「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時代に効く物色テーマを総ざらい

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本記事のポイント
  • はじめに:電気代の請求書を見て、ため息をついていませんか
  • 第1章:そもそも、電気代はどんな仕組みで決まっているのか
  • 電気料金の3つの構成要素
  • 燃料費調整制度の意味するところ
目次

はじめに:電気代の請求書を見て、ため息をついていませんか

電気代の請求書を見て、「また上がっている」とため息をついた経験はありませんか。2026年5月検針分からは、政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」の補助金が終了したうえに、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)も1kWhあたり4.18円へと過去最高水準に引き上げられました。ファミリー世帯ではひと月あたり平均約788円もの値上がりとなったといわれています。

しかし、視点を変えてみてください。電気代が上がるということは、その上がった電気代を「誰かが受け取っている」ということでもあります。発電する人、燃料を供給する人、省エネを支援する人、太陽光パネルを売る人。電気代の上昇は、ある立場から見れば「痛み」ですが、別の立場から見れば「追い風」なのです。

この記事では、家計を圧迫する電気代の値上げという現象を、投資家の視点から徹底的に分解していきます。電気料金がどのような構造で決まっているのか、なぜ上がり続けているのか、そして電気代の上昇によって業績が押し上げられる企業群とはどんな会社なのか。さらに、知名度が低めながらも電力・エネルギー関連で独自の強みを持つ中小型銘柄を5つご紹介します。インフレ時代を生き抜くための物色テーマを総ざらいする、いわば「電気代から考える投資戦略」の入門編としてお読みいただければ幸いです。

電気代の値上げを「ただの愚痴」で終わらせるか、「投資のチャンス」に変えるか。その分かれ目は、電気というインフラの背後にあるお金の流れを理解できるかどうかにあります。

それでは、本題に入っていきましょう。

第1章:そもそも、電気代はどんな仕組みで決まっているのか

電気料金の3つの構成要素

電気代の値上げを語るうえで、まず押さえておきたいのが「電気料金は何で構成されているのか」という基本構造です。多くの家庭の電気料金は、おおむね以下の4つの要素から成り立っています。

ひとつ目が「基本料金」で、契約アンペア数や契約電力に応じて毎月固定的に発生する料金です。電気を全く使わなくても発生するこの料金は、電力設備の維持費用といった意味合いを持っています。

ふたつ目が「電力量料金」で、実際に使った電力量(kWh)に応じて課金される部分です。多くのプランでは段階制が採用されており、使えば使うほど単価が上がる仕組みになっています。

3つ目が「燃料費調整額」です。これは火力発電の燃料となる原油、液化天然ガス(LNG)、石炭の輸入価格の変動を、毎月の電気料金に自動的に反映させるための仕組みで、燃料価格が上がれば電気代も上がり、下がれば電気代も下がる連動制度です。資源エネルギー庁の解説によれば、各月の3か月前から5か月前にかけての貿易統計価格を平均して算出するため、足元の燃料価格と請求月の電気代には数か月のタイムラグが生じます。

最後が「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」です。固定価格買取制度(FIT制度)に基づき、再エネで発電された電気を電力会社が買い取る費用を、電気の利用者全員で負担する制度として2012年からスタートしました。

このうち、家計を直撃する形で目に見えて変動するのが「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」の2つです。これらの仕組みについて、より詳しくは資源エネルギー庁の以下のページで確認できます。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/

燃料費調整制度の意味するところ

燃料費調整制度は、もともと電力会社の経営を安定させるための仕組みでした。日本は発電に必要なエネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っているため、原油価格やLNG価格、石炭価格、そして為替(円安・円高)の影響を強く受けます。これらの価格が大きく変動するたびに料金改定の認可手続きを行っていては機動的な対応ができないため、自動的に料金に反映される仕組みが整備されたのです。

ここで重要なのは、燃料費調整額には「上限」が設定されている料金プランがあるという点です。大手電力会社の規制料金プラン(従量電灯Bなど)には、燃料費調整額の上限として「基準燃料価格の1.5倍まで」というキャップがかかっています。一方、自由料金プランや新電力の多くのプランには、この上限が撤廃されているケースが多く、燃料価格の高騰がそのまま電気代に跳ね返る構造になっています。

このあたりの仕組みについては、出光興産の解説記事がわかりやすくまとまっています。



燃料費調整額とは?電気料金への影響やプランの選び方を解説 | 出光興産株式会社


燃料価格の高騰は、燃料費調整額として電気料金に影響を与えます。しかし、実際にどの程度、電気料金に影響をおよぼしているかはあ


power.idemitsu.com

再エネ賦課金の正体

もうひとつの値上げ要因である再エネ賦課金は、2012年に始まったFIT制度の費用を回収するためのものです。FIT制度では、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などで作られた電気を、電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることが義務付けられています。その買取費用の一部を、電気を使うすべての消費者が負担するのが再エネ賦課金です。

2012年度には1kWhあたりわずか0.22円だった再エネ賦課金は、2026年度には4.18円へと約19倍に膨らみました。月の使用量が260kWhの家庭なら、賦課金だけで月額1,087円もの負担となります。年間にすれば1万3,000円。日本の再エネ導入が進めば進むほど、家計の負担も大きくなる構造になっているのです。

再エネ賦課金の最新動向については、エネチェンジの記事が随時更新されていて参考になります。



【2026年6月】電気代の値上げ最新情報まとめ!電気料金は今後いくら高騰する? | 電力・ガス比較サイト エネチェンジ


電気代の値上げに関する最新情報をまとめました。「今月の電気代は値上げ?値下げ?」「2026年の各電力会社の料金はどう変わる


enechange.jp

2026年の電気代を取り巻く環境

2026年の電気代環境を整理しておきましょう。まず、2025年4月に「電気・ガス料金負担軽減支援事業」が一度終了し、その後、2025年7月から9月、そして2026年1月から3月にかけて、断続的に「電気・ガス料金支援」が実施されました。2026年5月検針分からは、この補助金が完全に終了し、加えて再エネ賦課金も4.18円へと引き上げられたため、家計の負担感は一段と強まっています。

さらに、燃料費調整額については、2026年1月から3月の平均LNG価格が前期比で上昇したことを受けて、関西電力エリアを除く全エリアで2026年6月検針分から燃料費調整単価が上昇する見通しです。LNG価格の動向については、大阪ガスのコラムが詳しく解説しています。



原油価格、LNG(液化天然ガス)価格の2026年における見通し/原油価格に連動する日本のLNG輸入価格/大阪ガス・Daigasエナジー


2026年の原油・LNG価格見通しと地政学リスクの影響について考察します。Daigasエナジーの低・脱炭素ソリューション


ene.osakagas.co.jp

こうした「電気代が上がる構造」が続く限り、家計のキャッシュフローは圧迫され続けます。しかし同時に、この構造のなかで「逆風」を「追い風」に変えている企業群が確実に存在するのです。

第2章:電気代上昇のお金は、どこへ流れているのか

値上げ分の「行き先」を追え

電気代が値上がりすると、私たちが支払うお金は最終的にどこへ流れていくのでしょうか。これを理解することが、投資先を見つけるための第一歩です。

燃料費調整額の上昇分は、当然ながら燃料を供給する側、つまり原油・LNG・石炭を輸入する商社や、それらの権益を持つ資源会社へと流れていきます。再エネ賦課金は、太陽光発電所やバイオマス発電所、風力発電所を運営する再エネ事業者へと流れていきます。電力量料金そのものの値上げは、発電事業者(電力会社)と、送配電を担う一般送配電事業者の収益へと積み上がっていきます。

つまり、電気代の上昇は単なる「家計のコスト増」ではなく、エネルギー業界全体への「キャッシュフロー再分配」を意味しているのです。

価格転嫁できる企業が勝つ時代

インフレ時代の投資戦略を語るうえで、必ず登場するキーワードが「価格転嫁力」です。日経新聞の記事によれば、日本銀行が発表した企業物価指数は5年間で約3割も上昇しており、人件費の高騰も続くなか、コスト増加分を販売価格にどれだけ転嫁できるかが企業業績を大きく左右する局面に入っています。価格転嫁が上手くいく企業は利益率を維持または改善でき、株主にとっても魅力的な投資対象となります。

電気代上昇の文脈で言えば、「電気代を売っている側」「電気代を下げるサービスを売っている側」「電気代の上昇で需要が増えるモノを売っている側」の3つが、構造的に追い風を受けることになります。

価格転嫁力に関する日経新聞の解説記事は以下から確認できます。



インフレ下で価格転嫁がうまい株は? 投資の達人に聞く – 日本経済新聞


インフレ局面では、高騰する原材料費や人件費をいかに価格に転嫁できるかが企業業績を左右する。今回は価格転嫁をしても好業績が見


www.nikkei.com

インフレに強い業種の特徴

歴史的に見ると、高インフレ期にパフォーマンスを発揮してきたのはエネルギー株でした。マネックス証券のコラムによれば、米国の調査会社ネッド・デービス・リサーチの分析では、1972年以降の高インフレ期9回中7回でエネルギー株はS&P500種株価指数を中央値で14ポイント上回ったとされています。

このデータが示しているのは、エネルギー価格の上昇は最終消費者の負担増となる一方、エネルギーを供給する側にとっては売上と利益の双方を押し上げる強力なドライバーになるという事実です。日本でも、商社や石油元売り、電力会社、ガス会社など、エネルギーバリューチェーンの上流から下流までを担う企業には、インフレ環境下で恩恵を受ける素地があります。

インフレに強い銘柄の特徴については、マネックス証券の以下のコラムが参考になります。



バフェットも注目!インフレに強い米国エネルギー株 | 石原順の米国株トレンド5銘柄 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア


銅価格が正しければ、長期金利は3%まで上昇?。インフレ期に強いのはエネルギー株。出遅れのリチウム関連に投資妙味あり?。石原


media.monex.co.jp

「電気代を下げる」サービスへの需要急増

ここで重要な視点を加えます。電気代が上がれば上がるほど、企業にとっても家計にとっても「電気代を下げたい」というニーズが急増します。このニーズに応えるのが、省エネ支援サービス、ESCO事業、エネルギーマネジメントシステム(EMS)といったビジネスです。

省エネ支援関連の銘柄群については、株探のテーマ別ページが網羅的にまとまっていて便利です。



【省エネ支援(ESCO)】関連が株式テーマの銘柄一覧 | 株探


株式市場で注目される省エネ支援(ESCO)関連の株式テーマを有する銘柄を一覧で表示しており、銘柄探しが素早くできます。省エ


kabutan.jp

これらの企業は、電気代が上がるほど「電気代を下げる効果」の絶対額が大きくなり、サービスの導入価値が高まるため、業績が拡大しやすい構造を持っています。「不景気の床屋」のような逆張りの発想ですが、実は電力コスト削減サービスは、電気代上昇局面で最も売れるサービスのひとつなのです。

第3章:インフレ時代に効く8つの物色テーマ

ここからは、電気代上昇とインフレ環境のなかで注目される、8つの物色テーマを総ざらいしていきます。

テーマ1:省エネ支援とESCO事業

ESCO(Energy Service Company)事業とは、企業や自治体の省エネルギー改善に必要な技術、設備、人材、資金などを包括的に提供し、削減できた電気代の一部を報酬として受け取るビジネスモデルのことです。一般財団法人省エネルギーセンターやESCO・エネルギーマネジメント推進協議会などが業界団体としてサービスの普及を進めています。

ESCO事業のメリットは、顧客側の初期投資が不要な点と、削減効果を保証する契約形態が一般的な点にあります。電気代が上がるほど、削減できる絶対額が大きくなるため、顧客の導入メリットが大きくなり、ESCO事業者の収益も拡大しやすい構造になっています。

ESCO事業の仕組みについては、ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会の以下のページが詳しいです。



ESCO事業とは – ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会



www.jaesco.or.jp

テーマ2:太陽光発電とPPA(電力購入契約)

太陽光発電は、もはや「環境に優しい選択肢」ではなく「経済合理的な選択肢」になりつつあります。とくに自家消費型の太陽光発電は、屋根の上などで発電した電気をその場で使うことで、電力会社から購入する電気を減らし、電気代を直接削減できます。

注目すべきは「PPA(Power Purchase Agreement)」という契約形態です。これは、太陽光発電設備の所有・運用を発電事業者が行い、需要家は発電された電気を購入するというモデルで、需要家は初期投資ゼロで太陽光由来の電気を使えます。電気代が上がるほど、PPAによる固定価格での電気購入のメリットが大きくなるため、太陽光関連企業の事業機会は拡大しています。

テーマ3:バイオマス発電とFIT・FIP制度

バイオマス発電は、木材チップやペレット、パームヤシ殻(PKS)などの生物由来資源を燃焼させて発電する方式で、太陽光や風力と並ぶ再エネ電源として位置付けられています。2012年7月からスタートしたFIT制度の対象となり、近年は普及に拍車がかかってきました。

バイオマス発電の経済性のポイントは、FIT制度による固定価格での売電が約束されている点にあります。電気代の市場価格が上がっても下がっても、FITで認定された案件は決まった価格で売電できるため、収益が極めて安定しています。さらに、FITの後継制度であるFIP(Feed-in Premium)制度では、市場価格にプレミアム(補助額)が上乗せされる形となり、市場価格が高いときには売電収益がさらに伸びる仕組みになっています。

バイオマス発電関連の銘柄一覧については、みんかぶのテーマ別ページが便利です。



【バイオマス発電】が株式テーマの銘柄一覧 – みんかぶ


株式テーマ「バイオマス発電」に関連する銘柄一覧です。このテーマに関連する85銘柄の株価、前日比、関連度を掲載しています。バ


minkabu.jp

テーマ4:系統用蓄電池とVPP(仮想発電所)

系統用蓄電池とは、発電所や変電所、あるいは独立した形で電力系統に直接接続される大規模な蓄電システムのことです。電力需要が低く市場価格が安い時間帯に充電し、需要が高く価格が高い時間帯に放電することで、価格差で収益を上げるビジネスモデル(裁定取引)が成り立ちます。

電気代の市場価格の変動(ボラティリティ)が大きくなればなるほど、系統用蓄電池の収益機会は拡大します。AIデータセンターの普及で電力需要のピークが拡大していること、再エネの導入拡大で需給バランスの調整ニーズが高まっていることが、この分野の追い風となっています。

関連する概念として「VPP(バーチャルパワープラント/仮想発電所)」があります。これは、分散した発電設備や蓄電池、需要家側のエネルギーリソースをIoTで束ね、あたかも1つの発電所のように制御する仕組みです。資源エネルギー庁の解説ページで詳しく説明されています。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html

また、京セラのページではVPPとデマンドレスポンス(DR)の関係をわかりやすく解説しています。



VPP(バーチャルパワープラント)とは?概要を分かりやすく解説【法人】 | 太陽光発電・蓄電池 | 京セラ


VPP(バーチャルパワープラント)とは、太陽光発電や蓄電池など分散型エネルギーを統合し、電力需給を最適化する仕組みです。本


www.kyocera.co.jp

テーマ5:LNG調達と燃料商社

電気代の上昇要因の根本にあるのが、燃料費の上昇です。日本は発電燃料の多くを輸入に頼っており、なかでもLNGはエネルギーミックスの中核を担っています。資源エネルギー庁の資料によれば、現在の長期契約に基づくLNG確保量は2030年代に契約満了により順次減少する見込みで、新たな長期契約の獲得競争が今後本格化していきます。

LNG価格そのものの上昇局面では、LNGを輸入・販売する商社(三井物産、三菱商事、伊藤忠商事など)や、LNG火力発電を主力とする電力会社、都市ガス会社の収益が押し上げられる傾向があります。

LNG価格の動向と電力市場価格との関係については、以下のページが参考になります。



原油価格、LNG(液化天然ガス)価格の2026年における見通し/原油価格に連動する日本のLNG輸入価格/大阪ガス・Daigasエナジー


2026年の原油・LNG価格見通しと地政学リスクの影響について考察します。Daigasエナジーの低・脱炭素ソリューション


ene.osakagas.co.jp

テーマ6:高効率機器とヒートポンプ

電気代が上がるほど、エネルギー効率の高い機器への買い替え需要が高まります。代表的なのが、エアコン(とくに最新の省エネモデル)、エコキュート(ヒートポンプ式給湯器)、LED照明、高効率ボイラー、断熱性能の高い窓やドアなどです。

国内では政府も省エネ性能の高い機器への買い替えを促す補助金制度を継続的に実施しており、こうした製品を製造・販売する企業には恒常的な需要が生まれています。三浦工業のような産業用小型ボイラー大手や、ヒートポンプに強みを持つダイキン工業、三菱電機、パナソニックなども、広い意味では電気代上昇の恩恵を受ける企業群と言えます。

テーマ7:電力小売とPPS(特定規模電気事業者)

電力小売の自由化以降、独立系の新電力会社(PPS)が次々と参入してきました。これらの会社のなかには、自社で発電設備を持ち、安定した電源を確保したうえで小売をしている会社もあります。電気代が上がる局面では、自社電源を持つ新電力は、市場調達に依存する新電力に対して大きな競争優位を持つことになります。

ただし、注意点もあります。市場調達中心の新電力は、卸電力市場の価格高騰時に大きな損失を被るリスクがあります。2021年や2022年に発生したような市場価格の急騰局面では、財務体力のない新電力が事業撤退に追い込まれた例も少なくありません。電力小売銘柄に投資する際は、電源確保の状況をしっかりとチェックする必要があります。

テーマ8:原子力発電関連と再稼働期待

電気代上昇の長期的な解決策のひとつとして、原子力発電の再稼働があります。原子力発電は燃料コストが低く、いったん稼働すれば長期にわたって低コストで電力を供給できるため、電気代の安定化に寄与します。日本ではエネルギー基本計画で原発の活用が再び明確に打ち出されており、関電や九電など、原発比率の高い電力会社は燃料費調整単価が他エリアに比べて低めに推移する傾向があります。

原発の建設や保守に関わる企業群(東芝、日立、三菱重工、IHI、各種原子力部品メーカー)も、再稼働や新増設の議論が進めば中長期的に注目されるテーマとなります。

ここまでで8つの物色テーマを総ざらいしてきました。次の章では、これらのテーマに具体的に紐づく、知名度は高すぎないけれども独自の強みを持つ注目銘柄を5つ、詳しくご紹介していきます。

第4章:電気代上昇で恩恵を受ける注目銘柄5選

ここからご紹介する5銘柄は、いずれも「電気代の上昇が業績の追い風になる」という共通の特徴を持ちつつ、それぞれ異なるビジネスモデルを採用している企業です。トヨタやNTTといった超大型銘柄ではなく、中小型のなかから「銘柄を発掘する楽しみ」を感じていただける会社を厳選しました。

銘柄1:グリムス(3150)— 電気代削減コンサル&電力小売の二刀流

最初にご紹介するのは、東証プライムに上場するグリムス(証券コード3150)です。中小企業向けに電力コスト削減サービスを展開しつつ、自社で電力小売事業も行っている、いわば「電気代の二刀流」企業です。

グリムスの主力サービスは、独自に開発した高性能電子ブレーカーを設置することで、電力契約を最適化し、電気基本料金を平均約50%削減するというものです。電気代が上がれば上がるほど、削減効果の絶対額が大きくなり、顧客にとっての導入メリットが拡大します。さらに、太陽光発電システムの販売や、電力小売事業(スマートエコパワー)も展開しており、エネルギー関連のワンストップ企業として独自のポジションを築いています。

業績面でも好調で、2026年3月期通期では予想売上高、予想経常利益ともに前年同期比で増加見込みとなっています。ROE(自己資本利益率)は予想で28.4%、ROA(総資産利益率)は18.17%と、極めて高い資本効率を実現しており、財務面でも優良企業に分類されます。

電気代上昇局面での代表的な追い風銘柄として、まず押さえておきたい1社です。グリムスの詳しい情報は、みんかぶの個別銘柄ページで確認できます。



グリムス (
3150) : 株価/予想・目標株価 [grems] – みんかぶ


グリムス (3150) 今日の株価、予想(AI株価診断など)、チャート推移、ニュース、その他にも今後の見通しや買い時・売り


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銘柄2:エフオン(9514)— バイオマス発電と省エネ支援のハイブリッド

次にご紹介するのは、エフオン(証券コード9514)です。スタンダード市場に上場する中型銘柄で、再生可能エネルギーの木質バイオマス発電に加え、省エネ支援サービス、電力小売事業を展開しています。

エフオンの最大の特徴は、自社で複数のバイオマス発電所を保有・運営している点にあります。白河発電所、日田発電所、豊後大野発電所、壬生発電所、新宮発電所など、国内に複数の木質バイオマス発電所を持ち、いずれも高稼働を維持しています。これらの発電所はFIT制度による固定価格買取の対象となっており、20年間にわたる安定的な売電収益が約束されています。

バイオマス発電の経済性の鍵を握るのは燃料調達コストですが、エフオンは自社で山林事業も手がけており、製材不適合の木材を燃料に活用するなど、燃料調達の内製化を進めています。これにより、燃料価格の変動リスクをある程度コントロールできる体制を整えています。

省エネ支援事業では、企業の電気料金分析や節電コンサルティングを行っており、こちらは電気代上昇局面で顧客ニーズが高まるビジネスです。バイオマス発電(安定収益)+省エネ支援(成長領域)+電力小売の三本柱で、再エネとインフレの両方のテーマに乗れる希少な銘柄と言えます。

エフオンの詳細はみんかぶで確認できます。



エフオン (
9514) : 株価/予想・目標株価 [EF-ON] – みんかぶ


エフオン (9514) 今日の株価、予想(AI株価診断など)、チャート推移、ニュース、その他にも今後の見通しや買い時・売り


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銘柄3:テスホールディングス(5074)— エネルギーソリューションのオールラウンダー

3社目はテスホールディングス(証券コード5074)です。2021年に東証一部(現プライム市場)に上場した比較的新しい銘柄で、エネルギー・環境ソリューションのEPC(設計・調達・建設)事業と、自社での発電所運営を組み合わせたユニークなビジネスモデルを展開しています。

テスホールディングスのセグメントは大きく分けて、再生可能エネルギー系設備のEPC、省エネ系EPC、そして自社のエネルギーサプライ事業に分かれます。注目すべきは、自社で太陽光発電所やバイオマス発電所を取得・運営し、保有件数と容量を着実に増やしている点です。これにより、安定した売電収入が積み上がっています。

さらに、自家消費型の「オンサイトPPA」モデルにも積極的で、顧客企業の敷地内に太陽光発電設備を設置し、長期契約で電力を供給する事業を拡大中です。電気代が上がるほど、PPA契約の経済合理性が増すため、案件獲得が加速しやすい構造になっています。

2026年6月期中間決算では、売上高が前年同期比50.1%増の270.43億円、営業利益は同35.8%増の32.72億円と大幅な増収増益を達成しています。エネルギーサプライ事業における大型発電所の稼働開始や、オンサイトPPAモデルの拡大が業績を牽引している格好です。

データセンター向け電力需要の急増という追い風もあり、再エネ系設備のEPCでは蓄電システム案件の増加により売上が大きく伸長しています。テスホールディングスは、再エネ・省エネ・蓄電池のトリプルテーマで物色される可能性のある銘柄です。

詳細はみんかぶで確認できます。



テスホールディングス (
5074) : 株価/予想・目標株価 [TESS Holdings] – みんかぶ


テスホールディングス (5074) 今日の株価、予想(AI株価診断など)、チャート推移、ニュース、その他にも今後の見通しや


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銘柄4:ウエストホールディングス(1407)— 太陽光開発の最大手から蓄電所事業へ

4社目はウエストホールディングス(証券コード1407)です。日本国内における太陽光発電開発の最大手の一角を担う企業で、近年は系統用蓄電所事業へと事業領域を拡大しています。

ウエストホールディングスは、公共・産業用の太陽光発電システムの設計・施工・販売・運用保守(O&M)をワンストップで提供しています。FIT制度に依存しない非FIT太陽光発電所の開発にも積極的で、JR九州や大阪ガスといった大手企業と組んだ共同開発事業も進めています。線路沿いの遊休地などを活用した再エネ電源の開発から活用までを一貫して手がける独自のスキームが特徴です。

近年とくに注目されているのが、系統用蓄電所事業への展開です。2024年に系統用蓄電所事業を開始し、2025年4月にはTMEIC(東芝と三菱電機の合弁会社)と業務提携を発表しました。蓄電システムやエネルギーマネジメントシステムの提供を受けつつ、自社で蓄電所を開発するスキームです。広島県安芸高田市での34MWhの系統用蓄電池プロジェクトや、グリッドとの協業による2027年度までの800MWh開発計画など、大型案件が次々と動いています。

業績面では、2026年8月期通期で営業利益を前期比31.6%増の113.76億円と予想しており、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しです。三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のMUFGファイナンス&リーシングと組んだ企業向け太陽光導入支援サービスもスタートしており、金融機関との連携によるビジネス拡大も加速しています。

太陽光・蓄電所・PPAという複数の成長領域を持つウエストホールディングスは、エネルギー転換期の中核的な投資対象のひとつと言えるでしょう。

詳細はみんかぶで確認できます。



ウエストホールディングス (
1407) : 株価/予想・目標株価 [West Holdings] – みんかぶ


ウエストホールディングス (1407) 今日の株価、予想(AI株価診断など)、チャート推移、ニュース、その他にも今後の見通


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銘柄5:イーレックス(9517)— 独立系新電力のパイオニア

最後にご紹介するのが、イーレックス(証券コード9517)です。プライム市場に上場する独立系新電力のパイオニアで、特定規模電気事業者(PPS)として大型工場やオフィスビル、中小工場、スーパーマーケットなどに電力を供給しています。

イーレックスの最大の強みは、自社でバイオマス発電所を複数保有している点にあります。土佐発電所、佐伯発電所、豊前発電所、大船渡発電所、沖縄発電所、糸魚川発電所など、国内に多数の発電拠点を持ち、パームヤシ殻(PKS)を主燃料とする独自のバイオマス発電ノウハウを蓄積してきました。さらに、ベトナムやフィリピンで大規模な植物燃料生産にも乗り出しており、燃料の自社調達体制を構築しつつあります。

電力卸売事業も手がけており、JEPX(日本卸電力取引所)での電力トレーディングや燃料調達も収益の柱となっています。電気代の市場価格が変動する局面では、トレーディングによる収益機会が拡大する可能性があります。

2026年3月期決算では、売上高が微減となるなかでも、営業利益は前年比5.3%増、税引前利益は41.8%増、親会社株主に帰属する当期利益は151.7%増と、大幅な増益を達成しています。電力小売事業での減収を、国内発電所の安定稼働や燃料販売の増加などでカバーし、収益性が大きく向上した格好です。

ベトナムでは、2035年までに出力5万〜13万キロワットのバイオマス発電所を20基以上新設するという壮大な計画も発表しており、海外展開によるさらなる成長余地も期待されます。

詳細はみんかぶで確認できます。



イーレックス (
9517) : 株価/予想・目標株価 [eREX] – みんかぶ


イーレックス (9517) 今日の株価、予想(AI株価診断など)、チャート推移、ニュース、その他にも今後の見通しや買い時・


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5銘柄の比較とポイント

ここまで5社をご紹介してきましたが、それぞれの位置付けを整理しておきましょう。

グリムスは「電気代を下げるサービス」と「電力を売る事業」の二刀流で、電気代上昇の最も直接的な恩恵を受けるビジネスモデルです。エフオンはバイオマス発電のFIT安定収益+省エネ支援の成長性という組み合わせ。テスホールディングスはエネルギーソリューションのオールラウンダーで、PPAや蓄電池まで含めた幅広い対応力が強み。ウエストホールディングスは太陽光発電の規模感と、系統用蓄電所への事業展開で、エネルギー転換のメインプレーヤー。イーレックスは独立系新電力のパイオニアで、バイオマス発電の燃料調達からトレーディングまでを統合したユニークな存在です。

5社に共通するのは、いずれも「電気代の上昇が事業環境にとってマイナスではなく、むしろチャンスになっている」という点です。家計にとっての逆風が、これらの企業にとっては追い風となる構造を理解することが、電気代インフレ時代の投資戦略の第一歩になります。

第5章:投資判断のための注意点とリスク

ここまで電気代上昇で恩恵を受ける銘柄群をご紹介してきましたが、投資にあたっては当然ながらリスクも存在します。ここでは、見落としがちな注意点を整理しておきます。

リスク1:政策変更リスク

エネルギー関連銘柄の業績は、政府の政策に大きく左右されます。FIT制度の買取価格は毎年見直されており、新規認定の単価は年々低下しています。再エネ賦課金の急増を抑えるために、FIT制度そのものの設計変更も検討されています。地上設置型の太陽光発電については、補助金の停止や認定基準の厳格化といった動きもあり、不適正事業者の淘汰が進んでいます。

電力小売の自由化制度や、容量市場、需給調整市場といった市場制度も、頻繁に見直しが行われています。こうした制度変更が業績に直接影響するため、エネルギー関連銘柄に投資する際は、関連政策の動向に常にアンテナを張っておく必要があります。

リスク2:燃料価格と為替の変動

バイオマス発電にとっては燃料となる木材チップやPKSの価格、火力発電にとっては原油・LNG・石炭の価格が業績を左右します。さらに、これらの原材料の多くは海外から輸入されるため、円安が進むと調達コストが上昇します。LNG価格の急騰や円安進行が起こった場合、燃料費調整制度で価格転嫁できない事業者や、長期契約での売電価格が固定されているFIT事業者は、収益が圧迫される可能性があります。

リスク3:需給バランスの変動と出力抑制

再エネの普及が進むと、晴天時の昼間など、太陽光発電の出力が需要を上回ってしまう局面が増えてきます。この場合、電力会社からの指令で発電を強制的に止める「出力抑制」が発生し、売電収入が減少します。九州エリアや東北エリアでは出力抑制の発生回数が増加傾向にあり、今後さらに増える可能性があります。

リスク4:金利上昇による資金調達コスト

再エネ発電事業は大型の設備投資を伴うため、多くがプロジェクトファイナンスや借入で資金を賄っています。金利が上昇すると、資金調達コストが増加し、新規プロジェクトの採算性が悪化します。日銀の利上げ局面では、再エネ事業者の財務負担が増す点に留意が必要です。

リスク5:企業特有のリスク

個別企業のリスクとして、バイオマス発電事業では設備トラブルによる稼働停止リスク、太陽光発電事業では災害リスク(台風や豪雨による損壊)、新電力事業では卸電力市場の価格急騰による調達コスト上昇リスクなど、それぞれのビジネスモデル特有のリスクがあります。

たとえばかつての日本ガイシのように、長年成長戦略の柱としてきた大容量蓄電池「NAS電池」事業からの撤退を発表するといった大きな経営判断の変更もあり得ます。リチウムイオン電池の価格低下や、再エネ普及による昼夜価格差の縮小といった外部環境の変化により、有望と見られていた技術が一夜にして陳腐化するリスクもあるのです。

投資戦略としての「分散」と「長期視点」

こうしたリスクを踏まえると、エネルギー関連銘柄への投資は、ひとつの銘柄に集中するのではなく、複数の銘柄に分散することが基本となります。さらに、エネルギー転換は10年、20年単位の長期テーマであり、短期的な株価変動に一喜一憂せず、長期的な視点で保有し続けることが重要です。

また、エネルギー関連だけにポートフォリオを集中させるのではなく、ディフェンシブ銘柄(生活必需品、医薬品、通信など)や、価格転嫁力の強い消費関連銘柄、グローバル展開する商社株なども組み合わせることで、インフレ環境下でもバランスの取れたポートフォリオを構築できます。

インフレに強い銘柄の総合的な解説については、PayPay証券のメディアが参考になります。



「インフレに強い」+高配当日米株10選 | 資産運用の 1st STEP


最近、さまざまなモノの値段が上がる「インフレ(物価上昇)」を実感することが増えた…


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SBI証券のレポートも、インフレ・金利上昇局面で保有したい銘柄について詳しく解説しています。



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第6章:データセンターブームという新たな追い風

ここで、電気代上昇関連銘柄にとって追加的な追い風となっている新しいテーマについて触れておきましょう。それが、生成AIの普及によるデータセンターの電力需要急増です。

AIデータセンターの電力消費量

ChatGPTに代表される生成AIは、推論や学習のために膨大な計算リソースを必要とし、それを支えるデータセンターも巨大化しています。1か所のハイパースケールデータセンターの消費電力は、数万世帯分から数十万世帯分にも及ぶと言われています。日本国内でも、北海道や九州、関西を中心に大型データセンターの建設計画が相次いでおり、これらが稼働すれば日本全体の電力需要を押し上げる要因となります。

電力需要の増加は、当然ながら電力会社の収益機会となるだけでなく、発電容量を提供できる再エネ事業者、安定電源を持つバイオマス発電事業者、需給調整に貢献できる蓄電池事業者にとっても大きな追い風となります。マネックス証券のコラムでも、AIデータセンターの普及で電力のピーク・ボトムの変動が大きくなっており、これが系統電力向け蓄電池や蓄電所の需要増に弾みをつけるという見方が紹介されています。



【日本株】拡大が見込まれる系統用蓄電池ビジネス | 和島英樹の発掘!注目株 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア


再生可能エネルギーの比率は拡大中。再エネに必要不可欠な「系統用蓄電池」。市場規模は2024年から2030年で9.4倍との予


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再エネ100%電力の需要

さらに重要なのが、大手IT企業やグローバル企業が、自社の使用電力を100%再エネで賄うという目標(RE100)を掲げている点です。マイクロソフト、グーグル、アマゾン、アップル、メタといったハイパースケーラーは、データセンターで使う電力を再エネで調達するため、PPA契約を通じて再エネ電源を確保しようと動いています。

この動きは、日本の再エネ事業者にとっても大きな商機を意味します。非FIT太陽光発電やバイオマス発電、風力発電など、長期契約で安定的に再エネを供給できる電源を持つ事業者は、ハイパースケーラーとのPPA契約を獲得することで、長期にわたる安定収益を確保できる可能性があります。

ウエストホールディングスやテスホールディングスが自家消費型PPAやオンサイトPPAに力を入れているのは、まさにこの長期的な追い風を取り込もうとしている戦略の表れと言えるでしょう。

第7章:個人投資家としての賢い向き合い方

ここまで電気代インフレ時代の物色テーマと注目銘柄を解説してきました。最後に、個人投資家としてこれらの情報をどのように活用していくか、実践的な視点でまとめておきます。

自分の電気代から始まる「観察」

最も重要なのは、自分自身の電気代の請求書から経済を観察するという習慣を持つことです。毎月送られてくる電気代の請求書には、基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金といった項目がしっかり記載されています。これらの数字がどのように動いているか、自分の家計で実体験しながら追っていくことで、エネルギー業界の動きが肌感覚でわかるようになります。

ENEOSパワーのコラムでは、電気代が上がる要因と今後の予想について詳しく解説しています。家計と投資の両方の視点で、こうした情報を継続的にチェックする習慣を持つことが大切です。



【2026年】電気代は値上げする?高くなる要因や今後の予想、節約術も紹介|ENEeee!マガジン|ENEOS Power株式会社


「今年の電気代はどうなるんだろう……」と不安を感じている方は少なくないでしょう。この記事では、2026年の電気代の値上げ状


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業界専門メディアを定期的にチェック

エネルギー業界の動向を追うには、業界専門のメディアやニュースサイトを定期的にチェックすることが有効です。電力比較サイトのエネチェンジ、太陽光・蓄電池の専門サイトのセレクトラ、太陽光発電業界のニュースサイトなど、専門メディアは個別事業者の動向や政策の変更を素早くキャッチアップしています。

セレクトラの解説記事は、毎月の電気料金動向を細かく追っていて参考になります。



【2026年】電気代の値上げどのくらい? 4月・5月・6月で変わる3つの要因と金額


2026年春、補助金終了や再エネ賦課金の値上がりにより電気代が段階的に上昇します。4月・5月・6月と続く負担増の理由と、世


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企業ごとの開示資料を読む

注目している企業については、四半期ごとの決算短信や中期経営計画、IR資料を実際に読んでみることをおすすめします。エネルギー関連銘柄は事業構造が複雑で、セグメントごとに収益性や成長性が大きく異なります。会社が公表している資料を読み込むことで、「テーマ買い」ではなく「ファクトベースの投資判断」ができるようになります。

NIKKEI COMPASSなどの企業情報データベースを活用すると、各社の事業内容や業界での位置付けを効率的に把握できます。



NIKKEI COMPASS サービス終了のお知らせ



www.nikkei.com

テーマ分散と銘柄分散

冒頭でも触れましたが、エネルギー転換は10年、20年単位の長期テーマです。短期的な株価変動に振り回されず、複数のテーマ(省エネ、再エネ、蓄電、燃料)と複数の銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら長期的なリターンを狙うことができます。

たとえば、グリムス(省エネ+電力小売)、エフオン(バイオマス+省エネ)、ウエストホールディングス(太陽光+蓄電)、イーレックス(バイオマス+電力卸売)、テスホールディングス(オールラウンダー)という5銘柄のように、それぞれが異なるビジネスモデルを採用している企業を組み合わせることで、特定の事業リスクが顕在化しても、ポートフォリオ全体への影響を限定的に抑えることができます。

中長期保有とリバランス

エネルギー転換は短期的な株価変動を伴いながらも、構造的な需要拡大が続く長期テーマです。一度買って終わりではなく、定期的にポートフォリオを見直し、業績や事業環境の変化に応じてリバランスを行うことが望ましいです。とくに、業績が想定を下回り続けたり、政策の変更で事業モデルが大きく毀損したりした場合は、躊躇せずに売却して別の銘柄に乗り換える判断も必要です。

第8章:まとめ — 電気代の見方が変わると、投資の景色も変わる

長い記事をここまで読んでくださって、ありがとうございました。最後に、この記事の要点をまとめておきます。

電気代は今、構造的に上昇するフェーズに入っています。燃料費調整制度を通じた燃料価格の転嫁、再エネ賦課金の累増、政府補助金の終了、そして将来的にはデータセンター需要の急増による電力ひっ迫といった複数の要因が重なり、家計にとっての電気代負担は今後も増えていく可能性が高い状況です。

しかし、視点を変えれば、この値上がり分は誰かの収益になっています。発電する企業、燃料を調達する商社、太陽光や蓄電池を売る企業、そして電気代を下げるサービスを提供する企業。これらの企業群は、家計が感じる「逆風」を「追い風」に変えて業績を伸ばしている、いわば「電気代インフレの勝ち組」です。

今回ご紹介した5銘柄、すなわちグリムス、エフオン、テスホールディングス、ウエストホールディングス、イーレックスは、いずれも電気代上昇というテーマに対して独自の事業モデルで応えている企業群です。すべての銘柄が必ず値上がりすると保証することはできませんが、エネルギー転換期の長期テーマに乗る上で、押さえておきたい候補となるでしょう。

投資は自己責任ですが、自分の家計から見える経済現象を、投資のヒントとして読み解いていく姿勢は、生涯にわたる資産形成において大きな武器になります。電気代の請求書を眺めながら「なるほど、この値上がりはあの会社の売上になっているんだな」と想像できるようになれば、もはやあなたは単なる電気の消費者ではなく、エネルギー経済の観察者であり、投資家なのです。

電気代の上昇は、もちろん家計にとっては痛いことです。しかし、その痛みの裏側で動いている巨大な経済の流れを理解し、自分のポートフォリオに取り込んでいけば、家計のキャッシュアウトを資産形成のキャッシュインに変えることもできるはずです。

最後に、本記事で参考にした主な情報源を改めてまとめておきます。継続的な情報収集の起点としてご活用ください。

資源エネルギー庁の燃料費調整制度のページです。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/

資源エネルギー庁の料金の仕組みの解説ページです。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/supply/

資源エネルギー庁のVPP・DR解説ページです。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html

エネチェンジの電気代値上げ情報ページです。



【2026年6月】電気代の値上げ最新情報まとめ!電気料金は今後いくら高騰する? | 電力・ガス比較サイト エネチェンジ


電気代の値上げに関する最新情報をまとめました。「今月の電気代は値上げ?値下げ?」「2026年の各電力会社の料金はどう変わる


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燃料価格の高騰は、燃料費調整額として電気料金に影響を与えます。しかし、実際にどの程度、電気料金に影響をおよぼしているかはあ


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大阪ガスのLNG価格見通しコラムです。



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2026年の原油・LNG価格見通しと地政学リスクの影響について考察します。Daigasエナジーの低・脱炭素ソリューション


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VPP(バーチャルパワープラント)とは、太陽光発電や蓄電池など分散型エネルギーを統合し、電力需給を最適化する仕組みです。本


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株式テーマ「バイオマス発電」に関連する銘柄一覧です。このテーマに関連する85銘柄の株価、前日比、関連度を掲載しています。バ


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SBI証券の2026年有望銘柄レポートです。



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あなたの電気代の請求書が、明日からは「ただの請求書」ではなく「経済の縮図」として見えてくることを願っています。電気代の値上げを「ピンチ」で終わらせるか、「チャンス」に変えるか。その分かれ目は、情報を集めて自分の頭で考え、行動に移せるかどうかにかかっています。

本記事は投資の参考情報として作成したものであり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。実際の投資判断にあたっては、最新の決算情報や事業環境を必ずご自身でご確認のうえ、自己責任で行ってください。市場には常にリスクが伴います。失っても生活に支障のない範囲の資金で、慎重に投資を進めていただければと思います。

それでは、皆さまの投資ライフが実りあるものになりますように。

マーケットアナリスト
マーケットアナリスト
電気代が上がるとに関する論点は、表面的なニュースよりも需給と業績変化のシグナルを丁寧に読むことが先決ですね。本記事の中心銘柄3150は注目に値します。
銘柄コード テーマ関連性 備考
3150 「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時関連 本記事で言及
9514 「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時関連 本記事で言及
5074 「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時関連 本記事で言及
1407 「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時関連 本記事で言及
9517 「電気代が上がると、実は儲かる株」をご存知ですか?インフレ時関連 本記事で言及
本記事で言及された銘柄一覧(コード→株探にリンク)
投資リサーチャー
投資リサーチャー
「電気代が上がると、実は儲かるという切り口は、決算と株価の乖離を埋める要因として扱える時間軸が肝です。ポジションを取る前に、まず判断材料の整合性を確認しましょう。

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この記事を書いた人

「日本個別株デューデリジェンスセンター」運営者。日本の個別株に特化した投資リサーチを専門とし、銘柄分析・企業デューデリジェンス・業界動向・IPO分析を中心に2,800本超の分析レポートを執筆。ファンダメンタルズ分析とデータドリブンなアプローチで、個人投資家の意思決定をサポートしています。毎日更新の分析レポートを通じて、プロ水準のリサーチを個人投資家に届けることをミッションとしています。

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