政局の混乱は「売り」ではなく「最大の買い場」かもしれない、と気づくための視点整理
私たちは今、大きな変化の入り口に立っているのかもしれません。
ニュースをつければ「解散総選挙」の文字が踊り、市場では日経平均株価が大きく動いています。高市総理の発言一つで、数百円単位で資産が変動する毎日に、疲れを感じている方もいるのではないでしょうか。
「また政治の話か」と画面を閉じたくなる気持ち、よく分かります。
しかし、私が長く相場に身を置いて痛感しているのは、政治そのものよりも「それを海外勢がどう見ているか」が、私たちの資産を大きく左右するという事実です。
かつてアベノミクス初期、私は半信半疑で相場を眺めていました。「また変わらない政治が続くだけだろう」と高を括っていたのです。その結果、私は歴史的な上昇相場の初動を取り逃がしました。指をくわえて見ているしかなかったあの悔しさは、今でも忘れません。
あの時と同じ轍を踏まないために、そして今度こそ波に乗るために、あるいは無用な怪我をしないために。
今、マーケットで起きていることを、投資家の目線だけで整理します。政治的な支持・不算持は一切抜きにして、あくまで「お金がどう動こうとしているか」という事実だけを見つめていきましょう。
この記事を読み終える頃には、ニュースのヘッドラインに踊らされることなく、静かに自分のポートフォリオと向き合えるようになっているはずです。
私たちが今、迷わされているノイズ
まず、頭の中をクリアにしましょう。
相場が荒れると、どうしても情報過多になります。今の局面で「見なくていいもの(ノイズ)」と「見るべきもの(シグナル)」を分けます。
捨てていいノイズは以下の3つです。
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野党や評論家による「感情的な政権批判」 これは政治ニュースとしては価値があるかもしれませんが、投資判断にはノイズです。株価は「正しさ」ではなく「期待」で動くからです。
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毎日のような「解散時期の憶測記事」 来週だ、再来月だ、という報道合戦に付き合うと疲弊します。重要なのは時期ではなく「解散というカードが切られることが確定した」という事実と、その後の勝敗ラインだけです。
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短期的な日経平均先物の夜間取引の乱高下 海外勢が寝ている間の薄い商いで動く価格に、一喜一憂しても仕方がありません。
逆に、私たちが集中して見るべきシグナルは以下の3つです。
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ドル円相場のトレンド 外国人投資家にとって、日本株は「円建て」の資産です。円安は彼らにとって日本株を安く買うチャンスであり、同時に業績向上期待でもあります。為替がトレンドを作っているかどうかが最重要です。
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銀行株と不動産株の動き 政策金利やインフレ期待に最も敏感なのがこのセクターです。ここが買われているなら、市場は「強い経済政策」を信じている証拠です。
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海外投資家の売買動向(週次) 言葉ではなく、彼らが実際にお金を投じているか。結局はこれが答えのすべてです。
なぜ海外勢は「高市総理の解散」を好感するのか
一般的に、解散総選挙は「政治空白」を生むため嫌気されることがあります。しかし今回、なぜ株価が反応しているのか。そこには外国人投資家特有の「3つの解釈」があります。
一次情報(事実)としてあるのは、高市総理が解散を示唆し、同時に積極財政(国がお金をたくさん使うこと)への意欲を見せているという点です。
これを、私はこう解釈しています。
理由1:アベノミクスの再来への期待 外国人投資家は、複雑な日本の政治をシンプルに見ています。彼らにとって高市総理のスタンスは、かつて日本株を大きく押し上げた「アベノミクス(金融緩和+財政出動)」の正統後継に見えています。「Japan is Back」の再現シナリオを描いているのです。
理由2:政治的基盤の強化=政策実行力 解散を示唆するということは、勝つ自信がある、あるいは勝負に出るということです。もし選挙で勝利すれば、長期政権の基盤が固まります。海外勢が最も嫌うのは「コロコロ変わる日本の首相」です。選挙による基盤強化は、長期投資の安心材料になります。
理由3:割安な日本株への資金シフト 欧米の市場が高値圏、あるいは不安定な状況にある中で、相対的に出遅れている日本株、特に「変化」が期待できる日本市場に資金を逃がしたいという需給の事情があります。そこに「選挙」というイベントが、買うための格好の口実を与えたのです。
つまり、彼らは高市総理その人を支持しているというより、「変化への期待」と「資金の逃げ場」として日本を選んでいる可能性が高いのです。
ここでの行動はシンプルです。「外国人が買っているなら買う」という順張り思考を持つこと。ただし、彼らは逃げ足も速いことを肝に銘じておく必要があります。
シナリオ分岐と、それぞれの対応策
ここからは、明日以降の展開を3つのシナリオに分けて考えます。予想するのではなく、分岐した先でどう動くかを決めておくのが投資家の仕事です。
シナリオA:解散風が強まり、内閣支持率が上昇する(基本シナリオ) この場合、株価は選挙本番に向けて「期待上げ」を続けます。 やること: ・押し目(一時的に下がったところ)を丁寧に拾う。 ・特に、政策の恩恵を受ける「国策銘柄(防衛、セキュリティ、エネルギー関連など)」に注目する。 チェックするもの: ・世論調査の数字。与党有利ならホールド継続です。
シナリオB:解散時期が先送りになり、総理の発言がトーンダウンする(膠着シナリオ) 期待が剥落し、株価はジリジリと下げる、あるいはレンジ(横ばい)になります。 やること: ・無理にポジションを増やさない。 ・現金比率を高めに保ち、次の動きを待つ。 チェックするもの: ・出来高(売買代金)。これが細ってくると、市場の関心が薄れています。
シナリオC:選挙情勢が悪化、あるいは世界的なショック安と重なる(逆風シナリオ) これが一番怖いです。「高市トレード」の前提が崩れます。 やること: ・潔く撤退する。 ・「安くなった」と思ってナンピン(買い下がり)をしない。 チェックするもの: ・ドル円の急激な円高進行。リスクオフのサインです。
よくある反論として、「選挙相場は一時的なお祭り騒ぎで、終われば下がるのでは?」という意見があります。 まさにその通りです。「噂で買って、事実で売る」は相場の格言です。だからこそ、私たちは「選挙が終わるまで」あるいは「選挙の結果が出る直前」を一つの利益確定の目安にする必要があります。長期保有目的でないなら、お祭りが最高潮の時に席を立つ勇気が必要です。
私が過去に犯した「政策相場」での失敗
ここで、私の恥ずかしい失敗談をお話しします。
以前の選挙相場の時のことです。ある「国策テーマ株」が連日ニュースに取り上げられていました。「政府が数兆円規模の支援」という見出しを見て、私は「これは鉄板だ」と思い込みました。
チャートはすでにかなり上がっていましたが、「これからが本番だ」という高揚感がありました。SNSでも皆がその銘柄を絶賛していました。私は、焦る気持ちで成行買いを入れました。
買った直後は少し上がりました。私は「やっぱり自分の読みは正しかった」と得意になりました。
しかし、選挙が終わり、実際に新しい内閣が発足した翌日、その株は暴落しました。 理由は「材料出尽くし」。 誰もが知っているニュースは、すでに株価に織り込まれていたのです。私は「事実」が出た瞬間に売ってくるプロたちの養分になりました。
さらに悪かったのは、「政策銘柄だから、いつか戻るはずだ」と損切りを先送りにしてしまったことです。結果、そのポジションは数年間、塩漬けになりました。
間違いは2つ。 1つは、すでに過熱している時に、ニュースだけを見て飛びついたこと。 もう1つは、前提(期待)が崩れたのに、執着して逃げなかったこと。
政治はあくまで「きっかけ」に過ぎません。企業価値そのものが一晩で変わるわけではないのです。この痛みを、皆さんには味わってほしくありません。
明日から使える実践的な戦略と撤退基準
では、具体的にどう動くか。感情を排して、ルールで身を守りながら利益を狙います。
まず、資金管理です。 この局面、どんなに自信があっても「全力買い」は禁止です。 現金比率は最低でも30%〜40%は確保してください。政治イベントは何が起きるか分かりません。急なスキャンダルや失言で急落した時、買う余力がなければ退場です。
次に、建て方(ポジションの取り方)です。 一度に買わず、3回に分割します。
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打診買い(資産の10%程度):今の水準で、まずは入ってみる。
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追撃買い(資産の10%程度):思惑通りにトレンドが出たら、買い増す。
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最終買い(資産の10%程度):選挙戦が優勢と確定的な報道が出た時。
そして、最も重要な「撤退基準」です。これだけはメモしてください。 以下のどれか一つにでも当てはまったら、理由を探す前にポジションを落としてください。
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価格の基準:エントリー価格から「マイナス7〜8%」に達した時 これは機械的に切ります。10%を超えると、取り返すのに倍の労力がかかります。
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時間の基準:買ってから「2週間」経っても含み益が出ない時 資金が来ていない証拠です。期待で買う相場で動かないのは、死んでいるのと同じです。機会損失を防ぐために一度降ります。
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前提の基準:高市総理が「財政規律を重視する」等の発言修正をした時 これを「ハシゴ外し」と言います。買った理由が消滅したら、即座に売るのが鉄則です。
分からない時、迷った時はどうするか。 答えは「ポジションを半分にする」です。ゼロにしなくてもいい。半分にすれば、心に余裕が戻ります。正しい判断は、心の余裕からしか生まれません。
まとめとネクストアクション
今回の「高市総理発言」による株高は、海外勢の期待が先行している相場です。チャンスであることは間違いありませんが、彼らは期待が裏切られた時の逃げ足も速いことを忘れないでください。
記事のポイントを整理します。 ・ノイズ(評論家の批判)を捨て、シグナル(ドル円・海外勢の動き)を見る。 ・海外勢は「アベノミクスの再来」と「政権安定」を期待して買っている。 ・「噂で買って事実で売る」を徹底し、選挙後の梯子外しに警戒する。 ・撤退基準(マイナス8%、2週間動かず、前提崩れ)を事前にセットする。
最後に、明日スマホを開いたら、まずこれだけを見てください。
「日経平均株価」ではなく、「売買代金」が増えているかどうか。
株価が上がっていても、売買代金が少なければ、それは一部の人が動かしているだけの脆い上昇です。逆に、売買代金を伴って上昇しているなら、それは海外勢の本気買いです。その波には、逆らわずに乗ってみましょう。
不安なのは、見えないからです。基準を持てば、霧は晴れます。 明日からの相場、生き残って、そして利益を積み上げていきましょう。
免責事項:本記事は情報の提供を目的としており、投資の勧誘や特定の銘柄の推奨を目的としたものではありません。投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
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