- カテゴリ1:原油高の直接的な恩恵を受ける資源開発企業
- カテゴリ2:海運・物流混乱で浮上する銘柄
- カテゴリ3:脱・中東依存を加速させる再生可能エネルギー・原子力関連
- カテゴリ4:地政学リスク × サイバーセキュリティ・防衛関連
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を実施したことで、中東情勢は一変しました。イランの報復措置によりホルムズ海峡は事実上の封鎖状態に陥り、世界の原油輸出の約20%が通過するこの要衝が機能不全に。WTI原油先物は一時111ドル台にまで急騰し、日経平均株価は3月4日に前日比2,571円安(4.37%減)という、2025年4月のトランプ関税ショック以来の暴落を記録しました。
日本はエネルギー調達における中東依存度が極めて高く、輸入原油の約9割がホルムズ海峡を経由しています。封鎖が長期化すれば、原燃料コストの上昇を通じた企業収益の悪化、インフレ加速による個人消費の下押し、さらには「円安・株安・金利上昇」のトリプル安リスクまで懸念されます。4月8日には米国とイランが即時停戦に合意し、原油先物は91ドル台まで急落する場面もありましたが、海峡の通航量は依然として正常化には程遠い状況です。
しかし、こうした有事の混乱は、特定のセクターや企業にとっては追い風となります。原油価格の上昇がストレートに収益拡大につながる資源開発企業、船舶需給のひっ迫で運賃が高騰する海運会社、脱・中東依存の加速で需要が爆発する再生可能エネルギー企業、そして地政学リスクと表裏一体のサイバー攻撃激化に対応するセキュリティ企業──。本記事では、ホルムズ海峡リスクという極限シナリオの中でも利益を伸ばせるポテンシャルを持つ日本企業を、全5カテゴリ・20銘柄に厳選してお届けします。
「有事にこそ、冷静に企業のファンダメンタルズを見極める」。この姿勢が、混乱相場を乗り越えるための最大の武器になるはずです。
(免責事項) 本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載している情報は2026年4月時点の公開情報に基づいていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。株式投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断は、ご自身の責任と判断のもとで行ってください。また、個別銘柄の株価・業績・配当等は常に変動しており、本記事の内容が将来の成果を示唆・保証するものではありません。投資に関する最終的な判断を行う際には、証券会社や金融アドバイザーなどの専門家にご相談されることをお勧めします。なお、筆者は本記事に掲載されている銘柄を保有している場合があります。
カテゴリ1:原油高の直接的な恩恵を受ける資源開発企業
| 想定シナリオ | 原油 / LNG価格 | 為替 | 物流 | 主な恩恵セクター |
|---|---|---|---|---|
| ①限定的な緊張(数日) | +5〜10% | 円安+1〜2円 | 大型迂回なし | 資源開発・海運(スポット運賃) |
| ②短期封鎖(1〜2週間) | +15〜30% | 円安+3〜5円 | 喜望峰迂回ルート拡大 | 海運・資源開発・LNGインフラ |
| ③長期封鎖(1ヶ月以上) | +40%以上 | 円安+5〜10円 | サプライチェーン再構築 | 再エネ・原子力・防衛・内需ディフェンシブ |
| ④恒常的リスクプレミアム | 構造的に+10% | 政策依存 | 国内生産回帰 | セキュリティ・素材・素材リサイクル |
【国内最大の産油・産ガス会社として原油高を丸ごと享受】石油資源開発(1662)
◎ 事業内容: 国内最大の産油・産ガス会社で、通称「JAPEX(ジャペックス)」。石油・天然ガスの探鉱から開発、生産、輸送、販売までを一貫して手がけるE&P(Exploration & Production)企業。国内では北海道・秋田・新潟などでの天然ガス生産を中心に、海外ではカナダやインドネシアなどでも権益を保有する。
・ 会社HP: https://www.japex.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクが顕在化する局面において、石油資源開発はINPEXに次ぐ国内E&P企業として、原油価格の上昇がダイレクトに収益拡大につながるポジションにあります。同社は国内に強固な天然ガスインフラを保有しており、中東からの原油供給が途絶えた場合でも、国産エネルギーの供給元としての役割が格段に高まります。自己資本比率は約79%と財務基盤が極めて堅固で、原油価格が乱高下する不安定な局面でもバランスシートの毀損リスクが低い点は大きな安心材料です。さらに、同社は国内天然ガスパイプラインのインフラ事業も展開しており、LNG代替需要の高まりが追加の収益源となりえます。2026年3月期の第3四半期決算では、原油・天然ガス価格の下落で営業利益は前年同期比27.9%減となりましたが、中東有事以降の原油高を織り込めば通期業績の上振れ期待が高まります。時価総額は約6,600億円規模で、INPEXほど大型ではないため、原油高局面での株価の反応が機敏に出やすい傾向がある点も注目ポイントです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1955年に石油資源開発株式会社として設立。旧石油開発公団系の国策企業がルーツ。2003年に東証一部上場を果たし、国内外のE&P事業を拡大してきた。2026年3月には、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて株価が上場来高値を更新。52週の変動幅は893円~2,819円と大きく、地政学リスクに対する感応度の高さが如実に表れている。
◎ リスク要因: 停戦合意や海峡再開放による原油価格の急落リスク。国内生産量は限定的で海外権益の地政学リスクも存在。天然ガス販売量の季節変動にも注意が必要。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1662
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1662.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.japex.co.jp/ir/
【コスモ石油を中核に据えた総合エネルギーホールディングス】コスモエネルギーホールディングス(5021)
◎ 事業内容: コスモ石油を中核とする持株会社。石油の精製・販売を主力としつつ、石油開発事業(アブダビでの油田権益)や風力発電などの再生可能エネルギー事業も展開する。全国にコスモ石油のサービスステーション網を持つ。
・ 会社HP: https://ceh.cosmo-oil.co.jp/
◎ 注目理由: 同社最大の強みは、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビに石油開発の上流権益を保有している点です。ホルムズ海峡リスクが高まると石油元売り各社は一般にマージン悪化の懸念が生じますが、コスモエネルギーHDは上流の開発権益を持つことで原油価格上昇の恩恵を直接受けることができる「上流×下流の二刀流」構造になっています。加えて、国内の石油精製マージンは原油高局面で一時的に圧縮されることがあるものの、在庫評価益の発生により見かけ上の利益が膨らみやすい特性があります。さらに、同社は風力発電事業にも積極投資しており、脱・化石燃料の長期トレンドにおけるヘッジも効いています。アクティビスト投資家の参入を契機に株主還元姿勢が強化されており、自社株買いや増配の実績も投資家に好感されています。原油高局面でのカタリストが豊富な銘柄と言えるでしょう。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1986年にコスモ石油として設立、2015年にコスモエネルギーホールディングスとして持株会社体制に移行。旧大協石油・旧丸善石油の流れを汲む。近年はアクティビスト対応で株主還元方針を大幅に見直し、中期経営計画で積極的な自社株買いと増配を打ち出している。
◎ リスク要因: UAE権益がペルシャ湾に位置するため、ホルムズ海峡封鎖が長期化すると生産・出荷自体に影響を受ける可能性。石油精製マージンの変動リスクも常に存在する。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/5021
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/5021.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://ceh.cosmo-oil.co.jp/ir/
【非鉄金属の雄、資源価格上昇で浮上する総合素材メジャー】住友金属鉱山(5713)
◎ 事業内容: ニッケル・銅・金などの非鉄金属の資源開発から製錬、電子材料の製造まで一貫して手がける総合非鉄金属メーカー。世界有数のニッケル製錬技術を保有し、EV向け電池材料でも存在感を示す。
・ 会社HP: https://www.smm.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクによる原油価格の高騰は、エネルギー市場だけでなく非鉄金属市場全体にも波及します。原油高がインフレ期待を高め、実物資産としての金やニッケルなどの商品価格が連動して上昇する傾向があるためです。住友金属鉱山は世界最大級のニッケル製錬能力を誇り、フィリピンなどに鉱山権益を持つことから、資源価格の上昇が収益を直接押し上げます。また、金の生産も手がけており、地政学リスクの高まりで「安全資産」として金が買われる局面では金事業の収益も膨らみます。ニッケルはEV向けリチウムイオン電池の正極材に不可欠な素材であり、長期的な需要拡大トレンドも追い風です。中東有事によるインフレ加速局面では、実物資産に連動する同社の株式はポートフォリオのインフレヘッジとしても機能します。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1590年に住友家が別子銅山を開坑したことに端を発する、400年以上の歴史を持つ日本最古の非鉄金属企業。近年はEV向け電池材料への投資を加速させ、正極材のグローバル供給体制を構築中。2026年3月期は金価格の上昇が業績を下支えしている。
◎ リスク要因: ニッケル・銅価格の急落リスク。フィリピンの鉱山権益における地政学・環境規制リスク。EV需要鈍化による電池材料事業の減速懸念。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/5713
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/5713.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.smm.co.jp/ir/
【プラント建設の名門、中東マネー還流の最大受益者】日揮ホールディングス(1963)
◎ 事業内容: 石油・ガス・化学プラントのEPC(設計・調達・建設)を主力とする総合エンジニアリング会社。中東・東南アジアでの大型LNGプラント建設で豊富な実績を持ち、国内ではインフラ・環境分野にも展開。
・ 会社HP: https://www.jgc.com/
◎ 注目理由: 原油価格が上昇すると、中東の産油国は莫大なオイルマネーを手にし、それを国内のインフラ整備や新規プラント建設に再投資する傾向が強まります。日揮HDは中東地域でのプラント建設実績が豊富で、サウジアラビア・UAE・カタールなどからの大型受注が期待できるポジションにあります。ホルムズ海峡リスクの高まりは、各国のエネルギー安全保障投資を加速させる要因でもあり、LNG液化プラントやガス処理施設の需要拡大が見込まれます。同社はLNGプラント建設で世界トップクラスの技術力を持ち、日本のエネルギー調達先の多様化という文脈でも恩恵を受けやすい立場です。加えて、SAF(持続可能な航空燃料)やCCS(二酸化炭素回収・貯留)といった次世代エネルギー分野への投資も進めており、成長ストーリーは多層的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1928年創業の日本ガス化学工業がルーツ。「日本のベクテル」と称される国内最大のプラントエンジニアリング企業。2019年に持株会社体制へ移行。近年はサウジアラビアやインドネシアでの大型LNG案件を相次いで受注し、受注残高は過去最高水準に積み上がっている。
◎ リスク要因: 大型プラント案件のコスト超過リスク。中東での工事遂行に伴う地政学リスク。為替変動(円高方向への転換)が海外収益を圧縮する可能性。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1963
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1963.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.jgc.com/ir/
カテゴリ2:海運・物流混乱で浮上する銘柄
【バルク船・タンカーの運航で船舶需給ひっ迫の恩恵を直撃】飯野海運(9119)
◎ 事業内容: 外航海運(大型タンカー・ケミカルタンカー・ドライバルク船の運航)と不動産事業を二本柱とする海運会社。タンカー運航では原油・石油製品・LPGの輸送に強みを持つ。不動産事業はオフィスビルの賃貸が中心で安定収益源。
・ 会社HP: https://www.iino.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡の封鎖が長期化すると、タンカーの運航ルート変更や海上待機の増加により船舶需給がひっ迫し、運賃が急騰します。飯野海運は大型タンカーやケミカルタンカーを多数保有しており、タンカー運賃の上昇が直接的に収益を押し上げます。大手三社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)に比べて時価総額が小さいため、運賃上昇時の業績インパクトが株価に反映されやすいという特性があります。また、不動産事業が安定的な下支えとなっており、海運市況の低迷期でも赤字に転落しにくい構造は、ボラティリティの高い海運セクターにおいて大きなアドバンテージです。PBRも1倍を下回る水準で推移しており、東証の資本効率改善要請を受けた株主還元強化の余地も残されています。商船三井や日本郵船が広く知られる中で、タンカー比率の高い飯野海運はホルムズ海峡リスクにより特化したエクスポージャーを持つ銘柄と言えます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1899年に飯野商店として創業、戦後は海運業に本格参入。不動産事業との複合経営で安定した財務基盤を構築してきた。近年はLPG船やケミカルタンカーの船隊増強を進め、エネルギー輸送分野でのプレゼンスを高めている。
◎ リスク要因: 停戦合意によるタンカー運賃の急落。燃料費の高騰が運航コストを圧迫する可能性。戦争保険料の上昇がマージンを侵食するリスク。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/9119
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/9119.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.iino.co.jp/ir/
【LNG船隊を急拡大、エネルギー安全保障の要】川崎汽船(9107)
◎ 事業内容: コンテナ船事業(ONE社への出資)、自動車船、ドライバルク船、LNG船、油槽船などを運航する大手海運会社。近年はLNG輸送船の船隊拡大に注力し、エネルギー輸送分野での存在感を強めている。
・ 会社HP: https://www.kline.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクの高まりは、日本のLNG調達ルートの多様化を加速させます。従来の中東依存から、オーストラリアや北米、アフリカなどへの調達先シフトが進む中で、LNG輸送船の需要は急増します。川崎汽船はLNG船の船隊を積極的に拡大しており、この構造変化の直接的な受益者です。加えて、海峡封鎖に伴う迂回航行の増加は、喜望峰回りルートなどで航海日数が大幅に伸びるため、実質的な船腹不足を引き起こし、運賃の上昇圧力を強めます。2024年8月の安値1,571円から2026年6月には2,060円まで約31%上昇した実績もあり、地政学リスクへの感応度の高さが証明されています。配当利回りも約4.8%と高水準で、インカムゲインを狙う投資家にとっても魅力的な水準です。大手三社の中では時価総額が最も小さく、運賃上昇時の業績レバレッジが最も大きく効く銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年に川崎汽船株式会社として設立。川崎重工業から分離独立した海運会社。2017年にONE(Ocean Network Express)の設立に参画し、コンテナ船事業を統合。近年はLNG船・自動車船・ドライバルク船に経営資源を集中させている。
◎ リスク要因: コンテナ船市況の軟化がONE経由の持分法利益を圧迫するリスク。燃料費高騰によるコスト増。世界景気後退に伴う海運需要全体の縮小。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/9107
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/9107.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.kline.co.jp/ir/
【LNGプラント用圧縮機で国内シェア6割、知る人ぞ知るニッチトップ】加地テック(6391)
◎ 事業内容: LNGプラント用や石油化学プラント用の特殊ガス圧縮機を製造する機械メーカー。天然ガス向け圧縮機で国内シェア約6割を握るニッチトップ企業。水素ステーション向け高圧水素圧縮機も手がけ、三井E&Sグループの一員。
・ 会社HP: https://www.kajitech.com/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクの高まりは、日本のLNGインフラ整備を加速させる要因となります。LNG受入基地の増設やガスパイプラインの拡充に伴い、ガス圧縮機の需要は確実に高まります。加地テックは天然ガス向け圧縮機で国内シェア約6割という圧倒的な地位を占めており、この特需を取り込める立場にあります。時価総額はわずか約60億円と小型ですが、PBRは約0.73倍、PERは約11.3倍と割安感が際立ちます。さらに、水素ステーション向けの高圧水素圧縮機も手がけており、水素社会の到来という中長期テーマにも乗っています。エネルギー安全保障の文脈で「国産インフラ機器メーカー」への注目度が高まる局面では、機関投資家の新規買いが入る可能性も。典型的な「知る人ぞ知る」ニッチトップ銘柄で、大きな値幅が期待できるポテンシャルを秘めています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1917年に加地鉄工所として創業。100年以上の歴史を持つ圧縮機の専業メーカー。三井E&S(旧三井造船)の子会社として、プラント向け機器の製造を一貫して手がけてきた。近年は水素関連設備への投資を強化し、成長分野の開拓を進めている。
◎ リスク要因: 時価総額が小さく流動性リスクが高い。親会社である三井E&Sの経営方針に左右される可能性。大型案件への依存度が高く、受注の偏りが業績変動を大きくする。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/6391
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/6391.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.kajitech.com/ir/
【造船業復活の旗手、防衛・エネルギー両面で受注拡大】名村造船所(7014)
◎ 事業内容: バルクキャリアやタンカーなどの大型商船を建造する造船会社。佐世保重工業を子会社に持ち、海上自衛隊向けの艦艇修繕も手がける。造船業の中でもバルク船に強みを持ち、受注残は過去最高水準。
・ 会社HP: https://www.namura.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡の封鎖による物流混乱は、新造船需要の急増をもたらします。迂回航行の増加により実質的な船腹不足が生じ、老朽船のスクラップ&ビルドが加速するためです。名村造船所はバルク船やタンカーの建造実績が豊富で、世界的な新造船需要の拡大を取り込めるポジションにあります。加えて、子会社の佐世保重工業を通じた防衛関連の艦艇修繕事業も、地政学リスクの高まりと防衛予算の拡大(2026年度は過去最高の8.8兆円)を背景に追い風です。高市政権が掲げる「造船業の再生」政策の恩恵も大きく、政府による造船ドック建設への支援策は同社にとって長期的な成長ドライバーとなります。PBRは依然として1倍を大きく下回る水準にあり、バリュー投資の観点からも妙味があります。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1911年に名村造船鉄工所として大阪で創業。2014年に佐世保重工業を完全子会社化し、商船と艦艇の両方を手がける体制を構築。近年は環境対応船(LNG燃料船、メタノール燃料船など)の受注を拡大させている。
◎ リスク要因: 造船業は受注から引き渡しまでの期間が長く、鋼材価格や為替の変動リスクが大きい。造船セクター特有の業績変動の波が大きい点に留意。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/7014
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/7014.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.namura.co.jp/ir/
カテゴリ3:脱・中東依存を加速させる再生可能エネルギー・原子力関連
【洋上風力発電のパイオニア、脱・化石燃料の大本命】レノバ(9519)
◎ 事業内容: 太陽光・風力(陸上・洋上)・バイオマス・地熱など多様な再生可能エネルギー発電所の開発・運営を手がける独立系の再生可能エネルギー企業。秋田県沖での洋上風力発電プロジェクトなど、大型案件を推進中。
・ 会社HP: https://www.renovainc.com/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクの顕在化は、日本のエネルギー政策における再生可能エネルギーの位置づけを一段と高めます。化石燃料の海外依存度を下げるという国家的課題が「待ったなし」の状況になれば、再エネ導入の加速は不可避です。レノバは太陽光から洋上風力、バイオマス、地熱まで幅広い電源を開発・運営する国内有数の再エネ専業企業であり、この政策転換の最大受益者となる可能性があります。特に洋上風力発電は、日本のエネルギー安全保障を根本的に変えうるポテンシャルを持つ電源であり、政府が第7次エネルギー基本計画で2040年度に再エネ比率40%を目指す方針を示す中、同社の成長余地は大きいと見られます。原油価格が高騰すると相対的に再エネの経済合理性が高まるため、原油高は同社の事業環境にとって追い風です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2000年設立。国内独立系再エネ企業の草分け的存在。太陽光発電から事業をスタートし、バイオマス、風力、地熱へと事業領域を拡大。秋田県由利本荘市沖の大規模洋上風力プロジェクトに参画するなど、洋上風力分野での存在感を高めている。
◎ リスク要因: 洋上風力プロジェクトの建設コスト増大・遅延リスク。再エネの固定価格買取制度(FIT)の買取価格引き下げ。金利上昇による資金調達コストの増加。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/9519
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/9519.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.renovainc.com/ir/
【原発再稼働と次世代炉開発の両輪で成長する電力の雄】関西電力(9503)
◎ 事業内容: 国内第2位の電力会社。原子力発電の積極活用で知られ、大飯・高浜・美浜の各原子力発電所を運営。再生可能エネルギー事業も拡大中で、2026年1月には長崎県五島市沖で日本初の浮体式洋上風力発電所を商用運転開始。
・ 会社HP: https://www.kepco.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクが日本のエネルギー安全保障を脅かす中、化石燃料に依存しない発電手段としての原子力発電の重要性が再認識されています。関西電力は国内の電力大手の中で最も原子力発電の比率が高く、原油・LNG価格の高騰による燃料費増の影響を受けにくい体質を持っています。原油価格が1バレル100ドルを超えるような局面では、火力発電比率の高い他の電力会社との収益格差が拡大し、関西電力の相対的な優位性が鮮明になります。高市政権は原子力を含むエネルギー安全保障を重点政策に掲げており、原発の再稼働加速や次世代炉の開発推進は同社にとって強力な政策的追い風です。浮体式洋上風力という先端分野にも先行投資しており、中長期的な成長ストーリーも描けます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1951年に関西電力株式会社として設立。日本初の商業用原子力発電所(美浜発電所)を運転した実績を持つ。2026年1月に五島洋上ウィンドファームが商用運転を開始し、浮体式洋上風力では国内の先駆者的存在に。次世代軽水炉「SRZ-1200」の開発も進行中。
◎ リスク要因: 原子力規制委員会の審査長期化による再稼働の遅延。原発事故リスクに対する社会的・政治的反発。電力自由化の進展による価格競争の激化。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/9503
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/9503.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.kepco.co.jp/ir/
【蓄電池技術のキーカンパニー、再エネの安定供給を支える】日本ガイシ(5333)
◎ 事業内容: セラミックス技術を基盤とする素材メーカー。電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム硫黄電池)で世界唯一の量産メーカーであり、自動車排ガス浄化用セラミックス、半導体製造装置用部品なども手がける。
・ 会社HP: https://www.ngk.co.jp/
◎ 注目理由: 再生可能エネルギーの最大の課題は出力の不安定性です。太陽光は夜間に発電できず、風力は風がなければ止まります。この課題を解決する大型蓄電池の需要は、ホルムズ海峡リスクにより脱・化石燃料が加速する中で爆発的に高まることが予想されます。日本ガイシのNAS電池は大規模・長時間の蓄電に適したメガワット級の電力貯蔵システムであり、再エネの導入拡大に不可欠な技術です。世界唯一の量産メーカーという希少性は圧倒的な参入障壁となっており、競合がほぼ存在しない独占的なポジションを築いています。エネルギー安全保障の観点から蓄電池インフラへの政府投資が拡大すれば、同社の受注パイプラインは大幅に膨らむ可能性があります。碍子(がいし)事業の安定収益も下支えとなり、財務基盤は堅固です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1919年に日本碍子株式会社として設立。電力用碍子メーカーとしてスタートし、セラミックス技術を軸に事業領域を拡大してきた。NAS電池は2002年に世界で初めて商用化し、国内外で累計700MW以上の納入実績を持つ。半導体製造装置用セラミックス部品の需要も旺盛。
◎ リスク要因: NAS電池事業は黒字化途上であり、大規模な設備投資が必要。リチウムイオン電池との競合。自動車排ガス浄化用製品は内燃機関車の縮小に伴う長期的な需要減退リスク。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/5333
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/5333.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.ngk.co.jp/ir/
【洋上風力の基礎構造物を支える鉄骨ファブリケーター】日鉄エンジニアリング(旧新日鉄エンジニアリング)(旧社名で上場なし、親会社:日本製鉄 5401 の事業セグメント)
※上場単体としてはウエストホールディングス(1407) に差し替え
【太陽光発電の施工・販売で中四国トップ、脱炭素の実行部隊】ウエストホールディングス(1407)
◎ 事業内容: 太陽光発電システムの施工・販売を主力とし、産業用・住宅用の太陽光発電所の開発・EPC・O&M(運転保守)をワンストップで提供。中四国地方を地盤に全国展開を進める再エネ企業。電力小売事業も手がける。
・ 会社HP: https://www.and-e.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクにより原油価格が高騰すると、電力料金も上昇するため、自家消費型太陽光発電の導入意欲が企業・家庭の双方で急速に高まります。ウエストHDは太陽光発電システムの施工から運営までをワンストップで提供するビジネスモデルを持ち、この需要急増を直接取り込めるポジションにあります。FIT(固定価格買取制度)に依存しない自家消費型・PPA(電力購入契約)モデルへの転換を進めており、制度変更リスクに対する耐性も高まっています。再エネ施工の実行部隊として、「脱炭素」という壮大なテーマを地に足のついたビジネスに落とし込んでいる点が同社の強みです。中四国という地盤の強さに加え、全国展開も加速中で、成長余地は大きいと見られます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1988年設立。広島県に本社を置き、太陽光発電の施工・販売で中四国トップの実績を誇る。近年はPPA事業への転換を加速させ、ストック型ビジネスの比率を高めている。電力小売事業も拡大中。
◎ リスク要因: 太陽光発電の設置適地の減少。FIT価格の引き下げに伴う利幅縮小。パネルの調達コスト変動リスク。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1407
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1407.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.and-e.co.jp/ir/
カテゴリ4:地政学リスク × サイバーセキュリティ・防衛関連
【純国産のサイバー防衛技術で国家安全保障を担う】FFRIセキュリティ(3692)
◎ 事業内容: 純国産のサイバーセキュリティ技術を開発・提供する企業。マルウェアの未知の脅威を検知する「FFRI yarai」を主力製品とし、官公庁・防衛関連・重要インフラ向けのセキュリティソリューションに強みを持つ。
・ 会社HP: https://www.ffri.jp/
◎ 注目理由: 地政学リスクの高まりはサイバー攻撃の激化と表裏一体です。ホルムズ海峡封鎖のような軍事的緊張が高まると、国家レベルでのサイバー攻撃が活発化し、電力・通信・金融などの重要インフラへの攻撃リスクが急上昇します。FFRIセキュリティは「純国産」のセキュリティ技術を持つ数少ない企業であり、安全保障上の理由から海外製品を使えない官公庁や防衛関連の需要を独占的に取り込んでいます。2025年5月に成立した「サイバー対処能力強化法」により、能動的サイバー防御の法的基盤が整備されたことも、同社の事業拡大に直結する追い風です。2026年3月期第1四半期は売上高が前年同期比70.4%増、営業利益は黒字転換と大幅改善を達成しており、成長加速の兆しが鮮明です。セキュリティ予算は景気後退局面でも削減されにくい「聖域」であり、ディフェンシブな側面も持ち合わせています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2007年設立。日本発のサイバーセキュリティ専業企業として、政府機関や防衛関連への納入実績を積み重ねてきた。2026年3月期通期は売上高42.6億円(前期比40.2%増)を見込む急成長フェーズにある。
◎ リスク要因: 予想PERは約113倍と高い水準にあり、成長期待が大きく織り込まれている。成長鈍化時の株価調整リスク。海外大手セキュリティベンダーとの競合激化。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/3692
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/3692.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.ffri.jp/ir/
【防衛装備品の情報表示システムで護衛艦の大半に搭載】東京計器(7721)
◎ 事業内容: 船舶用ジャイロコンパス・オートパイロットなどの航海機器、防衛・通信機器、油圧制御機器、流量計測機器を製造する精密機器メーカー。海上自衛隊向けの情報表示装置や対空戦闘指揮装置で高いシェアを持つ。
・ 会社HP: https://www.tokyokeiki.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡の軍事的緊張は、日本の防衛力強化の必要性を改めて浮き彫りにしています。東京計器は海上自衛隊の護衛艦50艦、潜水艦22艦、掃海艦艇21艦のほとんどに情報表示装置を搭載しており、艦艇の「目と耳」を担う不可欠な存在です。防衛費が過去最高の8.8兆円に達する中、統合防空ミサイル防衛や無人アセットの強化に伴うセンサー・情報処理装置の需要増は、同社の受注拡大に直結します。2026年3月期第2四半期は売上高が前年同期比22.8%増、営業利益は同46.6%増と大幅な増収増益を達成。通期では売上高190億円(前期比17.3%増)、営業利益10億円(同44.4%増)を見込んでいます。防衛関連の中でも中小型で、業績へのインパクトが大型重工より大きく出やすい特性も魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1896年に和田嘉衡が創業した東京計器製作所がルーツ。船舶用ジャイロコンパスの国産化に成功した草分け的企業。防衛装備品のほか、建機・産業機械向けの油圧機器も主力。JAXAの認定企業としてハイブリッドICの供給も行う。
◎ リスク要因: 防衛予算の配分変更による受注減少リスク。防衛関連事業は秘匿性が高く情報開示が限定的。油圧機器事業は建設機械市況に左右される。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/7721
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/7721.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.tokyokeiki.jp/ir/
【サイバー攻撃の最前線で企業を守る、SaaS型セキュリティの成長株】HENNGE(4475)
◎ 事業内容: クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を提供するSaaS企業。Microsoft 365やGoogle Workspaceなどの主要クラウドサービスに対するアクセス制御・メールセキュリティ・ファイル転送セキュリティをワンストップで提供。
・ 会社HP: https://hennge.com/
◎ 注目理由: 地政学リスクの高まりに伴うサイバー攻撃の増加は、企業のセキュリティ投資を加速させます。HENNGEはクラウド環境のセキュリティに特化したSaaS型サービスを提供しており、リモートワークやDXの進展と相まって導入企業数を着実に伸ばしています。月額課金のストック型ビジネスモデルであるため、一度導入されると解約率が低く、安定した収益基盤を形成しています。2026年9月期は売上高約128億円(前期比17.5%増)、営業利益約21億円(同14.7%増)を見込んでおり、高い成長が続いています。能動的サイバー防御の法整備が進む中、企業のセキュリティ対策は「コスト」から「投資」へと位置づけが変わりつつあり、同社のサービスに対する需要は景気変動に左右されにくい構造を持っています。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1996年設立(旧社名:HDE)。2019年に社名をHENNGEに変更し、東証マザーズ(現グロース)に上場。クラウドセキュリティのSaaSモデルへの全面転換を推進し、急成長を実現。東証プライム市場への移行準備も進めている。
◎ リスク要因: 予想PERが約28倍とやや割高。大手ITベンダーによるセキュリティ機能の内製化リスク。海外展開の本格化には時間がかかる可能性。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4475
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4475.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://hennge.com/jp/ir/
【地政学リスクが追い風、グローバルセキュリティの総合診断企業】グローバルセキュリティエキスパート(4417)
◎ 事業内容: サイバーセキュリティに関するコンサルティング、脆弱性診断、セキュリティ教育・訓練を手がける企業。企業のセキュリティ体制構築をワンストップで支援し、CSIRT(セキュリティインシデント対応チーム)の構築支援にも実績を持つ。
・ 会社HP: https://www.gsx.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクのような地政学的緊張が高まると、国家レベルのサイバー攻撃が活発化し、企業のセキュリティ体制の脆弱性が一気に問題視されます。グローバルセキュリティエキスパートは、企業のセキュリティ体制を「診断」し「構築」する専門企業であり、まさに有事に需要が急増する領域に位置しています。特に、防衛産業のサプライチェーンに属する企業は、防衛生産基盤強化法に基づきサイバーセキュリティ強化が義務づけられており、関連する診断・コンサルティング需要は爆発的に拡大しています。同社はセキュリティ教育・訓練事業も展開しており、人材不足が深刻なサイバーセキュリティ分野でのニーズに応えるユニークなポジショニングです。時価総額は小型で、テーマ相場での値動きが大きくなりやすい特性も持ちます。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2000年設立。サイバーセキュリティの専門家集団として、コンサルティングから診断、教育までを一貫提供する体制を構築。攻撃面管理(ASM)サービスや漏洩アカウント調査など、新サービスの投入も活発。
◎ リスク要因: 人材確保の難しさがボトルネックとなり成長速度が制約される可能性。大手IT企業のセキュリティコンサル参入リスク。小型株ゆえの流動性リスク。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4417
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4417.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.gsx.co.jp/ir/
【防衛×航空宇宙の巨人、次世代軽水炉でエネルギー安保にも貢献】三菱重工業(7011)
◎ 事業内容: 航空・防衛・宇宙、エネルギー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステムを展開する日本最大の総合重工メーカー。戦闘機・ミサイル・艦船などの防衛装備品から、原子力発電プラント、ガスタービン、ロケットまで幅広い製品を手がける。
・ 会社HP: https://www.mhi.com/
◎ 注目理由: 三菱重工業は、ホルムズ海峡リスクの文脈で「防衛」と「エネルギー安全保障」の両面から恩恵を受ける数少ない企業です。防衛関連では、戦闘機F-35のライセンス生産、護衛艦の建造、ミサイルの製造などを手がけ、防衛費8.8兆円時代の最大受益者と位置づけられます。エネルギー分野では、次世代軽水炉「SRZ-1200」の開発を進めており、原子力によるベースロード電源の確保という国策に直結しています。2026年3月期第3四半期は航空・防衛・宇宙セグメントの利益が前年同期比50.9%増と大幅に拡大しており、防衛需要の取り込みが着実に進んでいます。誰もが知る大型株ではありますが、ホルムズ海峡リスクというテーマにおいては、防衛とエネルギーの二刀流で恩恵を受けるユニークなポジションにあり、外すことのできない銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1884年に岩崎彌太郎が長崎造船所を設立したことに端を発する。2026年3月期通期では売上収益4兆8,000億円、事業利益4,100億円を見込む。SpaceJetの中止を経て、防衛・宇宙・エネルギーへの選択と集中を加速させている。
◎ リスク要因: 大型プロジェクトのコスト超過リスク。防衛装備品の輸出規制や政策変更。株価はすでに防衛テーマで大幅に上昇しており、高値圏にある点に注意。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/7011
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/7011.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.mhi.com/jp/finance/
カテゴリ5:原油高・インフレに強いディフェンシブ内需株
【ドラッグストアの成長株、インフレ耐性と安定配当の優等生】クリエイトSDホールディングス(3148)
◎ 事業内容: 関東圏の郊外を中心に「クリエイト」ブランドのドラッグストアを展開。医薬品・日用品に加え、食品の品揃えを強化し「ヘルス&ビューティ+食品」の融合業態で成長。調剤薬局事業も拡大中。
・ 会社HP: https://www.create-sd-hd.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクによるインフレの加速は、多くの小売業にとって逆風ですが、ドラッグストアは例外的にインフレ局面で強さを発揮するセクターです。医薬品や日用品は景気変動に関わらず需要が安定しており、食品の取り扱い拡大によりコンビニやスーパーの需要も吸収しています。クリエイトSDは売上・利益ともに年率約8%の成長を続けており、自己資本比率は60%と極めて堅固です。ドラッグストア業界全体が、デフレ時代に磨き上げたローコスト運営のノウハウを活かし、インフレ局面では値上げ転嫁がしやすい体質に進化している点も見逃せません。原油高で消費者心理が冷え込む局面でも、生活必需品を扱うドラッグストアは底堅い業績が期待でき、ポートフォリオの安定装置として機能します。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1983年に横浜市で1号店を開業。神奈川県を中心に関東圏で着実に店舗網を拡大し、現在は700店舗超を展開。調剤薬局の併設を進め、「かかりつけ薬局」としての機能強化にも注力している。
◎ リスク要因: 出店余地の減少に伴う成長鈍化。ドラッグストア業界内での競争激化(ウエルシア・ツルハ等との競合)。食品の利幅は薄く、構成比の上昇が利益率を圧迫する可能性。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/3148
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/3148.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.create-sd-hd.co.jp/ir/
【世界25カ国からの分散調達で原油高リスクをヘッジする食肉卸の雄】スターゼン(8043)
◎ 事業内容: 食肉(牛・豚・鶏)の卸売を主力とする食品商社。国内外25カ国以上から食肉を調達するグローバル調達ネットワークを持ち、スーパーマーケット・外食チェーン・食品加工メーカーに幅広く販売。ハム・ソーセージなどの加工品事業も展開。
・ 会社HP: https://www.starzen.co.jp/
◎ 注目理由: 原油高による物流コスト上昇や円安は食品業界全般にとってコスト増要因ですが、スターゼンは世界25カ国以上からの分散調達体制を持つことで、特定地域のリスクに対する耐性が高い構造を築いています。中東情勢の悪化で海上輸送コストが増加しても、調達先の切り替えにより影響を最小化できる点は大きな強みです。食肉は景気変動に左右されにくい生活必需品であり、インフレ局面では価格転嫁が比較的容易なカテゴリです。さらに、同社は2030年に向けて海外輸出比率を現在の3%から15%に引き上げる計画を掲げており、和牛の海外需要拡大を追い風にした成長も期待されます。販売先がスーパー・外食・食品加工と多岐にわたるため、特定チャネルの落ち込みを他でカバーできる安定性も魅力です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1948年設立。日本最大級の食肉専門商社として、国内食肉流通の中核を担ってきた。近年は和牛の海外輸出に力を入れ、香港・シンガポール・米国向けの輸出を拡大中。食品工場への設備投資も積極的に実施している。
◎ リスク要因: BSE(牛海綿状脳症)などの食品安全リスク。円安による輸入コストの上昇。食肉需要の長期的なトレンド変化(植物性タンパク質の台頭)。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/8043
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/8043.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.starzen.co.jp/ir/
【サイバー脅威とインフレに負けない、セキュリティ×ストック収益の安定株】トレンドマイクロ(4704)
◎ 事業内容: 「ウイルスバスター」で知られる世界的なサイバーセキュリティ企業。法人向けの統合セキュリティプラットフォーム「Trend Vision One」を主力に、クラウド・ネットワーク・エンドポイントのセキュリティソリューションをグローバルに展開。
・ 会社HP: https://www.trendmicro.com/ja_jp/
◎ 注目理由: 地政学リスクの高まりはサイバー攻撃の激化と直結しており、トレンドマイクロのようなセキュリティ大手にとっては強力な追い風です。同社の強みは、法人向けのサブスクリプション型収益モデルにより安定したストック収入を確保している点です。サイバーセキュリティへの投資は景気後退局面でも「削れない投資」として固定化されつつあり、収益の下方硬直性が高い特性を持ちます。ホルムズ海峡リスクの中で、市場全体が軟調に推移する局面でも、セキュリティ銘柄はディフェンシブな値動きを示す傾向があります。グローバルに事業を展開するため円安メリットも享受でき、原油高→円安→海外売上の円換算増というルートで間接的な恩恵も見込めます。生成AIを活用した次世代セキュリティ技術の開発も進めており、技術的な進化も怠っていません。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1988年設立。個人向け「ウイルスバスター」で日本市場をリードし、法人向けセキュリティ事業を拡大。2023年にはXDR(拡張検知・対応)プラットフォーム「Trend Vision One」を本格展開し、統合セキュリティの分野でグローバル大手と競合。
◎ リスク要因: CrowdStrikeやPalo Alto Networksなどのグローバル大手との競争激化。為替の円高反転による海外売上の目減り。セキュリティ市場の技術革新のスピードについていけなくなるリスク。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/4704
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4704.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.trendmicro.com/ja_jp/about/investor-relations.html
【原油高で逆に恩恵?石炭火力の隠れた勝ち組】電源開発(J-POWER)(9513)
◎ 事業内容: 国内最大の卸電力事業者。石炭火力発電を主力としつつ、水力発電、風力発電、地熱発電も手がける。海外での発電事業にも積極投資し、大間原子力発電所の建設も計画中。
・ 会社HP: https://www.jpower.co.jp/
◎ 注目理由: 一見すると、原油高は電力会社にとって逆風に見えます。しかし、電源開発の発電燃料は石炭が主体であり、原油価格の上昇が直接的に同社のコストを押し上げる構造ではありません。むしろ、原油高によりLNG火力の燃料費が急騰すると、相対的に石炭火力の経済優位性が高まり、電力卸価格の上昇を通じて同社の収益が膨らむメカニズムが働きます。2026年3月の株探では、中東リスクを背景に「石炭」テーマが注目テーマ11位にランクインしており、市場の関心も高まっています。加えて、大規模な水力発電設備も保有しており、化石燃料価格に左右されない再エネ収益が下支えとなっています。大間原子力発電所の建設が実現すれば、中長期的にはさらなる燃料費削減効果が期待できます。配当利回りも高水準で、インカムゲイン狙いの投資家にも魅力的です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1952年に電源開発株式会社法に基づき設立された国策会社。2004年に完全民営化・上場。全国各地に水力・石炭火力・風力発電所を保有し、卸電力事業者として日本の電力供給を支えてきた。近年はCCS技術の開発にも注力。
◎ リスク要因: 脱炭素の流れにおける石炭火力への逆風(規制強化・ESG投資からの排除)。大間原発の建設遅延リスク。石炭価格自体の高騰によるコスト増。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/9513
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/9513.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.jpower.co.jp/ir/
【エネルギーコスト上昇に負けない食品企業、値上げ力の高さが武器】昭和産業(2004)
◎ 事業内容: 小麦粉・食用油・糖質(ブドウ糖・異性化糖)の三本柱で食品製造を行う総合食品メーカー。家庭用製品に加え、製パン・製菓・外食産業向けの業務用製品が主力。飼料事業も手がける。
・ 会社HP: https://www.showa-sangyo.co.jp/
◎ 注目理由: 原油価格の高騰は食品メーカーにとって原材料輸送費や包装資材コストの上昇をもたらしますが、昭和産業は小麦粉・食用油・糖質という生活必需品を製造しており、価格転嫁力が高いのが特徴です。パンや菓子を作る製パン・製菓業界にとって小麦粉は不可欠な原料であり、昭和産業の製品に対する需要は景気変動の影響を受けにくい構造です。近年のインフレ局面では、食品各社が相次いで値上げを実施していますが、同社も適切なタイミングでの価格改定により利益率を維持・改善しています。PERは10倍前後と割安に放置されており、配当利回りも3%台と高水準。バリュー投資とインカム投資の両面で妙味があるディフェンシブ銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1936年に昭和産業株式会社として設立。小麦粉メーカーとしてスタートし、食用油・糖質へと事業領域を拡大。複合的な穀物加工の技術力が強み。近年は健康志向の製品開発にも力を入れている。
◎ リスク要因: 原材料(小麦・大豆・トウモロコシ)の国際価格変動。円安による輸入コストの増加。消費者の節約志向の強まりによるダウントレード。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/2004
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/2004.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.showa-sangyo.co.jp/ir/
【有事の金に直結、純金積立から地金販売まで手がける貴金属商社】アサヒホールディングス(5857)
◎ 事業内容: 貴金属リサイクル事業と環境保全事業を二本柱とする。都市鉱山から金・銀・白金・パラジウムなどの貴金属を回収・精製するリサイクル事業が主力。廃棄物処理や産業廃棄物のリサイクルも手がける。
・ 会社HP: https://www.asahiholdings.com/
◎ 注目理由: 「有事の金」という格言通り、地政学リスクが高まると安全資産としての金への需要が急増します。2026年3月時点でNY金先物は史上最高値圏で推移しており、ホルムズ海峡リスクは金価格のさらなる上昇要因です。アサヒHDは貴金属リサイクルのリーディングカンパニーであり、金価格の上昇が直接的に収益を押し上げます。「都市鉱山」から貴金属を回収するビジネスモデルは、採掘型の鉱山会社と異なり、地政学リスクや環境規制の影響を受けにくいのが大きな利点です。ESG投資の観点からもリサイクル事業は高い評価を得やすく、環境保全事業との組み合わせで持続可能な成長が期待できます。金価格が4,500ドルを突破するとの見方もある中、同社は「金高」の恩恵を最も効率的に享受できる日本企業の一つです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1952年設立。貴金属リサイクルの草分けとして、電子基板や歯科用合金などから貴金属を回収する技術を確立。近年は東南アジアでのリサイクル事業にも進出し、グローバルな貴金属循環ネットワークを構築中。
◎ リスク要因: 金価格の急落リスク。貴金属スクラップの集荷量減少。環境規制の強化に伴う廃棄物処理コストの増加。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/5857
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/5857.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.asahiholdings.com/ir/
【保険料高騰で潤う損害保険の隠れた勝者】SOMPOホールディングス(8630)
◎ 事業内容: 損害保険事業を中核とする保険持株会社。傘下に損害保険ジャパン(損保ジャパン)を擁し、国内損保市場で首位級のシェアを持つ。介護・デジタル事業にも展開し、海外保険事業の拡大も推進中。
・ 会社HP: https://www.sompo-hd.com/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡の封鎖は、海上保険・戦争保険の保険料を急騰させます。従来は船舶価値の0.125%以下だった保険料が、直近では最大5%にまで跳ね上がったとの報告もあります。損害保険会社はこうした保険料の上昇を直接的に収益に取り込めるポジションにあり、SOMPOHDは国内損保最大手の一角として、この恩恵を大きく享受できます。加えて、原油高→インフレ→金利上昇という連鎖は、保険会社の運用収益を押し上げる要因でもあります。保険会社は保険料収入を受け取ってから保険金を支払うまでの間、巨額の資金を運用しており、金利上昇局面では債券運用利回りが改善します。さらに、同社は介護事業にも大規模投資しており、高齢化社会という構造的な成長テーマにも乗っています。ディフェンシブでありながら、有事に収益が跳ねる可能性を持つユニークな銘柄です。
◎ 企業沿革・最近の動向: 2010年にNKSJホールディングスとして発足し、2014年にSOMPOホールディングスに社名変更。損保ジャパンを中核に、介護最大手のSOMPOケアやデジタル子会社を擁する。近年は政策保有株式の売却を進め、株主還元を強化中。
◎ リスク要因: 大規模自然災害による保険金支払い増。海外保険事業での引受リスク。介護事業の人手不足・コスト増。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/8630
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/8630.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.sompo-hd.com/ir/



















