災害ニュースが続く今こそ点検したい、ポートフォリオに「防災ディフェンシブ」枠を組み込むべき本当の理

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本記事のポイント
  • 「またこのニュースか」と思った瞬間に、私たちは何を失っているのか
  • 反応してはいけないニュースと、そっと見続ける数字
  • 反応してはいけない3つのニュース
  • そっと見続ける3つのシグナル
マーケットアナリスト
「「またこのニュースか」と思った瞬間に、私たちは何を失っているのか」のくだりが、まさにこの記事の出発点です。テーマ全体の資金の動きが気になるという前提で読み進めると論点が整理されます。
目次


災害テーマ株に飛びつく前に、ポートフォリオの「設計」を点検するための視点と、明日からの具体行動をお渡しします。

「またこのニュースか」と思った瞬間に、私たちは何を失っているのか

朝、スマホを開いたら、また災害のニュースが流れていました。 台風、地震、豪雨。最近、こうした見出しを見ない週がありません。

正直に言います。 私も最初の数行を読んで、すぐ画面を閉じました。

「またか」という疲れと、「でも何かしないとまずいかもしれない」という焦り。 この2つが同時に来る感覚に、あなたも覚えがありませんか。

私はあります。何度もあります。 そして、こういう時に動いて損をしたことも、動かずに後悔したことも、両方あります。

災害ニュースが続く時、私たちが本当に向き合うべきなのは、「今すぐ何かを買うべきか」ではありません。 そうではなくて、「自分のポートフォリオは、想定外が連続する時代に耐えられる構造になっているか」という問いです。

防災ディフェンシブ、という言葉を、私は「災害テーマ株を持つこと」とは捉えていません。 そうではなくて、ポートフォリオ全体を災害連続時代の前提で設計し直す作業のことです。 この捉え方の違いが、長期で生き残れるかどうかの分かれ目になります。

この記事では、まず「災害ニュースのうち、相場に効くものと効かないもの」を仕分けします。 次に「防災ディフェンシブ」という考え方の中身を整理し、最後に「明日、自分の口座を開いた時に何を確認すればいいのか」までお渡しします。

派手な銘柄推奨はしません。 私自身がかつて派手な動き方をして、痛い思いをしたからです。 その失敗の話も、できるだけ正直に書きます。

反応してはいけないニュースと、そっと見続ける数字

反応してはいけない3つのニュース

1つ目は、「○○県で大雨警報、被害状況続報」のような速報系の見出しです。 胸が痛むニュースであることは事実です。ただ、こうした速報に反応して、その日のうちに何かを売り買いしても、過去の経験上、ほぼ良い結果にはなりません。 速報は人の感情を強く動かしますが、企業の中長期的な収益構造はそんなに早くは動きません。

2つ目は、「災害復興関連株が大幅高」のような結果報告系の見出しです。 このニュースを見て買った時点で、すでに先回りした人たちが利益を確定する側に回っていることがほとんどです。 新聞や経済番組がこのテーマを扱う頃には、相場はもう次の話題に移っています。 私はこれで何度も後追いの高値掴みをしました。今でも思い出すと胃が重くなります。

3つ目は、「災害保険の支払いが過去最大に」のような数字の見出しです。 これは事実なので、つい「だから損保はダメだ」「だから○○がいい」と単純化したくなります。 ただ、保険料率の改定や再保険の構造を考えると、短期の支払い増加と中期の収益性は別の話です。 見出しの数字一つで業種全体を判断するのは、私の経験では大抵間違いの元でした。

これら3つに共通するのは、「感情は強く動くが、自分の判断材料としては質が低い」という点です。 そして感情を動かす情報ほど、人は反応してしまいやすい。これが厄介なところです。

そっと見続ける3つのシグナル

1つ目は、長期金利の動きです。 災害が続いて復興需要が高まると、財政支出が膨らみ、長期金利の見方が変わることがあります。 日本の10年国債利回りが、ここ数か月のレンジを上抜けるか、それともレンジを保つか。これは私が毎週末に必ず確認する数字です。 レンジを抜けるかどうかで、ディフェンシブと言われる銘柄の中の勝ち負けが分かれてきます。

2つ目は、為替、特にドル円の動きです。 災害復興は基本的にコスト増の話なので、輸入物価への影響を経由してインフレ圧力につながりやすい。 為替が想定以上に振れると、ディフェンシブ銘柄でも業績が揺さぶられます。

3つ目は、国内のCPI、つまり消費者物価指数の中の食料・エネルギー関連の数字です。 災害は供給ショックを通じて生活コストを押し上げます。家計の購買力が削られると、ディフェンシブと括られる銘柄の中身も、勝ち負けがはっきり分かれていきます。

これら3つは、毎月公表のスケジュールが決まっています。 カレンダーに入れておくと、感情ではなく予定で確認できるので、反応しすぎなくなります。

防災ディフェンシブは銘柄ではなく、設計です

ここで本題に入ります。 冒頭にも書きましたが、私は防災ディフェンシブを「特定のテーマ株を買うこと」とは考えていません。 そうではなくて、ポートフォリオ全体を、災害が連続する前提で設計し直す作業だと捉えています。

一次情報として置いている事実

直近数年で起きていることを、できるだけ淡々と並べます。

1つは、自然災害の頻度と被害額が、長期的に増加傾向にあるという気象庁や保険業界の公表データです。 猛暑、豪雨、地震、いずれも従来の想定を上回るケースが目立ちます。

もう1つは、日本のインフラの多くが高度成長期に作られたもので、更新時期に入っているという事実です。 これは国土交通省などが繰り返し示している話で、特別新しい論点ではありません。 ただ、この事実が次の災害時にどう効いてくるかは、まだ十分に織り込まれていない印象を私は持っています。

最後に、世界的にも気候変動関連の支出が政策アジェンダの中心に入ってきていること。 これは各国の財政政策資料を読めば書いてあります。

私の解釈と、置いている前提

私はこう読んでいます。 災害は、もはや単発のニュースではなく、構造として相場の前提に組み込んでおくべき変数になった、と。

ただし、これは断定ではありません。 気候変動の影響が今後も続くこと、財政支出の方向性が大きく逆戻りしないこと。この2つを私は仮置きしています。 もし政策の優先順位が大きく変わったり、技術革新で災害リスクの織り込み方が変わったりすれば、私は見立てを変えます。

正直、ここは私も迷う部分です。 構造変化と一時的なノイズを区別する作業は、リアルタイムでは難しい。 だからこそ、断言する人より、前提を明示する人を信じた方がいいと、私は経験から思っています。

読者の行動として何が変わるか

この前提が正しいとした時、ポートフォリオに必要なのは、災害テーマ株を新規で組み入れることではありません。 必要なのは、3つの設計の点検です。

1つ目は、収益源が地理的に偏っていないかの点検です。 日本国内の特定地域に売上が集中している銘柄ばかりだと、大規模災害でまとめて打撃を受ける可能性があります。 これは個別銘柄を見るというより、ポートフォリオ全体で集中度を測る作業です。

2つ目は、業種が「災害時にコストが上がる側」に偏っていないかの点検です。 建材、輸送、エネルギーは復興需要の追い風がある反面、原料コストが先に跳ねる業種でもあります。 需要面ばかりを見て、コスト面を忘れがちなのが、私自身も含めた個人投資家のクセです。

3つ目は、現金とそれに準ずる流動資産が、機会が来た時に動かせる量あるかの点検です。 私の感覚では、災害が続く局面で一番怖いのは、優良銘柄が安く買える瞬間に、現金がなくて動けないことです。

この3点に、自分のポートフォリオを当てはめてみる。 これが、私の言う「防災ディフェンシブの設計」の中身です。

災害が続いた時、続かなかった時、そして判断がつかない時

ここからは、起こり得る3つの展開と、それぞれで自分が何をするかを書きます。 これは予想ではなく、自分の動きを事前に決めておくための準備です。

災害頻度が高止まりするシナリオ

発生条件は、今後1年程度、大規模災害が年に複数回発生し、関連する財政支出が拡大基調を維持する場合です。

やることは、現金比率を平時より高めに保ちつつ、業種の地理的・コスト構造的な分散を意識して既存ポジションを点検することです。 新規買いを慌ててやる必要はありません。

やらないこととしては、災害ニュースのたびに「復興関連」と称される銘柄をスポット買いすることが筆頭です。 これは私が何度も繰り返した失敗で、後ほど詳しく書きます。

チェックするものは、長期金利、ドル円、CPIの3つです。 決算では、各企業の被災地域での売上比率や原材料費の影響にも目を通します。

これが、私が一番蓋然性が高いと見ているシナリオです。

災害が一巡し、相場が「災害疲れ」を消化するシナリオ

発生条件は、1年以上、大きな災害が発生せず、関連テーマ株が一斉に売られる場合です。

やることは、防災関連で過熱していた銘柄から、実需に支えられた業種へ資金を移すことを検討することです。 ただし慌てない。これは断言できます。

やらないこととしては、「災害が起きないなら防衛的なポジションは不要」と考えて、現金比率を一気に下げることです。 災害以外のリスク、地政学リスクや金融政策の急変はいつでも起こり得ます。

チェックするものは、防災関連の指数的な動きと、市場全体のボラティリティ指標です。

様子見シナリオ

発生条件は、災害は発生しているけれど、関連銘柄の値動きが鈍く、政策反応も遅い、つまり市場が方向感を欠いている場合です。

やることは、新規ポジションを建てないことです。 既存のポジションを点検し、不安要素のあるものから縮小します。

やらないこととしては、「とりあえず動かないと」と焦って中途半端なサイズで参戦することです。 これは私が何度もやって、何度も悔やんだ動きです。

チェックするものは、出来高の変化と、信託銀行や年金資金などの売買動向です。

正直に言うと、私は今、この様子見シナリオに近い感覚を持っています。 だからこそ、銘柄選別ではなく、ポートフォリオ全体の設計の方に時間をかけています。

震災の翌週、私が買った「絶対に下がらないはずの銘柄」

ここから少し、私の昔の話をさせてください。 読んでも気持ちのいい話ではありませんが、防災ディフェンシブを語る上で、避けて通れない経験です。

東日本大震災の直後、相場全体が大きく崩れた後、少しずつ反発が始まった時期のことです。 私はまだ投資を始めて数年で、自分なりに勉強したつもりになっていました。

朝のニュース番組で、「復興需要で建設・インフラ・素材関連が見直される」という解説を見たんです。 その日、通勤電車の中で、関連業種のチャートを延々とチェックしました。 すでに大きく上がっているものもあれば、まだ動き始めたばかりに見えるものもありました。

私が買ったのは、当時、業績の安定性で評価されていた、ある中堅の関連銘柄でした。 一括で、当時の自分のポートフォリオの3割近くを入れました。 理由は、「これからの復興には絶対に必要な業種だから」「下値はもう堅いはずだから」というものでした。

買い注文のボタンに指を置いた時、頭の中では2つの声が同時にぐるぐる回っていました。 「もう少し下がるかもしれない、分割した方がいい」という慎重な声と、「ここで買えなければ一生取り戻せない」という焦りの声です。 そして、焦りの方が勝ちました。

結果は、想像できると思います。 購入後の数週間、その銘柄は私の買値からさらに上がりました。私は「やっぱり正しかった」と思いました。 この「正しかったと思わされる時間」が、後になって最も危険な時期だったと分かります。

そこから3か月ほどかけて、ゆっくりと下落していきました。 復興関連というテーマで一度買われた後、業績の実数値が市場の期待に追いつかず、地味な失望売りが続いたのです。 派手な暴落ではなく、毎日少しずつ削られていく下げ方でした。

最終的に、私は買値からそれなりの含み損を抱えて、損切りしました。 損切りの判断もまた遅れて、「もう少し戻したら」を繰り返した結果、傷を深くしました。

何が間違っていたか。 銘柄選びそのものより、判断の構造が間違っていました。

1つ目は、テーマ(復興需要)とファンダメンタルズ(その企業の利益が実際に伸びるか)を混同していたことです。 ニュースの言葉と、決算書の数字は、別物として扱わなければいけませんでした。

2つ目は、ポジションサイズが大きすぎたことです。 3割というサイズは、自分の気持ちの平静を保てる限界を超えていました。 含み損が出てから「冷静に判断しよう」と思っても、すでに冷静ではいられないサイズだったわけです。

3つ目は、撤退基準を決めずに買ったことです。 「下がったら考える」では、下がってから考えても遅い。 これは何度も同じ失敗を繰り返して、ようやく身に染みた教訓です。

今でもあの時のことを思い出すと、買い注文を入れた朝の電車の揺れまで蘇ります。 正直、胃が重くなる感覚は、完全には消えません。 おかげで成長できました、という整った話で締めくくれるほど、私の中で消化できているわけではありません。

ただ、この経験のおかげで、私は1つだけルールを作りました。 「テーマで買わない。設計で持つ」というルールです。 個別の災害ニュースに反応して銘柄を選ぶのではなく、ポートフォリオ全体の構造として、災害連続時代に耐えられる形を作る。 そして、新規ポジションは必ず分割し、撤退基準を価格・時間・前提の3点で決めてから入る。

このルールを、次の章で具体的な数字に落としていきます。

私が今、ポートフォリオを点検する時に見ている数字

ここからは、私自身がポートフォリオの「防災ディフェンシブ枠」を考える時に、実際に使っている目安をお伝えします。 私の数字をそのままコピーしないでください。 あなたの資金量、年齢、収入の安定度、生活防衛資金の有無で、適切なバランスは変わります。

1. 資金配分のレンジ

防災ディフェンシブ枠は、ポートフォリオ全体の20〜35%を目安にしています。 ここで言う「ディフェンシブ枠」は、ディフェンシブ性の高い銘柄や指数連動商品と、現金及び現金同等物の合計です。

相場環境による調整幅としては、災害頻度が高く先行きが不透明な局面では35%寄りに、相場全体に強気のサインが揃ってきた局面では20%寄りに、というイメージです。

ただし、20%を下回らせない。これは私の中の譲らないラインです。 「絶対に大丈夫」という相場は、私の経験上、存在しなかったからです。

2. ポジションの建て方

新規でこの枠に組み入れる時は、3〜5回に分割します。 1回あたりの間隔は、2週間〜1か月を目安にします。

理由は、一括で入ると、入った直後に下がった時に冷静でいられなくなるからです。 3割を一括で入れて凍りついた、あの時の自分が、今も頭の中に座っています。

そして、1つの銘柄に集中させない。 ディフェンシブ枠の中でも、業種(生活必需品、ヘルスケア、通信、公共インフラ的なものなど)、地域(国内中心と海外を含むもの)、形態(個別株とETFなど指数型)の3軸で分散します。

具体的な銘柄名は、私からは出しません。 理由は、銘柄選びは生もので、私が今いいと思っているものが3か月後にもいいとは限らないからです。 それより大事なのは、3軸での分散の発想です。

3. 撤退基準(価格・時間・前提の3点セット)

これは何があっても省略しません。 M5の失敗で一番痛かったのが、撤退基準を決めずに買ったことだったからです。

価格基準について。 個別銘柄の場合は、買値からの下落幅で機械的に決めるのではなく、その銘柄が長期的に割り込んではいけない水準を割ったら撤退する、という形で決めています。 直近の重要な安値や、長期移動平均などが目安になります。 ETFや指数型の場合は、もう少し緩く取りますが、それでも「ここまで下がったら一度降りる」という水準は、買う前に紙に書いておきます。

時間基準について。 新規ポジションを建ててから6か月経って、自分の想定したシナリオが進んでいないなら、一度ポジションを軽くして見直すようにしています。 時間で区切るのは、「いつかは戻る」という思考停止を防ぐためです。 塩漬けは判断ではなく、判断の放棄です。

前提基準について。 M3で置いた前提、つまり災害連続が構造化していること、財政支出の方向性が維持されること。これを大きく崩す材料が出たら、ポジション全体を点検します。 これは数値ではなく、文章で書いておきます。 「災害関連の財政支出方針が大きく転換したら」「気候関連の主要な国際合意が反故になったら」のように。

救命具

ここまで読んで、「自分にはまだ判断がつかない」と感じる方もいると思います。 そういう時の私の選択は、いつも同じです。

判断に迷ったら、ポジションを半分にしてください。 間違えてもダメージが半分になります。 迷いは市場からのサインです。

これは初心者の方への助言というより、私自身が10年以上、自分に言い聞かせ続けている言葉です。

スマホで見直したい7つの問い

時間がある時で構いません。以下の問いに、Yes/Noで答えてみてください。

  1. 自分のポートフォリオの中で、収益源が国内特定地域に偏った銘柄の比率を答えられるか

  2. 業種の分散が、需要面だけでなくコスト面まで考えられているか

  3. 現金及び現金同等物の比率を、相場環境別に少なくとも2段階で決めているか

  4. 個別銘柄ごとに、価格・時間・前提の3点で撤退基準を書き出せるか

  5. 新規ポジションを建てる時、必ず分割するルールを持っているか

  6. ポートフォリオ全体に占める1銘柄の上限比率を決めているか

  7. 直近1か月の売買で、ニュースに反応して動いたものが何件あったか思い出せるか

すべてYesでなければいけない、ということではありません。 Noの数だけ、自分の設計に伸びしろがある、ということです。

自分の状況に当ててみる3つの問い

これも、答えられなかったこと自体が気づきになる問いです。

1つ目。あなたの今のポートフォリオが、最悪のシナリオで何%の評価損になるか、おおよその数字で答えられますか。 2つ目。明日、災害ニュースで個別銘柄が10%下げたとして、買い向かうのか、見送るのか、ナンピンするのか。事前にどう決めていますか。 3つ目。今、現金比率が自分のレンジを外れているとしたら、上方向にずれているのか、下方向にずれているのか、把握していますか。

私はこの3つに答えられない時期がありました。 そういう時期に大きな判断をすると、ほぼ間違えると、今では分かります。

私のミスを防ぐ4つのルール

これは、M5の失敗から私が抽出して、今も守っているルールです。

  • ニュースに反応して買う時は、必ず24時間置く。それでも買いたいなら半分のサイズで入る。

  • テーマで買う時は、その銘柄の直近の決算と業績見通しを必ず1度読み直してから決める。

  • 新規ポジションは1銘柄あたり、ポートフォリオの10%を上限にする。

  • 撤退基準を決められない銘柄は、買わない。

ルールの数は少ない方が守れます。 これより多くしようとしては、何度も挫折しました。

いま、誰がディフェンシブ株を売っているのか

需給の話を少しだけ加えておきます。 ここは推測も含むので、断定はしません。

公開されている投資部門別売買動向のデータから推測すると、ディフェンシブとされる業種の動きは、海外勢の売買が日経平均全体の動きより遅れて反映されることがあるように見えます。 災害ニュースが続く局面では、海外勢から見ると「日本固有のリスクが顕在化している」と映りやすく、まとまった売りが出る時期があります。

一方で、国内の信託銀行、つまり年金資金などは、長期視点での買い直しに動く傾向が見られます。 これは過去のデータを見る限りの傾向であって、毎回そうなる保証はありません。

ここから読者にとっての意味を1つだけ書きます。 災害ニュース直後の下げで「日本市場全体に対する諦めムード」が出やすい局面は、長期視点で構えている個人投資家にとっては、ディフェンシブ枠を点検し直すチャンスでもあります。 チャンス、というのは、急いで買え、という意味ではありません。 慌てなくていい、という意味です。

明日、口座を開いた時に最初に見る数字

最後に、この記事から持ち帰ってほしいことを、3つに絞ります。

1つ目。災害ニュースのほとんどは反応するべきものではなく、相場に効くのは長期金利、為替、CPIのような構造側の数字です。

2つ目。防災ディフェンシブとは、銘柄を当てるゲームではなく、ポートフォリオ全体を「想定外が連続する前提」で設計し直す作業です。

3つ目。新規ポジションは必ず分割で建て、価格・時間・前提の3点で撤退基準を事前に決める。これが最大の「お守り」です。

明日、口座を開いた時、最初に見てほしい数字は、自分のポートフォリオの現金比率1つだけで構いません。 それが、自分の中で決めたレンジに入っているか。それだけ確認してください。

入っていなければ、慌てて売買する必要はありません。 来月の入金時にレンジへ近づける。そういう静かな調整で十分です。

長くこの相場で生き残るための作業は、地味で、退屈で、人に話しても面白くないものばかりです。 でも、その地味な作業を続けられる人だけが、5年後10年後にまだここに残っている、というのが、私が見てきた個人投資家の現実です。

ニュースの音量を少し下げて、自分の設計の声を聞く。 その時間を、今日少しだけ取ってみてください。 それだけで、明日からの判断の質は、思っている以上に変わります。

本記事は投資助言を目的としたものではありません。 記載された内容は筆者個人の見解であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。


章タイトル記事内での位置づけ
1. 「またこのニュースか」と思った瞬間に、私たちは何を失っているのか本記事固有の論点を整理
2. 反応してはいけないニュースと、そっと見続ける数字本記事固有の論点を整理
3. 反応してはいけない3つのニュース本記事固有の論点を整理
4. そっと見続ける3つのシグナル本記事固有の論点を整理
5. 防災ディフェンシブは銘柄ではなく、設計です本記事固有の論点を整理
投資リサーチャー
続く「反応してはいけないニュースと、そっと見続ける数字」では、根拠を一段深く掘り下げます。短期の値動きだけに流されず、ファンダの裏付けを点検したいところです。

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この記事を書いた人

「日本個別株デューデリジェンスセンター」運営者。日本の個別株に特化した投資リサーチを専門とし、銘柄分析・企業デューデリジェンス・業界動向・IPO分析を中心に2,800本超の分析レポートを執筆。ファンダメンタルズ分析とデータドリブンなアプローチで、個人投資家の意思決定をサポートしています。毎日更新の分析レポートを通じて、プロ水準のリサーチを個人投資家に届けることをミッションとしています。

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