東京株式市場が新たな活況を呈する中、精密減速機で世界トップシェアを誇るナブテスコ(6268)の株価が市場の注目を集めています。ロボット産業の心臓部を握る同社の躍進は、単なる一企業の成功物語にとどまりません。それは、日本の製造業が持つ「見えざる資産」―すなわち、世界市場で圧倒的な競争力を持ちながらも、その価値が株価に十分に反映されてこなかった「隠れた優良企業(Hidden Champions)」の存在を、私たち投資家に改めて強く意識させる象C徴的な出来事と言えるでしょう。

多くの投資家が話題の銘柄や派手な成長株に目を奪われがちですが、株式投資の本質は「価値と価格の差」にあります。ナブテスコの急騰を見て、「乗り遅れた」と嘆くのは早計です。むしろ、私たちはこの動きから「連想の翼」を広げ、次なるナブテスコ、すなわち、同様に強力な技術基盤、高い市場シェア、そして健全な財務状況を持ちながら、未だ市場の評価が追いついていない「お宝銘柄」を発掘する絶好の機会と捉えるべきではないでしょうか。
「連想買い」や「連想投資」は、単なる当てずっぽうのゲームではありません。ある企業の成功の裏にある構造的な要因、例えば「人手不足を背景とした自動化・省人化需要の高まり」「グローバルサプライチェーンにおける日本の部品・素材メーカーの重要性の再認識」「脱炭素やインフラ老朽化対策といった社会課題解決への貢献」といった大きなトレンドを読み解き、同じ追い風を受けるであろう他の優良企業に光を当てる、極めて論理的な投資戦略です。

この記事では、ナブテスコの成功を道しるべとして、同様のポテンシャルを秘めたバリュー株を30銘柄、厳選してご紹介します。選定基準は、ナブテスコが事業を展開する「ロボット・FA(ファクトリーオートメーション)」「輸送・インフラ」「航空宇宙」といった分野の関連企業であることはもちろん、独自のニッチトップ技術を持つ企業、堅実な財務基盤を持つ企業、そして現在の株価がその本質的価値に比べて割安と判断される企業です。
ここで紹介する銘柄は、明日すぐにストップ高になるような派手さはないかもしれません。しかし、それらは日本の産業を根底から支え、世界中のものづくりに不可欠な存在感を放つ、まさに「縁の下の力持ち」です。そのような企業に長期的な視点で投資を行うことこそ、真の価値投資の醍醐味と言えるでしょう。このリストが、あなたのポートフォリオを未来に向けて力強く成長させるための一助となることを確信しています。さあ、未来のナブテスコを探す知的な旅を、ここから始めましょう。

【投資に関する免責事項】 本記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。紹介する銘柄は、あくまで情報提供および投資教育を目的としており、特定の投資助言を行うものではありません。株式投資は、株価の変動により元本を割り込むリスクがあります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、本記事に掲載された情報の正確性には万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性、信頼性を保証するものではありません。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方では一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
ロボット・FA(ファクトリーオートメーション)関連
ナブテスコの主力事業である精密減速機は、産業用ロボットの関節部分に不可欠なコアパーツです。世界的な人手不足と生産性向上への要求を背景に、FA・ロボット市場は今後も力強い成長が見込まれます。ここでは、ロボットの頭脳、筋肉、神経、骨格を担う、隠れた実力派企業を選びました。
【ロボットアームの「力」を制御する精密部品メーカー】株式会社THK (6481)
◎ 事業内容: 機械の直線運動部を「すべり」から「ころがり」に変える「LMガイド」で世界シェアトップ。免震・制振装置や自動車部品、ロボット関連部品も手掛ける。
◎ 注目理由: ナブテスコの減速機がロボットの「関節」ならば、THKのLMガイドはロボットアームの滑らかな「伸縮」を司る骨格部品。FA市場の拡大は同社にとって直接的な追い風となります。自動車生産の回復や半導体製造装置向け需要も底堅く、業績回復期待が高まっています。PBR(株価純資産倍率)も歴史的な低水準にあり、資産価値の観点からも割安感が強い銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1971年設立。世界で初めて「LMガイド」を製品化し、機械の高精度化・高速化に貢献。近年は、これまでの技術を応用し、サービスロボットや医療・介護分野への展開を加速させています。
◎ リスク要因: 主力市場である工作機械や半導体製造装置業界の設備投資動向に業績が左右される。中国経済の減速が下押し圧力となる可能性。
【FAに不可欠な空圧機器の世界的ガリバー】SMC株式会社 (6273)
◎ 事業内容: 工場の自動化設備に不可欠な空気圧制御機器で世界トップシェア。シリンダやバルブ、センサーなど、FAラインを動かすためのあらゆる部品を網羅的に提供。
◎ 注目理由: ナブテスコがロボットの「関節」なら、SMCは工場の自動化ラインの「筋肉」や「神経」を担う存在。世界中に張り巡らされた販売網と、80万点にも及ぶ製品ラインナップによる圧倒的な供給力が強みです。高い収益性と健全な財務体質は折り紙付きで、安定した成長が期待できるバリュー株の代表格と言えます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1959年設立。空気圧機器の専業メーカーとして成長し、現在では世界80カ国以上に拠点を展開。近年は電動アクチュエータなど、脱炭素化に貢献する製品開発にも注力しています。
◎ リスク要因: 世界的な景気後退による企業の設備投資抑制。為替変動が業績に与える影響。
【「ねじ」と「ばね」で世界のインフラを支える精密メーカー】株式会社ツガミ (6101)
◎ 事業内容: スマートフォンや自動車部品などの小型精密部品を加工する「小型精密自動旋盤」のトップメーカー。特に主軸台移動形自動旋盤(スイス型自動盤)に強みを持つ。
◎ 注目理由: ナブテスコの製品も、その中には無数の精密部品が使われています。ツガミの工作機械は、そうした精密部品を生み出す「マザーマシン」。5G関連やEV、医療機器など、微細化・高精度化が進む分野で需要が拡大しています。高い技術力と収益性を誇りながらも、市場評価は比較的落ち着いており、バリュー株としての妙味があります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1937年設立の老舗工作機械メーカー。早くから海外展開を進め、特に中国やインド市場で高いシェアを誇る。近年は顧客の自動化ニーズに応えるため、周辺装置やソリューション提案を強化。
◎ リスク要因: スマートフォン市場の需要変動や、主要市場である中国の景気動向に業績が左右されやすい。工作機械業界の厳しい受注競争。
【減速機のライバルにして協調する歯車メーカー】ハーモニック・ドライブ・システムズ (6324)
◎ 事業内容: 「波動歯車装置(ハーモニックドライブ®)」と呼ばれる小型・軽量の精密減速機を開発・製造。産業用ロボットや半導体製造装置、宇宙分野などで採用されている。
◎ 注目理由: ナブテスコのRV減速機と並び、精密減速機市場を二分する存在。特に小型ロボットや協働ロボットの分野では同社のハーモニックドライブ®が強みを発揮します。ロボット市場の拡大という恩恵をナブテスコと共有する、まさに「連想銘柄」の筆頭。株価は成長期待を織り込み高PERになりがちですが、調整局面は中長期的な視点での投資機会となり得ます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 米国で発明された技術を基に1970年に設立。以来、精密減速機のパイオニアとして市場を牽引。火星探査ローバーに採用されるなど、その技術力は極限環境でも証明されています。
◎ リスク要因: 設備投資の先行負担や、開発費用の増加。特定分野への依存度が高いため、当該市場の変動に影響を受けやすい。
【産業用チェーンの巨人、搬送システムでFAを支える】株式会社椿本チエイン (6371)
◎ 事業内容: 産業用チェーンで世界トップシェア。自動車エンジン用タイミングチェーンや、工場の生産ラインで使われるコンベヤシステムなど、動力伝達・搬送機器の総合メーカー。
◎ 注目理由: 工場の自動化には、ロボットだけでなく、製品や部品を効率的に運ぶ「マテハン(マテリアルハンドリング)」技術が不可欠。同社はその中核を担う存在です。自動車産業のEVシフトに対応した製品開発も進んでおり、事業構造の転換にも成功しつつあります。安定した配当利回りも魅力の一つで、長期保有に適したバリュー株と言えます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1917年創業の老舗企業。チェーン技術を核に事業を多角化し、マテハン事業を第二の柱に成長させた。近年は、工場のCO2排出量削減に貢献する高効率製品の開発に注力。
◎ リスク要因: 自動車業界の生産動向や、世界的な物流停滞が業績に影響を与える可能性。原材料価格の高騰。
インフラ・輸送機器関連
ナブテスコは、鉄道車両用ブレーキ・ドア、商用車用エアブレーキ、舶用エンジン制御システムなど、人々の安全な移動を支えるインフラ分野でも重要な役割を担っています。インフラの老朽化対策や、より安全で高効率な輸送システムへの需要は、世界共通の課題です。ここでは、地味ながらも社会に不可欠な技術を持つ企業に注目します。
【鉄道信号のトップランナー、安全運行の守護神】日本信号株式会社 (6741)
◎ 事業内容: 鉄道用信号システムや、駅の自動改札機、ホームドアなどで国内トップクラスのシェアを誇る。道路交通信号や駐車場システムも手掛けるインフラの重鎮。
◎ 注目理由: ナブテスコが鉄道車両の「止める」を担うなら、日本信号は「動かす・止めるの判断」を司る頭脳部分を担います。鉄道インフラの更新需要は安定しており、特に都市部でのホームドア設置義務化は大きなビジネスチャンス。堅実な事業基盤と財務内容を持ちながら、株価は割安な水準に放置されており、典型的なバリュー株です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1928年設立。日本の鉄道の安全と定時運行を長年にわたり支えてきた。近年は、踏切事故防止やスムーズな交通流を実現する次世代交通システムの開発に注力。
◎ リスク要因: 公共投資への依存度が高く、国の予算編成に影響を受ける。少子高齢化による地方路線の縮小。
【特殊鋼のトップメーカー、日本のものづくりを素材から支える】大同特殊鋼株式会社 (5471)
◎ 事業内容: 自動車や産業機械、航空機などに使われる高機能な「特殊鋼」の国内最大手。金型や工具に使われる工具鋼、エンジン部品に使われる構造用鋼などで高い技術力を持つ。
◎ 注目理由: ナブテスコの精密減速機やブレーキシステムといった高性能な機械製品は、高品質な素材なくしては作れません。大同特殊鋼は、まさにその心臓部となる素材を供給するメーカーです。EVや航空機など、より高性能な素材が求められる分野での成長が期待されます。PBR1倍割れが常態化しており、資産価値から見ても極めて割安な水準です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1916年創業。日本の重工業の発展と共に歩んできた。近年は、EV向けモーターコア用電磁鋼板や、航空機エンジン用ニッケル基超合金など、付加価値の高い製品開発を強化している。
◎ リスク要因: 鉄鋼市況や原材料(鉄スクラップ、合金鉄)価格の変動。自動車業界の生産動向に業績が左右される。
【建設機械の足回り部品で世界を駆ける】小松製作所 (6301)
◎ 事業内容: 建設機械・鉱山機械で世界2位のグローバル企業。油圧ショベルやブルドーザーが主力。ナブテスコはコマツの建機向けに走行・旋回モーターを供給している。
◎ 注目理由: ナブテスコの重要な顧客であり、世界のインフラ開発を支えるパートナー。世界的な資源需要の高まりや、各国のインフラ投資計画が追い風となります。自律運転建機の開発など、DX化にも積極的。世界的な知名度とブランド力を持ちながら、景気敏感株として株価が割安になる局面は、長期的な投資の好機となり得ます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1921年創業。早くから海外展開を進め、グローバル企業としての地位を確立。近年は、建設現場の全工程をICTで繋ぎ、生産性を飛躍的に向上させる「スマートコンストラクション」を推進。
◎ リスク要因: 世界景気、特に中国や資源国の経済動向に業績が大きく左右される。為替変動リスク。
【商用車ブレーキの国内首位、安全技術のパイオニア】株式会社ブレーキ (7238)
◎ 事業内容: 旧トキコと旧日立製作所自動車機器グループが統合して誕生。トラック・バスなどの商用車用ブレーキで国内トップ。乗用車用ブレーキやサスペンションも手掛ける。
◎ 注目理由: ナブテスコは商用車向けにエアブレーキシステムなどを供給しており、同社は競合かつ協業する関係にあります。「物流の2024年問題」を背景に、トラック輸送の効率化や安全性向上は喫緊の課題であり、高性能ブレーキへの需要は高まっています。自動車部品業界はPBR1倍割れの銘柄が多く、同社もその一つでバリュー株としての魅力があります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2021年に日立Astemoの事業を継承する形で事業開始。長年の実績を持つ両社の技術を融合し、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代に対応した製品開発を加速。
◎ リスク要因: 自動車メーカーの生産計画の変動。EV化の進展による製品構成の変化への対応。原材料価格の高騰。
【ガスタービン・航空エンジンに強み、総合重機大手】IHI株式会社 (7013)
◎ 事業内容: 航空エンジン、ターボチャージャー(過給機)、エネルギー・社会インフラ関連プラントなどを手掛ける総合重工メーカー。航空エンジンの分野では世界的なプレーヤー。
◎ 注目理由: ナブテスコが航空機の飛行制御アクチュエータを手掛ける一方、IHIはエンジンの主要部品を製造しており、共に世界の空を支えるパートナーです。世界的な航空需要の回復は、利益率の高い航空エンジン整備事業(MRO)にとって強い追い風。PBRは1倍を大きく下回っており、事業ポートフォリオの再評価が進めば株価水準の是正が期待されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1853年創設の石川島造船所を源流とする。日本の近代化と共に歩んできた。近年は、アンモニア混焼ガスタービンなど、脱炭素化に貢献する次世代エネルギー技術の開発をリードしている。
◎ リスク要因: 特定の大型プロジェクトの採算悪化が業績に大きく影響するリスク。地政学リスクによる航空需要の変動。
その他(ニッチトップ・高技術バリュー株)
ナブテスコの強さは、特定の分野で圧倒的な世界シェアを握る「ニッチトップ」戦略にあります。日本には、世界市場では無名でも、特定の部品や素材でなければ作れない製品を持つ企業が数多く存在します。そうした「知る人ぞ知る」実力派企業の中から、割安感の強い銘柄をピックアップしました。
【油圧ショベルのパイオニア、独自の技術で世界展開】コベルコ建機 (6305)
◎ 事業内容: 神戸製鋼所グループの建設機械メーカー。特に油圧ショベルに強みを持ち、低燃費・低騒音技術で高い評価を得ている。解体用重機など特殊仕様機も得意。
◎ 注目理由: ナブテスコが部品を供給する建設機械業界の一角。世界的なインフラ投資や都市再開発が事業機会となります。親会社である神戸製鋼所の株価に隠れがちですが、建機専業メーカーとして独自の強みを持っています。PBRも低水準で、業界内での再編なども含め、今後の展開が注目される企業です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1999年に神戸製鋼所から分社独立。早くから環境技術に取り組み、「ハイブリッド油圧ショベル」を世界で初めて市場投入した実績を持つ。
◎ リスク要因: 親会社である神戸製鋼所の業績や方針に影響を受ける。主要市場である東南アジアや中国の景気動向。
【精密ばねのトップメーカー、ミクロの世界を支配する】株式会社ニッパツ (5991)
◎ 事業内容: 自動車用懸架ばねで世界トップクラス。HDD用サスペンションや半導体検査用プローブなど、精密ばね技術を応用した多彩な製品群を持つ。
◎ 注目理由: ナブテスコの精密機器も、内部には多くのばねが使われています。同社は自動車の乗り心地から、ハードディスクのデータ読み取りまで、目に見えない場所で社会を支える典型的な部品メーカー。自動車生産の回復に加え、データセンター需要の拡大も追い風です。万年割安株の代表格ですが、安定した財務基盤と配当利回りが魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1939年設立。ばねの総合メーカーとして、自動車、情報通信、産業・生活関連と幅広い分野に事業を展開。近年はEV向けモーターコアなど、電動化関連部品の開発を強化。
◎ リスク要因: 自動車業界のモデルチェンジや生産調整の影響。HDD市場の縮小。
【「ベアリング」で世界を滑らかにする機械のコメ】日本精工株式会社 (6471)
◎ 事業内容: ベアリング(軸受)で国内首位、世界3位。自動車向けが主軸だが、産業機械や電動パワーステアリング(EPS)など、応用範囲は広い。
◎ 注目理由: 機械の回転部分には必ず使われるベアリングは「機械産業のコメ」と呼ばれ、ナブテスコの製品とも密接に関連します。自動車のEV化は、静粛性向上のため、より高性能なベアリングを必要とし、ビジネスチャンスとなります。世界的なブランド力と技術力を持ちながら、株価はPBR1倍を割り込む水準で、バリュー投資の対象として魅力的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1916年に日本で初めてベアリングの生産を開始したパイオニア。摩擦をコントロールする「トライボロジー」技術を核に、事業領域を拡大。
◎ リスク要因: 自動車生産台数の変動が業績に直結する。鉄鋼など原材料価格の高騰。
【油圧技術の雄、多角化経営で安定成長】株式会社KYB (7242)
◎ 事業内容: 自動車や二輪車向けのショックアブソーバ(緩衝器)で世界トップクラスのシェア。建設機械用油圧シリンダや、航空機用・鉄道用機器も手掛ける。
◎ 注目理由: ナブテスコと同様に、輸送機器と産業機械の両分野で事業を展開。特に油圧技術に強みを持ちます。過去の品質問題から株価は低迷していましたが、業績は回復基調にあります。事業の多角化が進んでおり、自動車一本足打法からの脱却を図っています。PBRは依然として低く、業績回復が本格化すれば大きな株価修正が期待できます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年創業。ショックアブソーバの独立系メーカーとして成長。近年は、電子制御やシステム製品の開発を強化し、次世代モビリティへの対応を進めている。
◎ リスク要因: 過去の品質問題による信頼回復が道半ば。自動車メーカーの動向に業績が左右される。
【ボルト・ナットの巨人、見えない場所で安全を締める】日東精工株式会社 (5957)
◎ 事業内容: 工業用ファスナー(ねじ)の製造・販売大手。ねじを自動で締める「自動組立機」も手掛けており、製品と機械を一体で提案できるのが強み。計測・検査装置なども製造。
◎ 注目理由: どんなに高性能な機械も、それを固定するねじがなければ成り立ちません。同社は、自動車や家電、住宅などあらゆる産業に不可欠な部品を供給する「縁の下の力持ち」。特に、顧客の生産ラインの自動化・省人化に貢献する「ねじ締め機」の需要が堅調です。地味な業態ながら着実に成長を続ける優良バリュー株です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1938年創業。ねじの製造から始まり、その締結技術、さらに計測技術へと事業領域を拡大。近年は、医療分野やロボット産業向けの製品開発に注力。
◎ リスク要因: 景気変動による企業の設備投資意欲の減退。金属材料価格の上昇。
【ポンプとコンプレッサの専門家、社会インフラを動かす心臓部】株式会社荏原製作所 (6361)
◎ 事業内容: ポンプ、コンプレッサ、タービンなどの「流体機械」と、ごみ焼却プラントなどの「環境プラント」が事業の二本柱。半導体製造に必要な真空ポンプでも世界的なシェアを誇る。
◎ 注目理由: 直接的な関連は薄いものの、「社会インフラと先端産業を支える機械メーカー」という点でナブテスコと共通項があります。特に半導体製造装置向けの真空ポンプは、データ社会の進展と共に需要が拡大。上下水道やプラントを支えるインフラ事業の安定性も魅力です。株価は上昇トレンドにありますが、その技術力と成長性から見れば、さらなる評価の余地があります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1912年創業。ポンプ技術を基盤に、エネルギー、環境、インフラ分野で社会に貢献。近年は、半導体市場の活況を背景に、精密・電子事業が業績を強力に牽引している。
◎ リスク要因: 半導体シリコンサイクルの影響を受ける。大型プラント事業における採算管理。
【船舶用電子機器のトップ、海の安全を見守る目】古野電気株式会社 (6814)
◎ 事業内容: 魚群探知機を世界で初めて実用化した企業。船舶用のレーダー、GPSプロッターなど航海計器で世界トップクラスのシェアを誇る。医療用電子機器も手掛ける。
◎ 注目理由: ナブテスコが舶用エンジン制御で船の「心臓」を担うなら、古野電気は航海計器で「目と耳」を担います。国際海事機関(IMO)の規制強化による電子海図表示情報システム(ECDIS)の搭載義務化などが追い風。ニッチな市場で圧倒的なブランド力と技術力を持ち、財務内容も健全。典型的な「隠れ優良バリュー株」です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1948年設立。超音波技術をコアに、漁業から商船、プレジャーボートまで、あらゆる船の安全と効率化に貢献。近年は、気象レーダーや医療分野での事業拡大を目指す。
◎ リスク要因: 新造船市場の市況や為替レートの変動。特定市場への依存度が高い。
【世界が認めるモーターの巨人、回るものなら何でも】ニデック株式会社 (6594)
◎ 事業内容: HDD用精密小型モーターで世界シェア8割超を誇る巨人。家電から自動車、産業機器まで、あらゆる「回るもの、動くもの」に使われるモーターを製造。EV向け駆動モーター(e-Axle)を成長の柱に据える。
◎ 注目理由: ナブテスコの減速機が「力を伝える」のに対し、ニデックのモーターは「力を生み出す」役割を担います。FA、EV、ドローンなど、モーターと減速機の組み合わせが不可欠な分野は多く、両社は補完関係にあります。創業者による強力なリーダーシップとM&Aを駆使した成長戦略が特徴。株価は時に大きく変動しますが、中長期的な成長ポテンシャルは計り知れません。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1973年、創業者4人で設立。一代で世界的なモーターメーカーに育て上げた。現在は、EVの心臓部となる「e-Axle」に経営資源を集中投下し、自動車部品業界のティア1を目指す。
◎ リスク要因: 創業者退任後の経営体制。EV市場の競争激化。大型M&Aに伴うリスク。
【油圧機器の国内大手、パワーショベルの力持ち】株式会社不二越 (6474)
◎ 事業内容: ベアリング、工具(ドリルなど)、工作機械、油圧機器、産業用ロボットなどを手掛ける総合機械メーカー。「NACHI」ブランドで知られる。
◎ 注目理由: ナブテスコと同じく、産業用ロボットや油圧機器を手掛けており、事業領域に重なりが多い競合企業。特にロボット事業では、自動車製造ライン向けの垂直多関節ロボットに強みを持ちます。事業ポートフォリオが幅広く、特定の業界の不振を他でカバーできる安定感があります。PBRは長年1倍を大きく割り込んでおり、バリュー株の代表格です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1928年富山で創業。材料から製品までの一貫生産体制が強み。近年は、ロボット事業のアプリケーションを拡大し、食品や医薬品、物流分野への展開を強化している。
◎ リスク要因: 自動車、工作機械業界の設備投資動向に業績が左右される。収益性の改善が課題。
【チェーンと減速機の両刀使い】住友重機械工業株式会社 (6302)
◎ 事業内容: 減速機、射出成形機、建設機械、船舶、環境プラントなど幅広い事業を手掛ける総合重機械メーカー。特に中・大型の減速機で高いシェアを誇る。
◎ 注目理由: ナブテスコの精密減速機とは異なる領域(中・大型)で強みを持つ、減速機メーカーの雄。風力発電や鉱山機械など、より大きなパワーが求められる分野で活躍します。半導体関連の極低温冷凍機や、がん治療に使われる粒子線治療装置など、先端技術分野にも強みを持っています。事業の多角化により、安定した経営基盤を築いています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 別子銅山の事業から発展し、400年以上の歴史を持つ住友グループの中核企業。M&Aにも積極的で、近年は海外の減速機メーカーなどを買収し、グローバル展開を加速。
◎ リスク要因: 大型プラント事業の採算変動リスク。世界景気の後退による設備投資の抑制。
【空調自動制御の国内トップ、建物の快適と省エネを両立】アズビル株式会社 (6845)
◎ 事業内容: ビルや工場の空調や生産プロセスを自動制御する「ビルディングオートメーション(BA)」「アドバンスオートメーション(AA)」事業が主力。旧社名は山武。
◎ 注目理由: ナブテスコが機械の自動化なら、アズビルは建物の自動化。省エネや脱炭素への意識の高まりが、高機能なビル制御システムへの需要を後押しします。工場の生産性向上に貢献する制御機器も手掛けており、FA関連の一角とも言えます。ストック型のビジネスモデルが安定した収益基盤となっており、長期保有に向いた銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1906年創業。日本のオートメーションの歴史と共に歩んできた。近年は、AIやIoTを活用し、データを基に顧客の課題解決を支援するサービス事業を強化している。
◎ リスク要因: 国内の建設市場の動向。海外事業の拡大が課題。
【油圧ホースの世界的メーカー、建設現場の血管】横浜ゴム株式会社 (5101)
◎ 事業内容: タイヤで国内3位。近年、M&Aにより工業品事業を強化しており、建設機械などに使われる高圧油圧ホースやコンベヤベルトで世界トップクラスのシェアを誇る。
◎ 注目理由: ナブテスコの油圧モーターやブレーキが「筋肉」なら、同社の油圧ホースは油圧を伝える「血管」の役割。建設機械や産業機械の動きに不可欠な部品です。タイヤ事業のイメージが強いですが、非タイヤ事業の収益貢献が拡大しており、事業構造の転換が進んでいます。株価はPBR1倍割れで、事業価値の再評価が期待されます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1917年創業。タイヤ事業で成長を遂げた後、2017年に愛知タイヤ工業、2022年にスウェーデンのTrelleborg Wheel Systemsを買収するなど、オフハイウェイタイヤ(OHT)事業を強化。
◎ リスク要因: タイヤ業界の激しい価格競争。原材料価格(天然ゴム、原油)の変動。
【特殊ポンプのグローバルニッチトップ】株式会社酉島製作所 (6363)
◎ 事業内容: 電力、海水淡水化、上下水道など、大規模インフラ向けの特殊な大型高圧ポンプを主力とするメーカー。設計から製造、アフターサービスまで一貫して手掛ける。
◎ 注目理由: 社会インフラを支えるという点で、ナブテスコと共通の事業領域を持つニッチトップ企業。世界的な水不足やインフラ更新需要が追い風となります。特に中東の海水淡水化プラント向けで高い実績を誇ります。PBRは1倍を割れており、地味ながらも世界で確固たる地位を築く実力派バリュー株です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年創業。一貫してポンプ技術を磨き上げ、海外売上高比率が6割を超えるグローバル企業に成長。近年は、再生可能エネルギー分野や、CO2回収・貯留(CCS)関連の需要開拓に注力。
◎ リスク要因: 海外の大型プロジェクトの受注動向や採算に業績が左右される。為替変動リスク。
【FA向けセンサーのキープレイヤー】株式会社キーエンス (6861)
◎ 事業内容: FA(ファクトリーオートメーション)用の各種センサー、画像処理システム、計測器、レーザーマーカーなどを手掛ける。メーカーでありながら工場を持たないファブレス経営と、コンサルティング営業が特徴。
◎ 注目理由: ナブテスコの減速機やロボットが「動く」部分なら、キーエンスのセンサーは「見る・測る・判別する」という知覚の部分を担います。工場の自動化・無人化には不可欠な存在。驚異的な高収益性と成長性を誇りますが、株価も高PERで評価されています。しかし、FAという大きなトレンドを牽引する中核企業として、ポートフォリオに加える価値は十分にあります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1974年設立。顧客の潜在的なニーズを掘り起こす直接販売スタイルで高収益を実現。常に新製品を投入し続け、世界中の製造業の生産性向上に貢献している。
◎ リスク要因: 株価のバリュエーションが高い。世界的な景気後退による企業の設備投資意欲の減退。
【ミニチュアベアリングの世界王者】ミネベアミツミ株式会社 (6479)
◎ 事業内容: 外径22mm以下のミニチュア・ボールベアリングで世界シェア約6割を誇る。モーター、センサー、半導体など、多彩な電子部品を手掛ける「相合(そうごう)精密部品メーカー」。
◎ 注目理由: ベアリングという点で日本精工などと競合しますが、同社はより小型・精密な分野に特化しています。ナブテスコの精密減速機と同様、ミクロの技術が求められる製品群が強み。航空機部品や半導体事業も手掛けており、事業の多角化に成功しています。積極的なM&Aで成長を続けており、割安な株価水準は魅力的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1951年に日本初のミニチュアベアリング専門メーカーとして設立。その後、M&Aを繰り返し、ミツミ電機や旧日立パワーデバイスなどを統合。アナログ半導体分野にも力を入れている。
◎ リスク要因: スマートフォンなど最終製品の需要動向に影響を受ける。M&Aに伴うのれんの償却負担。
【鉄道車両の総合メーカー】株式会社日立製作所 (6501)
◎ 事業内容: IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフの5分野で事業を展開する巨大コングロマリット。鉄道システムでは車両から信号、運行管理まで一貫して提供。
◎ 注目理由: ナブテスコが鉄道車両用ブレーキで関わる一方、日立は車両そのものや運行システム全体を手掛けています。特に、ITとOT(制御技術)を融合した「Lumada」事業を成長の核に据え、社会インフラのDXを推進。株価は上昇基調ですが、事業改革による収益性向上を考えれば、まだ評価の余地があると言えます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1910年創業。重電メーカーから、近年はグローバルな社会イノベーション事業へと大きく舵を切っている。2021年には米IT企業のグローバルロジックを買収し、デジタル事業を大幅に強化。
◎ リスク要因: 巨大組織ゆえの意思決定の遅さ。景気変動や地政学リスクなど、マクロ環境の影響を受けやすい。
【油圧ショベルのリーディングカンパニー】住友建機株式会社 (6302)
◎ 事業内容: 住友重機械工業グループの建設機械メーカー。油圧ショベルを主力とし、道路機械(アスファルトフィニッシャ)でも高いシェアを持つ。
◎ 注目理由: コマツやコベルコ建機と並ぶ、国内の主要な建機メーカーの一つ。ナブテスコの部品が搭載される可能性のある最終製品メーカーです。燃費性能や操作性に優れた製品で評価が高い。親会社である住友重機械工業の一部門ですが、建機業界の動向を見る上で重要な企業です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 住友重機械工業とIHIの建機事業統合などを経て現在の体制に。近年は、ICT施工ソリューションや、電動化など次世代建機の開発に力を入れている。
◎ リスク要因: 国内外の公共投資や民間設備投資の動向に依存。原材料価格の高騰とサプライチェーンの混乱。
【歯車測定のスペシャリスト】大阪精密機械株式会社 (6149)
◎ 事業内容: 歯車の精度を測定する「歯車測定機」で世界トップクラスのシェアを誇るニッチトップ企業。工作機械や測定機器も手掛ける。
◎ 注目理由: ナブテスコの減速機は、高精度な歯車技術の結晶です。大阪精密機械は、その歯車の品質を保証するための「検査官」の役割を担う機械を作っています。EV化やロボットの高機能化で、歯車の静粛性や耐久性への要求はますます高まっており、同社の測定機の重要性も増しています。事業規模は小さいながらも、世界に誇る技術を持つ隠れた優良企業です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1952年設立。一貫して歯車測定機の開発・製造に特化し、高い技術力を蓄積。近年は、非接触式の高速測定機など、顧客の生産性向上に貢献する新製品を開発。
◎ リスク要因: 自動車業界や工作機械業界の設備投資動向に業績が左右される。事業規模が小さく、株価の流動性が低い。
【産業用ロボットシステムのインテグレーター】株式会社ダイヘン (6622)
◎ 事業内容: 溶接機・溶断機で国内トップ。産業用ロボット、電力用変圧器、半導体・液晶製造装置用高周波電源なども手掛ける。特にアーク溶接ロボットシステムに強み。
◎ 注目理由: ナブテスコがロボットの部品(減速機)を供給するのに対し、ダイヘンはロボット本体と周辺システムを組み合わせて、顧客の生産ラインに最適な「溶接ソリューション」を提供するSIer(システムインテグレーター)としての側面が強いのが特徴です。人手不足が深刻な溶接工程の自動化ニーズをがっちり掴んでいます。堅実な財務内容で、株価も割安圏にあります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年に変圧器メーカーとして創業。その電力制御技術を応用し、溶接機、ロボットへと事業を拡大。近年は、ワイヤレス給電技術の開発にも注力している。
◎ リスク要因: 自動車、造船、建機など主要顧客の設備投資動向の影響を受ける。為替変動リスク。
【自動化設備の「目」を支えるレンズメーカー】株式会社ブイ・テクノロジー (7717)
◎ 事業内容: FPD(フラットパネルディスプレイ)用の露光装置や検査装置が主力。近年は、半導体分野や、装置に使われる精密部品(マスクブランクスなど)の内製化も進めている。
◎ 注目理由: 直接の関連性はないものの、ロボットや自動化設備に不可欠な「マシンビジョン(画像認識)」の「目」となるレンズや光学系の重要性に着目。同社はディスプレイ製造で培った超精密な光学技術・メカトロニクス技術を持っています。この技術を他分野へ展開するポテンシャルは高く、将来の成長期待が持てる技術系企業です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1997年設立。FPD製造装置のニッチな分野で高い技術力を発揮し、急成長。近年は事業の多角化を急いでおり、半導体やEV関連分野への展開を強化。
◎ リスク要因: 特定の顧客や業界への依存度が高い。ディスプレイ業界の設備投資サイクル(シリコンサイクル)の影響を強く受ける。


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