円安はここで終わるのか―米イラン交渉再開が円ドル・日本株に引き起こす「連鎖反応」の全貌

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この記事のポイント
  • 今朝、通知を見て胃が冷えた方へ
  • このニュースに反応したら負ける
  • 無視していい3つのノイズ
  • 見ておきたい3つのシグナル

ヘッドラインに振り回される前に、何を見て、何を捨てるかを仕分けしてお渡しします。

今朝、通知を見て胃が冷えた方へ

朝、スマホを開いてドル円のチャートを見た時、胃の底がすっと冷える感覚。 昨夜まで膨らんでいたはずの含み益が、一晩でどこかへ消えている。 あるいは逆に、「ようやく円安が止まるのか」と思った翌朝、またじりじりと円安へ戻っている。

米イラン交渉の再開が報じられてから、市場の空気は明らかに変わりました。 原油が動き、中東リスクが意識され、ドルの強弱が揺れる。 その波が円ドルに乗り、そして日本株に伝わっていきます。

私も同じです。ヘッドラインを見るたびに「今、何をすればいいのか」と考え込む。 情報は溢れているのに、自分の手元で何を決めればいいかは、誰も教えてくれません。

マーケットアナリストマーケットアナリスト
為替は企業業績の根幹を左右するファクターです。この記事のシナリオ分析を参考に、自分のポートフォリオの為替感応度を一度チェックしてみてください。

この記事でお渡しするのは、予測ではなく備え方です。 まず、今の相場で何がノイズで何がシグナルなのかを仕分けします。 次に、円安の行方を決める前提を確認し、3つのシナリオで構え方を組み立てます。 最後に、私が過去の失敗から作り上げた撤退ルールまでお渡しします。

正直に書くと、私はこの相場でも自信があるわけではありません。 ただ、迷いながら動く時に、せめて「これだけは見る」と決めておきたい。 そういう読者に向けて書いています。

このニュースに反応したら負ける

相場のニュースには、反応すべきものと、反応してはいけないものがあります。 情報は多ければ多いほどいい、ではありません。 むしろ多すぎる情報の中から、自分が追うものを1本に絞れた人が、結果的に生き残ります。

無視していい3つのノイズ

一つ目は、「米イラン核合意、妥結間近」式の楽観観測記事です。 このニュースは安堵と楽観を誘発します。 しかし、国際交渉は何度も「間近」と言われては振り出しに戻ってきました。 見出しに反応して動くと、撤回報道で何度も往復させられることになります。

二つ目は、「円安は◯◯円まで進む」式の為替予想です。 これは焦りや乗り遅れ恐怖を煽ります。 為替予想はほぼ当たりません。仮に当たったとしても、そのタイミングで仕込めるとは限りません。 予想屋の仕事は当てることではなく、注目を集めることだと、私は思っています。

三つ目は、SNSで回ってくる「プロが仕込んでいる銘柄」の情報です。 羨望と取り逃し恐怖を誘発します。 その情報が末端まで流れてきた時点で、多くの場合、すでに仕込みは終わっています。 情報を流している側は、むしろ利確の売り板を作りたいのかもしれません。

私も過去、このタイプの情報で何度も高値を掴みました。 だから今は、SNSで同じ銘柄の話を3回見かけたら、逆に警戒するようにしています。

見ておきたい3つのシグナル

一つ目は、日米金利差。つまり米国10年債利回りから日本10年債利回りを引いた数字です。 円安を根っこで支えているのは、この金利差です。 ここが縮まれば円高方向の圧力が生まれ、開けば円安は続きやすい。 主要な金融情報サイトで毎日確認できる、最も基礎的な数字です。

二つ目は、原油。つまりWTIやブレント原油の水準です。 中東リスクが市場にどれだけ織り込まれているかを映します。 交渉が進展すれば原油は緩み、決裂や緊張激化なら跳ねます。 原油は米国のインフレ期待に効き、それが金利に跳ね返り、結局ドル円に届きます。

三つ目は、VIX指数と日経VI。いわゆる恐怖指数です。 これは市場参加者の「びくびく度」を示します。 指数が跳ねている時に動くと、自分も振り回されます。 落ち着くまで待つ、という選択肢が常にあることを、この数字は思い出させてくれます。

この3つ以外の数字は、今の局面ではあえて見ないようにしています。 見ても判断が鈍るだけだからです。

円安を動かしている本当のレバー

ここから、私の見立てを書きます。 ただし、これは予想ではなく、前提条件の整理だと読んでください。 前提が崩れたら、私は見立てを変えます。

一次情報として、今起きていることを整理します。 米国とイランは、交渉のテーブルに再び着きました。 日本円は数か月にわたって安値圏で推移し、日本の通貨当局からは円安を警戒する発言が繰り返し出ています。 日本株、とくに円安の恩恵を受けるセクターは、その恩恵を織り込む形で相対的に堅調でした。

ここからは私の解釈です。 地政学イベントは、それ自体が相場の結論を作るわけではありません。 火種にはなりますが、価格の行き先を決めているのは、もっと構造的な要因です。 円安の根っこを支えてきたのは、日米の金利差でした。

では、交渉再開がその金利差にどう効くか。 もし交渉が進展すれば、中東リスクが後退して原油が下がります。 原油が下がると米国のインフレ期待が下がり、長期金利も下押し圧力を受けます。 結果として日米金利差が縮まり、円安修正の芽が出てきます。

逆に交渉が決裂すれば、原油は跳ね、米国のインフレ警戒が強まり、長期金利が再び上に向きます。 金利差は保たれ、円安基調は継続しやすくなります。 つまり、交渉の中身そのものより、その先の原油と金利の動きを見るのが筋だと、私は考えています。

ここで前提を明示しておきます。 私は、米国10年債利回りが一定の高い水準を維持している限り、円安継続バイアスが残ると見ています。 米長期金利が明確にその水準を下抜け、かつ原油が中東リスクプレミアムを失って下落してきた時、初めて円安修正フェーズに入ると見ています。 日本の通貨介入が入った場合は、短期的に円が買われる局面はあるでしょう。 しかし金利差が埋まらない限り、時間とともに戻される可能性が高いと見ています。

この見立てが正しいかどうかは、正直、私にも分かりません。 だからこそ、読者の行動としては「どちらに転んだら何をするか」を事前に決めておくことをお勧めします。 予測ではなく、分岐の用意。ここから先はその話です。

3つの分岐、それぞれで何をするか

相場で生き残るコツは、当てることではありません。 どちらに行っても破綻しないポートフォリオを組むことです。 以下の3シナリオは、そのための設計図です。

基本シナリオ:じわじわ修正

発生条件は、米長期金利が徐々に低下し、原油が高止まりから下落に転じ始めること。 この展開では、円安が急反転するというより、時間をかけて修正されていく可能性が高いと見ています。

やることは、円安恩恵ポジションの縮小と、現金比率を上げることです。 一度に全部動かす必要はありません。3回から5回に分けて、少しずつ重心を移します。

やらないことは、一気に全部売ること。そして、逆張りで円買いに全力で突っ込むことです。 逆張りは、決まった時は気持ちいいのですが、外した時のダメージが大きすぎます。

チェックするものは、米インフレ期待、具体的にはブレイクイーブン・インフレ率、そして米長期金利の動きです。 加えて、日本側の輸出関連セクターの相対的な強弱も見ておきます。

逆風シナリオ:決裂と緊張激化

発生条件は、交渉が決裂、または中東の緊張が目に見えて激化すること。 原油が急騰し、一時的にリスクオフで円が買われる展開が起こり得ます。 ただし、その後は米金利が再上昇して円安が再開する可能性があります。

やることは、まずボラティリティが落ち着くまで動かないことです。 振り回された状態で判断すると、ろくなことになりません。

やらないことは、パニック的な成行売り。そして、「今こそチャンス」と飛び込むこと。 このフェーズで飛び込むと、数日で上下に振られて精神が持ちません。

チェックするものは、VIX、日経VI、そして原油の勢いです。 恐怖指数が平時の水準に戻ってきたら、ようやく判断の土俵に立てます。

様子見シナリオ:どっちつかず

発生条件は、交渉の進展と後退が繰り返し報じられ、金利も原油もレンジ内で推移すること。 実はこれが、最も可能性の高い展開かもしれません。 相場は多くの時間を、「どちらでもない」状態で過ごしています。

やることは、基本的に現状維持です。 ポジションを動かしたくなる気持ちは分かりますが、動かす合理的な理由がありません。 打診買いや打診売り、つまり小さく様子を見るだけの取引に留めます。

やらないことは、「何もしていないのが不安だから」という理由で動くこと。 これが一番お金を減らします。 何もしないことに耐える訓練だと思ってください。

チェックするものは、皮肉なようですが、自分のポジションサイズです。 「もし想定と逆に動いたら、自分は冷静でいられるか」を毎日自問します。

私が「円安の終わり」を信じて払った授業料

ここからは、私自身の失敗の話を書きます。 同じ轍を踏まないでほしいので、格好悪いところも含めて正直に書きます。

あれは数年前、日銀の政策修正が市場の関心を集めていた時期でした。 円安が長く続き、そろそろどこかで反転するはずだ、という空気が市場にはありました。 SNSでも、主要メディアでも、「円高転換間近」を示唆する論調が繰り返し流れていました。

私は、その空気を読みました。そして、読み過ぎました。

保有していた円安恩恵株を、天井は近いだろうと判断して大半を利確しました。 さらに一部、円安恩恵セクターのショートまで仕込みました。 同時にドル円のロングポジションも手仕舞いました。 「今回は自分は早く動けた」と、売り注文を出した瞬間に思った気持ちを、今でも覚えています。

判断の根拠は何だったのかと、後から冷静に振り返ると、ぞっとします。 一次情報ではなく、情報の「量」でした。 SNSで同じ話が繰り返し流れる、メディアの論調が揃う、その頻度を、私はシグナルの強さだと勘違いしたのです。

本当は、情報が揃っているということは、みんなが同じことを考えているということ。 みんなが考えていることは、すでに価格に織り込まれています。 それなのに私は、情報の量で動いて、「これで自分は賢く立ち回れた」と満足していました。

結果は、完全に裏目でした。 日銀の政策修正は市場の期待ほどのインパクトを出さず、円安はさらに進みました。 円安恩恵株は上昇を続け、仕込んだショートは踏まれました。 利確した現物は、戻そうとしても値段が上がっていて戻せません。 「もっと持っていたら」という後悔と、「ショートに突っ込まなければ」という後悔が、二重に来ました。

あの時期、私は夜中にチャートを何度も開き直していました。 もう結果は変わらないのに、何かいい材料が出ていないかと探してしまう。 自分の判断を正当化してくれる情報を、ただ探していたのです。 これが、情報の量で動いた人間が、最後にたどり着く場所でした。

何が間違いだったのか、今なら言語化できます。 一つ、情報の量をシグナルの強さと取り違えたこと。 二つ、自分が事前に置いていた「日米金利差」という前提が崩れていないのに、注目度の高いイベント材料で動いたこと。 三つ、反転に全力で賭けたこと。分割もヘッジもなく、一撃で決めに行ったこと。

No.主要トピック
1今朝、通知を見て胃が冷えた方へ
2このニュースに反応したら負ける
3無視していい3つのノイズ
4見ておきたい3つのシグナル
5円安を動かしている本当のレバー

あの時、もし「金利差が縮まるまでは様子見、縮まったら徐々に動く」と決めていたら、ショートに全力で入ることはありませんでした。 利確にしても、全部ではなく一部にできたはずです。 分割して入り直す余地も残せたはずです。

今でもあの時期のチャートを見返すと、胃が少し重くなります。 「おかげで成長できました」とは、正直、今も言えません。 失敗の痛みは完全には消えないものです。消える必要もないのかもしれません。 ただ、その痛みを、行動ルールに変換して、次に同じ間違いをしないようにする。 それだけが、私にできる唯一のことだと思っています。

だから私は今、以下のルールを自分に課しています。

逃げるのは負けじゃない、生き残るための撤退ライン

ここからは具体的な運用の話です。 数字はレンジ、つまり幅で出します。 ぴったりの正解はありませんし、あなたの資金量や生活環境は私と違うはずだからです。 そのまま真似するのではなく、自分に合う形に直して使ってください。

資金配分と建て方

私は通常、現金比率を30%から50%の間で保っています。 相場が穏やかな時は現金30%寄り、地政学イベントや政策イベントが重なる時期は50%寄りに傾けます。 今のような局面では、40%から60%に比率を寄せます。

なぜ現金を多めに持つのか。 判断を間違えた時、手元に現金がないと、もう一度チャンスが来た時に動けないからです。 全力で張って当てれば最大のリターンですが、外した時の立ち直りが効きません。 私は「立ち直れる範囲」でしか張らないと決めています。

建て方は、3回から5回に分けます。 間隔は1週間から3週間。 一括で入らない理由は、想定が外れた時、ナンピンか損切りの二択しか残らないからです。 分割で入っていれば、「まだ途中」という状態を作れます。途中なら、軌道修正も効きます。

撤退基準の3点セット

撤退基準は、価格・時間・前提の3点で決めます。 どれか一つではなく、3つセットで設定するのが、私の失敗から学んだルールです。

価格基準は、円安恩恵ポジションの場合、ドル円が直近の月足安値を明確に割り込んだら縮小を始めます。 「明確に」というのは、一日だけでなく2日から3日以上、その水準の下で推移することです。 ヒゲ一本で判断すると、ノイズに振り回されます。

時間基準は、ポジションを建ててから6週間から8週間経っても、想定した方向に動かなければ、一度降ります。 時間が経っても動かない時は、自分の見立ての何かが間違っている可能性が高い。 いったん外に出て、冷静に見直します。

前提基準は、先ほど置いた「米長期金利が高水準を維持している限り円安バイアス」が崩れたら撤退です。 具体的には、米10年金利がレンジの下限を明確に下抜けた場合。 前提が崩れたなら、その前提の上に建てたポジションは意味を失います。 意味を失ったポジションは、すぐに畳みます。

判断に迷ったら、まずこれ

投資を始めて間もない方、そして経験者でも迷った時のための救命具を一つ。

判断に迷ったら、ポジションを半分にしてください。 間違えてもダメージが半分になります。 迷いは、市場からのサインです。 自分が読み切れていない何かが起きている、という合図だと受け取ってください。

全部閉じる必要はありません。 全部持ち続ける必要もありません。 半分にする、という真ん中の選択肢が、常にあることを忘れないでください。

私のミスを防ぐルール

最後に、自分自身に課している短いルールを書いておきます。 失敗の痛みを、行動のルールに変換したものです。

一つ、SNSで同じ銘柄や同じ相場観を3回見かけたら、逆に警戒する。 二つ、ニュース見出しで動かない。前提条件が変わった時だけ動く。 三つ、逆張りのショート、特に全力の逆張りは、これから先も一生やらない。 四つ、迷ったら半分にする。ゼロか百かではなく、半分を選ぶ。 五つ、撤退の3点セット(価格・時間・前提)を、ポジションを建てる前に紙に書く。

これらは、私が自分の痛みから学んだものです。 あなたの痛みは、おそらく私のものとは少し違うはずです。 だから、このまま真似するのではなく、自分の失敗を棚卸しして、自分のルールを作ってください。

スマホに保存しておきたい確認項目

ここまで読んでくださった方のために、今の局面で使えるチェックリストを置いておきます。 スクリーンショットして、判断に迷った時に眺めてください。 すべてYesかNoで答えられるようにしました。

一つ、あなたの今のポジションは、想定と逆に動いた時の撤退基準が決まっていますか。 二つ、その撤退基準は、価格・時間・前提の3点すべてで設定されていますか。 三つ、現金比率は、想定外の下落が来ても動揺しないレベルにありますか。 四つ、今持っているポジションの建て方は、一括ではなく分割でしたか。 五つ、米10年金利と日本10年金利の差が、週単位でどちらに動いているか答えられますか。 六つ、原油が先週と比べて上がったか下がったか、方向だけでも答えられますか。 七つ、自分が今見ているニュースは、一次情報ですか、それとも誰かの解釈ですか。 八つ、最後にポジションを動かした時、動かした理由を一行で書けますか。 九つ、その理由は、情報の「量」ではなく「前提の変化」に基づいていましたか。

全部Yesになる必要はありません。 Noが一つでもあれば、そこが今のあなたの穴です。 穴を塞いでから、次の一手を打つようにしてください。

あなた自身に問いかけてほしい3つのこと

問いの形で残しておきます。 答えがすぐに出なくても、出ないこと自体が気づきになります。

一つ目。あなたの今のポジションは、最悪のシナリオで、資産の何%の損失になりますか。 数字で答えられなければ、それは規模が管理されていないポジションです。

投資リサーチャー投資リサーチャー
投資に関する書籍は数多くありますが、大切なのは読むだけで終わらず、学んだ知識を実際の銘柄分析に適用してみることです。1冊でも実践に結びつけば、それは大きな進歩です。

二つ目。もし明日、円が5円急騰したら、あなたは何をしますか。 決まっていないなら、決めておく時間を今日の夜に作ってください。

三つ目。あなたは、いつ撤退しますか。 「分からない」が答えなら、建てるのが早すぎたのかもしれません。

「結局タイミング投資では?」という指摘について

ここまで読んで、こう思われた方もいるはずです。 「結局のところ、円安が終わる/続くを当てに行くタイミング投資じゃないか」と。 この指摘はもっともです。否定しません。

ただ、少しだけ違う角度から考えさせてください。 予測と、条件分岐は、違います。

予測は「こうなる」と当てに行く行為です。 条件分岐は「こうなったら、こう動く」と準備する行為です。 前者は外れると大怪我をしますが、後者は外れても準備通りに降りるだけです。

長期で積み立てている方にとっても、この話は無縁ではありません。 長期投資は「時間を味方につける」戦略ですが、大崩れを一度食らうとリカバリーに年単位かかります。 だからこそ、大崩れを避けるための撤退基準が、長期投資家にも必要だと私は考えています。

タイミングを「当てる」ためではなく、タイミングに「振り回されない」ために、分岐を用意する。 この違いが伝われば、この記事を書いた意味があります。

今、静かに動いているのは誰か

市場には、表に出てくるニュースと、数字の裏で起きている需給があります。 ここは断定できる話ではないので、推測を含むことを明示して書きます。

海外勢は、円安を利用して日本株を買ってきた時期が長く続きました。 その海外勢が、もし円高を警戒し始めれば、ポジションを軽くする動きが出るはずです。 売買動向の週次データで、外国人売買の符号が変わっていないかを見ておくと、何かの変化の初期サインになる可能性があります。

一方で、個人投資家は、円安が長く続いたことで「円安恩恵銘柄は上がり続ける」という体感を持ちやすくなっています。 私もその一人です。体感でポジションを作ると、転換点で一番ダメージを受けます。 体感と、前提条件の確認を混ぜないように、日々気をつけています。

機関投資家のうち、年金系の大口は、基本的に長期でリバランスをかけてきます。 彼らは動きが遅く、しかし影響が大きい。 個人が短期で勝負しているつもりでも、背景では彼らの静かな売買が水面下で動いています。

需給の話は語りすぎると占いになるので、ここまでにします。 私が言いたいのは一点だけ。 自分より大きな資金の動きは、自分から見えないところで進んでいる、という事実を忘れないでほしいのです。

スマホを開く前に、これだけは見る

長くなりました。最後に、この記事の要点を3つに絞って置いておきます。

一つ、地政学は予測するものではなく、備えるものです。 米イラン交渉の行方を当てるのではなく、進展した場合・決裂した場合・どちらでもない場合の3つで、あらかじめ動きを決めておきます。

二つ、円安の行方を決めるのは、ヘッドラインではなく日米金利差です。 ニュースに反応する前に、金利差の方向を見る。これが私の一本の鎖です。

三つ、シナリオ分岐を事前に決めておけば、ニュースに振り回されません。 分岐を決めるとは、すなわち撤退基準を決めること。 撤退を決めた人は、前に進むこともできます。

明日、スマホを開いたら、ひとつだけ見てください。 米10年債利回りと、日本10年債利回りの差。 その数字が昨日と比べてどう動いたか、週全体でどちらに傾いているか。 1週間、自分で記録してみてください。

相場の「連鎖反応」を全部追いかけようとすると、心身が持ちません。 自分が追う鎖を1本に絞れば、ニュースの洪水の中でも、静かに立っていられます。 今日の夜、撤退基準を一枚の紙に書くところから、始めてみてください。

本記事は投資助言を目的としたものではありません。 記載された内容は筆者個人の見解であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。


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この記事を書いた人

「日本個別株デューデリジェンスセンター」運営者。日本の個別株に特化した投資リサーチを専門とし、銘柄分析・企業デューデリジェンス・業界動向・IPO分析を中心に2,800本超の分析レポートを執筆。ファンダメンタルズ分析とデータドリブンなアプローチで、個人投資家の意思決定をサポートしています。毎日更新の分析レポートを通じて、プロ水準のリサーチを個人投資家に届けることをミッションとしています。

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