はじめに:なぜ今「国内顧客への回帰」が重要なのか
新型コロナウイルスの5類移行後、日本経済は「リオープン(経済再開)」と急激なインバウンド(訪日外国人客)需要の回復という大きな追い風を受けました。特に観光、外食、小売業界はその恩恵を大きく享受しました。

しかし、その特需も一巡し、為替の変動や海外経済の動向に左右されやすいインバウンド需要への過度な依存は、経営の不安定化を招くリスクをはらんでいます。一方で、日本の人口は減少傾向にあるものの、質の高いサービスや独自の体験価値を求める国内の消費者層は依然として厚く、安定した収益基盤となり得ます。
これからの企業成長の鍵を握るのは、一過性の需要に沸くのではなく、足元である国内の顧客と真摯に向き合い、ロイヤリティを高め、継続的な関係を築く力です。DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した利便性の向上、個々のニーズに応えるパーソナライズされたサービス、そして心に残る「体験価値」の提供など、国内顧客の満足度向上に本気で取り組む企業こそが、次の時代の勝者となるでしょう。
こうした戦略転換を明確にし、具体的な施策を打ち出している企業を30社厳選してご紹介します。

【百貨店・小売】富裕層・ファンを囲い込む「体験価値」戦略
インバウンドの売上回復は著しいものの、それに安住せず、国内の富裕層や固定客との関係を深化させることで、盤石な経営基盤を築こうとする企業群です。
【百貨店の雄、富裕層戦略で盤石】株式会社三越伊勢丹ホールディングス (3099)
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◎ 事業内容: 「三越」「伊勢丹」ブランドの百貨店を運営。富裕層向けの「外商」に圧倒的な強みを持つ。
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◎ 注目理由: インバウンド需要回復の恩恵を受けつつも、売上の核はあくまで国内顧客。高感度な品揃え、美術展などの文化催事、パーソナルな接客を強みに、高単価な国内富裕層の心を掴んでいます。専用アプリを通じた顧客とのデジタル接点強化にも注力し、囲い込みを進めています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 2008年に三越と伊勢丹が経営統合。近年は店舗の再編を進める一方、オンラインストアや顧客アプリへの投資を加速。顧客一人ひとりの購買データに基づいた提案力を強化しています。
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◎ リスク要因: 景気後退による高額品消費の冷え込み。ECプラットフォームとの競争激化。
【ドンキの進化、国内PBで求心力】株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (7532)
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◎ 事業内容: 「ドン・キホーテ」「アピタ」「ピアゴ」などを展開する総合小売グループ。
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◎ 注目理由: インバウンドの象徴的存在ですが、売上の大半は国内です。プライベートブランド「情熱価格」のリニューアルや、顧客の声を反映した商品開発で、国内消費者の支持を固めています。深夜営業や圧縮陳列といった独自の手法で、目的買い以外の「宝探し」的な消費体験を提供し、国内リピーターを飽きさせません。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 驚安の殿堂として成長し、ユニー・ファミリーマートHD(当時)からGMS事業を買収し業容を拡大。近年はアジアにも積極的に出店しています。
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◎ リスク要因: 総合スーパー事業の収益性改善。円安による輸入商品の価格高騰。
【無印良品、生活の基本を支える】株式会社良品計画 (7453)
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◎ 事業内容: 「無印良品」の企画開発、製造、販売。衣料品から食品、生活雑貨、家具まで幅広く展開。
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◎ 注目理由: 特定の層に偏らない「感じ良い暮らし」というコンセプトが、国内で幅広いファン層を獲得。価格見直しや、冷凍食品の拡充、店舗への給水サービス導入など、日々の生活に寄り添う施策で国内顧客の満足度を追求。500円以下の日用品・食品を拡充し、生活防衛意識の強い国内消費者のニーズに応えています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 西友のプライベートブランドから独立し、世界的なブランドへ成長。近年は「食」の分野を強化し、大型路面店の出店やオンラインとの連携を進めています。
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◎ リスク要因: 円安による原材料の調達コスト上昇。海外事業の収益変動。
【高感度セレクト、固定客を離さない】株式会社ユナイテッドアローズ (7606)
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◎ 事業内容: 高感度なセレクトショップ「UNITED ARROWS」や「BEAUTY&YOUTH」などを展開。
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◎ 注目理由: ファストファッションとは一線を画す価格帯と品質で、ファッション感度の高い国内の固定客をがっちり掴んでいます。販売員の質の高い接客や、自社ECサイトでのコーディネート提案など、顧客との長期的な関係構築を重視。国内の既存店売上が回復基調にあります。
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◎ 企業沿革・最近の動向: ビームス出身のメンバーが設立。時代に合わせた多様なブランドを展開し、日本のセレクトショップ市場を牽引。近年はDXを推進し、オンラインと店舗の融合を図っています。
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◎ リスク要因: 流行の移り変わりが早いアパレル業界特有のリスク。暖冬・冷夏など天候不順による販売不振。
【「.st」経済圏でファンを育成】株式会社アダストリア (2685)
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◎ 事業内容: 「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など30以上のブランドを展開するカジュアルファッション大手。
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◎ 注目理由: 強力な自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」を核に、国内顧客の囲い込みに成功。2000万人近い会員基盤を持ち、店舗とオンラインの相互送客や、スタッフのスタイリング投稿による親近感の醸成で、高い顧客ロイヤリティを誇ります。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 茨城県で紳士服店として創業。郊外のショッピングセンターを中心に出店し成長。近年はアパレル以外の雑貨や家具、飲食分野にも進出しています。
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◎ リスク要因: 国内ショッピングセンターの客数減少。若者向けファッション市場の競争激化。
【家電量販店の枠を超える】株式会社ビックカメラ (3048)
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◎ 事業内容: 家電量販店大手。駅前立地に強み。傘下にコジマを持つ。
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◎ 注目理由: インバウンド需要を取り込みつつも、酒販、医薬品、おもちゃ、スポーツ用品など非家電分野の品揃えを強化し、国内顧客の多様なニーズに対応。ECサイトとの連携や、専門知識を持つ販売員によるコンサルティング接客で、ネット通販との差別化を図っています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 池袋でカメラ店として創業。駅前大型店のスタイルを確立し全国展開。近年はリフォームやネットセキュリティなどサービス関連の提供も強化しています。
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◎ リスク要因: 家電製品の価格競争激化。EC専業との競合。

【外食】「安さ」から「楽しさ・満足度」への価値転換
価格競争から一歩抜け出し、独自のコンセプトや体験価値、徹底したサービス品質で国内のリピーターを創造する企業が成長を続けます。
【「おせっかい」品質で国内席巻】株式会社物語コーポレーション (3097)
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◎ 事業内容: 「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」などを直営・FCで展開する外食チェーン。
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◎ 注目理由: 「おせっかい」と称されるほどの徹底した接客サービスが、国内ファミリー層から絶大な支持を得ています。従業員の「最高の笑顔と元気」を引き出す独自の研修システムが強み。明確なコンセプトに基づいた業態開発力で、国内市場での成長余地が大きいです。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 愛知県豊橋市のおでん屋からスタート。「焼肉きんぐ」の成功で急成長を遂げ、全国に出店。積極的な新業態開発を続けています。
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◎ リスク要因: 正社員比率が高く、人件費の上昇が利益を圧迫する可能性。原材料価格の高騰。
【独自のサービスで熱狂的ファン】株式会社共立メンテナンス (9616)
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◎ 事業内容: ビジネスホテル「ドーミーイン」、リゾートホテル「共立リゾート」を運営。学生寮・社員寮事業も手掛ける。
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◎ 注目理由: 「ドーミーイン」の天然温泉大浴場やサウナ、ご当地メニューを取り入れた朝食、無料の「夜鳴きそば」といった独自のサービスが、国内のビジネス客・レジャー客の心を掴み、「ドーミー民」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しています。高いリピート率が安定収益の源泉です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 給食事業から始まり、学生寮事業を経てホテル事業へ進出。顧客満足度を追求する経営で着実に成長。
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◎ リスク要因: 新規ホテル開発に伴う投資負担。人手不足と人件費の高騰。
【低価格と品質の両立、国民食】株式会社サイゼリヤ (7581)
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◎ 事業内容: イタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」をチェーン展開。
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◎ 注目理由: インバウンド客にも人気ですが、その本質は国内の圧倒的な支持基盤。徹底したコスト管理による低価格を維持しつつ、食材の品質向上に妥協しない姿勢が、物価高に苦しむ国内消費者の強い味方となっています。「間違い探し」など、安さ以外の楽しみも提供し、国内のファンを飽きさせません。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 千葉県の個人経営のレストランからスタート。製造直販体制を構築し、低価格を実現。近年は豪州に自社工場を建設するなど、品質向上への投資を続けています。
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◎ リスク要因: 原材料価格や物流費の高騰。国内でのデフレマインドの再燃。
【ロボット活用で変わるファミレス】株式会社すかいらーくホールディングス (3197)
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◎ 事業内容: 「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを展開する国内最大のファミリーレストランチェーン。
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◎ 注目理由: 配膳ロボットの積極導入により、深刻な人手不足に対応しつつ、従業員が接客に集中できる環境を整備。これにより国内顧客の満足度向上を図っています。アプリクーポンやデジタルメニューブックの活用など、DXによる国内リピーター促進策も積極的です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1970年に「すかいらーく」1号店を開店。多ブランド展開で成長したが、近年は不採算店舗の整理とDX投資による収益構造改革を進めています。
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◎ リスク要因: 深刻な人手不足と人件費の上昇圧力。エネルギー価格高騰によるコスト増。
【参加型体験でリピーター創出】株式会社串カツ田中ホールディングス (3547)
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◎ 事業内容: 「串カツ田中」を全国に展開。大阪の伝統的なB級グルメを再現。
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◎ 注目理由: 「チンチロリンハイボール」や「自分で作るたこ焼き」など、顧客が参加して楽しめるエンターテイメント性の高いサービスで、国内の若者やファミリー層に強いブランドを構築。単なる食事の場を超えた「楽しい体験」を提供することで、高いリピート率を維持しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 創業者が父から受け継いだ味を再現し、2008年に1号店を開店。FC展開で急速に店舗網を拡大。全席禁煙化など、ファミリー層を取り込む施策も奏功。
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◎ リスク要因: 居酒屋業態の競争激化。アルコール離れのトレンド。
【「食のインフラ」を目指す】株式会社鳥貴族ホールディングス (3193)
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◎ 事業内容: 全品均一価格の焼鳥屋「鳥貴族」を運営。新業態「やきとり大吉」の買収やバーガー事業も。
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◎ 注目理由: 国産鶏肉の使用と店内串打ちにこだわり、「安かろう悪かろう」ではない品質を提供。値上げ後も国内の根強いファンに支えられ、既存店売上は好調を維持。均一価格という分かりやすさで、国内の幅広い層に「安心して飲める場所」として定着しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 大阪で創業し、関西圏から全国へ展開。近年はM&Aや新業態「トリキバーガー」への挑戦など、成長の多角化を模索しています。
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◎ リスク要因: 原材料である鶏肉価格の高騰。居酒屋業界の人手不足。

【陸運・空運】移動の「質」を高め、国内需要を深耕
インバウンド回復は追い風ですが、安定した収益源である国内のビジネス・観光需要をいかに取り込むかが鍵。快適性や体験価値の向上がテーマです。
【日本の大動脈、リニアの夢】東海旅客鉄道株式会社 (9022)
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◎ 事業内容: 東海道新幹線と東海地方の在来線を運営。日本の大動脈を担う。
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◎ 注目理由: インバウンド需要も大きいですが、収益の根幹は東京-名古屋-大阪を結ぶ国内のビジネス・観光需要。オンライン予約「EXサービス」の利便性向上や、沿線の観光資源と連携した旅行商品(「そうだ 京都、行こう。」など)で、国内需要を喚起し続けています。リニア中央新幹線という超長期的な成長ストーリーも魅力です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 国鉄分割民営化により発足。東海道新幹線を収益の柱として安定成長。現在はリニア中央新幹線の建設プロジェクトを推進中。
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◎ リスク要因: リニア建設の遅延やコスト増大。大規模災害のリスク。
【Suica経済圏と不動産で安定】東日本旅客鉄道株式会社 (9020)
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◎ 事業内容: 首都圏を中心とする広大な鉄道網と、Suica事業、不動産事業(駅ビルなど)を展開。
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◎ 注目理由: 鉄道運輸収入の回復に加え、Suicaを軸とした決済・ポイントサービス「JRE POINT」による巨大な国内顧客基盤が強み。駅ビルやホテル、オフィス開発などの不動産事業が安定収益を生み出しており、景気変動への耐性が高いビジネスモデルを構築しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 国鉄分割民営化で発足。鉄道事業に加え、「駅ナカ」ビジネスなど非運輸事業を積極的に拡大。近年はMaaS(Mobility as a Service)の推進にも注力。
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◎ リスク要因: 首都圏の人口減少トレンド。設備投資の負担。
【デザインと物語で旅を創る】九州旅客鉄道株式会社 (9142)
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◎ 事業内容: 九州全域の鉄道網を運営。豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」が有名。不動産、ホテル、流通事業も展開。
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◎ 注目理由: 「ななつ星」を筆頭に、数々のD&S(デザイン&ストーリー)列車を運行。単なる移動手段ではない「乗ること自体が目的となる」鉄道旅を創出し、国内の観光需要を掘り起こしています。鉄道事業の赤字を、成長性の高い不動産事業でカバーするビジネスモデルも特徴です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 国鉄分割民営化により発足。早くから観光列車や事業の多角化に取り組み、2016年に完全民営化を達成。福岡地区を中心としたマンション・オフィス開発が好調。
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◎ リスク要因: 地方路線の維持問題。自然災害による鉄道網への影響。
【非航空事業でマイル経済圏拡大】ANAホールディングス株式会社 (9202)
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◎ 事業内容: 「ANA」ブランドを中核とする航空運送事業。旅行事業、商社事業なども展開。
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◎ 注目理由: 国際線の回復が注目されがちですが、収益の安定基盤は国内線。顧客満足度調査で常に高い評価を得ており、ビジネス・レジャー両面で国内の強い支持を得ています。航空利用以外でもマイルが貯まる・使える「マイル経済圏」の拡大に注力し、国内顧客の囲い込みを強化しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 前身は日本ヘリコプター輸送。全日本空輸として国内線を中心に成長し、国際線へも拡大。コロナ禍で大きな打撃を受けたが、コスト構造改革を進め回復。
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◎ リスク要因: 燃油価格の高騰。為替変動。地政学的リスク。
【国内線回帰とLCC戦略】日本航空株式会社 (9201)
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◎ 事業内容: 「JAL」ブランドの航空運送事業。傘下にLCCの「ZIPAIR」「スプリング・ジャパン」を持つ。
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◎ 注目理由: ANA同様、安定した国内線が収益の土台。安全運航への信頼は厚く、国内のビジネス客から根強い支持。フルサービスキャリアのJALに加え、傘下のLCCでインバウンドや国内の若者レジャー需要も取り込む、バランスの取れた戦略。非航空事業の収益拡大も課題。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1951年設立のナショナル・フラッグ・キャリア。2010年に経営破綻を経験したが、再生後は高収益体質に転換。
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◎ リスク要因: 燃油価格と為替の変動。航空業界の厳しい競争環境。
【首都の玄関口、商業施設で稼ぐ】日本空港ビルデング株式会社 (9706)
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◎ 事業内容: 羽田空港の旅客ターミナルの建設、管理、運営。物品販売、飲食事業も手掛ける。
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◎ 注目理由: 国際線のイメージが強いが、国内線の旅客数が収益の根幹。空港の機能性・快適性を高めることで、国内利用者の満足度向上に貢献。ターミナル内の魅力的な商業施設やレストランは、飛行機に乗らない人も集める「デスティネーション(目的地)」となっており、国内消費を取り込んでいます。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1953年設立。羽田空港の発展とともに成長。第3ターミナルの拡張や、空港跡地の再開発プロジェクト「羽田イノベーションシティ」などを推進。
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◎ リスク要因: 航空需要の変動。大規模災害やパンデミックのリスク。

【ホテル・レジャー】唯一無二の「体験」で国内客を魅了
単に泊まる、遊ぶだけでなく、そこでしか得られない特別な体験を提供することで、国内のリピーターや富裕層の心を掴む企業群です。
【夢と魔法の国、圧倒的なブランド力】株式会社オリエンタルランド (4661)
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◎ 事業内容: 「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」を中心とする東京ディズニーリゾートの経営・運営。
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◎ 注目理由: 売上の大半は国内ゲストであり、そのリピート率の高さが圧倒的な強み。常に新しいアトラクションやイベントを投入し、来園者を飽きさせません。2024年開業の新エリア「ファンタジースプリングス」は、客単価をさらに引き上げ、国内ゲストの来園意欲を強力に刺激します。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 三井不動産と京成電鉄が中心となり設立。米ディズニー社とライセンス契約を結び、1983年にTDLを開園。一貫して拡張投資を続け、成長。
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◎ リスク要因: 高い客単価に対する消費者の許容度。ライセンス元である米ディズニー社との関係。
【国内富裕層特化の会員制ホテル】リゾートトラスト株式会社 (4681)
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◎ 事業内容: 会員制リゾートホテル「エクシブ」などを全国に展開。メディカル事業も手掛ける。
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◎ 注目理由: インバウンドにはほぼ頼らず、国内の富裕層にターゲットを絞った会員権販売ビジネスがユニーク。一度会員になれば全国の豪華な施設を利用できるため、国内旅行の拠点として高い満足度を提供。景気の影響を受けにくく、安定した収益モデルを確立しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1973年創業。会員制リゾートのパイオニアとして成長。近年はシニア向け住宅や先進医療支援などメディカル事業を強化。
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◎ リスク要因: 会員権販売の市況。団塊世代のリタイア後の需要動向。
【日本の迎賓館、ブランド価値向上へ】株式会社帝国ホテル (9708)
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◎ 事業内容: 日本を代表する高級ホテル「帝国ホテル」を運営。
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◎ 注目理由: 130年以上の歴史を誇り、国内外の賓客をもてなしてきた格式とサービス品質が最大の強み。インバウンド回復の恩恵も受けますが、国内の政財界や富裕層からの絶対的な信頼が経営の基盤です。現在進行中の東京本館の建て替え(2036年完了予定)は、ブランド価値をさらに高め、次世代の国内顧客を惹きつけます。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1890年に日本の迎賓館として開業。フランク・ロイド・ライト設計の旧本館(ライト館)で知られる。サービスアパートメント事業など新しい試みも。
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◎ リスク要因: 建て替えに伴う巨額の投資負担と、期間中の収益機会損失。外資系高級ホテルの進出による競争激化。
【温泉エンタメで国内客を癒す】藤田観光株式会社 (9722)
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◎ 事業内容: 「ホテル椿山荘東京」「箱根小涌園ユネッサン」、ビジネスホテル「ワシントンホテル」などを運営。
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◎ 注目理由: 高級ホテルから、温泉テーマパーク、ビジネスホテルまで多様な施設を運営。「ユネッサン」は天候に左右されない全天候型の施設として、国内のファミリー層や若者グループに人気。各施設の特性を活かし、国内の幅広い客層のニーズに応える総合力があります。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 藤田財閥の流れを汲む老舗企業。近年はコロナ禍で打撃を受けた財務の立て直しを進めつつ、施設の選択と集中、リニューアルを推進。
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◎ リスク要因: 施設老朽化に伴う更新投資の必要性。有利子負債の圧縮。
【その他】国内顧客の利便性・満足度を支える企業
直接的なBtoCビジネス以外でも、国内企業のDX化支援や、従業員満足度向上などを通じて、間接的に国内需要の質向上に貢献する企業です。
【企業のIT課題をワンストップで解決】株式会社システナ (2317)
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◎ 事業内容: スマートフォンなどのアプリ開発、金融機関向けシステム開発、ITインフラ構築・運用、そして企業のDX支援など、多岐にわたるITサービスを展開する独立系SIer。
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◎ 注目理由: 国内企業が顧客満足度を向上させるためのDX(アプリ開発、システム刷新など)は、同社のようなITパートナーの存在が不可欠。特定のメーカーに縛られない独立系の強みを活かし、最適なソリューションを提供。安定したストックビジネスも魅力です。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 独立系として、柔軟なソリューション提供で成長。近年は、企業のDX化支援や、AI・クラウドといった先端技術分野の人材育成とサービス提供を強化しています。
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◎ リスク要因: IT業界における、深刻なエンジニア不足と人件費の高騰。景気後退による企業のIT投資抑制。
【飲食店DXのパートナー】株式会社ぐるなび (2440)
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◎ 事業内容: 飲食店検索サイト「ぐるなび」の運営。加盟飲食店への販促支援、業務支援を行う。
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◎ 注目理由: 単なるグルメサイトから、国内飲食店のDXを支援するパートナーへと事業モデルを転換中。モバイルオーダーシステムの提供や、予約台帳管理、データ分析支援などを通じて、飲食店が国内のリピーターを増やし、収益性を改善するための手助けをしています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 交通広告事業から始まり、インターネット黎明期に飲食店情報サイトを開始。近年は楽天グループとの連携を強化し、事業の再構築を進めています。
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◎ リスク要因: グルメサイト市場の競争激化。飲食店数の減少。
【国内旅行OTAの雄】株式会社エアトリ (6191)
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◎ 事業内容: オンライン総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。ITオフショア開発、投資事業なども手掛ける。
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◎ 注目理由: インバウンド向けにもサービスを展開するが、主戦場は国内旅行。テレビCMなど積極的な広告宣伝で国内でのブランド認知度を高め、航空券とホテルを組み合わせた「エアトリプラス」などで、利便性と価格訴求力の高いサービスを国内旅行者に提供しています。
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◎ 企業沿革・最近の動向: オンライン航空券予約のパイオニアとして成長。M&Aを積極的に行い、IT開発や投資など事業の多角化を推進。
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◎ リスク要因: 旅行業界の競争激化。広告宣伝費の負担。
【キャッシュレスで国内消費を円滑に】GMOペイメントゲートウェイ株式会社 (3769)
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◎ 事業内容: ECサイトや実店舗向けに、クレジットカード決済など多様な決済手段を総合的に提供する決済代行(PSP)の最大手。
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◎ 注目理由: 国内のあらゆる小売・サービス業がECや店舗でのキャッシュレス決済を導入する上で不可欠な存在。消費者の利便性向上に直結し、国内消費の活性化をインフラとして支えています。企業のDX化が進むほど、同社の事業機会は拡大します。
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◎ 企業沿革・最近の動向: 1995年創業。インターネットの普及とともに急成長。金融機関との連携や、後払い決済、給与即時払いサービスなど、決済周辺領域へも事業を拡大。
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◎ リスク要因: 法規制の変更。システムへの巨額な投資負担とセキュリティリスク。
上記に加えて、同様のテーマで注目される銘柄をリストアップします。
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【西日本の雄、不動産・SC連携】西日本旅客鉄道株式会社 (9021): 北陸新幹線延伸や独自の観光列車、大阪駅周辺の再開発で国内需要を深耕。
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【高級SCで富裕層を掴む】株式会社J.フロント リテイリング (3086): 大丸松坂屋とパルコを両輪に、都市部の富裕層や若者へのアプローチを強化。
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【高価格帯牛丼、ファンを育成】株式会社吉野家ホールディングス (9861): 「黒毛和牛すき鍋膳」など高付加価値メニューで客単価向上と国内ファン獲得を図る。
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【国内旅行に強みを持つ老舗】KNT-CTホールディングス株式会社 (9726): クラブツーリズムのテーマ性ある国内バス旅行などが中高年層に根強い人気。


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