4月24日は運命の日 決算ラッシュで個人投資家が絶対にやってはいけない3つの行動

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この記事のポイント
  • 4月24日の決算ラッシュで個人投資家がやってはいけない3つの行動
  • 決算前夜に耳を塞ぐべきノイズと注視すべきシグナル
  • 保有銘柄・未保有銘柄・判断不能時の3パターン別対応策
  • 2018年の失敗体験から学ぶ決算トレードの教訓

決算発表の前後で口座を溶かさないために、私が自分に課している3つの禁止事項をお伝えします。

4月24日、私のスマホが震え出す前に

嫌な予感がする時の、あの胃の底が冷える感覚があります。

決算発表の前日、夜の寝つきが悪くなる。寝る直前にもう一度板を見てしまう。朝起きて、起動する前のスマホ画面を何秒か見つめてしまう。

これを読んでくださっている方の中に、同じ感覚を知っている方はきっといるはずです。

私も同じでした。というより、今でも完全には消えていません。ただ、以前ほど胃が痛まなくなった理由はひとつだけです。やってはいけないことを3つ決めた、それだけです。

4月24日、日本の決算シーズンが本格化します。翌週にかけて主要企業の発表が続き、その前後で個別株は大きく動きます。この時期、個人投資家の口座には2種類の動きが起こります。ひとつは、短期間で資産が増える動き。もうひとつは、短期間で資産が溶ける動きです。

どちらが多いか。私の観測範囲では、圧倒的に後者です。自分の周囲の話に限らず、自分自身の過去の履歴を見ても、決算を跨いだトレードで勝ち越した記憶はあまり残っていません。負けた記憶の方が、ずっと鮮明に残っています。

この記事では、まず決算期に飛び交う情報のうち、何を無視して何を見るかを整理します。次に、なぜ決算で個人投資家が不利になるのか、その構造を私なりの言葉で解きほぐします。最後に、私が自分に禁じている3つの行動と、その代わりにやっていることをお渡しします。

煽るつもりはありません。決算ラッシュは祭りではなく、観察すべき時間です。その姿勢をお渡しするのが、この記事の目的です。

決算前夜、私が耳を塞ぐものと、目を離さないもの

決算シーズンに入ると、SNSもニュースアプリも騒がしくなります。このノイズの中で、私が意識的に聞き流しているものが3つあります。

ひとつめは、「○○は決算で跳ねる」系の予想屋の声です。これは多くの場合、焦りと期待を同時に刺激してきます。自分が持っていない銘柄が挙げられていれば「乗り遅れたくない」と感じ、持っている銘柄が挙げられていれば「やはり自分の判断は正しかった」と自信を強めます。どちらの感情も、決算前に増やしていい感情ではありません。予想が当たるかどうかは誰にも分からず、過去に同じ予想を信じてポジションを積んだ結果を思い出せば、静かに距離を置けるはずです。私は何度もこれで痛い目に遭いました。

ふたつめは、決算直前にバズる「サプライズ銘柄」の話題です。これは取り逃し恐怖を誘発します。発表前日や当日にSNSで急に話題になる銘柄ほど、すでに材料を織り込んで期待値が膨らみきっている状態であることが多い。そこから買っても、上振れの余白は小さく、下振れの余地は大きい。昔の私は、この話題の中心にいた銘柄をよく買っていました。結果は想像の通りです。

みっつめは、決算直後のリアルタイム反応です。発表直後の数十分、SNSには一次情報の整理が済まないまま感情だけが走ります。「爆上げ来た」「これは買い」「ガイダンス最高」といった短い言葉が一気に流れる。この時間帯にチャートを追い、板を見て、注文画面を開くのは、自分の感情を市場のボラティリティに同期させる行為です。何も考えられなくなります。私はこの時間、意識的にアプリを閉じるようにしています。

では、何を見るのか。私が注視しているシグナルも3つあります。

ひとつは、決算発表の予定そのものです。いつ、どの企業が出すのか。自分の保有銘柄と、保有を検討している銘柄の発表日を事前に把握しておきます。これは各社のIRページか、適時開示の検索サイトで確認できます。確認頻度は週に一度で十分です。この作業をしないまま決算を迎えると、事前にポジションを調整できません。

ふたつめは、会社予想とアナリスト予想のレンジです。発表される数字そのものより、事前の予想に対して上か下かで株価は動きます。日経電子版やQUICKなどで、コンセンサス予想を確認しておきます。自分の保有銘柄については、最低限、前回の予想がどうだったかを記憶に残しておく。これが後述するシナリオ分岐の前提になります。

みっつめは、ガイダンス、つまり会社が出す来期の見通しです。決算で株価を動かすのは、過去の数字よりも未来の数字です。日本企業は慎重なガイダンスを出す傾向があるため、強気か弱気かの読み方には癖があります。私はこの読み方を何度も間違えてきましたが、それでも見ないよりは見た方がマシです。発表資料のPDFで、通期見通しと第1四半期の着地見込みを確認します。

ノイズとシグナルの違いは、動かされるのが自分の感情か、自分の判断か、その一点にあります。

マーケットアナリストマーケットアナリスト
決算発表当日に最も危険なのは「サプライズ決算への飛び乗り」です。好決算でも寄り付き天井になるケースは非常に多い。最低でも前場の値動きを確認してから判断すべきです。
状況やるべきこと絶対にやらないことチェック指標
保有銘柄の決算前撤退ラインを事前に書き出す直前にポジション増加コンセンサス予想との乖離
未保有で決算後に入りたい翌日の出来高と値動きを観察寄り付き成行で飛び乗り出来高の持続性
判断がつかない何もしない(現金維持)SNSの煽りで衝動売買自分の感情の温度
目次

なぜ決算で個人投資家の口座が溶けるのか

ここからは、私なりの解釈です。事実と解釈を分けて書きます。

まず事実として、決算発表の前後は個別株のボラティリティが平常時の数倍になります。これは統計的に観測できる現象で、オプション市場のインプライドボラティリティ、つまり予想変動率の上昇として現れます。日経225採用銘柄でも、決算跨ぎで10%を超えるギャップが出ることは珍しくありません。

次に事実として、決算発表は取引時間外に出ることがほとんどです。日本株なら大引け後、米国株なら寄り付き前か引け後。つまり、発表直後に自分で注文を出しても、翌営業日の寄りまで約定しません。この時間差の中で、板は大きく動きます。

ここから先は私の解釈です。

決算で個人投資家が不利になる理由は、時間と情報の非対称性にあると、私は見ています。機関投資家は発表資料をプログラムで読み込み、分単位で判断します。個人は、決算短信を開いてから要約サイトを見て、SNSを確認して、そこから動きます。この時間差で、動ける価格はすでに動き終わっています。

しかも、決算発表直後に出回る情報は、ほとんどが感情の増幅装置として機能します。「好決算」「上方修正」「ガイダンス慎重」といった短い言葉が、数字の文脈を飛ばして流通する。この言葉を見て注文を出すと、自分が何を買って何を売ったのかを後で説明できなくなります。

私はこう見ていますが、前提があります。それは、自分が超短期のトレーダーではない、という前提です。もし秒単位、分単位で決算を捌ける環境と技術があるなら、話は変わります。ただ、多くの個人投資家、特に私のように本業を別に持つ人間にとって、その土俵で勝ちに行くのは無理があります。

この前提が崩れるなら、つまり自分が専業で、板に張り付ける環境があるなら、以下の話は読み飛ばして構いません。本職のトレーダーと張り合うつもりのない、普通の個人投資家向けの話です。

ここから導かれる構えは、ひとつだけです。決算は賭ける時間ではなく、観察する時間として過ごす。これが、私がこの何年かで辿り着いた結論です。

あなたが今、どこに立っているかで動きは変わる

決算シーズンの自分の状況によって、やるべきこととやってはいけないことは変わります。3つの場面を想定します。

既に保有している銘柄が決算を迎える場合

これが最も多いパターンです。含み益の銘柄もあれば、含み損の銘柄もあるはずです。

やることは、ポジションサイズの確認です。その一銘柄で、口座全体の何%を占めているか。仮に決算ギャップで20%下落したら、口座全体で何%の損失になるか。この数字を計算します。答えられなかったら、それは考えるべきサインです。

やらないことは、「せっかくだから買い増し」です。決算直前の買い増しは、自分の見立てに対する自信のオーバー表現であることが多い。私も何度もやりましたが、後から振り返って正解だったと思える回数は、片手で数えられる程度です。

チェックするのは、決算発表日と、会社予想に対する市場期待の温度感です。期待が高すぎる銘柄は、好決算でも売られることがあります。

まだ保有していないが、決算を機に入りたい銘柄がある場合

これは一番危ない場面です。発表前に入るか、発表後に入るか、どちらを選んでも不利になりやすい。

やることは、発表を跨がずに待つことです。決算後の初動が落ち着いた、翌日以降の動きを見てから判断する。好決算なら翌日以降も上がり続けることがありますし、落ち着きどころが見えてからでも遅くはありません。

やらないことは、発表直前の一括エントリーです。これは完全にギャンブルです。私はこれで何度も退場寸前まで追い込まれました。

チェックするのは、過去の決算での株価反応履歴です。同じ銘柄でも、前回、前々回の決算でどう動いたかを見ると、期待値の吸収パターンが見えます。

相場全体が過熱していて、どうしていいか分からない場合

決算ラッシュの時期は、相場全体が騒がしくなります。個別銘柄の話題に引きずられて、自分の判断軸がぶれる。

やることは、ポジションを増やさないことです。「動かない」という判断も、立派な判断です。

やらないことは、焦って銘柄を回転させることです。手を出してはいけない時期に手を動かすと、手数料と税金だけが増えていきます。

チェックするのは、自分のメンタルです。チャートを開く回数が増えている、SNSを見る時間が増えている、寝つきが悪い。これらは自分の判断が市場のノイズに引きずられ始めているサインです。

この3つの場面のどれに自分が近いか、まず確認してください。私は今、ひとつめと三つめの間にいます。保有銘柄の決算を迎えつつ、相場全体の過熱感に引きずられないよう意識している状態です。

2018年の夏、私は決算の直前に全額突っ込んだ

ここからは、私の失敗の話をします。今でも思い出すと、胃が重くなります。

2018年、夏の終わりのことでした。当時、私はある中型の成長株を追いかけていました。業績の伸びが続いており、SNSでも有名な投資家が強気の発言を繰り返していた銘柄です。四半期決算の発表が数日後に迫っており、私は「ここは入るしかない」と考えていました。

判断の材料は3つありました。前四半期の数字が強かったこと。同業他社のガイダンスが強気だったこと。そしてSNSで、いわゆる有名アカウントが「決算で跳ねる」と断言していたこと。今振り返れば、3つ目が自分の判断に一番大きく影響していました。

発表前日、私は一括で買いました。しかも、いつもの自分のサイズの3倍近くを突っ込みました。理由は単純で、「ここで小さく入っても勝ってもリターンが小さい」と考えたからです。勝つ前提で、サイズだけを膨らませた。買い注文のボタンに指を置いた時、頭の中では「これで夏のボーナスが2つ分増える」と皮算用していました。恥ずかしい話ですが、本当のことです。

翌日の決算発表は、売上は予想を上回り、利益も微増でした。数字だけ見れば悪くない内容です。しかし、ガイダンスが市場期待に届かず、さらに一部の事業で来期への慎重なコメントが出ました。

発表直後、PTS、つまり時間外の私設取引で、株価は一気に下に走りました。時間外で10%安。寝る前に確認した時点で、含み損は口座全体の15%を超えていました。

その夜は眠れませんでした。朝方に一度浅く眠って、起きた時には汗をかいていました。翌日の寄り付きは、PTSの価格からさらに3%下。そこで損切りしました。損切りの注文を出した瞬間、手が震えていたのを覚えています。

結果として、その一回の決算トレードで、私はそれまで半年かけて積み上げた利益を全部吐き出しました。税金のことを考えれば、半年以上の時間が無駄になった計算です。

何が間違いだったのか。今から整理すると、こうです。

判断そのものは、半分は正しかったと思います。その銘柄が悪い会社だったわけではありません。事実、その後1年かけて元の水準を取り戻しました。

問題はサイズでした。決算を跨ぐ、つまり短期間で20%動きうる局面に、自分の許容範囲を超えたサイズで入った。これが全てです。

問題はタイミングでもありました。発表前日という、最もボラティリティが高まる瞬間にポジションを膨らませた。観察者でいるべき時間に、当事者として参加してしまった。

問題は情報の読み方でもありました。自分で決算資料を読む前に、他人の予想を自分の確信として取り込んでいた。SNSの有名アカウントが当たる確率は、コインを投げるのと大差ありません。でも、当時の私はそれを信じていました。いや、信じたかった、の方が正確です。

今でも、あの夏の夜のことを思い出すと、胃の底が冷えます。完全には消えていません。ただ、消さないようにもしています。消えてしまったら、同じことをまた繰り返す気がするからです。

この失敗があったから、私は今、3つのルールを自分に課しています。それが次の話です。

決算を観察者として迎えるための、私の準備

抽象論ではなく、数字で話します。ただし、私の数字であって、あなたの数字ではありません。ここから先は、自分の資金量と許容範囲に合わせて調整してください。

禁止事項1:決算発表の直前にポジションを増やさない

具体的なルールは、決算発表の3営業日前から、その銘柄のポジションを一切増やさない、です。新規エントリーも、買い増しも、ナンピンもしない。ここは機械的に守ります。

なぜ3営業日前なのか。発表前のボラティリティ上昇が、だいたいこのタイミングから観測されるからです。2営業日前でも1営業日前でも、自分が守れるなら構いません。私は余裕を持って3営業日にしています。

この時期に強い買い衝動が出たら、それは自分が情報に興奮しているサインだと解釈します。興奮している時の判断は、例外なく悪いです。これは何度も確認しました。

禁止事項2:決算後の寄り付きで飛び乗らない

発表後の寄り付きで追いかけるのも、禁止しています。好決算で寄り天、悪決算で寄り底、このどちらも個人投資家が最も掴まされやすいパターンです。

代わりにやっているのは、発表から最低1営業日、できれば2営業日、値動きを観察することです。寄り付きから引けまでの動き、翌日の続伸か反落か、出来高の推移、この3つを見てから判断します。

「せっかくの好決算を逃していないか」と感じることもあります。正直、ここは私も迷います。実際、逃すこともあります。ただ、飛び乗って掴まされるダメージと、取り逃す機会損失を比べたら、前者の方が圧倒的に大きい。これは過去の自分の記録を見れば明らかでした。

禁止事項3:SNSや予想屋の声をポジションの根拠にしない

これが一番難しいルールです。完全にシャットアウトするのではなく、ポジションを取る理由として使わない、というルールです。情報収集として見るのは構いません。判断の根拠にしないだけです。

具体的には、ポジションを取る前に、自分が買う理由を1文で書き出します。その1文に他人の名前が入っていたら、ポジションは取りません。「○○さんが強気と言っていたから」「○○というアカウントが推奨していたから」は、根拠ではなく感情の言い訳です。

資金配分の目安

現金比率は、決算ラッシュの時期、40〜60%を目安にしています。平常時が30〜50%なので、10ポイント分、現金側に寄せます。これは、決算で動いた後の機会に対応するためであって、恐怖で現金化しているわけではありません。

個別銘柄のポジションサイズは、1銘柄あたり口座の5〜10%までに抑えています。決算跨ぎで20%動いても、口座全体では1〜2%の変動に収まる設計です。2018年の私は、この計算を全くしていませんでした。

新規エントリーは、決算後の初動が落ち着いてから、2〜3回に分割します。1回目で計画サイズの3分の1、2回目でさらに3分の1、3回目で残り。間隔は最低3営業日空けます。一括で入ると、入った直後に逆行した時に身動きが取れなくなります。

撤退基準の3点セット

撤退のタイミングは、3つの基準のどれかに触れたら、機械的に降ります。

価格基準は、決算発表前から保有していた銘柄なら、直近安値を明確に割り込んだら。新規で入った銘柄なら、エントリー価格から8〜10%下落したら、一度降ります。8〜10%というレンジにしているのは、銘柄のボラティリティによって適切な数字が違うからです。

時間基準は、新規エントリーから3〜4週間経っても想定した方向に動かないなら、一度降ります。動かない銘柄にポジションを置き続けると、別の機会を逃します。機会損失は、見えない損失ですが損失です。

前提基準は、先ほど解釈の箇所で置いた前提、つまり「自分が超短期トレーダーではない」が崩れる時、この戦略自体を見直します。今のところ、本業を辞めてトレーダーになる予定はないので、この前提は当面変わりません。

初心者への救命具

ここまで読んで、どの数字を自分に当てはめていいか迷ったら、最もシンプルな対処法をお伝えします。

判断に迷ったら、ポジションを半分にしてください。間違えてもダメージが半分になります。迷いは市場からのサインです。

決算ラッシュの時期、この一文だけでも覚えていただけたら、この記事を書いた意味があったと思います。

「決算は最大のチャンスでは?」という声に、私はこう答えます

ここまで読んでくださった方の中には、こう感じた方がいるかもしれません。

「それはあまりに守りすぎではないか。決算は年に4回しかない最大の機会で、ここを捨てるのは機会損失ではないか」

この指摘は、もっともです。実際、決算を正確に読めれば、短期間で大きなリターンを得られる可能性はあります。専業のトレーダーや、特定の業界に深い知識を持つ人にとって、決算期は確かに収穫期です。

ただ、ここには条件があります。

決算を機会にできる人は、自分が何を読んで判断しているかを、発表前に言語化できる人です。売上の前年比、営業利益率の変化、セグメント別の伸び、ガイダンスの読み方、過去の決算での株価反応パターン、これらを数字で言える。そういう人にとって、決算はチャンスです。

これができない人にとっては、決算はチャンスではなく、ただのボラティリティです。50%の勝率に、高いボラティリティが掛け合わさると、口座は短期間で大きく振られます。長期で見れば、期待値はプラスにも、マイナスにもなり得ます。

自分がどちらかを見極める、ひとつの質問があります。

直近1年の決算で、自分が事前にポジションを取った銘柄について、発表前に「何を確認すればこの判断が正しいと分かるか」を書き出せていましたか。書き出していないなら、そのポジションは確信ではなく期待で取っていたことになります。期待でポジションを取り続けると、勝率は平均に収束します。

私は、決算を読める人間ではありません。だから、観察する側に回りました。この割り切りが、私の口座を守ってきたと思っています。決算の機会を取りに行くのは、自分が決算を読めると確信できる銘柄だけです。多くの場合、それはゼロです。

私がこのルールに辿り着くまで

このルールは、最初からこの形だったわけではありません。

2018年の失敗の後、私は決算期には一切動かない、という極端な方針を取っていた時期がありました。数年間、決算前後は口座を凍結していたに近い状態です。

この方針で、大きな損失は避けられました。ただ、別の問題が起きました。保有していた優良銘柄が決算で急騰した時、買い増しのタイミングを逃し続けたのです。一方向に振り切ると、別の機会損失が発生します。

仮説を立てました。問題は決算を跨ぐこと自体ではなく、サイズと情報の扱い方だったのではないか。この仮説を3年ほどかけて検証しました。小さなサイズで決算を跨ぐ実験を、自分で記録しながら続けました。

結果として、今の3つの禁止事項に辿り着きました。決算を完全に避けるのではなく、決算を観察しながら、機械的なルールで自分を縛る。これが、今のところ私にとって最もバランスが取れている形です。

ただし、これは私のルールであって、あなたのルールではありません。あなたの資金量、リスク許容度、本業の忙しさ、投資経験、生活環境は、私のそれとは違います。このまま真似をしないでください。

自分のルールを作る時のヒントになるとすれば、3つです。

ひとつ、自分の過去の失敗を具体的に書き出す。感情も含めて。美談に変換しない。ふたつ、そこから抽出したルールを、最小の数にする。3つ以上のルールは、守れなくなります。みっつ、ルールに触れた時は機械的に動く。判断しない。判断を挟むと、感情が入ります。

ルールは、自分を信じないための装置です。自分を信じていいなら、ルールは要りません。私はそこまで自分を信じられません。

4月24日、あなたが朝いちばんに見るべきもの

長くなりました。最後に、この記事の要点を3つに絞ります。

ひとつ、決算は賭ける時間ではなく、観察する時間として過ごす。発表直前の膨張、発表直後の追撃、他人の声に乗る買い。この3つは、自分に禁じる。

ふたつ、撤退基準を先に決める。価格、時間、前提。この3つの基準のどれかに触れたら、機械的に降りる。判断を挟まない。

みっつ、迷ったらポジションを半分にする。迷いは市場からのサインです。動かないことも、立派な判断です。

4月24日、朝スマホを開いたら、まず自分の保有銘柄の決算スケジュールを確認してください。3営業日以内に決算を迎える銘柄があるなら、その銘柄のサイズが自分の許容範囲に収まっているかを見る。それだけです。新規の判断はその後で構いません。

決算ラッシュは、祭りではありません。静かに観察すれば、見えるものが増える時間です。勝ちに行く必要はありません。退場しないこと、これだけを目的にして1週間を過ごせば、その先の数年に繋がります。

私はこれからも同じように、観察者として4月24日を迎えます。

投資リサーチャー投資リサーチャー
決算前にポジションを増やす行為は、結果を知らずにダブルダウンするのと同じです。「上がりそう」という期待は、分析ではなく願望。冷静に数字を待つ姿勢が資産を守ります。

保存用チェックリスト:決算前夜に確認する7項目

  • この銘柄、自分の口座全体の何%を占めているか、答えられますか

  • 決算発表日を事前に把握していますか

  • 直前3営業日以内に、買い増しや新規エントリーを予定していませんか

  • 20%下落した場合の口座全体への影響を計算していますか

  • 自分がこの銘柄を持っている理由を1文で書けますか

  • その1文に、他人のアカウント名や予想屋の名前が入っていませんか

  • 撤退基準を価格、時間、前提の3つで設定していますか

自分に当てはめる質問3つ

  • あなたの今のポジションは、最悪のシナリオで何%の損失になりますか

  • 直近の決算で勝った銘柄、負けた銘柄、それぞれ何が判断の根拠でしたか

  • もし今、全ポジションを半分にしたら、何が変わりますか

私のミスを防ぐルール4項目

  • 決算3営業日前から、その銘柄のポジションは動かさない

  • 決算後の寄り付きでは新規に飛び乗らない

  • 買う理由に他人の名前が入ったら、ポジションを取らない

  • 迷った時は、サイズを半分にする

本記事は投資助言を目的としたものではありません。 記載された内容は筆者個人の見解であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。


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この記事を書いた人

「日本個別株デューデリジェンスセンター」運営者。日本の個別株に特化した投資リサーチを専門とし、銘柄分析・企業デューデリジェンス・業界動向・IPO分析を中心に2,800本超の分析レポートを執筆。ファンダメンタルズ分析とデータドリブンなアプローチで、個人投資家の意思決定をサポートしています。毎日更新の分析レポートを通じて、プロ水準のリサーチを個人投資家に届けることをミッションとしています。

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