶ブーム」を追い風に缶詰事業が好調に推移。冷凍食品では新型コロナ特需後も内食需要の継続を取り込み、売上を堅調に伸ばしている。サーモン・マグロの養殖技術開発にも積極投資し、持続可能な事業モデルの構築を急いでいる。
◎ リスク要因: 水産資源の漁獲規制強化や不漁による原材料不足が業績に大きく影響する。アイスクリーム事業は夏の天候次第で大きく振れる季節性リスクがある。また大規模な設備投資が継続中であり、減価償却負担が一時的に利益を圧迫する局面もある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1333
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1333.T
【新潟発・ビスケット王国——プレミアム志向で単価引き上げに成功】株式会社ブルボン (2208)
◎ 事業内容: ビスケット・チョコレート・米菓・スナック菓子を手がける菓子専業メーカーで、新潟県柏崎市を本拠地とする。「アルフォート」「ルーベラ」「プチシリーズ」「バームロール」などロングセラーブランドが多数。国内菓子メーカー上位に位置し、海外(中国・アジア)へも展開。自社のお菓子の家(直営店)を運営する観光産業にも関与。
・ 会社HP: https://www.bourbon.co.jp/
◎ 注目理由: 菓子類はインフレ局面でも「小さな贅沢」として需要が維持されやすく、ブランド力のある商品は値上げしても消費者離れが起きにくい。ブルボンは「プチ」シリーズのような手軽さとプレミアム感を両立する商品展開が得意で、消費単価引き上げに成功している。2025年は複数のビスケット・チョコ商品で20%超の価格改定を実施し増収増益基調を確保。新潟という地方に根ざした独自ブランドと自社工場(産地直売)の強みを持ち、競合との差別化が明確だ。外国人インバウンド観光客向けのお土産需要もプラスに働いている。低PBR・高配当利回りの観点からもバリュー株として評価されている。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1924年に新潟県で創業、当初は飴の製造からスタート。戦後にビスケットを主力商品に転換し、「アルフォート」「ルーベラ」などのヒット商品を生み出した。1990年代以降は中国・東南アジアへの輸出を拡大。近年は健康素材を使用した「グルテンフリー」「高食物繊維」等の機能性菓子の開発も進めており、健康志向層にもアプローチしている。2025年は工場の設備更新と新商品展開を積極推進。
◎ リスク要因: 小麦粉・砂糖・カカオ・植物油脂など主要原材料の価格は国際商品市況に左右され、コストの読みが難しい。菓子市場は競合が多く、大手(明治・グリコ等)との価格競争が激しい局面もある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2208
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2208.T
【「凍り豆腐」の唯一無二の存在感——再評価される日本の伝統保存食】旭松食品株式会社 (2911)
◎ 事業内容: 高野豆腐(凍り豆腐)・絹ごし豆腐・しらたき・糸こんにゃくなどの加工食品を主力とする食品メーカー。「旭松」ブランドの高野豆腐は国内市場でトップシェアを持つ。近年は乾燥食品・健康食品・フリーズドライ食品の展開も強化しており、東証スタンダード上場。
・ 会社HP: https://www.asahimatsu.co.jp/
◎ 注目理由: 高野豆腐は高タンパク・低カロリー・長期保存可能という三拍子揃った食材として、健康志向ブームの中で改めて脚光を浴びている。物価高で食費を節約したい消費者にとって、栄養価が高く安価な高野豆腐は理想的な食品だ。また乾燥食品・フリーズドライ食品は食料安全保障・防災備蓄の観点からも需要が拡大中で、政府の備蓄奨励政策とも追い風関係にある。競合がほとんど存在しないニッチトップ銘柄であり、値上げを実施しても代替品への流出が起きにくい。時価総額が小さいため、株価上昇の余地も大きい小型成長株として注目できる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1951年に長野県松本市で創業し、高野豆腐の工業的生産技術を確立した先駆者。その後全国に流通網を拡げ、「旭松のこうやどうふ」として家庭に浸透した。近年はフリーズドライ技術を活用した即席みそ汁・スープの製品化を進め、コンビニや業務用市場への展開を拡大。健康食品・機能性食品としての再ブランディングにも取り組んでいる。
◎ リスク要因: 大豆の調達コストは国際市況に左右される。高野豆腐という特定カテゴリへの依存度が高く、市場自体の縮小リスクも否定できない。流動性が低い小型株であるため、売買コストや価格変動リスクに注意が必要だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2911
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2911.T
【卵加工の「縁の下の力持ち」——液卵・卵製品でBtoB市場を独占的に支配】イフジ産業株式会社 (2924)
◎ 事業内容: 液卵・乾燥卵・冷凍卵など卵加工品の製造・販売を主力とするBtoB食品メーカー。外食チェーン・菓子メーカー・食品加工業者向けに卵を加工した原材料を供給する。国内液卵市場でのシェアが高く、ニッチトップの地位を確立。東証スタンダード上場。
・ 会社HP: https://www.ifuji.co.jp/
◎ 注目理由: 2023〜2025年の鳥インフルエンザ禍で鶏卵価格が歴史的高騰を経験したが、液卵・卵加工品は外食チェーン・菓子産業において代替が効かない必須素材だ。イフジ産業は卵加工品の安定供給という使命を持ちつつも、原材料の高騰を販売価格に転嫁することに成功し、売上・利益を伸ばしてきた。鶏卵市場の供給不安が続く中、液卵の安定供給体制を持つ同社の存在意義は高まるばかりだ。価格転嫁が認められやすいBtoBビジネスモデルは、インフレ局面での収益安定性という観点で理想的といえる。小型株ながら独自の競争優位性を持つ隠れた優良企業だ。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1960年代に愛媛県で卵の加工事業を開始し、液卵分野のパイオニアとして国内に展開。全国に生産拠点を持ち、衛生管理体制の強化を継続的に推進してきた。近年は賞味期限延長技術の開発や加工処理能力の増強を実施。食品安全に関する国際規格(FSSC22000等)の取得も積極化しており、大手顧客への採用拡大につなげている。
◎ リスク要因: 鳥インフルエンザの発生は主原料である鶏卵の供給を直接的に脅かし、原材料確保が困難となるリスクがある。顧客の内製化(自社での卵処理)の動きが広がった場合、需要が縮小する可能性もある。流動性の低い小型株であることにも注意が必要だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2924
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2924.T
【製粉トップの安定王国——小麦を起点にした多角化成長】日清製粉グループ本社株式会社 (2002)
◎ 事業内容: 国内製粉業トップの「日清製粉」を中核に、食品・外食(ウェルナ)・酵母・バイオ・エンジニアリング事業を展開する多角化食品グループ持株会社。「日清の強力粉」など業務用・家庭用製粉商品が主力で、パスタ・麺・お好み粉など二次加工品も幅広く展開する。製粉では国内シェア首位を維持。
・ 会社HP: https://www.nisshin.com/
◎ 注目理由: 製粉事業は食品産業の根幹を支えるインフラ的事業であり、価格転嫁力が高い。国内製粉シェア首位として業界の値上げをリードする立場にあり、小麦の政府買い付け価格改定に連動した売価引き上げが着実に実施されている。また、エンジニアリング事業・バイオ事業(酵母など)は食品以外の成長源として収益を多様化する機能を果たしている。M&Aを通じた事業拡大も積極的で、2025年時点でも海外でのパスタ・製粉関連の買収を推進中。財務体質が健全で配当も安定しており、ディフェンシブ銘柄として機関投資家の人気が高い。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1900年に「日清製粉所」として神奈川県で創業、100年以上の歴史を持つ製粉業の雄。戦後は小麦粉の安定供給を担い、高度成長期に業容を拡大。2007年に持株会社体制へ移行。近年は海外M&Aを積極化しており、米国・オーストラリア等での製粉・食品関連企業の買収を積み重ねている。国内でもパスタ・お好み粉など家庭用商品の価格改定を継続的に実施し、増収増益基調を維持している。
◎ リスク要因: 小麦は全量輸入依存であり、国際小麦市況と為替の影響を強く受ける。政府による小麦輸入価格の決定メカニズムにより、価格改定のタイミングにラグが生じる場合がある。海外M&Aの統合リスクも無視できない。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2002
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2002.T
【九州食文化の守り手——地域密着型食品卸の安定成長モデル】ヤマエグループホールディングス株式会社 (7130)
◎ 事業内容: 九州・沖縄・中国・四国地域を中心に食品・酒類の卸売・物流を手がける食品卸の中堅大手。旧社名「ヤマエ久野」から2022年に商号変更。流通の川下となるスーパー・コンビニ・外食産業への食品・飲料・酒類の卸売が主力で、物流ソリューション事業も展開する。
・ 会社HP: https://www.yamae-group.co.jp/
◎ 注目理由: 食品卸売業は製造メーカーの値上げが浸透すると卸売金額ベースで自動的に売上規模が拡大するため、インフレ局面での業績が底堅い。取扱商品単価の上昇がそのまま売上高の押し上げに働く「インフレ追い風ビジネス」だ。九州・沖縄という成長人口圏に強固な流通網を持ち、地元食品メーカー・飲料メーカーとの長期的な取引関係が安定収益を支える。物流DX・自動化投資を進めており、食品物流の効率化という業界課題への対応力も高まっている。食品消費税ゼロ政策実現の場合、内食需要の増加で食品卸の取扱量が拡大する恩恵も期待できる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1888年に宮崎県で商店として創業した老舗企業で、食品卸・酒類卸として九州全域に展開。2022年にヤマエ久野からヤマエグループホールディングスへと社名・体制を刷新。物流センターの自動化・省人化投資を加速させており、2024〜2025年にかけて大型物流拠点の整備を進めた。食品物流の課題として取り上げられる「2024年問題」(トラックドライバー残業規制)への対応でも先手を打っており、業界内での競争力が高まっている。
◎ リスク要因: 卸売業はメーカーと小売の間で利益率が低く、原材料高や物流コスト増を吸収しきれない局面がある。デジタル化による卸機能の中抜き(D2C化)が進むと長期的に業態縮小リスクがある。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/7130
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/7130.T
【冷凍パン専業の唯一無二——ロングライフが生み出す新たな食市場】コモ株式会社 (2496)
◎ 事業内容: 長期保存が可能なロングライフパン(常温保存パン)と冷凍パンの製造・販売を専業とする食品メーカー。独自の製法技術によって最大60日以上の常温保存を実現したロングライフブレッドは、コンビニ・通販・自動販売機チャネルで販売される。東証スタンダード上場。
・ 会社HP: https://www.como.co.jp/
◎ 注目理由: ロングライフパンは防災備蓄食品・アウトドア食品・介護施設向け食品として需要が拡大中であり、「食料安全保障」という国家的テーマとも連動する成長市場にある。パン業界全体で2025年に大規模な価格改定が実施され(小麦・油脂等の原材料高騰が背景)、コモも例外ではないが、ロングライフという差別化技術を持つため単純な価格競争に巻き込まれにくい。通販・自販機といった独自チャネルにより高マージンな直販比率を維持している点も魅力だ。時価総額が小さいため、需要拡大局面での株価上昇余地が大きい。インフラ・物流の寸断を想定したBCP需要としても注目が高まっている。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1960年代に愛知県でパンの製造を開始。独自のロングライフ技術を開発し、1980年代以降コンビニへの供給で急成長した。近年は「非常食パン」「防災備蓄パン」としての訴求を強め、自治体・企業向けの防災備蓄需要を積極的に取り込んでいる。自動販売機でのパン販売という独特のチャネルを維持し、駅構内・病院・学校などへの設置台数を拡大中だ。
◎ リスク要因: 小麦粉・バター・砂糖等の原材料コストの影響を直接受ける。ロングライフ技術の模倣が進んだ場合、差別化優位が失われるリスクもある。流動性の低い小型株であることへの注意も必要だ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2496
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2496.T
【ビスケット市場の隠れた二番手——ヤマザキパングループの成長エンジン】ヤマザキビスケット株式会社 (2212)
◎ 事業内容: 「リッツ」「チップスター」「エアリアル」などのビスケット・スナック菓子を主力とする菓子メーカー。山崎製パングループの一員として、全国規模の販売網と安定した供給体制を誇る。旧社名「ヤマザキナビスコ」から2016年にナビスコとのライセンス契約終了に伴い現社名に変更。
・ 会社HP: https://www.yamazakibiscuits.co.jp/
◎ 注目理由: ビスケット・クラッカーは家庭での「小腹を満たす」スナックとして需要が安定しており、インフレ局面でも消費頻度が落ちにくい食品カテゴリだ。ヤマザキビスケットはナビスコとのライセンス終了後、独自ブランドに舵を切って成功を収めており、「チップスター」「エアリアル」などのリブランディング商品が売上に貢献している。山崎製パンという巨大グループの販売チャネルを持つ強みは、流通交渉力の面でも価格転嫁を後押しする。2025年は主力商品の価格改定を実施し増収増益基調に入っており、バリュー株としての評価も高まってきた。個人投資家にとって優待銘柄としても魅力的だ。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1965年にナビスコとの合弁で「山崎ナビスコ」として設立。「リッツ」「オレオ」などのグローバルブランドを日本に広めた先駆け。2016年にナビスコとのライセンス契約終了を機に完全独立路線に転換し、オリジナルブランドの確立を急いだ。「チップスター」「エアリアル」は完全独自ブランドとして定着し、旧来のライセンス依存体制からの脱却に成功。近年は健康訴求の「全粒粉入り」「食物繊維強化」商品の開発も積極化しており、時代の健康志向に対応している。
◎ リスク要因: 小麦・砂糖・植物油脂などの原材料コストが上昇すると利益を圧迫する。独自ブランドへの転換で認知度向上に一定のコストがかかり続けている。親会社の山崎製パングループの方針変更が戦略に影響を与えるリスクも念頭に置くべきだ。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2212
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2212.T


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