- 【国産パネル検査の本命】シスメックス (6869)
- 【FoundationOne CDxを独占販売】中外製薬 (4519)
がん治療の世界が、いま静かに、しかし決定的に変わりつつあります。これまで「がん」と一括りにされていた疾患は、遺伝子レベルで見れば一人ひとり全く異なる病気であることが判明し、患者の遺伝子情報をもとに最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」が、日本の標準医療として急速に普及し始めています。
きっかけは2019年6月の「がん遺伝子パネル検査」の保険適用開始でした。シスメックスの「OncoGuide NCCオンコパネル」と中外製薬の「FoundationOne CDx」が口火を切り、その後コニカミノルタの「GenMineTOP」が2023年8月に保険収載され、検査メニューは一気に拡大しました。国立がん研究センターのC-CAT(がんゲノム情報管理センター)には2025年3月末時点で累計10万例を超える日本人がんゲノムデータが集積され、新薬開発と臨床応用の好循環が動き始めています。
さらに見逃せないのが、政府が閣議決定した「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」と、2026年度診療報酬改定での包括的ゲノムプロファイリング検査の対象拡大です。標準治療終了後だけでなく、より早期からの検査適用を求める声が高まり、対象患者数は今後数倍規模に膨らむと予想されています。同時に、HER2、EGFR、BRAF、MSI-Highなどゲノム異常を標的とする「がん種横断的承認」も相次ぎ、第一三共の「エンハーツ」は遺伝子変異に基づく固形がん全般への適応拡大という歴史的承認を獲得しました。
検査機器メーカー、検査受託企業、標的治療薬を持つ製薬企業、医療データ解析企業——がんゲノム医療というメガトレンドの裾野は驚くほど広く、しかも日本企業の存在感が際立つ稀有な領域です。本記事では、東京証券取引所に上場する20銘柄を厳選し、それぞれの強みと注目ポイントを徹底解説します。
【免責事項】
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【国産パネル検査の本命】シスメックス (6869” target=”_blank” rel=”noopener”>6869)
◎ 事業内容: 神戸市に本社を置く検体検査機器の世界的リーディングカンパニーです。
血球計数装置で世界トップシェアを握り、ヘマトロジー、免疫検査、尿検査、血液凝固検査など幅広いラインアップを展開。
近年はがん遺伝子パネル検査「OncoGuide NCCオンコパネルシステム」を国立がん研究センターと共同開発し、日本のがんゲノム医療の中核を担う存在となっています。
・ 会社HP:
◎ 注目理由: 2019年6月、日本初のがん遺伝子パネル検査として保険適用された「OncoGuide NCCオンコパネル」は、114種類のがん関連遺伝子を一度に解析できる国産システムです。
中外製薬のFoundationOne CDxが米国Foundation Medicine(ロシュ傘下)の輸入品であるのに対し、シスメックスは国立がん研究センターと完全国産で開発した点に大きな意義があります。
C-CATへのデータ蓄積が進むにつれ、日本人特有のゲノム変異プロファイルが解明されつつあり、国産パネルとしての優位性はむしろ拡大していく見通しです。
理研ジェネシスとの提携で次世代シーケンサーを活用したがん遺伝子検査の標準化を進めており、コンパニオン診断薬への展開も加速しています。
時価総額は1兆円超で日本のヘルスケア株の代表格でありながら、足元の業績は中国市場の調整で一服感があり、株価は調整局面入り。長期投資家にとっては質の高いがんゲノム関連銘柄を仕込む好機ともなり得ます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1968年に東亜医用電子(現シスメックス)として創業。
血球計数器で世界市場を切り拓き、現在では190以上の国・地域で事業展開しています。
2025年度はC-CATへの統合データ提供を強化し、国際基準のラボ「SCI-Lab」を国立がん研究センター中央病院内に設置するなど、産学連携をさらに深化させています。
◎ リスク要因: 中国の医療機器入札制度改革による価格競争の激化、為替変動の影響、米国研究予算削減によるアカデミック市場の縮小などが収益に影響します。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
【FoundationOne CDxを独占販売】中外製薬 (4519” target=”_blank” rel=”noopener”>4519)
◎ 事業内容: スイス・ロシュグループの中核企業として、抗体医薬品とがん領域に特化した日本トップクラスの製薬企業です。
抗がん剤「アバスチン」「ハーセプチン」「テセントリク」、関節リウマチ治療薬「アクテムラ」、血友病治療薬「ヘムライブラ」など世界的ブロックバスターを多数保有。
ロシュとの戦略的提携により、海外向け輸出も急拡大しています。
・ 会社HP:
◎ 注目理由: 中外製薬は、米Foundation Medicine社(ロシュ傘下)が開発した包括的ゲノムプロファイリング検査「FoundationOne CDx」「FoundationOne Liquid CDx」の日本における独占販売権を持っています。
前者は324遺伝子を組織検体から、後者は324遺伝子を血液(リキッドバイオプシー)から解析でき、後者は2021年8月に保険収載されました。
がんゲノム医療における検査・治療薬の両輪を握る稀有なポジションにあり、エンハーツ(第一三共と共同販促)、ロズリートレク(ROS1/NTRK融合遺伝子陽性)、アレセンサ(ALK陽性肺がん)といったゲノム標的治療薬とパネル検査がワンセットで臨床現場に届く構造です。
2026年12月期第1四半期は売上収益3,217億円(前期比11.5%増)、Core営業利益1,633億円(同17.1%増)と好決算を継続。ROEは20%を超える高収益体質で、配当政策も積極的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1925年創業。2002年にロシュとの戦略的アライアンスを締結し、独立性を保ちながらグローバル展開を加速しました。
2026年通期予想は売上収益1兆3,450億円(前期比6.9%増)、Core営業利益6,700億円を見込みます。
抗体改変技術や次世代抗体医薬の自社創薬パイプラインも厚みを増しています。
◎ リスク要因: 薬価改定による国内収益圧迫、ロシュへの依存度の高さ、特許切れや後発品参入、為替変動が業績に影響します。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):


















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