日米金利差の縮小。円キャリートレードの巻き戻しで何が起こるか。関連銘柄20選

2025年6月18日(水曜日)の東京証券市場で注目される可能性のあるテーマと銘柄をご紹介します。 昨今、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待と、日銀の金融政策正常化への思惑から、長らく続いてきた日米の金利差が縮小するとの観測が強まっています。この動きは、低金利の円を借りて高金利のドルなどで運用する「円キャリートレード」の巻き戻し(アンワインド)を誘発し、為替市場の急変を通じて株式市場に大きな影響を与える可能性があります。 本日は、この**「円キャリートレードの巻き戻し」で何が起こるかを解説し、その影響が想定される関連銘柄を20社**、分野別にご紹介いたします。

免責事項: 本情報は、現時点(2025年6月18日 午前5時25分現在)における市場の想定や企業情報に基づいた推奨であり、将来の株価上昇を保証するものではありません。株式投資はリスクを伴い、投資の最終決定はご自身の判断と責任において行ってください。**為替レートの変動は極めて予測が難しく、関連銘柄の株価も高いボラティリティを伴う可能性があります。**ここに記載する株価およびバリュエーション指標は、主に2024年後半から2025年初頭の決算発表や、2025年6月17日現在の株価に基づく参考値であり、実際の取引時には大きく変動している可能性があります。必ず最新の情報をご確認ください。

目次

「円キャリートレードの巻き戻し」で何が起こるか?

  • 円キャリートレードとは?: 低金利の「円」を借りて、それを売り、高金利の「ドル」などの外貨に換えて運用する取引。この「円売り・外貨買い」は、円安を加速させる一因とされてきました。

  • 巻き戻し(アンワインド)とは?: 日米金利差が縮小すると、この取引の妙味が薄れます。投資家は利益を確定したり、損失を回避したりするために、運用していた外貨建て資産を売って「外貨売り・円買い」を行い、借りていた円を返済します。

  • 市場への影響: この「円買い」が大規模かつ急速に進むと、急激な円高を引き起こします。急激な円高は、日本の株式市場、特に輸出企業の業績に大きな影響を与えます。


【1】【円高逆風・警戒が必要な輸出関連株】(10選)

海外売上比率が高く、急激な円高が業績の目減りに直結する可能性があるため、注意が必要な銘柄群。

トヨタ自動車株式会社 (7203)

事業内容: 世界トップクラスの自動車メーカー。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外での販売台数が非常に多く、円高は海外での売上や利益を円換算する際に大きなマイナス要因となります。1円の円高が巨額の営業利益を押し下げると言われています。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 2,600円前後 最低投資額 (100株): 約26.0万円 PER: 約10.0倍 PBR: 約1.2倍 ROE: 約12.0% ROA: 約4.0% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益だが為替前提に注意 配当利回り: 約3.0%

株式会社キーエンス (6861)

事業内容: FA(ファクトリーオートメーション)用センサー、測定器などの開発・販売。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外売上比率が50%を超えており、高い収益性を誇るだけに、円高による利益の目減りインパクトは大きくなります。 バリュエーション・株価(参考): 株価:62,000円, PER:約37.0倍, PBR:約6.3倍, 配当利回り:約0.3%

株式会社村田製作所 (6981)

事業内容: 積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外売上比率が9割を超えており、為替変動の影響を極めて受けやすいです。特にスマートフォンなどの最終製品の需要動向と合わせて注視が必要です。 バリュエーション・株価(参考): 株価:3,100円, PER:約20.8倍, PBR:約1.9倍, 配当利回り:約1.9%

株式会社シマノ (7309)

事業内容: 自転車部品、釣具で世界トップクラスのシェア。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外、特に欧米での売上が大半を占めるため、円高は業績に直接的な逆風となります。在庫調整後の需要回復に水を差す可能性も。 バリュエーション・株価(参考): 株価:24,000円, PER:約27.5倍, PBR:約3.1倍, 配当利回り:1.1%

株式会社小松製作所 (コマツ) (6301)

事業内容: 建設機械・鉱山機械で世界大手のメーカー。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外売上比率が高く、特に北米や資源国の需要が重要。円高は、米キャタピラー社など海外競合との価格競争においても不利に働く可能性があります。 バリュエーション・株価(参考): 株価:4,400円, PER:約10.8倍, PBR:約1.2倍, 配当利回り:約3.1%

TDK株式会社 (6762)

事業内容: コンデンサ、インダクタ、二次電池など電子部品大手。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 村田製作所と同様、海外売上比率が極めて高く、円高進行時には業績予想の下方修正リスクが意識されます。 バリュエーション・株価(参考): 株価:8,000円, PER:約25.5倍, PBR:約1.6倍, 配当利回り:約1.3%

ファナック株式会社 (6954)

事業内容: FA(ファクトリーオートメーション)、産業用ロボットの巨人。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外売上比率が8割を超え、特に中国向けが大きい。円高と中国経済の減速が同時に起きた場合、ダブルパンチとなる可能性があります。 バリュエーション・株価(参考): 株価:4,000円, PER:約25.5倍, PBR:約1.9倍, 配当利回り:約1.4%

株式会社SUBARU (7270)

事業内容: 自動車メーカー。「スバル」ブランドを展開。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 主力市場である北米への依存度が高いため、対ドルでの円高進行は業績に大きな影響を与えます。 バリュエーション・株価(参考): 株価:2,600円, PER:約9.4倍, PBR:0.9倍, 配当利回り:約3.1%

日本電産株式会社(現:株式会社ニデック) (6594)

事業内容: 精密小型モーター世界首位。車載用モーターなどにも注力。 円キャリートレード巻き戻しの影響: 海外売上比率が非常に高く、グローバルな価格競争に晒されています。円高は利益率を直接圧迫する要因となります。 バリュエーション・株価(参考): 株価:6,250円, PER:約27.0倍, PBR:約2.3倍, 配当利回り:約1.0%

株式会社安川電機 (6506)

事業内容: 産業用ロボット、サーボモーター、インバータで世界トップクラス。 円キャリートレード巻き戻しの影響: ファナックと同様、海外、特に中国向けの売上が大きく、円高と中国経済の動向に業績が左右されやすいです。 バリュエーション・株価(参考): 株価:5,600円, PER:約29.0倍, PBR:約3.1倍, 配当利回り:約1.3%


【2】【円高メリット・恩恵を受ける内需・輸入株】 (10選)

原材料や商品を海外から輸入しており、円高がコスト低減に繋がり、業績にプラスとなる可能性のある企業群。

株式会社ニトリホールディングス (9843)

事業内容: 家具・インテリア用品の製造小売大手。 円高メリット・恩恵: 商品の多くを海外(特にアジア)で生産・輸入しているため、円高は仕入れコストの低減に直結し、利益率改善の大きな要因となります。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 16,800円前後 最低投資額 (100株): 約168万円 PER: 約19.5倍 PBR: 約2.3倍 ROE: 約12.2% ROA: 約7.9% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益基調 配当利回り: 約0.8%

株式会社しまむら (8227)

事業内容: 低価格帯の総合衣料品チェーン「ファッションセンターしまむら」を全国展開。 円高メリット・恩恵: 商品の多くを海外から調達しており、円高は仕入れコスト削減を通じて、同社の強みである「低価格」と「利益確保」の両立を後押しします。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 6,700円 (株式分割後を想定、調整) 最低投資額 (100株): 約67万円 PER: 約15.5倍 PBR: 約1.6倍 ROE: 約10.5% ROA: 約7.4% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益基調 配当利回り: 約1.6%

東京ガス株式会社 (9531)

事業内容: 大手都市ガス会社。 円高メリット・恩恵: 原料であるLNG(液化天然ガス)のほとんどを輸入に頼っているため、円高は燃料費を直接的に引き下げ、収益改善に大きく寄与します。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 3,050円前後 最低投資額 (100株): 約30.5万円 PER: 約10.2倍 PBR: 約0.8倍 ROE: 約8.1% ROA: 約2.6% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 原料価格変動による売上影響あるが、利益は安定化図る 配当利回り: 約2.9%

関西電力株式会社 (9503)

事業内容: 関西エリアの電力大手。 円高メリット・恩恵: 火力発電の燃料となるLNGや石炭は輸入に依存。円高は燃料調達コストを低減させ、電力事業の収益性を改善させます。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 1,800円前後 最低投資額 (100株): 約18万円 PER: 約8.0倍 PBR: 約0.7倍 ROE: 約9.0% ROA: 約1.5% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 燃料費調整制度と稼働率による 配当利回り: 約3.0%

日本航空株式会社 (JAL) (9201)

事業内容: 大手航空会社。 円高メリット・恩恵: コストの大きな部分を占める燃料(ケロシン)の購入や、航空機のリース費用はドル建てが多く、円高はこれらのコストを円換算で押し下げる効果があります。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 2,800円前後 最低投資額 (100株): 約28万円 PER: 約11.5倍 PBR: 約1.2倍 ROE: 約10.5%(回復基調) ROA: 約3.2% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益基調 配当利回り: 約1.7%

株式会社良品計画 (7453)

事業内容: 「無印良品」ブランドで衣料品、生活雑貨、食品などを展開。 円高メリット・恩恵: しまむら、ニトリと同様に海外での生産・調達比率が高く、円高は仕入れコストの低減に繋がります。これにより、価格競争力の維持や利益率の改善が期待できます。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 1,900円前後 最低投資額 (100株): 約19万円 PER: 約16.8倍 PBR: 約1.9倍 ROE: 約11.8% ROA: 約5.4% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益基調 配当利回り: 約2.0%

王子ホールディングス株式会社 (3861)

事業内容: 大手製紙会社。 円高メリット・恩恵: 製紙の原料となる木材チップやパルプの多くを海外から輸入しているため、円高は原材料コストの低減に繋がります。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 620円前後 最低投資額 (100株): 約6.2万円 PER: 約10.5倍 PBR: 約0.5倍 ROE: 約5.2% ROA: 約2.2% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 段ボール・機能材が牽引し、利益回復期待 配当利回り: 約3.3%

日本製紙株式会社 (3863)

事業内容: 大手製紙会社。 円高メリット・恩恵: 王子HDと同様、輸入原料比率が高く、円高によるコスト削減効果が期待されます。業績回復途上にあるため、コスト減のインパクトは大きいです。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 1,200円前後 最低投資額 (100株): 約12万円 PER: – (赤字からの回復期待) PBR: 約0.3倍 ROE: – ROA: – 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収、利益回復期待 配当利回り: 約2.5%

フィード・ワン株式会社 (2052)

事業内容: 配合飼料で国内大手のメーカー。 円高メリット・恩恵: 飼料の主原料であるトウモロコシや大豆粕のほとんどを輸入に頼っているため、円高は原材料費を直接的に押し下げ、収益性を大きく改善させます。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 800円前後 最低投資額 (100株): 約8.0万円 PER: 約10.0倍 PBR: 約0.6倍 ROE: 約6.0% ROA: 約2.0% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 畜産・水産需要に連動 配当利回り: 約3.0%

株式会社ABC-MART (2670)

事業内容: 靴の小売チェーン大手。海外からの製品輸入が多い。 円高メリット・恩恵: 海外の有名ブランドスニーカーなどを多数輸入・販売しており、円高は仕入れ価格の低減に繋がり、価格競争力や利益率の向上に寄与します。 バリュエーション・株価(参考) 株価 (想定): 3,000円前後 最低投資額 (100株): 約30.0万円 PER: 約18.0倍 PBR: 約2.0倍 ROE: 約11.0% ROA: 約9.0% 売上高上昇率 (前期比・会社予想): 増収増益基調 配当利回り: 約1.8%

投資判断にあたっての注意点

上記にご紹介した銘柄は、現時点での情報に基づき、「円キャリートレードの巻き戻し」による急激な円高局面で、それぞれ逆風、あるいは追い風を受ける可能性のある企業です。しかし、これらが必ずしも本日ザラ場で想定通りの値動きをすることを保証するものではありません。為替の動向は極めて予測が難しく、企業のヘッジ戦略によっても影響は異なります。

市場全体の地合い、ニュースフロー、個別銘柄の需給バランスなど、多くの要因が株価に影響を与えます。寄り付き直後の値動きは特に変動が大きくなることがありますので、成行買いを行う場合は、ご自身のリスク許容度を十分に考慮し、慎重な判断をお願いいたします。

免責事項

本情報は、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資はリスクを伴い、元本割れする可能性もあります。投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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