- 【うまいすしを世界へ届ける回転寿司王者】FOOD & LIFE COMPANIES (3563)
- 【世界の家庭に眠る“赤いフタ”の調味料王】キッコーマン (2801)
- 【うま味調味料の祖が描くアミノサイエンス革命】味の素 (2802)
- 【マル・ちゃんブランドで世界を制する即席麺グローバル企業】東洋水産 (2875)
2022年から始まった食品値上げラッシュは、2026年に入り品目数ベースでは一段落しつつあります。帝国データバンクの調査によれば、2025年の飲食料品値上げは2万609品目に達した一方、2026年は単月あたり1000品目を超えるペースに至らず、勢いはやや鈍化する見通しです。しかし「値上げが止まる」ことと「値上げの効果が剥げ落ちる」ことは、まったく別の話です。
ここ2〜3年で日本の消費者は、「値上げされても必要なものは買う」という行動を学習しました。原材料高・人件費高・物流費高という三重苦にもかかわらず、メーカーや外食チェーンは価格改定を経営変数として使いこなすようになっています。日本フードサービス協会によれば、2025年の外食売上高は前年比107.3%、客単価104.3%と、単価主導で市場が拡大しました。客数も102.9%と伸び、「値上げしても客は戻る」ことが業界全体で実証された格好です。
投資の観点で注目すべきは、値上げを「防衛策」ではなく「攻撃手段」として活用している企業群です。ブランド力と需要の底堅さを背景に価格を引き上げ、利益率を構造的に改善し、そのキャッシュを新規出店・海外展開・M&Aに振り向ける――こうした企業は、デフレ期の「安さ自慢」企業とは別次元の成長軌道に乗りつつあります。
本記事では、東証に上場する外食・食品関連20銘柄を厳選し、値上げを武器に収益構造を進化させている銘柄を深掘りします。回転寿司・牛丼・ラーメン・即席麺・調味料・飲料・スナック菓子まで、業態横断でご紹介します。
本記事は投資情報の提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いいたします。
記載の情報は執筆時点で確認できる公開情報をもとに編集しておりますが、正確性・網羅性・最新性を保証するものではありません。株価や業績、経営方針は日々変動するため、最終的な投資判断の前に各企業のIR情報、有価証券報告書、決算短信等の一次情報をご確認いただくようお願いします。
また、本記事内で言及する数値や動向は、後日修正・訂正される可能性があります。記事中のURLや外部リンクの継続性についても保証いたしかねます。
【うまいすしを世界へ届ける回転寿司王者】FOOD & LIFE COMPANIES(3563)
◎ 事業内容: 回転寿司「スシロー」を中核に、都市型すし居酒屋「杉玉」、持ち帰り寿司「京樽」、海鮮居酒屋「海鮮三崎港」などを展開する外食大手です。国内スシローだけでなく、韓国・台湾・香港・シンガポール・タイ・中国・インドネシア・マレーシア・米国の9カ国・地域で海外展開を進めており、海外売上比率の上昇が利益成長の主エンジンとなっています。 ・ 会社HP:
| 分類 | 代表銘柄 | 値上げ戦略の特徴 | 投資注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 外食チェーン大手 | ゼンショーHD(7550)・すかいらーくHD(3197) | メニュー改定+高単価商品の拡充 | 既存店客単価と客数のバランス推移 |
| 即席麺・加工食品 | 日清食品HD(2897)・東洋水産(2875) | ブランド力で実質値上げを浸透 | 海外売上比率と為替感応度 |
| 調味料・飲料 | キッコーマン(2801)・味の素(2802) | グローバル展開で円安メリットを享受 | アミノサイエンス等の高付加価値事業比率 |
| 回転寿司・専門外食 | くら寿司(2695)・コメダHD(3543) | 廃棄削減+FC展開で利益率改善 | フランチャイズ比率と出店余地 |
◎ 注目理由: 2025年9月期は売上収益4,296億円(前期比19.0%増)、営業利益361億円(同54.4%増)と3期連続で過去最高益を更新しました。2026年9月期も売上4,850億円、営業利益405億円を見込み、中期経営計画では2026年9月期に売上5,200億円を目標に掲げています。2026年9月期第1四半期時点で売上1,226億円(前年同期比23.7%増)、営業利益134億円(同40.5%増)と極めて好調で、営業利益率は9.7%から11.0%に改善しました。
注目すべきは、単純な「値上げ」ではなく、一皿120円のベース価格帯を維持しつつ、原価率の高い高付加価値ネタや期間限定メニュー、デザート、サイドメニューで客単価を押し上げる「ミックス戦略」を徹底している点です。既存店客単価は継続的に104〜107%の上昇基調で推移しており、「値上げしているのに客数も増える」という教科書通りの成功パターンを実現しています。
さらに、AIを活用した需要予測による食材廃棄削減、デジタル回転レーン、セルフレジ化など、インフレ耐性の高いオペレーション改革を並行して進めている点も、長期保有銘柄として評価できるポイントです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1984年に大阪府豊中市で創業したスシローが母体です。2021年にFOOD & LIFE COMPANIESへ商号変更し、多業態・海外展開を加速しました。海外スシロー事業は特に中国大陸・上海への出店拡大が寄与し、2026年9月期第1四半期は海外スシローが牽引役となっています。米国進出も本格化しており、「2つの1兆円」(国内・海外)を視野に入れる野心的な経営計画が動き始めています。
◎ リスク要因: 海外の地政学リスクと為替変動、マグロやサーモンなど水産物の原材料価格高騰、国内での回転寿司競争激化、出店速度に伴う人件費増加。
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【世界の家庭に眠る“赤いフタ”の調味料王】キッコーマン(2801)
◎ 事業内容: 国内外で醤油・つゆ・デルモンテ関連商品・豆乳・ワインなどを製造販売する調味料グローバル企業です。連結売上の7割超が海外事業で、特に北米・欧州・アジアで現地生産・現地販売モデルを確立。米国向け「キッコーマンソイソース」は現地スーパーでの定番商品として、長年にわたり価格を段階的に引き上げ続けてきたブランド力があります。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: キッコーマンの最大の武器は、米国を中心とする海外市場における「醤油=キッコーマン」という揺るぎないカテゴリー支配です。日本で「醤油の値段を10%上げる」となれば消費者から反発が出るリスクがありますが、米国ではそもそもアジアン調味料カテゴリー自体が年々拡大しており、価格改定が需要を大きく減らさないという構造的な強みを持っています。
2023年以降、円安と原材料高への対応として国内外で複数回の価格改定を実施しましたが、海外売上高・利益ともに増加トレンドを維持。円安局面では連結利益を大きく押し上げる為替感応度の高さも特徴です。さらに、北米のアジア系移民人口の増加と健康志向の高まりを背景に、低塩醤油や豆乳飲料など高付加価値品への需要シフトが続いており、数量×単価×MIX改善の三拍子が揃っています。
日本株の中で「ディフェンシブ×グローバル×ブランド力」を兼ね備えた希少な調味料銘柄として、機関投資家のポートフォリオにも組み入れられやすい存在です。PERはやや高めで推移することが多いものの、その評価は長期的な価格決定力への信頼の表れと解釈できます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1917年に野田醤油として設立、1964年にキッコーマンへ商号変更しました。1973年に米国ウィスコンシン州ウォルワースに北米工場を開設したのが海外展開の原点です。近年は欧州でオランダやバイエルンに工場を構え、グローバルサプライチェーンを強化。2020年代に入ってからは豆乳飲料事業の拡大と、海外での外食向け業務用販売の強化に注力しています。
◎ リスク要因: 原油・大豆・小麦などの原材料価格変動、為替変動による連結業績へのインパクト、欧米の景気後退時の外食需要減退、新興国における現地競合の台頭。
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【うま味調味料の祖が描くアミノサイエンス革命】味の素 (2802)
◎ 事業内容: 家庭用・業務用調味料(「味の素」「ほんだし」「Cook Do」)、冷凍食品、加工食品、医薬品・化成品、電子材料(半導体用絶縁材料ABFなど)を展開する総合食品・ファイン事業会社です。近年は「アミノサイエンス」を企業の軸に据え、食品と電子材料の両輪経営で収益構造を大きく変革しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 食品セグメントにおける価格決定力は極めて強固です。「ほんだし」「Cook Do」「鍋キューブ」など家庭の必需品ブランドは、価格を上げても購買頻度が大きく落ちないという強みを持ちます。2024〜2025年にかけても家庭用アミノ酸含有調味料の価格改定を複数回実施してきました。
一方、同社の真の投資妙味は、半導体パッケージ用絶縁フィルム「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」に代表される電子材料事業にあります。AIサーバー・高性能CPU向け需要が構造的に拡大するなか、ABFは世界シェア圧倒的トップで、食品事業のキャッシュフローを電子材料の高成長事業に振り向ける「二刀流経営」が機能しています。
食品は値上げで利益率を守り、半導体材料は量と単価の両面で成長する――このハイブリッド構造が、国内食品株の平均PERを大きく上回る評価を正当化してきました。国内最低賃金の引き上げに伴う人件費増も、同社のブランド力と海外事業比率の高さで吸収できる構造です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1909年、池田菊苗博士が発見したグルタミン酸ナトリウムを世界初の「うま味調味料」として商品化したのが起点です。2020年代に入り、「アミノサイエンス」を中期経営のコンセプトに据え、食品・ヘルスケア・電子材料を融合した企業像へ転換。冷凍食品の北米事業強化やヘルスケア領域の自社開発ブランド育成も進めています。
◎ リスク要因: ABF需要のサイクル変動リスク、半導体市場全体の調整局面、新興国通貨安による連結業績の振れ、原材料コストの急騰。
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◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/
【マル・ちゃんブランドで世界を制する即席麺グローバル企業】東洋水産(2875)
◎ 事業内容: 国内外で即席麺(マルちゃん、赤いきつね、緑のたぬき)、生麺、冷凍食品、低温食品、水産加工品、パックご飯などを展開する食品メーカーです。日本ではカップ麺・袋麺で上位のシェアを持ち、米国・メキシコでは現地ブランド「Maruchan」がインスタントラーメン市場で圧倒的首位を占めています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 2026年3月期第3四半期時点で売上高4,026億円(前年同期比3.6%増)、営業利益645億円(同6.1%増)と増収増益を達成。通期では売上5,350億円、営業利益800億円を計画しています。営業利益率15%超という食品株として突出した水準が、同社のブランド支配力の強さを物語ります。
北米即席麺事業の強さは特筆すべきで、「Maruchan」ブランドはヒスパニック層に深く浸透しており、ドル建て単価の引き上げと為替円安のダブルメリットを享受できる構造になっています。日本国内でも「赤いきつね」「緑のたぬき」など長年愛されてきたレガシーブランドは、値上げしてもリピート需要が落ちにくい強い価格弾力性を持ちます。
さらに同社は手元資金と保有不動産の厚みから、投資ファンドが株主還元強化を要求するなどガバナンス改革の動きも出ており、資本効率改善によるバリュエーション再評価という投資テーマも加わっています。値上げによるトップラインの拡大と、株主還元強化によるPBR・ROE改善が同時進行する可能性を秘めた銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1953年設立、当初は水産物卸売業からスタートしました。1962年にメキシコで現地生産を開始、1972年には米国カリフォルニアに「Maruchan, Inc.」を設立し、半世紀以上にわたり北米即席麺市場を開拓してきました。近年は冷凍食品、パックご飯、低温食品などマルチカテゴリー化を進め、ポートフォリオの分散を図っています。
◎ リスク要因: 小麦・パーム油などの原材料価格変動、北米市場の消費者トレンド変化、為替変動リスク、物流コスト上昇の継続。
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◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.maruchan.co.jp/corporate/ir/
【カップヌードルを世界で売る即席麺のオリジネーター】日清食品ホールディングス(2897)
◎ 事業内容: 「カップヌードル」「日清のどん兵衛」「チキンラーメン」などを擁する即席麺最大手です。国内即席麺、国内非即席麺(菓子「湖池屋」、低温・飲料「日清ヨーク」)、米州、中国、アジア、ブラジル地域など6つのセグメントで世界展開し、海外事業の成長が利益の柱となりつつあります。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 日清食品HDは、即席麺カテゴリーでの強いブランドエクイティを武器に、国内で複数回の価格改定を着実に消化してきました。「カップヌードル」は定番商品としての地位が確立されているため、価格改定後もシェアを大きく落とさず、むしろ単価上昇による売上拡大につながっています。
注目すべきは、国内外で「価格コンシャス品(普及価格帯)」と「コア商品(高価格帯)」をセグメント化し、原材料高局面では普及価格帯で量を稼ぎ、平時はコア商品の単価を引き上げるというポートフォリオ運用です。2026年3月期第3四半期は営業利益が11.7%減と米州地域の苦戦が目立ちましたが、国内事業と非即席麺事業は好調を維持しています。
米国・ブラジル・中国の海外事業は長期的な成長エンジンであり、特にブラジルでは現地トップブランドとしての地位を確立しています。米国での辛い麺カテゴリーの競争激化が株価の重しになっていますが、これは裏を返せば米国市場自体が拡大している証でもあり、中長期的にはむしろ好機と捉える見方もあります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1958年、創業者・安藤百福氏が世界初の即席麺「チキンラーメン」を発明したのが原点です。1971年には世界初のカップ麺「カップヌードル」を発売。近年はM&Aで湖池屋を子会社化するなど非即席麺領域の拡大を図っており、冷凍食品やチルド食品など生活者接点の多角化も進めています。
◎ リスク要因: 米州事業の競争激化、小麦・パーム油価格の変動、中国の景気減速、海外子会社ののれん減損リスク。
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https://finance.yahoo.co.jp/quote/2897.T
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【ポテトチップスを通じて原材料インフレを制する】カルビー(2229)
◎ 事業内容: ポテトチップス、じゃがりこ、かっぱえびせん、フルグラなどを主力とするスナック菓子メーカーです。国内スナック市場でシェア首位、シリアル「フルグラ」も国内シリアル市場を牽引してきました。北米・中国・ASEAN向けの海外事業も拡大しており、海外売上比率は年々上昇しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: スナック菓子は「嗜好品×日常必需品」の中間にあるカテゴリーで、値上げと内容量調整(ダウンサイジング)を組み合わせた価格戦略が特に効きやすい分野です。カルビーは原料じゃがいもの北海道依存度が高いという構造的課題を、契約農家ネットワークの強化、馬鈴薯の海外調達拡大、商品ラインアップの多様化で乗り越えてきました。
国内では「じゃがりこ」「ポテトチップス」などの中核ブランドの価格を段階的に引き上げる一方、プレミアムシリーズや地域限定品、コラボ商品で単価の高い商品ミックスへのシフトを進めています。また、ASEANなどの海外市場ではポテトチップスのプレミアムカテゴリーとしての位置付けが強く、ドル建て単価の引き上げ余地が大きい点も魅力です。
同社はBtoC消費者から強いブランドロイヤルティを獲得しており、PBプライベートブランドとの差別化が明確に保たれています。人口減少下の国内スナック市場でも、単価上昇と高付加価値化で売上を維持・拡大できている稀有なメーカーです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1949年に広島で創業、1964年に「かっぱえびせん」、1975年に「ポテトチップス」、1995年に「じゃがりこ」を発売し、スナックの国民的ブランドを確立しました。近年はグラノーラ事業の海外展開と、プロテインスナックなどヘルシー志向のカテゴリー拡張に注力しています。
◎ リスク要因: じゃがいもの不作や価格高騰、海外事業での現地競合台頭、消費者の健康志向による脂質・塩分含有食品への逆風、物流費の継続的上昇。
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◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
https://finance.yahoo.co.jp/quote/2229.T
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【トマトと野菜の王者、健康志向ブームの追い風銘柄】カゴメ(2811)
◎ 事業内容: トマトケチャップ、トマトジュース、野菜生活100などの野菜・果実飲料、調味料、業務用トマト加工品などを展開する食品メーカーです。国内トマト加工品市場で圧倒的シェアを持ち、北米・欧州・アジアにも業務用トマト製品を輸出しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: カゴメの強みは、「野菜」という健康キーワードを中核に据えたブランドポジショニングです。値上げを実施しても、「健康のために飲む・食べる」という購買動機が強いため、価格弾力性が相対的に小さいカテゴリーに属します。2022年以降、複数回の価格改定を実施してきましたが、主力の野菜飲料や調味料で販売数量を大きく落とすことなく、むしろ単価上昇による増収増益を実現してきた実績があります。
特筆すべきは、業務用トマト加工品のグローバルオペレーションです。同社は米国・ポルトガル・オーストラリア・チリなど世界各地にトマト加工拠点を持ち、世界のピザチェーンやレストランチェーン向けに業務用ペースト・ソースを供給しています。国内の家庭用だけでなく、グローバル外食チェーンの価格改定にも同社の値上げが連動する構造になっており、ドル建てでの収益が着実に伸びています。
加えて、機能性表示食品の展開(睡眠の質改善、血圧対策など)により、単価の高いカテゴリーへのシフトが進んでいます。ヘルスケア分野への本格進出は、食品株としての構造的な成長シナリオを描きやすくしています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1899年、愛知県東海市で蟹江一太郎氏がトマトの栽培を始めたのが起源です。1903年にトマトソース、1908年にトマトケチャップを発売。国内で「トマトといえばカゴメ」というブランドを築き上げ、現在は海外業務用トマトの世界大手として存在感を高めています。近年は農業事業やスマート農業への投資も進めています。
◎ リスク要因: トマトの不作による調達コスト上昇、欧米市場での現地競合との価格競争、円高局面での連結業績への影響、健康志向トレンドの変化。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
外食・食品セクターでは「値上げしても客が離れない」企業が構造的に利益率を押し上げています。特にグローバル展開力とブランド力の両方を持つ銘柄は、為替と内需の両面から恩恵を受ける局面です。
https://finance.yahoo.co.jp/quote/2811.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.kagome.co.jp/company/ir/
【マヨネーズ世界最大手としてのプライシングパワー】キユーピー(2809)
◎ 事業内容: マヨネーズ、ドレッシング、加工食品、タマゴ加工品、サラダ・惣菜、ベビーフード、ペットフードなどを展開する食品メーカーです。マヨネーズ生産量では世界最大規模を誇り、中国・東南アジアを中心に海外展開も進めています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: キユーピーは、「マヨネーズ=キユーピー」という日本市場での圧倒的なブランド想起率を武器に、鶏卵・食用油・ドレッシング用原材料の価格高騰を消費者価格に転嫁してきました。国内マヨネーズ市場ではシェア6割超を握り、価格改定後も主要顧客(飲食店、食品加工業者、小売)の採用が大きく動かないという構造的優位性があります。
2026年1月からは、家庭用ドレッシング類の価格改定を発表しており、原料高・包装資材高・物流費増のトリプル要因を段階的に販売価格に反映させる姿勢を維持しています。原材料が高止まりするインフレ局面では、強いブランドを持つ企業ほど価格転嫁に伴う利益率改善が大きく、逆に素材メーカーからの仕入れコストが緩和する局面では、値上げ効果が残るぶん利益率がさらに膨らむ「ダブルメリット」が生まれます。
また、海外事業(中国・東南アジア)ではマヨネーズの食文化普及そのものを担っており、現地の家庭でのマヨネーズ使用頻度がまだ低いことから、長期的な数量成長余地が大きい市場と言えます。ペットフードやベビーフードなど成長カテゴリーへの事業領域拡張も、ポートフォリオ分散の観点で評価できます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年に創業、1925年に日本初の国産マヨネーズを発売しました。卵白由来の素材事業、医療用ヒアルロン酸の製造販売など、独自のタマゴ由来バイオ技術を活用した新規事業にも早くから取り組んできた老舗企業です。近年は植物性素材を使ったプラントベース食品や、高齢者向け機能性食品にも注力しています。
◎ リスク要因: 鶏卵相場・鳥インフルエンザの発生による原材料リスク、食用油の国際価格変動、中国市場の景気減速、健康志向による脂質カテゴリーへの逆風。
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https://finance.yahoo.co.jp/quote/2809.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.kewpie.com/company/ir/
【明治ブルガリアとチョコで磨く総合食品のパワーブランド】明治ホールディングス(2269)
◎ 事業内容: 菓子・牛乳・ヨーグルト・栄養食品・チーズなどの食品事業と、医療用医薬品・ワクチン・農薬などの医薬品事業の2本柱で展開する食品・ヘルスケアコングロマリットです。「明治ブルガリアヨーグルト」「きのこの山」「たけのこの里」「ミルクチョコレート」「ザバス」など、日本の食卓に深く入り込んだブランドを多数擁しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 明治HDは、乳製品・チョコレート・プロテインという3つの巨大ブランドセグメントで、それぞれ値上げの機会を確保しています。特にカカオ豆の国際価格が過去最高水準で推移する局面では、チョコレート菓子の価格改定は「値上げして当たり前」と消費者に受け入れられる土壌が整っており、ブランド力の強い銘柄ほど利益率の維持が容易になっています。
健康志向の追い風を受けるプロテイン「ザバス」シリーズは、原材料よりも付加価値が重視されるカテゴリーで、単価の高い粉末タイプや即飲タイプが継続的に拡大しています。ヨーグルト事業も、機能性表示食品としてのポジションを確立した「R-1」「LG21」などが価格改定の影響を受けにくい高付加価値商品として定着しています。
さらに医薬品事業(Meiji Seikaファルマ)は、新薬開発・ジェネリック医薬品・ワクチンで独自の立ち位置を築いており、食品事業のキャッシュフローが安定的にヘルスケア領域の投資を支える構造が機能しています。食品単体の銘柄とは異なる、多角的な収益構造が投資魅力の一つです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1916年、東京菓子(後の明治製菓)が設立、1917年に極東練乳(後の明治乳業)が設立され、長らく別会社として発展したあと2009年に経営統合し、明治HDが誕生しました。2025年前後は医薬品事業の選択と集中、プロテイン・スポーツ栄養カテゴリーのグローバル展開、高付加価値ヨーグルトへのシフトを進めています。
◎ リスク要因: カカオ・乳原料・ホエイパウダーなどの原材料価格変動、医薬品事業における薬価改定、ジェネリックの競争激化、消費者の健康志向変化。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
https://finance.yahoo.co.jp/quote/2269.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.meiji.com/investor/
【スーパードライが示す値上げ成功の教科書】アサヒグループホールディングス(2502)
◎ 事業内容: ビール類、RTD缶チューハイ、焼酎、ウイスキー、清涼飲料、食品(マルちゃん、ベビースターとは別の菓子・食品群)を展開する酒類・飲料コングロマリットです。欧州・オセアニア・東南アジアでも事業を展開し、海外売上比率は高水準で推移しています。主力ブランドは「アサヒスーパードライ」「カルピス」「十六茶」など。 ・ 会社HP:
https://www.asahigroup-holdings.com/
◎ 注目理由: アサヒGHDは、2020年代前半からビール類の段階的な価格改定を主導してきました。「スーパードライ」のブランド刷新と値上げを同時並行で進め、ブランドの高付加価値化と収益性向上を両立。2025年10月からは清涼飲料「カルピスウォーター」「三ツ矢サイダー」などのペットボトル飲料でも価格改定を実施しており、飲料セグメントでも価格転嫁が進んでいます。
海外ではアサヒ欧州&インターナショナル(旧Peroni、Grolsch、Pilsner Urquell、Asahi Super Dryの海外展開)を通じて、プレミアムビール市場で確固たる地位を築いています。欧州では日本以上にインフレ率が高く、価格改定を売上成長に直結させやすい環境が続いており、円建てでの連結業績を押し上げています。
オセアニア事業(CUB)も利益貢献度が高く、地域分散された収益源を持つことが、為替・景気サイクルに対するレジリエンスを高めています。国内の少子高齢化によるビール需要減という構造的課題はあるものの、高価格帯クラフトビールやRTD缶チューハイの拡大で補っており、ポートフォリオ運営の巧さが光る銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1889年に大阪麦酒会社として創業、1987年に「アサヒスーパードライ」を発売し日本のビール市場の勢力図を塗り替えました。2016〜2017年にかけて旧SABMiller傘下の欧州ビール事業を大型買収し、グローバル化を加速。近年は豪州CUBの統合効果最大化とアジア圏でのプレミアムブランド強化に注力しています。
◎ リスク要因: 欧州景気の減速、大麦・ホップ・アルミなど原材料価格の変動、日本国内ビール課税の見直し、欧米の酒税・消費動向の変化。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
https://finance.yahoo.co.jp/quote/2502.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.asahigroup-holdings.com/ir/
【多角経営とビールの両輪で価格改定力を発揮】キリンホールディングス(2503)
◎ 事業内容: ビール類(一番搾り、本麒麟)、RTD缶チューハイ、清涼飲料(午後の紅茶、生茶)、ウイスキー、ワイン、健康食品・医薬品(協和キリン)を展開する酒類・飲料・ヘルスケアコングロマリットです。海外ではオセアニア(ライオン)、ブラジル撤退後は東南アジアで再展開中。 ・ 会社HP:
https://www.kirinholdings.com/jp/
◎ 注目理由: キリンHDの注目点は、「ビール×清涼飲料×医薬品×ヘルスケア」という多事業ポートフォリオが作る複合的な値上げ機会です。ビール類では「一番搾り」「本麒麟」の価格改定を着実に消化しつつ、清涼飲料では「午後の紅茶」「生茶」などの段階的な価格改定を実施。協和キリンはグローバルスペシャリティファーマとして高収益体質を確立しており、食品・飲料事業の収益サイクルを補う役割を果たしています。
特に連結子会社の協和キリンは、希少疾患・がん・免疫領域での独自新薬を複数擁し、食品・飲料とは全く異なる成長ドライバーを提供します。バイオ医薬品の開発成功による爆発的な利益成長ポテンシャルを併せ持つことが、純粋な食品銘柄とは一線を画するポイントです。
さらに、健康食品領域では「iMUSE(プラズマ乳酸菌)」ブランドを機能性表示食品として積極展開しており、単価の高い機能性食品カテゴリーへのシフトを進めています。純粋な酒類セグメントの成長余地が限られる中、ヘルスサイエンス領域へのピボットがバリュエーションを下支えしています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1907年に麒麟麦酒株式会社として設立。2007年に協和発酵工業を子会社化し、医薬品事業を本格的に事業の柱へと拡大。2019年にファンケルとの資本業務提携、その後持分法から連結子会社化を進め、健康食品領域を強化しています。近年はビール事業のポートフォリオ見直しとヘルスサイエンス事業の拡大に注力しています。
◎ リスク要因: 協和キリン新薬開発の進捗遅延、オセアニア事業の景気変動、国内ビール需要の構造的減少、為替変動による連結業績への影響。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
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◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.kirinholdings.com/jp/investors/
【おーいお茶ブランドで緑茶市場を独占する飲料株】伊藤園(2593)
◎ 事業内容: 緑茶飲料「おーいお茶」を主軸に、コーヒー、野菜飲料、ミネラルウォーター、リーフ茶、健康飲料などを展開する飲料メーカーです。「おーいお茶」は日本の緑茶ペットボトル市場で圧倒的シェアを持ち、近年は海外展開(米国、東南アジア)にも注力。タリーズコーヒージャパンを傘下に持ちます。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 緑茶ペットボトル飲料市場は、競合が少ない寡占市場であり、「おーいお茶」のブランドロイヤルティは圧倒的です。伊藤園は2022年以降、主力商品の価格改定を段階的に進めており、ペットボトル容器の小型化(500mlから450mlへ、など)と組み合わせた実質値上げも積極的に活用してきました。
特筆すべきは、茶葉の海外調達ネットワークとリーフ茶市場での地位の強さです。同社は契約茶農家との長期関係を築き、国産茶葉の安定調達を確保することで、他社が原材料高で苦戦する局面でも相対的に安定したマージンを維持できる体制を整えています。
北米市場では、健康志向の高まりと日本文化への関心拡大を背景に、無糖緑茶の認知が年々高まっており、「Matcha Love」「Oi Ocha」ブランドで着実にシェアを伸ばしています。海外売上比率の上昇は、円安局面での連結業績押し上げ要因となり、構造的な成長ストーリーを補強します。さらに子会社のタリーズコーヒージャパンは、カフェ業界の値上げトレンドに呼応し、高付加価値メニューで客単価を引き上げる戦略を継続しています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1966年に前身のフロンティア製茶として創業、1969年に伊藤園として再発足しました。1985年に世界初の缶入り緑茶、1990年に世界初のペットボトル緑茶を発売した先駆者です。近年は健康茶シリーズの機能性表示化、米国での抹茶市場開拓、タリーズの店舗網拡大に注力しています。
◎ リスク要因: 茶葉の生育不順、国内緑茶消費の成熟化、競合(サントリー、キリンなど)との価格競争、米国市場の景気変動。
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【すき家の海外展開と値上げで利益拡大を続ける外食最大手】ゼンショーホールディングス(7550)
◎ 事業内容: 牛丼「すき家」、回転寿司「はま寿司」、ファミリーレストラン「ココス」「ジョリーパスタ」「ビッグボーイ」、うどん「なか卯」、牛角、華屋与兵衛など多業態の外食チェーンを国内外で展開する日本最大の外食企業です。食材調達から製造・物流・販売までを垂直統合する「MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)」が強みです。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: ゼンショーHDは、2026年3月期第3四半期時点で売上高9,366億円(前年同期比10.6%増)、営業利益609億円(同4.9%増)と増収増益を達成。特に「グローバルはま寿司」が前年同期比16.5%増という驚異的な成長率を示しています。
「すき家」は牛丼チェーンの中でも価格改定を積極的に実施してきました。並盛価格の段階的な引き上げと、期間限定メニュー(ニンニクラー油牛丼、鰻丼など)の高単価メニュー投入で、客単価を継続的に押し上げています。また、はま寿司は国内市場の成熟化に対応して、海外(米国、東南アジア)への積極出店で成長余地を拡大しており、ポーランドでの「Sushi & Food Factor」買収など欧州進出も加速しています。
同社の真の強みは、垂直統合型のサプライチェーンにあります。原材料・物流・IT・人材を企業グループ内で完結させることで、外部コスト上昇の影響を最小化しつつ、価格改定による増収分を利益に残しやすい構造を築いています。時価総額1兆円超の外食最大手として、投資対象としての安定感も魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1982年、小川賢太郎氏が神奈川県横浜市で「すき家」第1号店を出店したのが始まりです。以降、M&Aを軸にココス、なか卯、ビッグボーイ、はま寿司、ジョリーパスタ、牛角などを次々と傘下に収め、多業態の外食コングロマリットを形成しました。近年は北米、欧州、東南アジアへのグローバル展開を加速しています。
◎ リスク要因: 米国牛肉・米・水産物の国際価格変動、欧州M&Aの統合リスク、国内の人件費継続的上昇、円安による原材料輸入コスト増加。
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【ガスト・バーミヤンの再成長、DXと値上げの両輪】すかいらーくホールディングス(3197)
◎ 事業内容: 「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」「しゃぶ葉」「夢庵」「ステーキガスト」「むさしの森珈琲」など、国内最大規模のファミリーレストランチェーンを運営する外食大手です。低価格帯から中価格帯まで幅広い業態を展開し、配膳ロボット導入などDXによる生産性改革でも業界をリードしています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: コロナ禍で深手を負ったすかいらーくですが、2023年以降は「値上げ×客数回復×DX」の三位一体で力強い業績回復を果たしています。主力業態「ガスト」の期間限定メニューや「しゃぶ葉」の食べ放題コースなど、値上げと価値向上を組み合わせたメニュー戦略が奏功し、客単価は継続的に上昇しています。
特に注目すべきは、配膳ロボット「BellaBot」を国内外の2,000店舗超に導入している点です。これにより、人件費上昇局面でもホール人員を最小化しつつ、席数稼働率を上げる運営が可能になっています。原価率と人件費率の両方を構造的に改善する取り組みは、インフレ耐性の高い経営モデルと評価できます。
さらに、「しゃぶ葉」のアジア展開(台湾、マレーシアなど)も進めており、国内市場の成熟化に対するヘッジとして機能し始めています。低価格業態としてのポジションを維持しつつ、値上げ後もブランドロイヤリティを保てる顧客基盤を持つ、内需ディフェンシブとしての価値も高い銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1970年に東京都国立市で「すかいらーく」1号店を開店したのが始まり。1990年代にガスト業態への転換で急成長しました。2011年にMBOで一時非公開化、2014年に再上場。2025年前後は配膳ロボットの全面導入、高付加価値業態「むさしの森珈琲」の展開拡大、しゃぶ葉のアジア展開強化に注力しています。
この20銘柄リストの中でも、注目すべきは原材料高を「コスト増」ではなく「価格転嫁力の証明」に変えている企業群です。次の決算で営業利益率が前年同期比で拡大している銘柄を重点マークしましょう。
◎ リスク要因: 人件費の継続的上昇、国内消費者心理の悪化による外食需要減、食材輸入価格の変動、国内既存店の老朽化による改装コスト。
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【丸亀製麺が世界で稼ぐ、海外展開型外食の代表格】トリドールホールディングス(3397)
◎ 事業内容: セルフうどん「丸亀製麺」、讃岐釜揚げうどん業態、「コナズ珈琲」、海外で展開する多様な飲食ブランド(英国の「Fulham Shore」傘下のピザ・パスタブランドなど)を運営する外食企業です。国内より海外店舗数の方が多く、グローバル展開に軸足を置いた外食グループとして独自のポジションを確立しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 2026年3月期第3四半期時点で売上収益2,105億円(前年同期比4.3%増)、営業利益162億円(同41.0%増)と増益率が突出して高く、通期では営業利益146億円(前期比68.3%増)を計画しています。丸亀製麺セグメントが国内外で好調で、海外事業も増益に転じています。
トリドールの値上げ戦略の特徴は、「価格改定+店内体験の強化」という付加価値型のアプローチです。丸亀製麺では、店内での生うどん製麺の見える化、季節限定メニュー、天ぷらバイキング形式の単価引き上げなどを組み合わせることで、値上げによる客足減を最小化してきました。
また、英国・欧州での展開拡大を通じて、インフレ率の高い地域での価格改定を売上成長に直結させる体制が整っています。世界各地に出店する「日本発のうどん」カテゴリーは、現地で価格弾力性が低いプレミアムカテゴリーと認識されており、円安×単価上昇×数量増の三重の成長ドライバーが期待できます。M&Aを通じた新業態取り込みも積極的で、グローバル外食ポートフォリオの厚みが増しています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1990年に兵庫県加古川市で創業、2000年に「丸亀製麺」1号店を出店しました。以降、セルフうどん業態のパイオニアとして急成長し、2011年に米国、その後ハワイ、英国、ASEAN、中東などに進出。2023年頃から英国Fulham Shoreの買収など、海外M&Aを活発化させています。
◎ リスク要因: 海外M&Aの統合負担とのれん減損、英国・欧州の景気後退、原材料価格の変動、円安による輸入食材コストへの影響。
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【AI需要予測と廃棄削減で低価格を守る回転寿司】くら寿司(2695)
◎ 事業内容: 無添加回転寿司「くら寿司」を中核に、国内外で回転寿司チェーンを展開する外食企業です。米国(Kura Sushi USA)、台湾、中国などの海外展開が特徴的で、特に米国Kura Sushi USAは米ナスダック市場に上場するなど、日本の外食チェーンの中でも海外戦略で独自色を打ち出しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: くら寿司は、「一皿税込115円」の価格帯維持を守りつつ、高付加価値商品(プレミアム寿司、デザート、テイクアウト商品)の拡充で客単価を押し上げるMIX戦略を徹底してきました。直接的な値上げではなく、「同じ価格で付加価値を高める」あるいは「高単価メニュー比率を高める」手法は、ブランド信頼を保ちながら実質値上げを実現する洗練されたやり方です。
AIを活用した需要予測と廃棄削減のシステム「水回転寿司+AIレーン」により、食材ロスを業界最低水準まで圧縮しており、原材料高の局面でも利益率を守りやすい構造を構築しています。さらに、ビッくらポンなどの独自エンターテインメント要素により、ファミリー層の高頻度来店を確保しています。
海外戦略では、米国のKura Sushi USAが米国で回転寿司市場を開拓しており、現地では一皿3ドル超という日本の数倍の単価で運営されています。ドル建ての高単価と円安効果が組み合わさり、日本の親会社にとって連結利益貢献度が年々高まっています。台湾や中国など他の海外市場も出店余地が大きく、長期成長シナリオが描きやすい銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1977年に大阪府貝塚市で無添くら寿司の前身となる持ち帰り寿司店が創業、1995年に1号店を枚方市に出店したのが現業態の始まりです。2008年に米国Kura Sushi USA設立、2019年に同社を米国ナスダックに上場。近年は英国・欧州への進出も視野に入れています。
◎ リスク要因: 水産物(特にサーモン・マグロ)の国際相場変動、米国外食市場の景気循環、既存店の競争激化、為替変動。
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【「餃子の王将」が証明した、おいしく値上げする技術】王将フードサービス(9936)
◎ 事業内容: 「餃子の王将」を全国で直営・FC展開する中華料理チェーン大手です。1店舗あたりの厨房内調理・提供・厨房内製造のオペレーションに強みを持ち、餃子・ラーメン・炒飯・麻婆豆腐などの中華定番メニューを低〜中価格帯で提供しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 王将フードサービスは、2026年3月期第3四半期時点で売上高872億円(前年同期比7.2%増)と4年連続で過去最高を更新、営業利益も5年連続増益を達成しました。47カ月連続で同月比過去最高売上を更新するという驚異的な既存店トレンドが続いており、値上げが客数を減らすどころか、むしろ増やしているという稀有な事例となっています。
同社の値上げ戦略は「おいしく値上げする」というフレーズに凝縮されます。具体的には、価格を上げる一方で、肉の質の向上、餃子の皮の改良、接客サービスの改善、店舗清掃頻度の増加などを同時に行い、顧客にとっての「価値体験」を価格以上に高める取り組みを徹底してきました。
さらに、人手不足が深刻化する外食業界の中で、王将は「店内製麺」「店内調理」という労働集約型のオペレーションを維持しつつも、給与水準の大幅引き上げで人材確保を優先し、結果として接客品質を保つという逆張り戦略を採っています。関東圏では「日高屋」との競合を意識した店舗網の拡大も進んでおり、成長余地が大きい銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1967年に京都市で「餃子の王将」1号店を開店したのが始まり。1974年に株式会社化し、1993年に店頭公開(後に東証一部、現プライム)。関西を中心に全国展開を進め、現在は700店舗超を運営しています。近年は海外(中国・台湾)にも出店を開始し、グローバル展開の布石を打っています。
◎ リスク要因: 豚肉・小麦・野菜など主要食材の価格変動、国内人件費の継続的上昇、関東圏での競合激化、既存店老朽化による改装負担。
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【くつろぎを売る郊外型喫茶店の価格決定力】コメダホールディングス(3543)
◎ 事業内容: フルサービス型喫茶店「コメダ珈琲店」を中核に、低価格業態「おかげ庵」「KOMEDA Is □」などを展開する外食企業です。FC中心のビジネスモデルで、直営比率が低い分、店舗運営のリスクが小さく、本部収益のボラティリティが低いのが特徴です。名古屋発祥で、現在は全国・海外(上海、台北、マニラなど)にも展開しています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: コメダの最大の武器は、「広い席・長居できる空間・手軽な価格」というユニークな顧客体験です。スターバックスともドトールともカフェ・ベローチェとも異なる郊外型・ロードサイド型の喫茶店ポジションは競合が少なく、価格改定の影響を受けにくい構造になっています。
2024年以降、原材料高と光熱費高への対応として複数回の価格改定を実施しましたが、既存店売上高は継続的に前年を上回る推移となっており、「値上げしても客は離れない」を実証してきました。特に看板メニュー「シロノワール」や「モーニングサービス」は、ブランドロイヤリティが高く、値上げに対する価格弾力性が小さいカテゴリーです。
2026年2月期第3四半期決算では、国内での価格改定と海外子会社化の効果で売上高が前年同期比22.3%増となり、海外展開の本格化フェーズに入りつつあります。FC中心モデルによる高い自己資本利益率と安定したキャッシュフローが、配当・自社株買いなど株主還元にも結びついています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1968年に名古屋市西区で1号店を開店したのが始まり。2016年に東証プライム市場(旧一部)に上場、その後も店舗網を着実に拡大してきました。2025年前後は海外子会社化を通じた海外展開の加速、低価格新業態「KOMEDA Is □」の展開、デリバリー・モバイルオーダーへの対応を進めています。
◎ リスク要因: コーヒー豆の国際価格変動、人件費・光熱費の上昇継続、FCオーナーのリテンション問題、郊外ロードサイド立地の人口減少による影響。
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【関東ローカルの値上げ力、日高屋の底力】ハイデイ日高(7611)
◎ 事業内容: 首都圏を地盤とする中華食堂「熱烈中華食堂日高屋」を中核に、「日高屋 焼鳥日高」「大連」など複数業態を展開する外食チェーンです。駅前・繁華街立地に特化し、低価格帯のラーメン・餃子・ビール・ちょい飲みセットを主力商品としています。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: ハイデイ日高は、2026年2月期決算で売上高622億円(前期比11.9%増)、営業利益65億円(同19.4%増)と過去最高を更新しました。12月の売上高と来店客数は単月で過去最高を記録、新店の好調と既存店の来店客数増加が業績を押し上げています。2027年2月期は売上670億円、純利益45億円を見込みます。
日高屋は「酒場レス外食」と「ちょい飲み需要」の両方を取り込む独自のポジションを確立しており、価格改定後もコアユーザーが離れにくい構造を持ちます。一杯500円前後の生ビールと300〜400円台のつまみメニューの「ちょい飲みセット」は、居酒屋の代替需要を取り込んでいる有力業態です。
首都圏の駅前立地に集中出店しているため、少子高齢化による地方市場の縮小影響を受けにくく、逆に都心部のインバウンド・ビジネス需要を取り込みやすい立地戦略が光ります。関東圏における「日高屋より安い中華食堂」は存在しにくく、王将フードサービスとの競合ではあっても、顧客層が微妙に異なるため、両者ともに成長可能という市場構造になっています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1973年に埼玉県大宮市でラーメン店を開業したのが起源で、1990年代以降「熱烈中華食堂日高屋」として首都圏駅前への集中出店戦略を展開してきました。2006年東証マザーズ(当時)上場、2009年東証一部(当時)昇格。近年は人件費上昇への対応として、深夜営業の見直しや店舗オペレーションの効率化を進めています。
◎ リスク要因: 関東圏への地域集中によるリスク、首都圏の人件費上昇、豚骨・小麦粉など原材料価格の変動、駅前立地の賃料上昇。
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【焼肉きんぐを武器に多業態展開する新世代外食】物語コーポレーション(3097)
◎ 事業内容: 「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」「ゆず庵」「お好み焼本舗」「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」など、ロードサイド型の焼肉・ラーメン・和食・お好み焼き業態を多角展開する外食企業です。食べ放題形式と中価格帯の家族需要を取り込んだ業態設計が特徴です。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 物語コーポレーションは、焼肉業界におけるDX・設備投資・食べ放題の三拍子で差別化を図り、競合が多い焼肉カテゴリーの中で着実にシェアを拡大してきました。主力業態「焼肉きんぐ」は食べ放題スタイルで客単価3,500〜4,500円程度のミドルレンジを取り、価格改定を段階的に進めつつも食べ放題という「お得感」で顧客満足を保つ巧みな設計となっています。
同社の値上げ戦略の特徴は、「コースごと価格帯を分ける」アプローチです。スタンダードコース・プレミアムコース・特選コースと価格帯を明確に分け、原価の高い食材は上位コースに集約することで、顧客の予算感に合わせた選択肢を提示しつつ、結果として高単価コースへのアップセルを促進しています。
ラーメン業態「丸源ラーメン」は、ロードサイド型ラーメンとして都市型ラーメン店とは差別化されたポジションを持ち、家族連れの来店動機を作ることに成功しています。多業態・ロードサイド・食べ放題の組み合わせは、人口減少下の郊外市場において独自性が高く、長期的な成長余地を持つ外食銘柄として注目されています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1969年に愛知県豊橋市でお好み焼き店を創業、1980年代以降に多業態化を進めました。2008年に東証マザーズ上場、2010年に東証一部(当時)昇格。近年は海外(中国、ASEAN、米国)への展開開始、スタッフ教育システムのDX化、各業態のブランド磨き込みに注力しています。
◎ リスク要因: 牛肉・豚肉の国際価格変動、食べ放題モデルにおける原価率管理、郊外ロードサイド立地の来店客減少、海外展開の立ち上げコスト。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
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◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
https://www.monogatari.co.jp/ir/


















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