超小型株ブームの甘い罠 流動性リスクを甘く見た投資家が必ずハマる3つの失敗パターン

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本記事の要点
  • 売りたいのに、売れない朝の話
  • 小型株ブームで見るべきものと、見なくていいもの
  • 流動性という言葉が、本当は何を意味しているか
  • 三つに分けて考える、超小型株との付き合い方

出来高という命綱を見落としたとき、何が起きるのか。売れない銘柄と付き合う前に、一度立ち止まるための話です。

売りたいのに、売れない朝の話

マーケットアナリスト
マーケットアナリスト
超小型株は出来高が薄く、5,000株売るだけで20%下落する銘柄も実在します。「下値で拾えない」前提で建玉を組まないと致命傷になります。

あの朝、画面の前で手が冷たくなった感覚を、まだ覚えています。

前日まで順調に伸びていた超小型株が、ストップ安に張り付いていました。板の売り気配には分厚い列。買い気配には、ほとんど数字がありません。

売却ボタンを押しても、約定しません。

当たり前でした。流動性、つまり日々きちんと取引が成立する量そのものが、もう消えていたからです。

この時私が学んだのは、値動きのことではありませんでした。「買える」と「売れる」は別物だという、恥ずかしいほど基本的なことでした。

あなたが今、超小型株のブームに心を動かされているなら、この記事は一度立ち止まるための材料になるかもしれません。

SNSで話題の銘柄、出来高が急増している銘柄、「次の10倍株」と語られる銘柄。それらが悪いとは言いません。ただ、同じ種類の罠が毎年繰り返されているのも事実です。

私自身、超小型株に飛びついて数十万円の授業料を払っています。勝率ではなく生存率で物を考えるようになったのは、そういう授業料の積み重ねがあったからでした。

この記事では、まず超小型株まわりのノイズとシグナルを仕分けます。次に、流動性という言葉の正体を解きほぐして、入り方と出方の設計を一緒に考えます。最後に、私が今も実際に使っているルールを、数字付きでお渡しします。

派手な話はありません。静かに生き残るための話です。

超小型株流動性リスク|失敗パターンと回避ルール
失敗パターン典型的な状況損失規模目安回避ルール
一日売り抜け不能1日出来高 = 自分の保有株数-15〜30%20日平均出来高の5%以下に建玉制限
ストップ安連鎖悪材料公表で売り板真空-25〜40%時価総額50億円未満は短期保有限定
仕手筋の餌食SNS拡散で出来高急増-30〜50%出来高急増銘柄は即時撤退ルール

小型株ブームで見るべきものと、見なくていいもの

超小型株の話題では、情報の大半がノイズです。

何も見るなと言っているのではありません。見るものを絞らないと、判断そのものが壊れるという意味です。

まず、無視していいノイズを3つ挙げます。

1つ目は、SNSで流れてくる「このコード番号、大口が入ったらしい」という噂。誘発する感情は、焦りと高揚です。乗り遅れたくないという気持ちが、冷静さを奪います。

正体不明の情報を根拠に動いた判断が、私は過去に一度も報われたことがありません。発信者の多くは、自分の持っているポジションを正当化するために話しているだけのことが多いです。

2つ目は、過去に大化けした銘柄との「似ているチャート」。人間の脳は、自分の願望に合うパターンを勝手に見つけます。1万銘柄もあれば、どれかには必ず似た形が現れます。似ているからといって、同じ結果になる保証はどこにもありません。

3つ目は、決算前や材料発表前の「仕込み時」という煽り。イベントで株価が動くのは事実です。ただ、そのイベントを当てに行くことと、流動性の薄い銘柄で当てに行くことは、別の賭けです。後者は、ほとんどギャンブルに近づきます。

次に、注視すべきシグナルを3つ。

1つ目は、1日の平均売買代金、つまり金額ベースで見た出来高です。株数だけ見ると株価の違いで比較できません。証券会社のツールかマーケット情報サイトで「売買代金」を確認してください。

毎日100万円しか取引されていない銘柄に、自分が100万円を入れたら、出た瞬間に自分が相場を動かす側になります。これが今日の記事で一番大事な数字で、次のセクションで深掘りします。

2つ目は、板の厚さです。気配値を何本か見て、買い気配と売り気配にどれくらいの株数が並んでいるかを眺めます。片側だけ分厚くてもう片側がスカスカなら、その方向にしか値が飛びません。

寄り付き前に一度板を見る習慣をつけるだけで、その銘柄の素性の印象が変わってきます。

3つ目は、浮動株比率と大株主構成です。流通している株が少ないほど、大口一つの売買で価格が荒れます。証券コードでIR情報を見れば、大株主上位10名の保有比率は分かります。

合計が80%を超えているなら、残り20%の世界で自分は動くのだという覚悟が必要です。

流動性という言葉が、本当は何を意味しているか

まず事実から始めます。

東証には数千の銘柄があり、そのうちかなりの数が、1日の売買代金が数百万円から1000万円程度に留まっています。

上場している以上いつでも売買できる、というのは建前の話です。現実には、自分の注文がそのまま市場価格を動かしてしまう規模の銘柄が、たくさん存在します。

ここからは私の解釈です。

流動性というのは、勝ち逃げできる権利のコストだと私は考えています。

買うのは簡単です。お金を出せば、値段がいくらでも約定はします。

難しいのは、自分が望むタイミングで、望む価格に近い水準で、まとまった数を売れるかどうかです。これができる状態のことを、流動性が十分にあると呼びます。

流動性の薄い銘柄は、上がっている時は最高の相棒です。少ない買いで値が飛ぶので、含み益が気持ちよく膨らみます。

ところが下がる時、まったく同じ仕組みが逆回転します。少ない売りで値が崩れ、売りたい人が売れば売るほど、次の人はもっと安くしないと売れなくなります。そして気配値が飛びます。

正直、ここは私も毎回迷う部分です。

上昇の勢いを見ていると、流動性のことは頭から消えます。目の前の利益を優先するように人間の脳はできているのだと思います。

だから私は、買う前に一つだけ機械的に計算することを決めました。

自分が今から入れる金額は、この銘柄の直近10日平均売買代金の何%に当たるか。

これが5%を超えていたら、自分は既に市場参加者の中で大きな存在です。つまり、自分の注文が値を作ってしまう側にいます。

この計算をした上で買うのと、しないで買うのとでは、その後の覚悟がまるで違ってきます。

読者の行動に落とすなら、こうです。

買う前に、出来高と自分のサイズを突き合わせてください。もし自分のサイズが平均売買代金の数%に収まらないなら、それは「投資」ではなく「市場を動かす行為」に近づいています。

ここで私が置いている前提も、はっきりさせておきます。

平均売買代金がそこそこ維持されている限り、ポジションを段階的に縮小する道は残されています。逆に、平均売買代金が急激に細っていく場合、この前提は崩れます。

具体的には、直近10日平均売買代金が、過去3か月平均の半分以下に落ちてきたら、私は撤退を検討します。この数字は、次のシナリオ分岐でも分岐条件として使います。

三つに分けて考える、超小型株との付き合い方

超小型株に手を出す時、私は必ず3つのシナリオを頭に並べます。

どれが来るかは分かりません。ただ、どれが来ても動けるようにしておく準備だけは、事前にできます。

シナリオA:ブームが続き、出来高も保たれる

発生条件は、平均売買代金が買った時の水準以上を維持し、板の厚みも崩れないことです。

やることは、段階的な利益確定です。一度に全部売らず、目標価格を3つくらい置いて、少しずつ減らします。なぜなら、天井を当てようとすると、私はほぼ必ず失敗するからです。

やらないことは、追加の買い増しです。含み益が出ているからといってサイズを増やすと、シナリオが裏返った時の打撃が倍になります。これは経験から得た戒めです。

チェックするものは、毎日の売買代金と板の気配。特に売買代金が前日比で急減し始めたら、ブームの熱が抜けるサインだと私は見ています。

シナリオB:ブームが終わり、流動性が干上がる

発生条件は、直近10日平均売買代金が過去3か月平均の半分以下に落ちること。またはストップ安が2日以上続くことです。

やることは、指値を使った段階的な撤退です。成行は使いません。成行は自分が見ていない価格まで約定する道具で、流動性が薄い時ほど最悪の結果を生みます。

やらないことは、反発を期待して待つことです。正確には、待つなら最初から決めたサイズと期限の範囲内で待つ、ということです。ずるずる持ち続けるのが、一番典型的な負けパターンだと私は思っています。

チェックするものは、板の気配と気配値の飛び幅。買い気配が何段も空いているなら、その銘柄はもう別の市場だと思ったほうがいいです。

シナリオC:判断がつかない、横ばいの時期

発生条件は、売買代金が減ってきたが暴落にもならず、横ばいが続いている状態です。

やることは、ポジションを半分にすることです。これは、どちらに転んでもダメージが半分で済む処方箋です。正直、私が一番頻繁に使っているのがこのカードです。

やらないことは、ナンピン買い下がりです。流動性の薄い銘柄でナンピンをすると、下がるたびに痛みが指数関数的に増えていきます。私は一度これで完全に身動きが取れなくなった経験があって、次のセクションでその話をします。

チェックするものは、ニュースフローと類似銘柄の動きです。同じテーマの他銘柄が先に下げ始めたら、自分のいる銘柄も遅れて下げることが多いです。

出来高という命綱を手放した、あの夏のこと

ここは正直、今でも書くたびに少し胃が重くなります。

何年か前、ある夏のことでした。世の中が新しい治療テーマで盛り上がっていた時期です。

SNSを開くたびに、関連銘柄のコード番号が流れてきました。そのうちの一つが、時価総額数十億円の超小型バイオ関連株でした。

私がそれを見つけた時、株価は既に2倍になっていました。

普通なら、2倍になった後から入るのは怖いはずです。でもその時の私は、「まだ10倍までなら8倍分あるじゃないか」と考えていました。恥ずかしい話ですが、本当にそう思い込んでいました。

チャートを見ると、きれいな右肩上がりでした。出来高も増えていました。

ここで私は、大事なことを一つ見落としました。

「増えた」と「十分にある」は別物だ、ということです。

平均売買代金を調べれば、1日3000万円から5000万円ほどでした。私が入れようとしていたのは、そこに100万円です。

100万円を3000万円の市場に入れることの意味を、私はきちんと理解していませんでした。頭では分かっていたつもりで、実感としては分かっていなかったのです。

金曜日の午後、寄り付きで注文を入れました。マウスをクリックする指が、少しだけ震えた記憶があります。浮かれていたのと、そのくせ奥のほうで不安があったのが、同居していました。

週明け、相場が動きました。

悪材料というほどのものは、正直、なかったと思います。ただテーマ全体の熱が、すっと抜けただけでした。

月曜日、寄り付きで10%下。火曜日、ストップ安に張り付き。水曜日、前場の途中から売り気配のまま。

売ろうとしても、売れませんでした。板の売り気配には、自分と同じことを考えた人たちの成行注文が積み上がっていました。

このとき私が感じたのは、恐怖よりも混乱でした。

売りたいのに売れない、という状況を、私は頭ではそれなりに理解していたつもりでした。実際に自分の資金がそこにある状態で体験するのは、まったく別の経験でした。

結局、水曜日の後場、かなり下の価格に大量の指値を置きました。そこでやっと、少しずつ約定し始めました。全部抜けた時、買値から見ておよそ60%下でした。

損失額そのものは、資産全体から見れば立ち直れる範囲でした。

ただ私が本当に痛かったのは、金額ではありません。

自分が買う時の判断と、売る時の判断を、まったくセットで考えていなかったことでした。

入口だけ見て、出口を見ていませんでした。もっと正確に言えば、出口は「いつでもあるだろう」と勝手に思い込んでいました。

間違いは、判断そのものではありませんでした。判断以前の、サイズの決め方と、流動性の読み方でした。

2倍になっていたからという理由で、「少しなら」と100万円を入れたこと。その100万円という金額を、市場の大きさに対して計算していなかったこと。

あの失敗以降、私はいくつかのルールを自分に課しました。

一つ目は、買う前に平均売買代金を必ず確認することです。10日平均と、3か月平均の両方を見るようにしました。

二つ目は、自分のサイズが10日平均売買代金の5%を超えるなら、その銘柄は「超小型株」として扱い、通常のサイジングより一段抑えることです。

三つ目は、買い注文を入れる前に、同じ銘柄の売り注文の発注シミュレーションを頭の中でやってみることです。「今これを売ろうとしたら、どう指値を置くか」を考えてから、買うようにしました。

これらのルールは、次のセクションでもう少し具体的な数字と一緒に、実践の形でお渡しします。あの夏に払った授業料から抽出したものです。

今でも、ストップ安に張り付いた板の画像を見ると、一瞬だけ指先が冷たくなる気がします。完全には消えない記憶です。

売れる状態で買うための、入口と出口の設計

ここからは、私が前のセクションの失敗を経て、今も実際に使っているルールを並べていきます。

そのままコピーしないでください。資金量もリスク許容度も生活環境も、人によって違います。ただ、自分のルールを作る時のたたき台にはなると思います。

資金配分のレンジ

私は、超小型株に割り当てる資金を、リスク資産全体の5%から15%の範囲で動かしています。

ブームの入り口、つまりテーマがまだ一般化していない段階では、15%寄り。ブームが既に広く知られた後、つまりSNSで毎日見かけるようになった段階では、5%寄りです。

遅れて入るほどサイズを落とすのが、基本の考え方です。早く入れば安全というわけではありませんが、遅く入って大きく張るのは構造的に分が悪い、と私は見ています。

さらに、1銘柄あたりの上限は、リスク資産全体の3%までと決めています。超小型株で3%を超えると、その1銘柄の動きだけで全体のパフォーマンスが歪んでしまいます。

建て方と分割のしかた

超小型株では、一括で建てないのが私の鉄則です。

目安は3回から5回の分割、間隔は1週間から3週間ほど。

なぜ分割するのか。一括で入ると、翌日から下げた時に身動きが取れなくなるからです。分割しておけば、1回目が下がった時に2回目を見送る、という判断ができます。

間隔を開けるのは、自分の興奮を冷ますためでもあります。買った直後は、誰でも自分の判断を正当化したくなるものです。1週間空けると、少しだけ冷静に眺められます。

この時、2回目以降の買い増しは「下がったから買う」ではなく「当初の見立てが崩れていないから買う」という基準にしています。値段が下がっていても、見立てが崩れていれば見送ります。

撤退基準の3点セット

ここが、今日の記事で一番お伝えしたい部分です。私が絶対に省略しないのが、この3点です。

価格基準として、直近20営業日の安値を明確に割り込んだら、少なくとも半分を降ります。「明確に」というのは、終値で1%以上下に抜けた状態のことです。日中の髭で触っただけでは、動きません。

時間基準として、買ってから4週間経っても、当初想定した方向に動かないなら、一度降ります。動いていないということは、見立てが間違っているかタイミングがずれているかのどちらかで、持ち続ける合理性は薄いと考えています。

前提基準として、前のセクションで置いた前提、つまり平均売買代金が過去3か月平均の半分以下に落ちた場合、私は機械的に撤退します。ここには感情を挟みません。流動性が細った状態で持ち続けるのは、私が夏に体験した地獄への入り口だからです。

この3つのどれか一つでも発動したら、まず半分を降ります。二つ発動したら、全部降ります。

判断に迷った時の、たった一つの処方箋

投資リサーチャー
投資リサーチャー
流動性チェックは難しくありません。20日平均出来高の5%を超えるロットは持たない、というルールだけで失敗の8割は防げます。

判断に迷ったら、ポジションを半分にしてください。間違えてもダメージが半分になります。迷いは市場からのサインです。

この一文だけでも、持ち帰ってもらえれば十分だと私は思っています。

サイズ計算の具体例

言葉だけだと分かりにくいので、計算例を一つ置いておきます。

ある超小型株の10日平均売買代金が2000万円だったとします。

私の基準では、自分のポジションが10日平均売買代金の5%を超えると、「市場を動かしうる存在」として扱います。

2000万円の5%は、100万円です。

つまりこの銘柄に100万円以上入れるなら、撤退時には複数日に分けて指値で抜ける計画を、買う前から立てておきます。一日で全部抜けるつもりでは、動けなくなる可能性が高いからです。

もしこれが売買代金500万円の銘柄なら、5%は25万円。つまり、その銘柄への参加そのものを、25万円以下で考えるということです。

この計算を事前にやっておくかどうかで、その後の運用がまったく変わります。

「小型株こそ大化けするのでは?」という問いについて

この記事を読んで、「でも超小型株こそ10倍株が出るフィールドでは?」と感じた方もいると思います。

その指摘は、もっともです。

事実として、株価が10倍、20倍になる銘柄は、時価総額の小さい銘柄から出ることが多いです。大型株が10倍になるのは、構造上かなり難しいです。

ただ、ここで二つの条件を切り分ける必要があります。

小型株から大化けが出るのは、「小型株という母集団全体」の話です。数千銘柄ある中で、一握りの銘柄が10倍になる、という確率の話なのです。

自分が選んだ1銘柄が10倍になる確率は、その母集団全体の確率とは、まったく別物です。

私はここを長い間、無意識に混同していました。

もう一つの条件は、流動性です。大化けする銘柄の多くは、上昇の過程で流動性が増えていきます。大化けの結果として、売買代金が増えるのです。

問題は、上昇する前の段階ではどの銘柄が大化けするか分からず、上昇した後では既にかなりの人が入っていて、そこからさらに大きなサイズで入るのは難しい、という順序にあります。

だから、小型株で10倍を狙うこと自体を否定したいわけではありません。

狙うなら、一つの銘柄に資産の大きな割合を賭けない。小さなサイズで、複数銘柄に分散して、長期で構えられる資金で行く。負けても立ち上がれる範囲で参加する。

この条件を満たせるなら、小型株への参加は合理的だと私は思います。

満たせないまま一点張りに行くのは、宝くじに似た賭けに近づきます。宝くじが悪いわけではありませんが、宝くじで老後を賄おうとはしないのと同じ話です。

超小型株を触る前に確認する、7つの問い

以下の問いに、今すぐYes/Noで答えてみてください。スクショして残しておくのをおすすめします。

  1. 直近10日平均の売買代金を、金額ベースで把握していますか

  2. 自分が入れようとしているサイズは、10日平均売買代金の5%以内に収まりますか

  3. 上位10名の大株主の保有比率の合計を、調べましたか

  4. 今買おうとしているサイズをストップ安3日の状況で売る場合の手順を、頭の中でシミュレーションしましたか

  5. 撤退の価格基準を、数字で決めていますか(「下がったら」ではなく「○○円を割ったら」のレベルで)

  6. 撤退の時間基準を、週数で決めていますか

  7. この銘柄を持つ前提が崩れる条件を、具体的に言えますか

Yesが5つに満たないなら、一度手を止める材料になります。

今の自分に、三つだけ聞いてみてください

答えられなかったこと自体が、気づきになります。

一つ目。あなたの今のポジションは、最悪のシナリオ、つまりストップ安が続いて結局6割下で売ることになった場合、資産全体の何%の損失になりますか。

二つ目。その損失が実現した時、あなたの生活や精神状態はそれに耐えられますか。耐えられない金額を賭けていないか、という確認です。

三つ目。なぜその銘柄を今、そのサイズで持っているのですか。理由を他人に5分以内で説明できますか。説明できないなら、その判断はあなたのものではないかもしれません。

私が超小型株で守っている、5つの短いルール

  • 買う前に、10日平均売買代金を必ず金額ベースで見る

  • 自分のサイズが5%を超えるなら、通常より一段抑える

  • 一括で買わず、3回以上に分割して建てる

  • 撤退の価格・時間・前提の3点を、買う前に数字で決めておく

  • 迷ったら半分。これが私にとって最強の処方箋

自分のルールは、自分の失敗からしか作れない

最後に、ルールの作り方について少しだけ触れます。

私のルールは、最初から完成されていたわけではありません。

最初は誰かの本で読んだルールをそのまま使っていました。機能するものもあり、機能しないものもありました。

機能しなかったものは、自分の資金量や生活環境、精神的な耐性に合っていなかったのだと、後から気づきました。

今の私のルールは、失敗、仮説、検証、採用、という流れを何度も繰り返して残ったものです。

あの夏の失敗があって、「サイズと流動性をセットで見る」という仮説が生まれました。その仮説をその後の取引で意識的に使い、何度か検証した上で、今のルールに落としました。

大事なのは、ルールをそのままコピーしないことです。

私のサイジング(10日平均売買代金の5%まで)も、撤退基準(20日安値割れで半分降りる)も、私の資金量と性格と時間軸に合わせたものです。

あなたの資金量が私より少ないなら、もっと保守的に設計する必要があるかもしれません。多いなら、別の設計が合うかもしれません。

大事なのは、数字で決めておくことです。「下がったら売る」ではなく「○○を割ったら半分売る」。「サイズを抑える」ではなく「5%以内にする」。

数字で書いておけば、感情が混ざった瞬間にも参照できます。参照できるルールだけが、機能するルールだと私は思っています。

自分のルールは、自分の失敗からしか作れません。

だから、小さな失敗を大きな失敗の前に積んでおくのが、一番の投資になると私は思っています。

明日の朝、スマホを開いたら最初に見るもの

今日の記事で伝えたかったことは、三つに絞るとこうなります。

一つ目。買えることと売れることは別です。上場していることは、いつでも希望価格で売れる保証ではありません。

二つ目。流動性は、勝ち逃げできる権利のコストです。薄い市場に大きなサイズで入るほど、このコストは高くなります。

三つ目。超小型株に手を出すなら、入口の前に出口を決めてください。価格基準、時間基準、前提基準の3点セットで。

明日スマホを開いたら、一つだけ確認してほしいことがあります。

今持っている、あるいは今買おうとしている超小型株の、直近10日平均の売買代金です。証券会社のアプリでもマーケット情報サイトでも、調べれば5分で分かります。

その金額と、自分のポジションサイズを並べて見てください。

もし自分のサイズが10日平均売買代金の5%を超えているなら、あなたは既に「市場を動かしうる参加者」になっている、というサインです。

サイズを落とすか、少なくとも撤退計画を今日中に立てておくか、どちらかをしてください。

超小型株のブームは、また来ます。毎年、名前を変えて現れます。

その時にうまく付き合えるかどうかを決めるのは、銘柄選びの才能ではありません。出口の設計を入口の前にどれだけ真剣にやったか、だけです。

派手な話はできませんでした。ただ、画面の前で手が冷たくなる朝を一人でも減らせたなら、この記事を書いた意味はあったと思っています。

本記事は投資助言を目的としたものではありません。 記載された内容は筆者個人の見解であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。


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この記事を書いた人

「日本個別株デューデリジェンスセンター」運営者。日本の個別株に特化した投資リサーチを専門とし、銘柄分析・企業デューデリジェンス・業界動向・IPO分析を中心に2,800本超の分析レポートを執筆。ファンダメンタルズ分析とデータドリブンなアプローチで、個人投資家の意思決定をサポートしています。毎日更新の分析レポートを通じて、プロ水準のリサーチを個人投資家に届けることをミッションとしています。

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